【感想・ネタバレ】蓮の数式のレビュー

あらすじ

35歳のそろばん塾講師・千穂は不妊治療を始めて10年。夫と義母からの度重なる嫌味に耐え続けてきた。ある日、夫の運転する車がひとりの男と接触してしまう。「金で解決しろ」と事故の処理を押し付けられた千穂は、男の不可解な行動を見て算数障害なのではないかと気づく。男の苦悩を理解し手をさしのべようとする千穂だったが、その行動を訝しみ嫉妬する夫は、異常な行動に出て千穂を追い詰める。これまで抑えてきた感情を一気に爆発させた千穂は、ある事件を引き起こしてしまうのだった――。愛を知らない男と愛を忘れてしまった女の逃避行がはじまる! 文芸評論家たちから絶賛の気鋭が放つ最新長篇。

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Posted by ブクログ

結婚して10年不妊治療をしながら義母と同居の千穂

事あるごとに不妊を理由に嫌味を言われる

結婚記念の食事の帰りに夫が帰りに人を車で轢く

そして男とコンビニで出会いそろばん塾を開いている千穂はそろばんを教えることにする

男は透といい計算ができず数字が苦手だった

夫と喧嘩をして義母と争いになり義母を階段から落ちてしまう

透の元にいった千穂2人は一緒に逃げる

そして透が偽名である事そして殺人事件に関わっていた

2人を中心にいろんな人の見えていなかった過去などが見えてくる

見えていて思っていたわかっていたと思っていて違う一面があった人々

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2024年03月19日

Posted by ブクログ

すごく重い作品だったが読み終わりたくない作品でした。それ程に主人公の麗に感情移入してしまう読後もスッキリしませんが読んでよかったと思う作品でした。

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2023年06月28日

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【ネタバレ】マザコン夫と義母を疎ましく思う女と算数障害に悩む男の逃避行。ラブロマンスとしてもミステリとしてもきちんと両立している傑作。読後感は必ずしもさわやかではないのですけれどそれもまたよし。識字障害は知ってましたが算数障害は知りませんでした。

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2016年03月03日

Posted by ブクログ

算数障害物(ディスカリキュリア)と無国籍
二つの原因が絡み合って、27年間果てのない苦しみに縛られてきた透

結婚して13年 、子を産めなかったと理由だけで、夫と義母から一度も人間として認めてもらえなかった千穂

あることがきっかけでふたりは出会い、愛を知らない男と愛を忘れてしまった女の逃避行がはじまる

なぜ命に価値があるのか
なぜ生は善いことで、死は悪いことなのか
命の大切さなんて当たり前のことのように言うけど、それを知らないものにとっては当たり前じゃない

人を殺しながら生き続けた、逃げ続けた暮らしに幸せはおとずれるのか
蓮のつぼみが朝日の光の下、笑うように、嬉しそうに花弁を開くのだろうか


初読みの遠田さん
苦しい、辛い、重い話が多い作家さんみたいだけど好きかも…

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2023年12月16日

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面白かった。
けど重い、暗い。
遠田潤子さん、4冊目だけど全部そう。

重いし、性描写が強いのが苦手。
ダークすぎて人にお勧めできない。
そこが無ければなぁ。

作品は面白いんだけど、
もう当分、お腹いっぱいです。
爽やかなの読みたい。

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2023年11月19日

Posted by ブクログ

長い不妊治療と子なしをいたぶる姑、愛のない行為、抑圧された結婚生活。
ディスカリキュア数字障害と無国籍、いじめと無関心。
親切という名のお節介を通り越した善意の押し付け。
親から必要とされていない寂しさをどこで解消するのか。
肉体の距離感と精神のつながり。
産めば満足?
物凄く濃ゆい問題のカオスが最後は澄み渡った感じ。
人間って難しいね。揺れ動く。人の気持ちは分からない。でも信じたい。守りたい。蓮の花をベースにする事でドロドロの内容が浄化されるイメージが持てているのか。

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2020年08月03日

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このストーリーはなかなかキツい。世の中には普通では分からない病気がある。そういう知識がないと、その人を救おうと一生懸命になればなるほど話は複雑化する。却って追い詰めてしまい皆んなが不幸になるかもしれない。

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2018年07月31日

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ネタバレ

10年間不妊治療をしている主人公・安西千穂。高圧的な夫、口うるさい義母、精神的に追いつめられた千穂と高山透との運命の出逢い。透が送ってきた人生があまりに痛ましい。お互いを補い合える二人が出逢ったのはまさに運命。哀しい結末、ラスト、事件から二年後、恵梨の近況と心情が描かれているが、それより千穂の心情を知りたかった。

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2018年07月01日

Posted by ブクログ

こんなヒドイ夫や姑との生活によくも耐えたものだ。
大体、夫婦のことにそれ以外の人が口出しすること自体おかしいと思う。姑が一緒でなければ、もっと早くにこのおかしな生活に気づけたのかも。
逃げ出すことは正解だと思うけれど、その手段はちょっとね〜。それほど追い詰められていたということか。
自分のことを受け入れてくれる人がいるということが心の支えになるのかもしれない。

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2018年04月29日

Posted by ブクログ

遠田さんの作品は初めて。どこまでも重いという噂通り、救いがほとんどない。殺人を犯した犯罪者の逃避行という点では「悪人(吉田修氏)」と通じるところもある。いろんな社会問題を織り交ぜていて、筆力はあると思うので、これから少しずつ読んでいきたいな。

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2018年04月04日

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婚家で虐げられ孤立する女、周囲誰にも心を開かない男。
2人は出会い、逃避行が始まる。
終始重い。息苦しい。
でも、読むのを止められない。
憑かれた様に読み進む。
読む前に心配した、〝盛り込みすぎ?〟と言う思いも杞憂に終わる。全てきちんと回収されていた。

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2017年12月25日

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13回目の結婚記念日もやっぱり三人で過ごした・・・
不妊治療を始めて10年、「子を産めない」ただそれだけで、義母からも夫からも虐げられ、人間として認められなかった千穂。
夫が車で起こした事故を身代わりとなって解決しろと言われた千穂は、被害者である高山透と出会う・・・

遠田さん、やっぱり期待を裏切りません。「雪の鉄樹」に勝るとも劣らない重さ、切なさ、やるせない思い。。。
ただ、賢治の真実を知りたいという思い、その妻の母としての正義が、周りのみんなを不幸にしたような気がして、正義って諸刃の剣だなとつくづく感じます。
不妊、虐待、無戸籍、算数障害(ディスカリキュリア)、虐め、、、様々な問題がこれでもかというほど襲寄せて来るのに、社会派小説と感じさせないのは、登場人物の気持ちが丁寧に描かれ、それぞれの立場に自然に寄り添えるから。
犯罪を犯してしまう人物も、あ~このまま捕まらないで幸せに暮らしてほしいと願ってしまう。
これほど重い内容であっても、読後には蓮の花開く美しい光景と共に思い出されるのが救いでした。

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2017年03月20日

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この売女め!…今時そんなこと言わへん言わへんなどと突っ込みどころ満載ながら不思議な魅力を醸し出すノスタルジックハードボイルド。
そのままのノリで言えばどん底の不幸を背景にした愛と憎悪のコングロマリット、定番のDVやネグレクトだけでなく新手のディスカリキュアの合わせ技も忘れていない怒涛のエンタテインメントは新世界辺りのサービス定食なみの盛りの良さ。
その心遣いは嬉しいのだが最近ちょっと食いきれへんのも事実、あれもこれもじゃなくて主人公にどっぷり入り込み陶酔できるような孤高の一品を期待したい遠田ファンでありました

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2019年01月25日

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蓮の数式
遠田潤子さん。

なんなんだー。
と思いながら、
どんどん読み進んでしまった。
いろいろな事柄が、
最後には、収まって終わった。
登場人物の気持ちには、
なれなかったけど。
面白かった。

#遠田潤子

#ミニチュアダックスフンド#犬#犬バカ部#犬好き#犬部

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2018年04月18日

Posted by ブクログ

デビュー作から注目していたものの、あまりの昏い破壊力に、自分の気力が負けそうで、気になりながらしばらく手に取っていなかった遠田潤子さん。
が、近作で爽やかさをまとうようになったと知り、読んでいなかった過去作品を遡って読むことにした。

撃沈…
なんという絶望、悪意、閉塞感。
善意の人の好意すら受け止めることのできない、大きな欠落を抱えた、傷つきすぎた心。
それでも、泥の中から美しすぎる蓮の花が咲くように、そんな心にも、咲く花があるのだろうか。

くらくらしながらも、ぐいぐい読まされてしまう力は、やっぱりすごい。
読後しばらく、リハビリが必要になった。

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2017年12月06日

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