遠田潤子のレビュー一覧

  • 二周目の恋

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    ネタバレ

    「二度目の恋」でらなく、「二周目の恋」って何? と思いながら手にとった。
    恋愛小説のアンソロジー。

    同じ人にもう一度恋をする、というより、過去の恋の色んなものを乗り越えて、振り出しに戻って新しい恋をスタートさせる、というイメージかな。だからといって、すべての話がそうとは決まっていない。
    もうすでに「付き合ってる」ような感じだけど、明確にするために頑張る女子大生や、結婚を経験したのちに自分らしい恋愛をする女性。脱皮して一回り大きくなった人たちが出てくることは間違いない。
    昔は居心地が良かったけど、新しい世界で生きていると、なんだか昔のことを違う視点から見られるようになっている、なんてことはよくある。憧れだったのか、恋をしてるふりをしていたのか、世間体を気にしていたのか。
    登場人物たちは、縛られていた何かから放たれて過去を振り返らずに突き進んでいく。

    一番良かったのは、一穂ミチさんの「カーマンライン」。空と宇宙の境界部分のことをカーマンラインというらしい。
    時代設定が平成初期だけど、意外と良かったのが遠田潤子さんの「道具屋筋の旅立ち」。今も同じような男性はいるだろうな。どんな人もできるだけ自然な自分を出せる相手が何人かいるだけでずいぶん楽になると思う。
    あとね、窪美澄さんって苦手かもって思ってたけど、ここでレズビアンの女性の話が出てきて、これが良かった。上手くどこがどう印象的だったのか分からいんだけど、幸せな気持ちになった。

    目次
    最悪よりは平凡 島本理生
    深夜のスパチュラ 綿矢りさ
    フェイクファー 波木銅
    カーマンライン 一穂ミチ
    道具屋筋の旅立ち 遠田潤子
    無事に、行きなさい 桜木紫乃
    海鳴り遠くに 窪美澄

    そういえば、「フェイクファー」を読んでるとき、「ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい」の小説を思い出した。

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    2024年01月06日
  • 二周目の恋

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    オール讀物2023年2月号に掲載された女性作家による短篇をまとめたアンソロジー。タイトルの「二周目の恋」は雰囲気で付けましたという感じかな。
    お初の作家・波木銅さん「フェイクファー」は、ちょっと特殊な設定の作品で興味深く読んだ。
    綿矢りささん「深夜のスパチュラ」は、4回のデートを重ね明日のバレンタインデーはどうしようかと悩む女子大生の、告ったほうが負け(?)な話で笑えた。
    一穂ミチさん「カーマンライン」は、国際結婚で生まれた男女の双子が父親の死後離れ離れとなり、14年振りに再会するが……。断トツによかった。

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    2024年01月05日
  • カラヴィンカ

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    歌詞のない旋律を母音のみで歌う歌手として絶大な人気を誇る実菓子
    実菓子は人間じゃない人間じゃない、外道だ!
    容姿は吐き気がするほど美しい
    その声も
    まさに、美しいカラヴィンカ、迦陵頻伽だ


    そんな実菓子が自伝を出すことになり、そのインタビューの相手として選ばれた多聞
    二人は幼い頃同じ家で育ち、実菓子の夫は多聞の亡兄
    インタビューのために多聞と実菓子は回想に入る


    さぁ、ここから遠田ワールドの始まりだ!

    いつの時代かと思わせる村社会のしきたりに、時代錯誤の家父長主義、妻妾同居
    モラハラで暴君の父
    我が物顔に振る舞う女
    黙って耐える家族
    無視される多聞
    そして起きる事件

    どんどん出てきます、辛く耐えられないような出来事が!
    明らかになっていきます、おぞましく哀しい出来事が!


    これぞまさに、負の連鎖の玉手箱やぁ〜♪


    明るく言ってみましたが、遠田さんもういいんじゃないの、その辺で止めてあげてと言いたくなります


    しかし、インタビューが進むに連れて、負の連鎖の玉手箱の真相が明らかになっていくのです

    登場人物たちの隠していた秘密が次々と暴かれていき、
    へぇーっ!とか
    えぇーっ!とか
    おぉーっ!とか
    ・・・・・・!?とか、ってなります


    それらの秘密が分かったとき見えるであろう一筋の希望が!
    聞こえるであろう鳴いて血を吐く迦陵頻伽の声が!

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    2024年01月03日
  • 二周目の恋

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    初めて読んだ
    アンソロジー。
    やっぱり作家さんによって文や物語の雰囲気が違くて一冊読んでる感覚がなかった!
    でも素敵な方にたくさん出会えるのはいいことだね。
    一つ一つ本当に色が違うから感じたこともそれぞれだけど、恋愛の形って本当に色々あるなってのが所感。
    実ったものも実らないものも実らせちゃいけないものも心に秘めておくだけのものも全部恋。愛。
    正しい形に囚われすぎなくたっていいんだって思わせてくれた。
    お気に入りは大好き島本理生さんの作品「最悪よりは平凡」と一穂ミチさんの「カーマンライン」

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    2023年12月27日
  • アンチェルの蝶

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    彼が触れられたくない過去は何なのか新世界よりにどんな秘密があるのか、気になってグイグイ読んでしまった。飲んだくれでも黙々と働く藤太の姿を客とほづみはちゃんと見てたんだな。
    藤太がへたれとかいづみちゃんが可哀想すぎるとか色々思うことはあるけど。事件があってから卒業までいづみと接触しなかったのはなぜかちょっとモヤる。過去のことはもう変えられないし死んだ人は戻ってこないから、身を寄せ合った2人の未来が良いものであるようただ祈りたい。

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    2023年12月20日
  • 二周目の恋

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    やっぱり好きな作家さんの話が面白かった
    島本理生さん 綿矢りささん 遠田潤子さん

    波木銅さんは初めての作家さんだったけど 内容がイマイチ私には入ってこなかった

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    2023年11月25日
  • オブリヴィオン

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    なんか何とも言えない悲しい話。
    なんだかんだで、実はみないい人のような、どうにもならないような。
    でも面白かったです!

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    2023年09月13日
  • ドライブインまほろば

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    虐待、、育児放棄、売春…読んでいて辛い描写がしばらく続く。それなのに何故か先まで読み進めてしまった。憂と比奈子は間違いなく生まれ変わった人生を生きられそうだ。

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    2023年08月20日
  • カラヴィンカ

    hnh

    購入済み

    タイトル変更

    以前読んだ本でしたが、タイトル変わったため、未読だと思い、購入してしまいました。
    2回目ですが、面白かったです。

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    2023年07月28日
  • 冬雷

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    鷹にまつわる伝説が残る日本海に面した町の名家に養子にもらわれて来た男の子が、因習に囚われた町に翻弄される。
    ただ因習と言い訳しながら、他人を陥れても自分の利益を図るだけ。そして結局は、伝説をなぞるように町が壊れてしまう。

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    2023年05月28日
  • 銀花の蔵(新潮文庫)

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    奈良、醤油蔵を継いだ女の子。父は絵描きで、才能はなく、経営の才能にも恵まれず早く死去。母は手癖が悪く盗んでしまう病気。そして、父とは血が繋がっていない事を知る。幼馴染は母の万引きが原因で人殺しになってしまう。
    不幸の大集団の中で醤油蔵を継いで生きていく。
    面白いけど、作りすぎじゃなかろうか。

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    2023年04月15日
  • アンチェルの蝶

    ネタバレ 購入済み

    重い物語。藤太、秋雄、いづみの過去と現在。
    ほづみを育てていくことで、藤太は再生。いづみには、生きていてほしかった。

    #切ない

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    2023年02月27日
  • ドライブインまほろば

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    子どもの虐待の話は辛すぎる。
    胸が締め付けられながら続きを読まずにはいられない強さで最後まで一気に読んでしまった。しばらくそこから抜けられない…ラストの希望がなかったら、辛すぎて耐えられない。
    子どもは親を選べない。大人の中に子どもだった自分がいて親の愛をずっと求め続けている。満たされない想いは永遠に続いてしまう。繰り返される哀しみの連鎖。辛すぎた…。

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    2023年01月23日
  • 月桃夜(新潮文庫)

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    遠田潤子『月桃夜』新潮文庫。

    第21回日本ファンタジーノベル大賞受賞作にして、デビュー作。新潮文庫nexから刊行された作品を加筆修正したようだ。

    やはり、遠田潤子にはファンタジー小説は似合わない。遠田潤子の小説なら『アンチェルの蝶』『雪の鉄樹』などハードな小説の方が断然面白い。

    薩摩の支配下にあった奄美で孤児のフィエクサは父親を失った少女サネンと兄妹の契りを交わす。二人は砂糖黍から砂糖を作る奴隷のようなヤンチェという身分だった。

    やがて、フィエクサは囲碁を習い、その才能を開花させる。一方のサネンは美しい娘に成長し、薩摩の役人から妾になることを要求される。

    二人を待ち受ける過酷な運命……

    本体価格670円
    ★★★

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    2023年01月06日
  • 月桃夜(新潮文庫)

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    本書は2009年の第21回日本ファンタジーノベル大賞受賞作にして、遠田さんのデビュー作でもある。単行本→新潮文庫nexに収められたのち、今回の再文庫化に伴い加筆修正されたそうだ。初読なのでどのように変わったのかは不明だ。
    遠田さんの原点がファンタジーだったのは意外だが、結構が違うだけで本質は紛れもない“遠田ワールド”だった。奄美大島を舞台に、債務奴隷として人間以下の扱いを受ける兄妹の過酷な生を描く。同じような兄妹の絆に悩む現代女性のパートと交互に展開する重層的な物語だった。

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    2022年12月27日
  • 銀花の蔵(新潮文庫)

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    202211/生い立ちやキャラ設定含め毎回一気に読まさる。今迄の遠田作品とはちょっとテイストが違う気がするが、やっぱり遠田潤子ワールドではある…。

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    2022年12月14日
  • アンチェルの蝶

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    再読。カレル・アンチェルとチェコ・フィルの9番を聴いた後で、改めて読みたくなったのだが、前回読んだときとは、また異なる思いを抱くことになりました。

    藤太、秋雄、いづみ、この三人の人生は再読でも、とても痛々しく、思わず目を覆いたくなるような、筆舌に尽くしがたい悲しみに加えて、その要因が、それぞれの親なのだから、余計にやるせない。

    しかし、それでも私は、アンチェルのあの出来事と、彼らの悲しみを比較するのは違うと思うし、それは、どちらがより辛いとかの概念ではなく、そもそも比べる事ができるような、そんな単純で軽いものじゃないでしょ、人生って。

    ただ、それを生きる為の希望と感じられる事も、本書から読み取れて、おそらく、彼らの青春時代は、アンチェルの音楽(ドヴォルザークの交響曲第9番《新世界より》)で表現された、まさに『新世界』を夢見ていて、今はどれだけ悲惨な思いをしていても、いつかきっと、そんな世界に辿り着けると思っていたことでしょう。

    前回の感想で、私は、藤太の最後の場面について、「僅かな晴れ間がのぞいたのだろう」と書いたのですが、今回の再読はそうではなく、実は誰よりも、潔く覚悟を決めていたのではないかと感じました。

    そこにあるのは、その行為が、どれだけ人生に影響を与えるのかということで、それは、『どこにも行けず、袋小路を虚しくさまようだけの人生になる』と、藤太自身感じているように、そんな思いを、ほづみにだけは絶対にさせてはいけない、ここに、これまで逃げてきた彼の、償いを為さんとする、剥き出しの覚悟が窺えた気がしました。

    新世界は、藤太たちにとって、『あの頃の俺たちのすべて』だったのが、次第に苦痛へと変わっていき、終いには『たどりつけない世界』へと感じられたのかもしれない。

    しかし、私は、タイトルの「アンチェルの蝶」には、『新世界へと旅立つ蝶』の意味があると感じており、無事そこに辿り着けるのかは分からないけれど、それでも最後の蝶の旅立ちには、藤太、秋雄、いづみ、それぞれの夢がやっと動き出してくれた、そんな風に感じられたことが、本書を読んで、最も嬉しかったことでした。

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    2022年12月01日
  • ドライブインまほろば

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    「52ヘルツのクジラたち」と同様に児童虐待にまつわる話だが、この話は虐待の連鎖とでも言うべき流れで痛ましい。冒頭から衝撃の展開で12歳の少年には過酷だが、憂は自我を保てたが為に、人一倍いろんなことを考え、祖父との約束の場所である十年池をめざし、自分を殺しに来た銀河をも許すことができた。憂と憂を殺人犯としりつつ囲まう比奈子、そして憂を追ってきた銀河。十年池で一夜を過ごすと自分をリセットすることができるという。そして3人の人生が奇跡のように動き出す。「光」とともに。

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    2022年10月17日
  • あの日のあなた

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    著者の作品としてはミステリー要素があったりで
    引き込まれる。
    でも他の作品に比べると深い感動はなかった。

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    2022年10月09日
  • 廃墟の白墨(はくぼく)

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    登場人物を襲う苛烈な運命が、遠田作品としては比較的マイルド。読むのが辛くなるような描写があまりなく、明石ビルでの日々は、本当に「王国」「楽園」のようでもある。故に、巻末解説にあるように、「入門編」としていいかも知れない。その代わり、ではないだろうが、終盤に明かされる真相が多少型どおりな気はする。

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    2022年09月01日