感情タグBEST3
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最初から最後までずっと面白かった、考え得る一番良い終わり方で良かった。
比奈子の母が、相手を不快にさせるとわかってても謝らずにはいられない気持ちも、それを聞かされ続けて辟易する気持ちも、わかるから辛かった。
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実家との往復中に読もうと持って出て、
電車の中で泣くのを堪えるのが大変だった。
家では何度もポロポロ泣きながら読んだ。
今までの読んだ遠田作品の中で私はこれが一番共感度が高かった。
だから泣けた。
虐待メインだから駄目な人には駄目だと思う。
義父を殺す小学六年生の男の子、とか
もうそれだけで重い。
そんな酷い境遇の子供がいるなんてありえないとも思う一方で、そういう境遇の子供もいるのかも知れないとも思う。
小説として誇張することで、埋もれてしまう人間の感情や想いを言葉にして表現することができる。
そういう小説だった。
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優が月明かりの下で激しく震えながら泣く場面がいちばん切なかった。銀河、流星の双子の話には嫌な気持ちになったが、比奈子が愛娘を亡くした悲しみから目の前にいる子供たちを必死に守ろうとする強い気持ちが切なくも感動した。子供は死んではいけない。なにはともあれ優が生きてて良かった。
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遠田潤子さんの作品は読み始めるのに気合いが必要で、いつもやりきれない絶望感をほんのわずかな希望で持ちこたえながら読んでいる。今作ももうやめて!という悲しい出来事が続いたけれど、最後一筋の光で暖かな気持ちで本を閉じた。
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親に虐待されて育って「生まれていいことなんか何もなかった」と語る憂。極悪人に見える親やその兄も苦しみを背負い、そして大切にしたい存在を抱えている。
ストーリーに引き込まれて一気読み。
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一気読み。
連鎖する虐待を止めることはできないのか?
何が正しいのか?
自分を救うために親を殺すのがそんなにいけないことなのか?
ずっと「なんとかしたってくれ」と祈りながら読んだ。
誰も悪くないかもしれないけどみんな罪人。
普通の人との違いなんて紙一重だなと。
この作家さんの作品は初めて読んだけど、またもうひと作品読みたくなった。
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最初から最後まで読む手を止められなかった。
それぞれの立場で考えると、自分も決してそうはならないという自信がない。それだけに救いを求めながら読み続けた。
結末も無理なく、嫌な感じもなく読み終えることができてよかった。
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幼い子供が店に転がり込んでそれを手伝うところに「アンチェルの蝶」を、酷い環境で育った兄弟というところに「オブリヴィオン」を想起させられます。
ただ、それらの作品以上に暗くて重い内容。憂の境遇はもとより、他の人物たちも何かしら過去に “傷” を負っていて、彼らには憐憫の情が芽生えてきます。
ただ、流星は凄絶な過去があるとはいえ憂への仕打ちがあまりに酷く、後半にその過去が明かされはしましたが同情の余地はないかな、と。
銀河については流星の過去を知らなかったことを差し引けば、流星に比べれとまだ救いがある方かとは思いますが、やはり過去に数多の女たちを売ってきたことを考えると、感情移入はしにくかった気がします。
そうした引っかかるところはありつつも、終章に至るまでがかなり辛い内容だったため、比奈子や慶子、憂、来海、光が希望を持てるような結末だったことには心底ほっとしました。過去に傷を負ったもの同士、何かを補い合う形で前向きになれているところがポイントなのかな?
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フィクションでよかった
遠田潤子さんの本を初めて読んだのですが、題名から勝手に
ナミヤ雑貨店の様な話しなのかなと思って読み始めて全然違う、、、と心して読みました。
もちろん涙です。
どんな事があっても、子供は死んだらいけない
生きるのに誰の許可もいらない
小説の中なのに、心に錘が置かれたような重さを感じました
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どんだけ不幸自慢すんねん!って感じの不幸な人ばかり…
まぁ、自慢したい訳やないにしても…
メインの登場人物だけで…
親にひどい虐待されて、親を金属バッドで…小学生
ひどい親に育てられ、援交クラブみたいなので荒んだ生活を送ってる兄弟、で弟は殺され、自分も人殺し…
最愛の娘を事故で亡くすけど、事故を起こした当事者が自分の母親…ツラい
何か、不幸の、オンパレードやけど、この先も、これが続くとなると、やりきれん…
しかし、小学生に
「…生まれてきて…なんにもいいことなかった」
「僕はなんで生まれてきたんやろ。なんで…」
「生まれてけえへんかったらよかった」
って言われてしまう育ててた親って…
「やかましいや、この野郎!」
「許せねえ!」
「てめえら人間じゃねえや!」
「叩っ斬ってやる!」
(「破れ傘刀舟」)
って気分になる!
う〜ん…
ポキっ!_| ̄|○
最後は、
少し光が見えるけど…
多くは望まないにしても、少しは陽が当たって欲しい…
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文章が淡々としていて、気持ちよく読み進められた。不幸を書かせたら右に出る人はいないらしい遠田潤子さん。くどい部分もあったが、とても良かった!著書ぜんぶ漁ります。
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いろんな家族の形があるけれど、今回の話の人間たちは最低で自分勝手な人間と真っ直ぐ生きようとする人間とが描かれており、共感というか、子供たちがまっすぐ生きて欲しいなと、感じました。
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義父を殺した小学6年生と妹が奈良の山奥のドライブインに逃げ込む。5才の娘を亡くした女主人がひと夏を一緒に過ごしながらお互いの傷を癒し、10年に一度現れるという生まれ変われる十年池を探す。
高校生売春、育児放棄、殺人と世にも酷い犯罪が山盛り描かれている。嫌な気持ちになりながらも最後まで読んでしまう。半端な説教話しで終わらせないのが凄い。
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読んでいてつらい気持ちになるのに、ページをめくる手が止まらない。読む進んでいくと、どんどん泥沼にはまって行くような気がする。この先に救いはあるのかと不安になる。登場人物すべてに死亡フラグが立っているのだ。
クズのような人物でも、好きでクズになったわけではない。大人たちが彼らをクズにしたのだ。文章の端々に当人の繊細な部分が描かれていて軽蔑しれきれない罠を仕込んでいる。
ドライブインのオーナーの比奈子は大人である責任を感じて、行く当てのない子どもたちを守る。しかし過去の悲しい事件では実母を許せない自分の未熟さと葛藤する。
人間の煩悩が複雑に重なりあい悲劇を生んでいく。
それが最終的に吉と出るか凶と出るか・・・。
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★4.5
途中までは満点。ラストがややご都合主義でうまくまとまりすぎたハッピーエンド。人、殺してますけど…。そんな幸せでいいんですか?
伊坂作品のフーガとユーガみたいな、銀河と流星。どちらも虐待にあって深い絆で結ばれているけど、本作の双子は人に迷惑かけているぶん感じが悪い。それぞれ事情を抱えた登場人物たちの寂しさが共鳴しての十年池の魅せるファンタジーだった。
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子供の頃に受けた虐待は続くのか、、もしそうであれば悲しい。どこかで断ち切って欲しい。、、少年は施設に行き敬語が消え打ち解けて話すようになった、、奨学金で大学に行き弁護士を目指すという、、途中、辛くなったが最後まで読んで良かった。
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人の心の動きの複雑さを随所に感じました。自分の力ではどうにもできない現実の残酷さの中にあるわずかな救いを求めてもがく様子が苦しかったです。それでも、最期は希望をもって終わったのが良かったです。これからも、苦難は待ち受けているだろうと示唆されているとしててもです。
誰かに認められたり、必要とされたりした経験が少ない人ほど、反比例して人生に大きく影響してくるというのが、辛いなあと思います。受け取るはずだった幸せに気付かないことが、唯一の幸せになる方法の様で、それがまた、受け取る側の悲しみを深くさせる要因だなと思いました。
それにしても、児童虐待の絡んだ作品を、意図せず連ちゃんで読んでしまいました。重いです。
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序盤から驚きの展開。
虐待を受ける子どもって逃げ道がないよね…
未熟な脳で必死に考えても大人を頼りに生きなくちゃいけないし、どうしようもない。
そして、その子が大きくなってまた虐待を繰り返すことが多いという。負の連鎖。
ドライブインというとレトロな響き。
物語の中で「ドライブインまほろば」は昔は流行っていたけど、別の道路ができたために廃れていった。
離婚して戻った女性が一人細々と経営している。その女性は娘を亡くしている。
その「まほろば」に逃げて来た幼い兄妹。
静かな3人の生活が始まるが…
親ガチャというが、親でその子の運命は大きく変わる。
親に翻弄された人生をある時点で大きく変えること=生まれ変わりだと思う。
登場人物たちもあることを転機に生まれ変わる。
遠田さんの描く物語は重くて辛いけど、時々面白い表現がある。
あだ名の付け方が秀逸だし、ウーパールーパーのウーちゃんには和んだ。
北海道に本当に銀河と流星の滝があるらしい。あの兄弟は一緒にそこを訪れ母親に会うことは出来なかったけれど、虐待の連鎖は止められた。「まほろば」によって。
瀧井朝世さん解説の"膿を出し切る"という表現がまさに!という感じだった。
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さすが、安定のクォリティ。タイトルの能天気な響きから、ひょっとして今回は軽い内容?とか思ってもみたけど、全然そんなことはありませんでした。やはり通底するテーマは贖罪。今回は子どもがメインということもあり、少し違った味わいも感じられはする。リーダビリティも高く、相変わらず読み進むうちに心打ち震えるんだけど、さすがに、初めて氏の作品に触れた衝撃は越えられませんわな。でも、きっと読み続けてしまうんだろうけど。
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どんどん読めていける展開です。
親と子の関係、一人ひとりの心をよく表現してます。
本文より
あなただけが不幸なんやない。でも、あなたの気持ちがわかるとも言えない。人の気持ちがわかる、なんてこと簡単に言ってはいけないから。でも、一つだけ確かなことがある。子供は死んではいけない。なにがあっても大人は子供を助けなければいけないの。
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少年が継父を殺害するところから始まる物語。
衝撃的な始まりから一気に読んでしまいました。
あまりにも登場人物達の人生が重すぎる…。
読んでいて辛くなる描写が多々あるのに、読むのを止めることが出来なかった。
負の連鎖を断ち切ることが出来るのか、この人達に救いはあるのか。
ーーいろんな親といろんな子供がいる。
家族だからこそ切り離せない、辛いけど我慢するしかないと思ってしまう。
子供だったら尚更。
逃げ出しても生きていってほしい。
重いけど、良い作品でした。
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好きな作家さんでしたが、うーん、微妙。
状況設定が受入れられなかったようです。
一人一人は魅力的なので、同じメンバーでただただ幸せな設定で再会したいものです。
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祖父母の営んでいたドライブインまほろばを復活させた女性。ある夏の日、幼稚園児と小学6年生の兄妹が現れ、夏休みが終わるまで雇って欲しいと言う。一晩泊めたところ、兄の憂は父親を殺したのだと告白する。3人は夏休みが終わるまでの間一緒に過ごすことになり…。
…重い。重すぎる。憂少年の事情もそうなんだけど、少年の父親の過去とかほんと。読み終わった後なんか重いものが残る感じ。
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虐待、、育児放棄、売春…読んでいて辛い描写がしばらく続く。それなのに何故か先まで読み進めてしまった。憂と比奈子は間違いなく生まれ変わった人生を生きられそうだ。
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子どもの虐待の話は辛すぎる。
胸が締め付けられながら続きを読まずにはいられない強さで最後まで一気に読んでしまった。しばらくそこから抜けられない…ラストの希望がなかったら、辛すぎて耐えられない。
子どもは親を選べない。大人の中に子どもだった自分がいて親の愛をずっと求め続けている。満たされない想いは永遠に続いてしまう。繰り返される哀しみの連鎖。辛すぎた…。
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「52ヘルツのクジラたち」と同様に児童虐待にまつわる話だが、この話は虐待の連鎖とでも言うべき流れで痛ましい。冒頭から衝撃の展開で12歳の少年には過酷だが、憂は自我を保てたが為に、人一倍いろんなことを考え、祖父との約束の場所である十年池をめざし、自分を殺しに来た銀河をも許すことができた。憂と憂を殺人犯としりつつ囲まう比奈子、そして憂を追ってきた銀河。十年池で一夜を過ごすと自分をリセットすることができるという。そして3人の人生が奇跡のように動き出す。「光」とともに。
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タイトルから、勝手にほっこり系かと思って読み始めたら、出だしから衝撃的で最後まで重めだった。つくづく、親は選べないもんなぁ…と思わずにはいられない作品。憂が幸せになれるといいなぁ…。十年池、私も見てみたい。
Posted by ブクログ
本棚に登録するときに気が付いた。
2019年に読んでいる。
すでに100ページくらいまで読み進んでいたが全然思い出さないので、そのまま読み終えた。
子供よりも男が大切と思う母親は確かにいるのだろう。
新聞などでもたまに報道される。
虐待から逃れようと、義父を殺害した小学生の男の子が希望を見つけることはできるのか。
暗い話だが、光が見えるラストシーン。
決して面白くない小説ではないのに、全く心に残っていなかったのは何故なのだろう。
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202201/遠田作品は残酷なほどのリアルさと、うっすらとしたファンタジー加減が絶妙。感情描写がリアルだし読んでて胸が痛いことが多い。そして今作もつらい連続だったけど読む手は止められず一気読み。絶望と一筋の希望、見事な作品だった。