遠田潤子のレビュー一覧
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堀尾葉介という1人の芸能人を軸にして紡がれる短編集。と同時に、堀尾葉介自身の物語として成立する長編小説でもある。悔恨と愛憎と狂気が混在する世界観ではあるが、くるんでいるオブラートが厚すぎて、どれも少しばかりきれいすぎるのが物足りない。それでも登場する映画のタイトルが知っているものばかりだったのは幸運だった。特に真夜中のカウボーイとスカーフェイスは大好き。そして中島みゆきさんの船を出すのなら9月も好きでした。それにしても遠田さんって、本当にストーリーテラーですよね。
でも本音は、それまで美しかった短編の世界観が、最終話でもっと劇的に醜く姿を変える様が見たかった。次も期待しています。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「二度目の恋」でらなく、「二周目の恋」って何? と思いながら手にとった。
恋愛小説のアンソロジー。
同じ人にもう一度恋をする、というより、過去の恋の色んなものを乗り越えて、振り出しに戻って新しい恋をスタートさせる、というイメージかな。だからといって、すべての話がそうとは決まっていない。
もうすでに「付き合ってる」ような感じだけど、明確にするために頑張る女子大生や、結婚を経験したのちに自分らしい恋愛をする女性。脱皮して一回り大きくなった人たちが出てくることは間違いない。
昔は居心地が良かったけど、新しい世界で生きていると、なんだか昔のことを違う視点から見られるようになっている、なんてことはよく -
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歌詞のない旋律を母音のみで歌う歌手として絶大な人気を誇る実菓子
実菓子は人間じゃない人間じゃない、外道だ!
容姿は吐き気がするほど美しい
その声も
まさに、美しいカラヴィンカ、迦陵頻伽だ
そんな実菓子が自伝を出すことになり、そのインタビューの相手として選ばれた多聞
二人は幼い頃同じ家で育ち、実菓子の夫は多聞の亡兄
インタビューのために多聞と実菓子は回想に入る
さぁ、ここから遠田ワールドの始まりだ!
いつの時代かと思わせる村社会のしきたりに、時代錯誤の家父長主義、妻妾同居
モラハラで暴君の父
我が物顔に振る舞う女
黙って耐える家族
無視される多聞
そして起きる事件
どんどん出てきます