遠田潤子のレビュー一覧
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綿矢りささんの「深夜のスパチュラ」は、現代っぽくて入ってきやすい。でも文章が続いていて読みにくい。主人公がかわいい。
一穂ミチさんの「カーマンライン」は、表現できないけれど良さがあって好きだと思った。双子って素敵だなあ。
遠田潤子さんの「道具屋筋の旅立ち」は、いかにも昭和的な男と、女の話で最初は嫌だなあって読んでた。でも、八角魔盤空裏走(はっかくのまばん、くうりにはしる)という言葉を聞いてからの優美の自分自身と向き合っていく姿が清々しかった。最後の誠とのシーンがなんかいいなあって。
窪美澄さんの「海鳴り遠くに」は、紡がれている物語の雰囲気がなんだか好きだなあ。最後ちゃんと結ばれてよかった。 -
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暗いの読んで、
血ドバドバ読んで、
締めは、久々の遠田さんで。
(隊長大丈夫かな…(・_・; )
まぁ、波乱な一族やな。
田舎の旧家になるんかな?
お父ちゃんの独裁!
DVの嵐やし、二号さん作って、離れに!
更に、二号さん失踪したら、その娘と結婚って…
更に更に、初夜で、腹上死〜!
その娘がタイトルにあるカラヴィンカ。
「迦陵頻伽。想像上の生き物だよ。
人頭鳥身。つまり、首から上は美しい女で身体は鳥なんだ。極楽に棲んでて、この上もなく美しい声で鳴く」
「その美しい声で仏の教えを説くんだ。でも、所詮は鳥なんだ。畜生なんだよ」
何か、正面切って殺人ってのはないけど。
実は……_| ̄|○
み -
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閑古錐 八角磨盤空 壺中日月長し 惺惺着
一笑すれば千山青し 花開く万国の春
これらはこの小説の各章に出てくる言葉。禅の言葉だったりするようだ。その言葉に登場人物がこれらの言葉に自分を顧みる。
どれもなるほど、いい言葉ばかりだ。
物語は大阪の姉妹の漫才師が関わりながら展開していく。
最初は若くして亡くなったピアニスト夫婦の娘が芸人になり、その娘が最後の話を締める。
ファミリアの子ども服 懐かしかった。
私も大好きだった。娘と息子、お揃いで着せた。
でも、この亡くなったピアニスト、自分の夢を亡くなってまで娘に押し付けるのは娘にとって重すぎるのでは。
基本的に親のエゴに子ども達が振り回されてい -
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ネタバレ最終章で知れた、俳優でない堀尾葉介がよかった。
実はトラウマ級の過去を持っていたなんて。
明らかに今までと口調が違うし、翼を救って自分も救えた。
時代劇うんぬんから始まって、
時代劇、、いつの話だろこれ、ついていけるかな、と思ったけどそれは最初だけで、結果普通に読めた。
強いて言うなら、どの章もピシッとしまって終わるわけではなく、ふわ〜と、この章に出てくる人たちの人生はこれからも続くんだな〜という感じで終わった。それがこの本の特徴なんだろうけども、たまに物足りなさを感じた。
炭で作った木琴を堀尾に渡すのはちょっと意味不明だったかも。自己満すごい。
堀尾葉介、一般人に声かけられて返事しちゃう -
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大阪で居酒屋を営んでる主人公藤太(とうた)の元に、幼馴染の秋雄が少女(ほづみ)を預けに来た
少女の母いずみと藤太と秋雄
過去に何があったのかという話
今の生活と、昔の少年時代と交互に話が展開
ある事件をきっかけに忌まわしい方向へとねじれていく
父親は仕事をせず、酒に酔って子どもを殴り、賭け麻雀をして借金をつくり、子どもを借金のカタに売る
そんな親たちのもとで育つしかなかった藤太たち
藤太 秋雄 いずみ
三人の過ごした時間はかげがえのないものなのに
最低の夏休み それでも最高の日々
蝶の羽化の失敗も
まるで人生の行き詰まりのようで
悲しくてやりきれない
後半の展開はスリリングで
少 -
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ネタバレ2025/03/28予約 21
盛りだくさんのエピソードが少しずつまとまっていく。大阪に詳しくないが地元ならもっとリアルに楽しめたのかも。
1970年の万博から2025年の万博まで、大阪近辺の事件に合わせて売れっ子漫才コンビのカサブランカ、売れないコンビのはんだごて、に関わる人々。みんなどこかに親との関係を引きずっている。クセのある登場人物の中で一番共感できたのは、翼の養父である福永充。たくさんのプレッシャーの中、気を抜ける瞬間や場所はあるのかな。
遠田潤子作品にしてはスピーディーに読み進めることができた。
大阪に土地勘のある人に読んでほしいと思った。