遠田潤子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自分的に、この作風が若干食傷気味になってきてしまってるんかな?確かに、毎回同じものばかり書かれても飽きてくるし、作者的にも違ったものを書きたいという思いもあるだろうし、そういう意味では、望みどおりのものが出てくることなんかないだろうし、それはそれでつまらん。リーダビリティの高さは相変わらず圧倒的ながら、今までに読んだ数作と、同じレベルで本作を好きになれなかったのは、おそらく主人公への反感かな。抱えている闇が深いとはいえ、相当な凶悪犯罪者やからね、これ。別に飽くが主人公だから気に入らんなんてことを言ってるんじゃなく、それに対する周囲の穏やかな眼差しが理解出来ん。まあ、病んでる人たちを上手く描くって意味では、本作も、作者の力量が十二分に発揮されたものには違いないけど。
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Posted by ブクログ
デビュー作から注目していたものの、あまりの昏い破壊力に、自分の気力が負けそうで、気になりながらしばらく手に取っていなかった遠田潤子さん。
が、近作で爽やかさをまとうようになったと知り、読んでいなかった過去作品を遡って読むことにした。
撃沈…
なんという絶望、悪意、閉塞感。
善意の人の好意すら受け止めることのできない、大きな欠落を抱えた、傷つきすぎた心。
それでも、泥の中から美しすぎる蓮の花が咲くように、そんな心にも、咲く花があるのだろうか。
くらくらしながらも、ぐいぐい読まされてしまう力は、やっぱりすごい。
読後しばらく、リハビリが必要になった。
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Posted by ブクログ
身勝手に思える行動も男の性なのだと同性だからか擁護してしまう。男にとって初恋とは一生忘れられない特別な宝物なのだ。だから許してもらえるとは思わないが・・・。個人的にはとても好きな作品でした。
あらすじ(背表紙より)
交通事故で唯一の肉親である父を亡くした、大学生の片瀬在。尊敬する父の「弔いごと一切不要」という遺言に戸惑いつつも、その通りにすませた。しかし、生前は立入禁止だった父の書斎で遺品整理をはじめた矢先、全く知らない女性と自分の名が書かれた母子手帳を見つけてしまい、激しく混乱する。父は一体何を隠していたのか――在は主を亡くした書斎で、まるで葬儀を営むかのように、父親の本当の姿と向き合っていく。単行本『お葬式』を改題。ラストは希望溢れる感動長篇、待望の文庫化。 -
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13回目の結婚記念日もやっぱり三人で過ごした・・・
不妊治療を始めて10年、「子を産めない」ただそれだけで、義母からも夫からも虐げられ、人間として認められなかった千穂。
夫が車で起こした事故を身代わりとなって解決しろと言われた千穂は、被害者である高山透と出会う・・・
遠田さん、やっぱり期待を裏切りません。「雪の鉄樹」に勝るとも劣らない重さ、切なさ、やるせない思い。。。
ただ、賢治の真実を知りたいという思い、その妻の母としての正義が、周りのみんなを不幸にしたような気がして、正義って諸刃の剣だなとつくづく感じます。
不妊、虐待、無戸籍、算数障害(ディスカリキュリア)、虐め、、、様々な問題がこれでもかというほど襲寄せて来るのに、社会派小説と感じさせないのは、登場人物の気持ちが丁寧に描かれ、それぞれの立場に自然に寄り添えるから。
犯罪を犯してしまう人物も、あ~このまま捕まらないで幸せに暮らしてほしいと願ってしまう。
これほど重い内容であっても、読後には蓮の花開く美しい光景と共に思い出されるのが救いでした。 -
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青川恭子は自宅の庭をいろいろな種類のバラで埋め尽くし、バラのゲートを作り、バラ教室を開いている。
家の中はチリ一つなく徹底した掃除を日々の務めとする。夫の誠一は大手ゼネコンで地方のダム建設に忙しいエリート会社員、単身赴任が多く先々で女を作り、今も不倫を続けている。
息子の英樹は大会社を辞め建築事務所を始めて、やり甲斐のある仕事が軌道に乗ってきている。彼は高所恐怖症だ。妻の美沙も共働きで北欧風の建築用タイル販売の仕事に充実した日々を送っている。母の影響もあり、人に頼らない自立が信条だ。美沙が初めて妊娠をし、五ヶ月になりお腹の子が男であることがわかる。
義母の恭子は「バラ婦人」の生活を送っていたが、美沙が仕事中倒れたことを契機に、その関心を生まれてくる孫に切り替えバラ教室もやめる。
孫用の育児書、用品、服などの送付から始まり、二人の住まいに押しかけて家事代行や美沙の行動規制など、お節介や干渉で美沙夫婦を悩ます。
ついに孫の安全のためと実家の一室に美沙を幽閉するまでになる。
傍観者誠一の不倫の別れ話もあり、英樹の妹玲子とその恋人鍵職人完も登場し話は錯綜して急展開する。
そこで、恭子の生い立ちが回想される。
団地住まいのサラリーマンの父が他の女に入り浸り、虐待される母親がその鬱憤を娘の恭子に向ける。
子供が息子でなく娘であった恨み、貧困生活のなか病的な清掃癖で娘の異性への接触を「いやらしい」と嫌悪する。極端な始末と潔癖の強制など意地の悪い虐めの日々‥。自分と同じ不幸の予言を繰り返す。
そんな恭子が誠一との結婚で解放され、英樹が生まれて初めて幸福な生活を送る。しかし次男和宏を育児中事故で死なせてしまう。孤独な恭子は精神を病み、英樹が原因であったことを忘れさせるため観覧車の中で誓わせ、知っていた母を見殺しにする。
英樹はそのことを後で知る。
・・・・。
バラの高踏趣味の世界を突き破っておどろおどろしい話が重奏する。子供の頃の『ベルサイユのバラ』の憧れとトラウマが、初孫の懐妊で今を苛む悲惨な過去を呼び覚ます。話題や事件に満ちたサスペンスは読み手の気を逸らさずハラハラさせる。
出来事のあらましに忙しく物語の深さが物足りない。それが想像を巡らす読む楽しさを削いでいる。
主婦だった作者が描く渾身の長編小説だ。
遠田潤子の作品、読むのは二作目だが『緑陰深きところ』より面白かった。 -
Posted by ブクログ
売れない芸人を続ける娘、
夫の隠し子疑惑が発覚した妻、
父と血のつながらない高校生…
大阪・ミナミを舞台に人のあたたかさを照らす
5つの群像劇。
各話の主人公は違えど、物語全体には
実の姉妹、チョーコとハナコの漫才コンビ
「カサブランカ」が話の主軸にいる。
1995年〜昨年の大阪万博が開催された
2025年までを描き、
およそ30年の物語が紡がれていく中で、
チョーコとハナコの人物像が分かっていく。
とくに父と血のつながらない高校生のお話で、
チョーコとハナコがそれぞれ高校生に伝えた
「親は愛情で子供を壊せる」
「一笑すれば千山青し」
この2つの言葉がとても印象に残った。