遠田潤子のレビュー一覧

  • 蓮の数式(分冊版) 【第14話】

    ネタバレ 購入済み

    算数障害って

    まだ読んでる途中ですが大西麗の人格がどのようにして出来上がってきたか千穂と転々と旅をしながら徐々にわかってきます。生まれつき算数障害があるなんて悲しすぎる。まだせめて親が気付いて学校に通わせてたら人生が全然違ったかもしれません。そう思うとやりきれないです。

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    2021年09月19日
  • 雪の鉄樹

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    物語は、事の真相が全くわからないまま、半ば以上まで進む。主人公はひどく屈折した愚直な男性で、終始イライラさせられっぱなし。もう読み進めるのを止めようか?と思ったあたりで、急速に一つ一つが明らかになってゆく。その引っ張り加減が絶妙で、結局最後まで読まされてしまった。
    正直、人に薦めたくなる作品ではないし、誰にも共感できない。だが、棘のように刺さる。妙に忘れ難い。
    煩悶、懊悩する人々に、自身が重なるようになり、まるでロシア文学を読んでいるように感じた。
    人間とは、文学でどこまで深く潜っていけるのか?作者の挑戦心のようなものを感じた。
    心に余裕があるときに一読を。

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    2021年08月17日
  • オブリヴィオン

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    オブリヴィオン=忘却と赦し。赦されざる罪を犯した男に救済は訪れるのか。闇の中でもがき生きる人間の痛みと希望を描く長編小説。
    遠田作品の男たちは本当に生き方が不器用だ。咎を抱えて生き続ける、それは決して笑うことのない人生である。胸を締めつける展開ばかりだが、常に小さな希望は見え隠れする。その加減が、この作者は巧い。

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    2021年06月16日
  • 冬雷

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    読んでいて、いつの昔のストーリーかと思った。携帯電話が出てくるので現代の話とわかるが、主人公の古臭い名前や因習に縛られた昭和前半の話のようで楽しめなかった。

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    2021年04月28日
  • あの日のあなた

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    遠田さんの作品は、「月桃夜」、「アンチェルの蝶」と読んできての、この作品ですが、何となく共通点というか、伝えたい事が見えてきた気がしました。

    人生には、楽しいことだけではなく、辛いこと、苦しいこと、やるせないこと等も存在すること。そして、それに向き合わなければならない。遠田さんの作品は、とても辛いことの方が多いのだけど、その中でも数少ないが、強く在り続けるひかりのようなものが、生き続けていれば見えてくること。そこに、辛い現実を生きてきた甲斐があったなと、思えるような素晴らしさ。この作品では、あたらしい世界ということになるのでしょうが、家族の在り方について、色々考えさせられました。

    家族とい

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    2021年03月08日
  • 蓮の数式(分冊版) 【第1話】

    ちょっとしんどい

    主人公は、子供が産めないことで夫と義母にないがしろにされ続けるのですが、それも読んでいてきついのですが、夫のあまりにも自分勝手な感じ(潔癖症?不潔症っぽいところ)と、えらそうな義母、わたし的はちょっと読むのがしんどいです。絵もきれいで気になっていた作品だったのではありますが・・・。

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    2021年02月16日
  • 冬雷

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    ネタバレ

    第一回未来屋小説大賞受賞作
    圧倒的な筆力で人間の激情を描ききった

    先が気になり、寝不足になりながら読み進めた。そういう意味では、帯の通り「圧倒的な筆力」なのだろう。
    そして、読後感も悪くはない。ずっと続く重く暗い雰囲気と、旧い因習にとらわれた小さな田舎町の人々の陰湿さと、読んでいて重たくなる一方の気持ちだが、最後は少し救われる。

    評価をそこまで高くしなかったのは、個人的には、
    これを現代の話の設定としては入り込めなったことと、なぜ倫次が愛美をそこまで好きになり(年の差も含めて)、甥っ子を殺めてしまったことを隠すことまでしたのか、徐々に事実が明らかになればなるほど、納得や共感よりも、なぜ?と

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    2021年01月20日
  • 冬雷

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    辛い物語だった。
    因習とは、そんなにも強く人々を縛るものだろうか? 「自分たちの代で習慣を変えるのが怖いのよ」と言っていたが、そんな理由では弱い気がする。

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    2021年01月18日
  • オブリヴィオン

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    202008/設定や人物、展開など今作も遠田先生ならではの世界観・空気感で、胸が痛くなりつつも堪能。やはり全作追いかけたい作家さんだな。

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    2021年01月03日
  • 蓮の数式

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    自分を大切にしてくれない夫と義母の生活にぷつんと切れた妻の逃避行。逃避行の相手は闇を抱えた男。登場人物みんなに悲しい過去が…。

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    2020年12月14日
  • 冬雷

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    ありえない、マニアックな設定の小説だな。と最初は思いましたが、どんどん引き込まれました。前に読んだ、雪の鉄樹もわりと暗い感じ。たまに浸りたい世界間。暗いよ!

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    2020年10月21日
  • オブリヴィオン

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    ネタバレ

    銀花の蔵の遠田さんの一冊。
    あらすじが気になってチェック。
    とある事情から妻を殺した森二の出所から物語が始まる。
    大切な人を殺した男が主人公という設定で、開始から既に救われない感じ。
    最後には救いのようなものが感じられて良かった。
    傷を抱えながらそれでも進んでいく。その姿がとても痛々しかった。

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    2020年08月30日
  • カラヴィンカ

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    歌詞のない旋律を母音のみで歌う歌手・実菓子の自伝インタビューに指名された青鹿多聞。二人の繋がりは哀しくも壮絶な過去にあった。徐々に明らかになる真実が解き明かされた時、新たな事件が起こる。
    ちょうど映画の横溝正史・金田一耕助シリーズを再見していたので、本作の没落した旧家の雰囲気や因習、呪われた血の因縁やタブー等の雰囲気にはまった。ただし、登場人物全員に感情移入出来ないのは、読み進めるのが辛い。

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    2020年08月09日
  • 冬雷

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    設定や筋立てはおもしろいけれど、
    生理的にダメ、不快。
    最後の一行では救われず。
    そもそも、ミステリーは得意ではないけれど。

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    2020年07月19日
  • 冬雷

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    因習に縛られた古い港町の名家に、跡継ぎとして引き取られた孤児の代助。家族や恋人ができ、幸せに暮らしていたが、幼い義弟の失踪が原因で町を出ていくことになった。12年後、義弟が遺体で発見されたという訃報が届き…。

    2018年日本推理作家協会賞候補作(落選)。「因習に縛られた」という表現以外に見当たらないほど特殊な田舎社会の特殊な事件が描かれる。昭和臭がプンプンの作品だった。
    (Ⅽ)

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    2020年06月21日
  • オブリヴィオン

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    初・遠田潤子さん。
    ざっくり、生まれ育った悪環境から抜け出すのは容易ではないという重いお話。

    森二一家は父親のギャンブル狂いで家庭崩壊。
    兄の光一とノミ屋を生業としていた森二は、ある事件で将来の義兄となる圭一と出会う。
    圭一は良家の育ちの大学院生で温厚な人物。
    森二に人生をやり直す機会を与えてくれた。
    共に応援してくれた妹の唯と結婚し娘にも恵まれた。
    なのに、なぜ唯を殺したのか。
    それはそれは複雑に絡まり合った不運のドミノ倒し。絡まってるから綺麗には倒れないのがポイント。

    予想つくところと私には不発なところがあったので
    強引に複雑にしているようにも感じましたが。

    足を引っ張る。と言うの

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    2020年05月25日
  • アンチェルの蝶

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    誤って前に読んだ本を買ってしまった。二度目だが終盤のところは覚えていなかった。家庭に恵まれない男の子二人と女の子一人の話であるが、話の終わり方はもう少し工夫がほしかった。

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    2019年12月22日
  • 蓮の数式

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    不妊治療を10年続けていても妊娠しない主人公。同居の義母からもひたすら嫌味を言われ、夫は味方になるどろこか一緒に彼女をなじり全てを束縛しようとする。
    4回目の流産が判明した日、夫が交通事故を起こすが、同乗中の彼女に責任を負わせる。事故の被害者の若い男性はは他人と関わりを持ちたくなさそうで治療費を受け取ることさえも拒んだが、彼が算数障害であることに主人公が気づき、それがきっかけで算数を教えることになったのだが、夫に浮気の疑いをかけられ、彼と共に逃亡する。
    一方で妻をある女に殺された男性は、その事件に関わりのある若い男性を偶然映り込んだテレビ中継で発見したが、その男は子供の頃に死んでいるはずだった

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    2019年10月23日
  • あの日のあなた

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    交通事故で突然亡くなった父親の遺品整理で発見された母子手帳。自分と同じ名前が記載された、もう一人の自分はいったい誰なのか。生前の父親の真実を追う息子の姿を描く長編小説。
    人間ドラマとミステリーが融合と言えば聞こえはいいが、どちらも中途半端に終わってしまった感あり。弁護士がいつも思わせぶりなのもズルく感じた。昨今、終活流行だが、遺された家族に迷惑かけないように、身辺整理はきちんとしたい。

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    2019年09月22日
  • 蓮の数式

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    夫と義母に苦しめられながらも十年間不妊治療を続けてきた妻。その苦しみがやがて「事件」を引き起こし、彼女はとあるきっかけで出会っていた青年と逃避行に出ることになる、という物語。

    最初から最後までどろりどろりとした展開で、主人公も青年も夫も誰もかれもが一癖あり過ぎて、簡単に感情移入を許さない「翳」をまとっている。だから例えば酷い目に遭って逃げている主人公にだって「可哀想」とだけ思うことができない部分があって、どう考えたって未来のない行動をしていくのをただ眺めていくしかできない。その無力感を抱かせる人々の物語を、けれど作者のよどみない筆致で読まされてしまう。苦しいと、楽しいことなどないとわかってい

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    2019年05月15日