【感想・ネタバレ】ドライブインまほろばのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

優が月明かりの下で激しく震えながら泣く場面がいちばん切なかった。銀河、流星の双子の話には嫌な気持ちになったが、比奈子が愛娘を亡くした悲しみから目の前にいる子供たちを必死に守ろうとする強い気持ちが切なくも感動した。子供は死んではいけない。なにはともあれ優が生きてて良かった。

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2023年04月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

幼い子供が店に転がり込んでそれを手伝うところに「アンチェルの蝶」を、酷い環境で育った兄弟というところに「オブリヴィオン」を想起させられます。

ただ、それらの作品以上に暗くて重い内容。憂の境遇はもとより、他の人物たちも何かしら過去に “傷” を負っていて、彼らには憐憫の情が芽生えてきます。

ただ、流星は凄絶な過去があるとはいえ憂への仕打ちがあまりに酷く、後半にその過去が明かされはしましたが同情の余地はないかな、と。

銀河については流星の過去を知らなかったことを差し引けば、流星に比べれとまだ救いがある方かとは思いますが、やはり過去に数多の女たちを売ってきたことを考えると、感情移入はしにくかった気がします。

そうした引っかかるところはありつつも、終章に至るまでがかなり辛い内容だったため、比奈子や慶子、憂、来海、光が希望を持てるような結末だったことには心底ほっとしました。過去に傷を負ったもの同士、何かを補い合う形で前向きになれているところがポイントなのかな?

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2022年03月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人の心の動きの複雑さを随所に感じました。自分の力ではどうにもできない現実の残酷さの中にあるわずかな救いを求めてもがく様子が苦しかったです。それでも、最期は希望をもって終わったのが良かったです。これからも、苦難は待ち受けているだろうと示唆されているとしててもです。

誰かに認められたり、必要とされたりした経験が少ない人ほど、反比例して人生に大きく影響してくるというのが、辛いなあと思います。受け取るはずだった幸せに気付かないことが、唯一の幸せになる方法の様で、それがまた、受け取る側の悲しみを深くさせる要因だなと思いました。

それにしても、児童虐待の絡んだ作品を、意図せず連ちゃんで読んでしまいました。重いです。

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2022年03月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

序盤から驚きの展開。
虐待を受ける子どもって逃げ道がないよね…
未熟な脳で必死に考えても大人を頼りに生きなくちゃいけないし、どうしようもない。
そして、その子が大きくなってまた虐待を繰り返すことが多いという。負の連鎖。

ドライブインというとレトロな響き。
物語の中で「ドライブインまほろば」は昔は流行っていたけど、別の道路ができたために廃れていった。
離婚して戻った女性が一人細々と経営している。その女性は娘を亡くしている。
その「まほろば」に逃げて来た幼い兄妹。
静かな3人の生活が始まるが…

親ガチャというが、親でその子の運命は大きく変わる。
親に翻弄された人生をある時点で大きく変えること=生まれ変わりだと思う。
登場人物たちもあることを転機に生まれ変わる。

遠田さんの描く物語は重くて辛いけど、時々面白い表現がある。
あだ名の付け方が秀逸だし、ウーパールーパーのウーちゃんには和んだ。

北海道に本当に銀河と流星の滝があるらしい。あの兄弟は一緒にそこを訪れ母親に会うことは出来なかったけれど、虐待の連鎖は止められた。「まほろば」によって。

瀧井朝世さん解説の"膿を出し切る"という表現がまさに!という感じだった。

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2022年02月10日

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