遠田潤子のレビュー一覧
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「最悪よりは平凡」島本理生
顔は平凡だけど体がグラビアアイドルなみの魔美は、こんな名前をつける親に育てられたという心の傷と、しょっちゅう男性から誘いをかけられる体質。彼女にとっての幸せな恋愛は?
「深夜のスパチュラ」綿矢りさ
大学生の可那は気になっている男の子に手作りチョコ前日に思いつきあげようとするけど、料理スキルなく、買い物から四苦八苦。オチ秀逸だった。
「フェイクファー」波木銅
主に着ぐるみ作る手芸サークルに入っていた男子の回想。仲間が一人死んだという連絡入る。
「カーマンライン」一穂ミチ
私が五歳の時、母は父と死に別れたアメリカから日本に戻ってきた。双子のケントをアメリカの、父の実家に -
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ネタバレ登場する映画を知っていれば、より一層楽しめたと思いますが、わたしが知っていたのは「長七郎江戸日記」と「忠臣蔵」だけでした(笑)。大洲の町並みや、臥龍山荘の景観の美しさも、思い浮かべることができて、第一章は想像とが現実がうまい具合に相まって、景色が流れるように読めたのがよかったです。アイドルの握手会は、見たことなかったので、うすぼんやりとしか想像できませんでしたが。
どの章にも、登場人物が基本的に、一回なんかしら暗い過去があって、それに捕らわれているんですが、それを昇華して気力を取り戻していくために切っ掛けになった人物が描かれています。ちょっとずつ出てくる過去が繋ぎ合わさって、一人の人物になっ -
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大阪、奈良、和歌山にまたがる深い山の中に紅滝という美しい滝がある。
その滝には運命の恋と信じた相手に裏切られ捨てられた姫の哀しい伝説が残されていた。
瀧口屋は、秘境の宿として雑誌にも取り上げられた。
この瀧口屋の長女が紅姫様を慰めるお祭りをやった年に…。
この現代から次の章には、過去になり大正、江戸、安土桃山、南北朝時代へと〜
二人は出会いを繰り返す。
悲恋物語だが、死と哀しみだけでなく周りも辛くなるほど…。
運命的な出会いだが、決っして結ばれることのないという残酷さにやりきれない。
この絶望感が何度も何度も繰り返されるのはたまらない。
それでも愛する人はただひとり。
泣きたくなるほどの -
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うっとりするようなお話が多かった。全ての作品にその人らしさが浮かんでいて、それも良かった。窪美澄さんの「海鳴り遠くに」が1番好きだったなあ。女性同士の恋愛をこんなにも美しく描けるなんて。
p.290 「無事に、行きなさい」桜木紫乃
学校なんて現代的にY染色体を理解したいなって。実際のY染色体っていうのは、すごくちいさくて、ほとんど遺伝子が乗ってないんです。唯一の働きは生物をオスにすることくらい。XXYもきれば、XYYもいるとなると、もはや性別というのは見える部分の肉体差異なんです。性染色体っていうのは、もともと異常が起きやすい部分なんですよ。だから、本来真っ二つに割るのは難しいんです」見か