遠田潤子のレビュー一覧
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彼女の本を読むのは2冊め。
1冊目の「雪の鉄樹」では、思わず涙があふれましたが、
今回は、読み終えた後に、ほぅ~。。。というため息に似た感動が。。。
歌詞のない旋律を母音のみで歌う人気歌手、実菓子。
彼女の自伝インタビューをすることになった、ギタリストの青島多聞。
2人は幼い頃、同じ家で育ち、
さらに、実菓子の夫は、多聞の亡兄だった。。。
読み初めて、多聞が彼女を避けているのがわかり、
過去に、何か複雑な問題があったことがわかってくる。
それでも、断れないインタビューの仕事をこなそうとするのだが、
そこで語られる、おぞましく悲しい出来事に、驚愕する。。。
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あまりに凄絶な、愛憎渦巻く家族の物語。いわくありげな人間関係が少しずつ小出しに語られるので、それに引っ張られて読む手は止まらず。どろどろしてひどい物語なのに、それでもぐいぐい惹きつけられて一気読みでした。そして実はミステリ……だったのだけれど。凄まじいまでの物語に引き込まれるあまり、どのあたりが事件であり謎であったのか全然気づかなかった! 愕然としてしまいました。
登場人物にどうも醜悪な人間が多くて、えげつない物語ではあったのだけれど。読後感はそう悪くないし、印象としては美しい物語という気がしました。しかし実菓子の願いがそういうものだったとは……それもまた、あまりに凄絶。「幸せ」という言葉の重 -
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遠田潤子『邂逅の滝』講談社文庫。
恋人の若い武士と一緒に逃げていた『紅姫』は、逃げる邪魔になると途中で武士に見捨てられ、亡くなってしまう。その『紅姫』の魂を慰めるための祠が残る紅滝。その祠に1人で口を利かずに参れば『紅姫』が願いを叶えてくれると言う。
そんな伝説に翻弄される男女の姿を描いた5つの物語で構成される連作形式の小説。5つの物語は現代から大正時代、江戸時代、安土桃山時代、南北朝時代と時間を遡っていく。
輪廻転生、因果は巡る時空を超えた壮大な物語なのだが、描かれる不幸の形がわざとらしい。そのせいか、著者としてはかなりの覚悟で描いたと思われる男女の性愛描写も白けてしまう。
『ファ -
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ネタバレ前に一度、読んでた時は、ただ面白いって思いながら一気に読めた。
今回読んだら、記憶にあった以上に胸糞話やった。
いや、面白いのは面白いねん。
伊吹が少しずつ鉢木座に馴染んでいけたり、慈丹との仲やったりとか。
でも、両親も、座長も、ストーカーの和香も、みんな自分勝手でそうなったらあかんやろみたいな。
理解が全くできひん人間たちで。
両親も座長も、過去を知っても一向に同情する気にならない。
和香も、話の中では伊吹が原因やみたいになってるけど、絶対違う。伊吹には伊吹の問題があってたまたま傷つけてしまったけど、その後はもう関係なくただただ和香の問題やし、ひたすらヒステリックになってる和香の母親もわけ -
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備前焼の窯の温度は約1200度。
この温度になるまでの大変さと、時間をかけて焼いたものでも少しでも気に入らない点があるとその場で割ってしまうということに、焼き物の世界の厳しさを感じました。
天上火窯の人間国宝の祖父、深田路傍に優しくのびのびと育てられた深田城。轆轤名人の父、深田天河の冷たさに、幼い頃から悩み続け、いつの間にか憎しみさえ持つようになります。彼は備前焼の天上火窯を受け継ぐことへの葛藤と父への疑問を抱えながら成長していきます。
なぜ父は自分に冷たいのか?
その事をずっと疑問に持ちつつ、怒りに変わりそれでも父のことが気になってしまうのは、やはり親子だからなんでしょうね。
深田城が -
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備前の伊部が舞台と聞いて、それだけで紐解いた。備前焼のことに詳しくもなければ、伊部の場所は知っているけど、あまり詳しくもない。遠田潤子さんは初読み。けれども、なんとも懐かしい景色と世界だった。
父子の確執は、漫画「美味しんぼ」や多くの小説で描かれた永遠のテーマである。まさか、ここまでストレートに描いているとは思わなかった。もっとどろどろとしたり、陰湿な作風かと思っていた。3代に渡る父親と息子の愛憎。それを見守るおばあちゃん、死に別れた母親、付き合い成長してゆく同級生、という3人の女性。物語は土と火の芸術、作陶が形を作ってゆく。
伊部(いんべ)を歩き回ったことはないが、親戚家があったこともあ