遠田潤子のレビュー一覧

  • 銀花の蔵(新潮文庫)

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    奈良、醤油蔵を継いだ女の子。父は絵描きで、才能はなく、経営の才能にも恵まれず早く死去。母は手癖が悪く盗んでしまう病気。そして、父とは血が繋がっていない事を知る。幼馴染は母の万引きが原因で人殺しになってしまう。
    不幸の大集団の中で醤油蔵を継いで生きていく。
    面白いけど、作りすぎじゃなかろうか。

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    2023年04月15日
  • アンチェルの蝶

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    重い物語。藤太、秋雄、いづみの過去と現在。
    ほづみを育てていくことで、藤太は再生。いづみには、生きていてほしかった。

    #切ない

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    2023年02月27日
  • ドライブインまほろば

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    子どもの虐待の話は辛すぎる。
    胸が締め付けられながら続きを読まずにはいられない強さで最後まで一気に読んでしまった。しばらくそこから抜けられない…ラストの希望がなかったら、辛すぎて耐えられない。
    子どもは親を選べない。大人の中に子どもだった自分がいて親の愛をずっと求め続けている。満たされない想いは永遠に続いてしまう。繰り返される哀しみの連鎖。辛すぎた…。

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    2023年01月23日
  • 月桃夜(新潮文庫)

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    本書は2009年の第21回日本ファンタジーノベル大賞受賞作にして、遠田さんのデビュー作でもある。単行本→新潮文庫nexに収められたのち、今回の再文庫化に伴い加筆修正されたそうだ。初読なのでどのように変わったのかは不明だ。
    遠田さんの原点がファンタジーだったのは意外だが、結構が違うだけで本質は紛れもない“遠田ワールド”だった。奄美大島を舞台に、債務奴隷として人間以下の扱いを受ける兄妹の過酷な生を描く。同じような兄妹の絆に悩む現代女性のパートと交互に展開する重層的な物語だった。

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    2022年12月27日
  • 銀花の蔵(新潮文庫)

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    202211/生い立ちやキャラ設定含め毎回一気に読まさる。今迄の遠田作品とはちょっとテイストが違う気がするが、やっぱり遠田潤子ワールドではある…。

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    2022年12月14日
  • アンチェルの蝶

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    再読。カレル・アンチェルとチェコ・フィルの9番を聴いた後で、改めて読みたくなったのだが、前回読んだときとは、また異なる思いを抱くことになりました。

    藤太、秋雄、いづみ、この三人の人生は再読でも、とても痛々しく、思わず目を覆いたくなるような、筆舌に尽くしがたい悲しみに加えて、その要因が、それぞれの親なのだから、余計にやるせない。

    しかし、それでも私は、アンチェルのあの出来事と、彼らの悲しみを比較するのは違うと思うし、それは、どちらがより辛いとかの概念ではなく、そもそも比べる事ができるような、そんな単純で軽いものじゃないでしょ、人生って。

    ただ、それを生きる為の希望と感じられる事も、本書から読み取れて、おそらく、彼らの青春時代は、アンチェルの音楽(ドヴォルザークの交響曲第9番《新世界より》)で表現された、まさに『新世界』を夢見ていて、今はどれだけ悲惨な思いをしていても、いつかきっと、そんな世界に辿り着けると思っていたことでしょう。

    前回の感想で、私は、藤太の最後の場面について、「僅かな晴れ間がのぞいたのだろう」と書いたのですが、今回の再読はそうではなく、実は誰よりも、潔く覚悟を決めていたのではないかと感じました。

    そこにあるのは、その行為が、どれだけ人生に影響を与えるのかということで、それは、『どこにも行けず、袋小路を虚しくさまようだけの人生になる』と、藤太自身感じているように、そんな思いを、ほづみにだけは絶対にさせてはいけない、ここに、これまで逃げてきた彼の、償いを為さんとする、剥き出しの覚悟が窺えた気がしました。

    新世界は、藤太たちにとって、『あの頃の俺たちのすべて』だったのが、次第に苦痛へと変わっていき、終いには『たどりつけない世界』へと感じられたのかもしれない。

    しかし、私は、タイトルの「アンチェルの蝶」には、『新世界へと旅立つ蝶』の意味があると感じており、無事そこに辿り着けるのかは分からないけれど、それでも最後の蝶の旅立ちには、藤太、秋雄、いづみ、それぞれの夢がやっと動き出してくれた、そんな風に感じられたことが、本書を読んで、最も嬉しかったことでした。

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    2022年12月01日
  • ドライブインまほろば

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    「52ヘルツのクジラたち」と同様に児童虐待にまつわる話だが、この話は虐待の連鎖とでも言うべき流れで痛ましい。冒頭から衝撃の展開で12歳の少年には過酷だが、憂は自我を保てたが為に、人一倍いろんなことを考え、祖父との約束の場所である十年池をめざし、自分を殺しに来た銀河をも許すことができた。憂と憂を殺人犯としりつつ囲まう比奈子、そして憂を追ってきた銀河。十年池で一夜を過ごすと自分をリセットすることができるという。そして3人の人生が奇跡のように動き出す。「光」とともに。

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    2022年10月17日
  • あの日のあなた

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    著者の作品としてはミステリー要素があったりで
    引き込まれる。
    でも他の作品に比べると深い感動はなかった。

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    2022年10月09日
  • 廃墟の白墨(はくぼく)

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    登場人物を襲う苛烈な運命が、遠田作品としては比較的マイルド。読むのが辛くなるような描写があまりなく、明石ビルでの日々は、本当に「王国」「楽園」のようでもある。故に、巻末解説にあるように、「入門編」としていいかも知れない。その代わり、ではないだろうが、終盤に明かされる真相が多少型どおりな気はする。

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    2022年09月01日
  • 蓮の数式

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    何度もため息をついて本を閉じた。
    12年前の殺人事件の真相や高山透の正体のミステリーの謎解きはもちろん、二人の逃亡生活の顛末が気になって先を読み進めたいとはやる気持ちもあるのに。
    僅かな自分の大切なものを守るために躊躇も罪悪感も後悔も無く人殺しを重ねる透の心の壊れっぷりが凄まじくて、あまりに不幸な生い立ちに同情しても真っ直ぐに感情移入が出来きず、逃亡劇が順調でもモヤモヤするし悲惨な結末に突き進んでいっても悶々とする。
    一筋の希望の光が差す結末ということなのか。この悲痛な物語を読んだ後には直ぐには素直にそうは受け止められない。

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    2022年07月18日
  • 廃墟の白墨(はくぼく)

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    74
    最終章で全てのことがわかるお話しは好きでは無いが、この作品にはそうせざるを得ない様な重みがある。二度とやり直せない人生だから、これからどう生きるかとが問われている様な気がする。

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    2022年06月28日
  • 廃墟の白墨(はくぼく)

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    ネタバレ

    好みではないですが、視点が入れ替わることで、間延びせずに読むことが出来ました。大人が酷くて、子どもに影響が行くのを、「しかたない」としたくないです。

    これでもかというほど、悪い方の道を選んでしまうことに対して、「器用には生きられない自分を肯定する物語として読む」と解説に書いてありました。この本の登場人物の不器用を肯定するのであれば、責任をもった生き方は合わないのだから、それは一生、明石ビルからは出られない生き方なんだろう思いました。

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    2022年05月15日
  • 冬雷

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    ネタバレ

    伝統、ならわしの裏側にある昏い御話。


    ある小説家のスピーチを舞台にした作品でもありました、冒頭の入りはとても重要と。
    本作の入り方はとても好きだが、なんせドロドロ過ぎたのが残念で、少しもったいなさを感じる作品でした。

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    2022年01月18日
  • 冬雷

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    今年知って、この本から読み始めた作家さん。重苦しいストーリーながら、ぐいぐい読ませる文章力が魅力的。最後の方、読んでいて、とても美しい映像が脳裏に浮かび上がってきた。他の作品も読もうと思った。

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    2021年11月21日
  • 蓮の数式(分冊版) 【第14話】

    ネタバレ 購入済み

    算数障害って

    まだ読んでる途中ですが大西麗の人格がどのようにして出来上がってきたか千穂と転々と旅をしながら徐々にわかってきます。生まれつき算数障害があるなんて悲しすぎる。まだせめて親が気付いて学校に通わせてたら人生が全然違ったかもしれません。そう思うとやりきれないです。

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    2021年09月19日
  • 雪の鉄樹

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    物語は、事の真相が全くわからないまま、半ば以上まで進む。主人公はひどく屈折した愚直な男性で、終始イライラさせられっぱなし。もう読み進めるのを止めようか?と思ったあたりで、急速に一つ一つが明らかになってゆく。その引っ張り加減が絶妙で、結局最後まで読まされてしまった。
    正直、人に薦めたくなる作品ではないし、誰にも共感できない。だが、棘のように刺さる。妙に忘れ難い。
    煩悶、懊悩する人々に、自身が重なるようになり、まるでロシア文学を読んでいるように感じた。
    人間とは、文学でどこまで深く潜っていけるのか?作者の挑戦心のようなものを感じた。
    心に余裕があるときに一読を。

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    2021年08月17日
  • オブリヴィオン

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    オブリヴィオン=忘却と赦し。赦されざる罪を犯した男に救済は訪れるのか。闇の中でもがき生きる人間の痛みと希望を描く長編小説。
    遠田作品の男たちは本当に生き方が不器用だ。咎を抱えて生き続ける、それは決して笑うことのない人生である。胸を締めつける展開ばかりだが、常に小さな希望は見え隠れする。その加減が、この作者は巧い。

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    2021年06月16日
  • 冬雷

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    読んでいて、いつの昔のストーリーかと思った。携帯電話が出てくるので現代の話とわかるが、主人公の古臭い名前や因習に縛られた昭和前半の話のようで楽しめなかった。

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    2021年04月28日
  • あの日のあなた

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    遠田さんの作品は、「月桃夜」、「アンチェルの蝶」と読んできての、この作品ですが、何となく共通点というか、伝えたい事が見えてきた気がしました。

    人生には、楽しいことだけではなく、辛いこと、苦しいこと、やるせないこと等も存在すること。そして、それに向き合わなければならない。遠田さんの作品は、とても辛いことの方が多いのだけど、その中でも数少ないが、強く在り続けるひかりのようなものが、生き続けていれば見えてくること。そこに、辛い現実を生きてきた甲斐があったなと、思えるような素晴らしさ。この作品では、あたらしい世界ということになるのでしょうが、家族の在り方について、色々考えさせられました。

    家族という特別な関係は、思いが深い故に、時に悲しみや怒りとともに、誤った方向へ、人をいざなってしまうこともあるのだろうか。この作品では、家族という関係の素晴らしさと悲しさを、共に示された気がします。ただ、素晴らしさの方には、やるせない部分もあるので、それがまた、作品だから美しいと思えるのかもしれませんが、当事者たちにとっては、本当に大変だっただろうと思いました。

    また、登場人物の「片瀬和彦」の、本当に細かくて繊細な心理描写には、脱帽させられました。遠田さんの人物に対する真剣なまでの創造力を感じました。

    ただ、物語がほとんど片瀬和彦の息子「在(ある)」の、父親の真実探しに終始するため、そこは、ややもどかしく単調な展開と思われるかもしれません。

    以下、ネタバレ含みますので、ご注意を。









    私が最も印象に残ったのは、上記した家族の素晴らしさである、片瀬和彦と森下翠のお互いの愛情です。

    唯一、翠の吃音を気にしないでいてくれた和彦と、家族から愛情を注がれなかった故に、寂しさを覚えて、ぶっきらぼうに見られた和彦に対して、自然に接した翠のふたりは、正に、お互いがお互いを必要としており、ふたりには、それがしっくりいっていることが無意識に実感出来ていた。それが、これまで体験したことのなかったことで、あたらしい世界と呼んだわけです。

    ただ、そう思っていたのは当事者たちだけで、周りとの悲しいくらいの温度差と誤った解釈による悲劇は、本当にやるせないものがありました。

    そして、終盤の和彦の手紙を読むと、和彦が本当にどれだけ辛い人生を送っていたのかを痛感させられました。それでも、亡くなった時に、笑うことが出来たって。人はここまで強くなれるのだろうか? 

    一瞬、疑ってしまう自分自身が恥ずかしいが、物語の力というのは、こういうところにあると、私は思っています。

    また、エンディングの、在と、翠の姪の「水樹」の、ささやかだけど、前向きな終わり方も良かったです。物語が終わった後も前途は暗いかもしれない。特に、水樹はまだまだ辛いことがあるだろうけど、そこは成長した在が、正に、和彦のように格好良く支えてくれるだろうといった希望を感じました。
    水樹には、本当に幸せになってほしい。

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    2021年03月08日
  • 蓮の数式(分冊版) 【第1話】

    ちょっとしんどい

    主人公は、子供が産めないことで夫と義母にないがしろにされ続けるのですが、それも読んでいてきついのですが、夫のあまりにも自分勝手な感じ(潔癖症?不潔症っぽいところ)と、えらそうな義母、わたし的はちょっと読むのがしんどいです。絵もきれいで気になっていた作品だったのではありますが・・・。

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    2021年02月16日