遠田潤子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ前に一度、読んでた時は、ただ面白いって思いながら一気に読めた。
今回読んだら、記憶にあった以上に胸糞話やった。
いや、面白いのは面白いねん。
伊吹が少しずつ鉢木座に馴染んでいけたり、慈丹との仲やったりとか。
でも、両親も、座長も、ストーカーの和香も、みんな自分勝手でそうなったらあかんやろみたいな。
理解が全くできひん人間たちで。
両親も座長も、過去を知っても一向に同情する気にならない。
和香も、話の中では伊吹が原因やみたいになってるけど、絶対違う。伊吹には伊吹の問題があってたまたま傷つけてしまったけど、その後はもう関係なくただただ和香の問題やし、ひたすらヒステリックになってる和香の母親もわけわからん。たぶん、和香の家もひどい。
2回目に読んだ時も、すらすらと2時間くらいで読めたから、面白いのは面白いねんけど、ちょっとひどい人が多すぎて、伊吹よかったねって簡単になれてない今です。 -
Posted by ブクログ
備前焼の窯の温度は約1200度。
この温度になるまでの大変さと、時間をかけて焼いたものでも少しでも気に入らない点があるとその場で割ってしまうということに、焼き物の世界の厳しさを感じました。
天上火窯の人間国宝の祖父、深田路傍に優しくのびのびと育てられた深田城。轆轤名人の父、深田天河の冷たさに、幼い頃から悩み続け、いつの間にか憎しみさえ持つようになります。彼は備前焼の天上火窯を受け継ぐことへの葛藤と父への疑問を抱えながら成長していきます。
なぜ父は自分に冷たいのか?
その事をずっと疑問に持ちつつ、怒りに変わりそれでも父のことが気になってしまうのは、やはり親子だからなんでしょうね。
深田城が父親の深田天河から聞いた真実は、祖父の代からの複雑にもつれた事情で、震災の不幸も重なっていました。
幼い頃たくさん傷ついた深田城が、焼き物のようにじっくりと自分の信念を固めていく様子が印象的でした。今後は表向きは華やかな世界の厳しさと、複雑な家庭での不幸を乗り越えて、新しい時代を築いていくような気がしました。
約15年間の物語は、深田城の成長と共に「許す」ということと向き合うものでした。
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Posted by ブクログ
備前の伊部が舞台と聞いて、それだけで紐解いた。備前焼のことに詳しくもなければ、伊部の場所は知っているけど、あまり詳しくもない。遠田潤子さんは初読み。けれども、なんとも懐かしい景色と世界だった。
父子の確執は、漫画「美味しんぼ」や多くの小説で描かれた永遠のテーマである。まさか、ここまでストレートに描いているとは思わなかった。もっとどろどろとしたり、陰湿な作風かと思っていた。3代に渡る父親と息子の愛憎。それを見守るおばあちゃん、死に別れた母親、付き合い成長してゆく同級生、という3人の女性。物語は土と火の芸術、作陶が形を作ってゆく。
伊部(いんべ)を歩き回ったことはないが、親戚家があったこともあり、だいたいの土地勘はある。でも大窯跡や物原、忌部神社などは知らなかった。今行きたくてたまらない。伊部は山ひとつ南に行けば、牛窓に続く海がある。備前焼の器で肴を食いたい。