遠田潤子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大阪ミナミの旧家の医者の息子と言っても70歳を超えてるんだけど、大分の日田の兄からハガキが届く。
二人の父は戦争帰りで命の恩人の娘と兄が許嫁となる。結婚式の日、弟と娘が駆け落ちしていた。連れ戻された娘と兄は結婚するが5年後に嫁と娘と義父を巻き添えにした無理心中をはかり、死にきれずに刑期を務めた後、日田で暮らしていたようだ。
70歳を超えた弟が最愛の女を殺された恨みを晴らすために思い出の日野のコンテッサに乗って兄を殺しに旅立つ。このコンテッサがニコイチの悪徳車で売った店の元店長がついてきたり、病気だったり、その恋人が現れたり、クネクネしながら最期に向かう。
そして兄は既に死んでおり、無理心中というより妻の精神混乱による殺人の濡れ衣を自ら買っていた事がわかる。
生きるとは、血筋とは、恨みとは、なんだか難しい話が飛び交いながら終わっていく。 -
Posted by ブクログ
堀尾葉介という1人の芸能人を軸にして紡がれる短編集。と同時に、堀尾葉介自身の物語として成立する長編小説でもある。悔恨と愛憎と狂気が混在する世界観ではあるが、くるんでいるオブラートが厚すぎて、どれも少しばかりきれいすぎるのが物足りない。それでも登場する映画のタイトルが知っているものばかりだったのは幸運だった。特に真夜中のカウボーイとスカーフェイスは大好き。そして中島みゆきさんの船を出すのなら9月も好きでした。それにしても遠田さんって、本当にストーリーテラーですよね。
でも本音は、それまで美しかった短編の世界観が、最終話でもっと劇的に醜く姿を変える様が見たかった。次も期待しています。