遠田潤子のレビュー一覧

  • カラヴィンカ

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    ネタバレ

    まるで昭和初期を舞台にしたような過去話とドロドロの人間関係が、読んでいて鬱な気分にさせてくれます。重苦しくて、晴れ晴れとした気持ちになる内容ではないのですが、じっくりと一言一句漏らさずに読み通したいと思わせる求心力にも似た力を作品から感じ、没頭して読んでいました。

    序盤、不動の死の原因とされている実菓子の存在とその態度に、多聞と同じく彼女に対する苛立ちを覚えました。しかし過去の話を読み進めていくと、虐待に起因する「自分に対する興味のなさ」に基づく一連の言動なのかと思い、少しずつ印象が変わっていきました。

    多聞も名家の次男坊(かつ、終盤で明らかになるある要因から?)のため、兄の影で存在をない

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    2017年11月22日
  • 蓮の数式

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    【ネタバレ】マザコン夫と義母を疎ましく思う女と算数障害に悩む男の逃避行。ラブロマンスとしてもミステリとしてもきちんと両立している傑作。読後感は必ずしもさわやかではないのですけれどそれもまたよし。識字障害は知ってましたが算数障害は知りませんでした。

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    2016年03月03日
  • カラヴィンカ

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    ボカリーズの名手実果子、ギター奏者の多聞、その兄の不動、彼らを巡り、不動の死に何があったのかを探りながら、驚くべき事実が明らかになっていく、そんな感じでストーリーが進行していくドラマで、読み応えがあった良作。

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    2026年01月28日
  • 人でなしの櫻

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    『雨のように』では、主人公に俳優の男を小説の中で演じさせ、本作では、日本画家の男を長谷川等伯の夭折した息子になぞらえながら
    作品を描かせる。
    芸術か愛情か、狂気なのか。
    愛情に恵まれなかった不幸の上の才能。
    父親との確執は より深い狂気を含む創作へ。

    遠田さんって、いろんな芸術の才能と確執を小説に落とすのがお上手です。

    そして 江戸川乱歩の「人でなしの恋」よりも
    罪深い「人でなしの桜」。
    遠田さんは、才能を祝福せず 才能が人をどこまで壊すかを、書いてしまいました。

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    2026年01月26日
  • 雨の中の涙のように

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    「小説宝石」連載作品

    「美しく、才能に恵まれ、努力も怠らない」という、完璧とも思える俳優・葉介。
    全八章のうち七章までを、彼に触れた悩みを抱える男女たちに語らせる、連作短編の構成となっていいます。

    葉介は俳優である自分を演じ続けながらも、彼に触れた人々に、自分自身を見つめ直させてしまう存在として登場する。
    最終章では、演じることから降りた彼が、本来の自分の人生を取り戻していく。その姿が、静かに、そして素敵に描かれる。
    遠田さんって 今の自分にちょうど良い読書だなって思う。

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    2026年01月25日
  • ミナミの春

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    確か鈴木保奈美さんの番組で著者と本の紹介を見たのだと思う。大阪の漫才師を軸とした短編連作。このような作り好きだ。
    自分に大阪の土地勘があったら、作品の雰囲気をより掴めたのだと思う。

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    2026年01月19日
  • 二周目の恋

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    群を抜いて一番面白かったのは
    「深夜のスパチュラ」

    手先不器用&料理苦手族の方は大共感してくれると思う笑。

    双子の「兄弟以上恋人未満」の話だったり
    同性愛の話もあったりするので
    単調な「純粋な異性愛」の話だけじゃないのもおすすめポイント。

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    2026年01月18日
  • ミナミの春

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    遠田潤子による大阪・ミナミを舞台にした傑作家族小説で、売れない芸人、隠し子疑惑を抱える妻など、様々な問題を抱える人々が、失われたものや後悔を乗り越え、人生の「あたたかさ」を見つけていく連作短編集です。阪神・淡路大震災の1995年から2025年までを舞台に、人生の偶然の繋がりや、人と人との温もりを描き、第16回山田風太郎賞を受賞しています。

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    2026年01月14日
  • 邂逅(わくらば)の滝

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    ここから、作風が変わったと、みんみんさんから連絡あり↓イメージ

    ∧∞^
    ( *・ω・) \ モシモシ
    /  つ\/
    しーJ |
    みんみん|
     さん | 「作風、変わったで!」
        |
        /\
        \ ∧,,∧
        ∩・ω・*) ハイ
        ヽ  |
          しーJ
        ウルトラ

    瀧口屋は滝と祠に参る人たちのための茶屋だ。川沿いに山を登っていけば紅滝という美しい滝がある。途中で緩やかに曲がっているので布がなびいているように見えた。あたりには紅葉の木が多く秋にはまるで山が燃えたように赤くなる。滝を望む崖には小さな祠があり、お参りや願掛けに人がやって来た。

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    2026年01月08日
  • 天上の火焔

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    苦しい親子がたどり着いたのがこんな形で良かった!代々なになに、の地獄や恍惚は並みの家庭に育った者には到底分からない。この人の書くものは面白いなあ

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    2026年01月08日
  • ミナミの春

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    正に私の生きてきた時代。懐かしい場所と大阪弁が心地良かった。
    この昭和~平成~令和を生きる人に共感する風景が頭の中に浮かんでくる。
    ストーリーの中で起きる出来事は、理不尽なことが多くて悲しくなりながらも、関西人らしく切り開いていく大らかさに、人生の希望を見出すことができた。

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    2026年01月08日
  • 天上の火焔

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    あけましておめでとうございます。
    本年も宜しくお願いしますm(_ _)m

    新年1冊目は、まことさんのレビューで気になり、一休さんのレビューでノックアウトされたこの作品。みんみんさんも高く評価されており期待大で読みました*( ᵕ̤ᴗᵕ̤ )*


    この作品は備前焼の里・岡山県の伊部を舞台にした父子三代の家族の物語です。

    物語は、主人公の城(じょう)が、大らかで優しい祖父 路傍(ろぼう)と、冷たく無関心な父 天河(てんが)という対極的な家族の中で育っていくところから始まります。
    幼い頃に母を亡くしていた城は、愛情を渇望しながら、父への想い、認められたいと言う思いに悩み苦しみ、それでももがき自分

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    2026年01月02日
  • ドライブインまほろば

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    ネタバレ

    遠田潤子の作品はいつも、重くて辛くて痛い。
    それでも、読み終わった時不思議に嫌な気持ちにはならない。
    今回も、そういう読書だった。

    小学6年生の憂は、母の再婚相手を殺し、異母妹を連れて家から逃げ出した。
    逃げ込んだ先の「ドライブインまほろば」を経営しているのは、2年前に5歳の娘を事故で亡くした比奈子。
    憂が殺した流星の双子の兄・銀河は、憂を探して「ドライブインまほろば」にたどりつく。
    そこで三者は…。

    憂の人生が壮絶で、胸が潰れそうになる。
    両親も義理の父も、誰も憂を愛してはいない。
    ただ憂さ晴らしをし、家事などをさせるためにそばに置いているに過ぎない。

    「なんのために生れたんだろう。生

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    2025年12月31日
  • 二周目の恋

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    お気に入りの話
    1「カーマンライン」一穂ミチ
    2「最悪よりは平凡」島本理生
    3「海鳴り遠くに」窪美澄

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    2025年12月24日
  • 人でなしの櫻

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    うわっ!
    インパクトあるわ〜
    タイトルが…(−_−;)
    もう、読む前から、闇に吸い込まれんのとちゃうの!

    うわっ!
    監禁ですか!
    8歳の少女を11年間も!
    やはり、遠田さんや!凄い〜!

    人でなしの才能か…前の作品では、たらしの家系もあったなぁ…
    しかし、持って生まれた才能なり、血筋なり…こんなんイヤや〜

    ストックホルム症候群
     誘拐や監禁、虐待などの極限状況下で、被害者が加害者に対して好意や共感、信頼感を抱くようになる心理現象。
    少女は↑↑↑
    更に、ココロは、8歳でストップ!

    暫く絶縁関係にあったお父ちゃん、死んで発覚!
    少女は、治療しても、なかなか依存がなくらず、息子に依存を移して…

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    2025年12月21日
  • 天上の火焔

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     最近、ファンタジーやミステリをよく読んできたので、無駄な装飾のない美しい文章でするすると読んでしまいます。
     初めて読んだ作家さんでしたが素晴らしかったです。わかりやすい言葉わかりやすい物語で焼物の世界に引き込まれました。
     食器にこだわりがなく100均の食器しか買ったことがないのですが、何かお気に入りのひとつを探してみたくなります。

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    2025年12月14日
  • 天上の火焔

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    父が偉大すぎて距離ができてしまったのだろうか? 祖父も父も同じ道を進んでいるとなると、自分にも相当なプレシャーがかかりそう。それでも同じ道をいくというのはすごい決心だ。

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    2025年12月02日
  • 二周目の恋

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    綿矢りささんの「深夜のスパチュラ」は、現代っぽくて入ってきやすい。でも文章が続いていて読みにくい。主人公がかわいい。
    一穂ミチさんの「カーマンライン」は、表現できないけれど良さがあって好きだと思った。双子って素敵だなあ。
    遠田潤子さんの「道具屋筋の旅立ち」は、いかにも昭和的な男と、女の話で最初は嫌だなあって読んでた。でも、八角魔盤空裏走(はっかくのまばん、くうりにはしる)という言葉を聞いてからの優美の自分自身と向き合っていく姿が清々しかった。最後の誠とのシーンがなんかいいなあって。
    窪美澄さんの「海鳴り遠くに」は、紡がれている物語の雰囲気がなんだか好きだなあ。最後ちゃんと結ばれてよかった。

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    2025年12月02日
  • 天上の火焔

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    懐かしい。煉瓦の煙突が立ち並ぶ伊部の町。「おえん、おえん」あんなに使っていた言葉なのに忘れていた。三代の物語だけど、親子関係、そんなに深く自省したことない身には、あまり共感出来ず残念。親子の愛情に疑問持たないでこれたのは幸せだったのかなぁ。

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    2025年11月26日
  • カラヴィンカ

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    暗いの読んで、
    血ドバドバ読んで、
    締めは、久々の遠田さんで。
    (隊長大丈夫かな…(・_・; )

    まぁ、波乱な一族やな。
    田舎の旧家になるんかな?
    お父ちゃんの独裁!
    DVの嵐やし、二号さん作って、離れに!
    更に、二号さん失踪したら、その娘と結婚って…
    更に更に、初夜で、腹上死〜!
    その娘がタイトルにあるカラヴィンカ。

    「迦陵頻伽。想像上の生き物だよ。
    人頭鳥身。つまり、首から上は美しい女で身体は鳥なんだ。極楽に棲んでて、この上もなく美しい声で鳴く」
    「その美しい声で仏の教えを説くんだ。でも、所詮は鳥なんだ。畜生なんだよ」

    何か、正面切って殺人ってのはないけど。
    実は……_| ̄|○
     み

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    2025年11月16日