遠田潤子のレビュー一覧
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13回目の結婚記念日もやっぱり三人で過ごした・・・
不妊治療を始めて10年、「子を産めない」ただそれだけで、義母からも夫からも虐げられ、人間として認められなかった千穂。
夫が車で起こした事故を身代わりとなって解決しろと言われた千穂は、被害者である高山透と出会う・・・
遠田さん、やっぱり期待を裏切りません。「雪の鉄樹」に勝るとも劣らない重さ、切なさ、やるせない思い。。。
ただ、賢治の真実を知りたいという思い、その妻の母としての正義が、周りのみんなを不幸にしたような気がして、正義って諸刃の剣だなとつくづく感じます。
不妊、虐待、無戸籍、算数障害(ディスカリキュリア)、虐め、、、様々な問題がこれで -
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主人公は何かを背負って生きてるのだけれど、なかなかそれが何なのか明かされず、理不尽に1人の少年とその祖母に怨まれ続けてる様子が描かれる。
献身的に世話をし真摯に過去の過ちを償っているように思えるのに、2人はひどい態度を取り続けるし、
まわりの人間でさえ主人公のその償い方が少年をダメにしていると窘める。
理不尽に感じるそれらは、事件の顛末が一から語られると納得に変わり、さらに読み進めると主人公の本当の思いに触れて涙が零れる。
誰にも関心を向けてもらえなかった幼少期、ヤングケアラー、挫折…関係者たちが歩んできた残酷な運命に言葉を失う。
そして、主人公が怨まれ続けても、甲斐甲斐しく少年の世話を -
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「備前焼」の窯元の一家の話、ということで。
人間国宝の祖父、父、そして孫。
物語の第一部〜第四部までは主人公の孫の、幼少期からの父、祖父との歪な関係性への、内面の葛藤が中心に物語は展開していく。
そして恋愛、進学、身内の死、見えない将来など、普遍的な問題も現れるも、人間国宝の窯元の孫という立場、そして負けず偉大な父の存在、窯元の後継問題が常に主人公の前に大きく立ちはだかっている。
第四部の終わりに大きな物語の転換点があり、それには非常に驚かされた。そして第五部からは主人公の父の独白が入り、一気に過去の真相が明らかとなっていく。
最期の作品を焼き上げる場面は、読んでいてかなりの熱量、迫力があ -
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うーん、なんだろう。私には刺さらなかったなぁ。むしろ疑問の方が大きく頭を占めている。
備前焼の窯元一家、親子三代に亘る物語。天真爛漫で人間国宝の祖父、路傍と轆轤の名人で冷徹な父、天河の元、歪な家庭環境で育つ城。
城は路傍には可愛がられて育てられたが、天河には全く可愛がられることがなかった。
路傍が亡くなり、天河も亡くなり、天河との葛藤も消え去り人間として、窯元として成長していく。
そんな物語なのだが、天河の城に対する態度があまりにも理不尽だし不自然に感じた。路傍と天河の関係もあまりにも歪だ。まあ、世の中にはこういう関係もあるのかもしれないけれど、ストーリーよりも、なんとなくそ -
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皆様が 遠田さんの新作を読んでいるというのに…
今ならすぐ読めるコーナーに差し込まれていた本作を。
紅蓮とは、燃えさかる炎のように赤い蓮。
激しい怒りや情念、苦しみが噴き上がるさまを表す言葉であり、
仏教用語「紅蓮地獄」に由来する、激痛と怨念の象徴でもあります。
渦巻く地獄に堕ちた親子。
汚れた血脈は、双子の姉弟を幼少期から呪縛として絡め取っていく。
久しぶりの遠田潤子作品。
冒頭の展開は早く、あっという間に演劇の世界へ引き込まれた。ただ、あっという間すぎて
そんなには上手くいくまいとは思います。
歌舞伎でも繰り返し上演されてきた『三人吉三』の因縁が、物語の中に巧みに織り込まれていました -
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山田風太郎賞
星3.5
本を選ぶ基準の一つに、賞をとったということも置いているので、山田風太郎賞を受賞した本作を読んでみる。
初読みの作家さん。他の方のレビューでは、本作は、今までの作風とがらっと変わったらしい。
本作では、ビジネス街のキタではなく、ミナミの雰囲気が漂っているが、今までの作品はどうだったのだろうか。
連作短編集であり、時代も1970年の大阪万博、1995年の阪神淡路大震災あたりから、2025年の大阪万博あたりまで。(1970年の万博開催中、天六の地下鉄建設現場で79人もが亡くなる大事故が起きていたとは!)
当然、登場する人物も歳を重ねているが、一貫して関係するのは、 -
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漫才姉妹コンビ、カラブランカの「チョーコ」と「ハナコ」に関わる人とか、関係ない人とかの主に親子関係をめぐる連作短編集。
1話目 カサブランカの後輩コンビ「はんだごて」。もう解散してしまったが、解散のきっかけは妊娠だった。ただ「はんだごて」ハルミは阪神大震災で娘を残して死んでしまい…
2話目 母は家族のためにご飯を作った。吐きそうでも満腹でも、とにかく残すことは許されない。ぶくぶくと太る。父が心筋梗塞で死ぬまで食事の強制が続く。
3話目 編曲家と売れない歌手の話
4話目 男運の悪い女たちの話
5話目 義理の父娘の話
6話目 一夜限りの「はんだごて」復活 -
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ネタバレ愛憎劇という言葉がぴったりで、
テレビドラマを見ているかのような感覚で、ページを捲る手が止まらない。
庭師である雅雪は、遼平という親のない子どもを支援している。
しかし、前半は支援している理由は明かされず、さまざまな痛い展開が満載。
後半になってから、この物語は雅雪の成長と葛藤を描くものだとわかっていく。
愛と憎しみ、持てる者と持てないものの埋められない溝。
その中で苦しむ人たち。
悩むだけでは先に進めない。
でも、進んでしまったら後には戻れない。
その先のちょっとしたボタンの掛け違いから起きる悲劇。
他人の不幸は蜜の味。愛憎劇のメンターテインメント。 -
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ネタバレ遠田潤子作品 2冊目を手に取りました。
前回読んだ『人でなしの櫻』は ちょっとゾクゾクするような人の狂気が溢れて それでも一気読みの本だった。
今回は舞台は大阪
伝説の漫才姉妹の「カサブランカ」の姉 チョーコを中心に
関りある登場人物たちが それぞれの人生の挫折や・孤独を味わいながら それでも前に進んでいく
連作短編小説
この作品の面白いところは 1作品ごとに
人生に寄り添うような禅の言葉が出てくるところ
・閑古錐(かんこすい)
・惺惺着(せいせいじゃく)
・一笑すれば千山青し
・花開く万国の春 などなど
でも この話の中で ぐゎんと心に波を起こしたのは
「親は愛情で子どもを壊せる