遠田潤子のレビュー一覧

  • 蓮の数式

    Posted by ブクログ

    【ネタバレ】マザコン夫と義母を疎ましく思う女と算数障害に悩む男の逃避行。ラブロマンスとしてもミステリとしてもきちんと両立している傑作。読後感は必ずしもさわやかではないのですけれどそれもまたよし。識字障害は知ってましたが算数障害は知りませんでした。

    0
    2016年03月03日
  • ミナミの春

    Posted by ブクログ

    「道頓堀ーズエンジェル」が好き。ちょっと連作になっているので、「この人誰?」が何回か。一気読みをおすすめ。

    0
    2026年09月19日
  • ミナミの春

    Posted by ブクログ

    チョーコさんみたいな人が実在したかどうかはわからないけど、彼女に憧れる人たち、目指す人たちを翻弄する孤高のカリスマ芸人だ。天賦の器量と才能を持ち合わせ、彼女に近づこうとすれば挫折が待っている。お笑いの世界がいかにも厳しかろうことは分かるが、その一瞬芸に身をやつす者たちの情念みたいなものが伝わってくる。大阪という舞台ならではの泥臭さ、そして人情。そんな浪花節ってのは濃ゆ過ぎてホントは少し苦手ながらも、それぞれの悩める人たちにいくらかの光が当たるのがほっとさせる。ヒデヨシくん、最後に君の執念が実ってよかった。

    0
    2026年09月17日
  • ミナミの春

    Posted by ブクログ

    遠野潤子作品にはこんなものもあったんだとびっくり。
    でも、優しさが作品を支えているのは一緒ですね。

    0
    2026年07月20日
  • ミナミの春

    Posted by ブクログ

    遠田潤子さんの『ミナミの春』を読んだ。複雑な家庭環境を描かせたら、やっぱり遠田さんが一番や。最近よく目にする一本芯の通ったオムニバス形式の短編集的な長編への挑戦も、氏の手にかかればこてこての浪花節。久しぶりに遠田潤子の世界を間近かつ濃厚に感じられてとても幸せな時間やった。大好き!

    0
    2026年07月12日
  • ミナミの春

    Posted by ブクログ

    大阪ミナミを舞台に、超人気コンビ・カサブランカは美人のチョーコと双子のハナコ。それを目標に励むハンダゴテのヒデヨシとハルミは夢破れ、しかもハルミは娘を残して亡くなっている。そこへ連絡を受けた娘・彩の祖父が引取にくるところから始まる連作短編。カサブランカの2人が常に登場人物たちに絡んでくるが、むしろ2人のことはあまり語られなくて、回りの幸せになりきれない人生模様が悲しくも染みる感じでした。
    最初の話は、本当に胸くそ悪くて、読むの止めようかと思ったくらい。まあ、その後はそこまで嫌なやつに人生ダメにされてばかりではないので我慢して読んでよかったです。
    夜の話も不倫も色々でてくるので、中学校以上。基本は高校くらいから。

    0
    2026年06月13日
  • ミナミの春

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2026/5/14
    短編連作。浪花の人間模様。みたいな感じ。
    映画っぽい。
    愛なのか憎なのか恨なのか。
    途中見失ったりもするけどやっぱり愛だったんだなと。

    0
    2026年06月10日
  • 天上の火焔

    Posted by ブクログ

    祖父、父、孫――三世代にわたる家族の物語。
    そこに「陶芸」という厳しくも美しい世界が重なり、それぞれが抱える思いや確執がむき出しになっていく。

    祖父と孫は強い絆で結ばれている一方、父と子の間には埋めがたい断絶がある。
    読み始めた当初は、父の抱える闇こそがすべての原因に思えた。しかし物語が進むにつれ、その背景や積み重ねてきた人生が見えてきて、誰か一人を悪者にはできなくなっていく。

    登場人物への印象が少しずつ変わっていく構成が見事で、「この先どうなるのか」と引き込まれ、気づけば最後まで一気に読み切っていた。

    人の心のすれ違い、受け継がれるもの、そしてその先にあるわずかな希望。
    遠田潤子さんらしい繊細な人物描写が光る、重厚で切ない一冊だった。 ★4.0

    余談だが、本作で遠田潤子さんの作品に興味を持った方には『銀花の蔵』もおすすめしたい。こちらも人の心の機微を見事に描いた作品で、きっと遠田作品の魅力をさらに味わえると思う。

    0
    2026年06月02日
  • 天上の火焔

    Posted by ブクログ

    備前焼窯元の三世代それぞれが抱える苦悩の物語。
    人間国宝の祖父路傍と孫の城が中心の話かと思ったが、轆轤の天才である父親天河と城の関係が。
    天才肌の路傍も魅力的、努力の人である天河も魅力的。
    星1つ欠けるのは、肝心の主人公である城のふにゃふにゃの言動。
    『もう、しっかりしてくれ』とずっとやきもきした。
    あと、何かを極めるためなら、家族など大切な人を蔑ろにするような芸術家たち全般に対する嫌悪感も影響した。
    終盤の謎が解明されていく場面は、情景が目に浮かび、登場人物の心情も胸に伝わり、とても感動した。
    さすが遠田潤子さんでした。

    0
    2026年05月30日
  • ミナミの春

    Posted by ブクログ

    時代も舞台も異なりますが、(第174回直木賞受賞作の)「カフェーの帰り道」に近い印象がありました、こちらは浪速のコテコテ感強めですが

    0
    2026年05月28日
  • ミナミの春

    Posted by ブクログ

    表紙のイメージから、ほのぼのした話かと思ったら結構苦しいエピソードがきて少しびっくり。
    人生ってそんなものなのかもしれないけど…。

    とはいえ、読後感は良く、まさに春を思わせるような明るい終わり方で良かったです。

    0
    2026年05月22日
  • イオカステの揺籃

    Posted by ブクログ

    家族の愛憎劇。ひと言で言えばそうなんだけど、そんなひと言では説明できない生々しさがありました。最後にちょっと希望めいた光が見え隠れするものの、でもよく考えるまでもなくだれも救われてない。でもそれがまたよりリアルな感じに思えてきて怖くなる。男性と女性、また既婚と未婚とか立場や年齢によって感じ方が結構違ってくる気がします。

    0
    2026年05月01日
  • 天上の火焔

    Posted by ブクログ

    父と子の普遍的な葛藤や懊悩を、陶芸という舞台で描いた傑作。
    愛、才能、儘ならぬもので悩み苦しむ人間の姿は、美しくも愛おしい。

    0
    2026年04月20日
  • ドライブインまほろば

    Posted by ブクログ

    最近、全然本を読む気にならないが、これは読めた。憂がかわいそうで辛かったなぁ。兄弟も理不尽なことがある。上の子はなんでも出来て当たり前。同じ事を下の子がやると褒め称える。上は辛いんだよなぁ。こんなおばさんになってもそう思う。

    0
    2026年04月07日
  • ミナミの春

    Posted by ブクログ

    山風賞受賞作ってことで。氏の著作に触れるのは久しぶり。嫌いになった訳じゃないんだけど、なんだかマンネリズムを感じてしまい、遠ざかってしまっていた。本作は、信を置く賞を取ったってのと、いつもと勝手が違いそうなあらすじ紹介を見て、それならちょっと読んでみようかな、と。まず、連作短編集ってことですでに新しい印象。相変わらず、人間の業に触れる内容なんだけど、それはスパイス的に扱われていて、全体的に結構ライトなタッチなのも好印象。楽しめた。パスしてきた数作品も、機会があれば改めて手に取ってみたく。

    0
    2026年04月06日
  • ミナミの春

    Posted by ブクログ

    きつめの言動などがありながらも、それもひっくるめて魅力と思わせるような登場人物や関係性が多く、読んでいて応援したくなるような雰囲気がよかった。

    0
    2026年03月29日
  • 紅蓮の雪

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    前に一度、読んでた時は、ただ面白いって思いながら一気に読めた。
    今回読んだら、記憶にあった以上に胸糞話やった。
    いや、面白いのは面白いねん。
    伊吹が少しずつ鉢木座に馴染んでいけたり、慈丹との仲やったりとか。

    でも、両親も、座長も、ストーカーの和香も、みんな自分勝手でそうなったらあかんやろみたいな。
    理解が全くできひん人間たちで。
    両親も座長も、過去を知っても一向に同情する気にならない。
    和香も、話の中では伊吹が原因やみたいになってるけど、絶対違う。伊吹には伊吹の問題があってたまたま傷つけてしまったけど、その後はもう関係なくただただ和香の問題やし、ひたすらヒステリックになってる和香の母親もわけわからん。たぶん、和香の家もひどい。

    2回目に読んだ時も、すらすらと2時間くらいで読めたから、面白いのは面白いねんけど、ちょっとひどい人が多すぎて、伊吹よかったねって簡単になれてない今です。

    0
    2026年03月27日
  • 二周目の恋

    Posted by ブクログ

    恋愛アンソロジー。

    どの作品も、一筋縄ではいかないけれど読後に希望の残る。こういうアンソロジーでは珍しく、どの作品も何かしら心に残る箇所があったのでとても得をした気持ち。

    特に「深夜のスパチュラ」のとりとめがないけどキュートな読み味や、「道具屋筋の旅立ち」のラスト、「海鳴り遠くに」のタイトルの意味が分かった瞬間が特に心に残った。

    0
    2026年03月21日
  • 天上の火焔

    Posted by ブクログ

    備前焼の窯の温度は約1200度。
    この温度になるまでの大変さと、時間をかけて焼いたものでも少しでも気に入らない点があるとその場で割ってしまうということに、焼き物の世界の厳しさを感じました。

    天上火窯の人間国宝の祖父、深田路傍に優しくのびのびと育てられた深田城。轆轤名人の父、深田天河の冷たさに、幼い頃から悩み続け、いつの間にか憎しみさえ持つようになります。彼は備前焼の天上火窯を受け継ぐことへの葛藤と父への疑問を抱えながら成長していきます。

    なぜ父は自分に冷たいのか?
    その事をずっと疑問に持ちつつ、怒りに変わりそれでも父のことが気になってしまうのは、やはり親子だからなんでしょうね。

    深田城が父親の深田天河から聞いた真実は、祖父の代からの複雑にもつれた事情で、震災の不幸も重なっていました。

    幼い頃たくさん傷ついた深田城が、焼き物のようにじっくりと自分の信念を固めていく様子が印象的でした。今後は表向きは華やかな世界の厳しさと、複雑な家庭での不幸を乗り越えて、新しい時代を築いていくような気がしました。

    約15年間の物語は、深田城の成長と共に「許す」ということと向き合うものでした。

    0
    2026年03月03日
  • 雪の鉄樹

    Posted by ブクログ

    「一体、何があったの?」
    事件の全貌が明かされるまで、頭の中はずっと疑問でいっぱいだった。
    事件の贖罪の為とはいえ、雅雪の行き過ぎともいえるほどの行動は見ている者も苦しくさせる。
    どこか歪んだ家族への絶望、悲しみ、それでも求めてしまう愛情…色んな感情がぐちゃぐちゃに入り交じっていて、そんな気持ちになったことのない私もつられて胸が痛かった。
    この先がどうか幸せでありますようにと思わずにはいられなくなる作品。

    0
    2026年02月26日