大島真寿美のレビュー一覧

  • 宙の家

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    マンションの11階、空のすぐそばにある場所で暮らす雛子一家。なんとなく保たれていた均衡は祖母の萩乃が「通信不能」状態になったことで一気に崩れだす・・・
    「宙の家」だけでも完結しているが、後日譚の「空気」も含めて、この話はひとつにまとまっているような気がする。
    全体に漂うなにかもやもやとして抜け出せないもどかしさ、けれど透き通る空気。
    ここに「答え」はひとつも出てこない。けれどそれでよい気がする。答えはないのでなく、「書かれていない」だけであるような。

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    2012年09月30日
  • チョコリエッタ

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    主人公はすこしおかしい女子高生。これといった山場もなく、続くモノローグ。
    好みが分かれる作品だと思いますが、私はどストライクでした。しかも解説は野中柊さん!
    読後までずっと漂っている喪失感とか、読後はすこし増している気がする幸福感とかが心地よくて、もやもやしているときとかに読みたい一冊です。
    「道」、見てみたいなあ…

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    2012年09月22日
  • 虹色天気雨

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    ネタバレ

    NHKのドラマ、「ビターシュガー」の原作者として大島真寿美さんを知りました。この本はその第一章。
    口語体が中心のするりと読める文章。仕事合間の移動時間での読書にもかかわらず、一日で読めてしまった。「」(かっこ)で表さない会話が多いことも特徴かな。かっこをつけない会話って、ドラマや映画で風景画を映しながらバックで流れる会話のよう。
    結論から言うと、わたしはこのお話が好きだった。それも、かなり。日本版SATCのようという表現はたしかにそうかもしれない。ただそこで繰り広げられる会話や動作にはきっとSATC以上に共感できるはず。なぜならそこには、日本ならではの謙遜や遠慮、社交辞令も、とてもたくさん出て

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    2011年12月16日
  • 宙の家

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    とてもいい作品。久々に気持ちをスーッと突き抜けてくミント味の物語を読んだ気がする。

    2019.8.11 再読
    直木賞を記念しての再読。
    登場人物みんなの心に影が見えるのは、背景に青い空があるから。光が強ければ影が濃い。
    でもそンなこともどうでもよくなるくらい、青い空が見える。物語自体は派手さは無いのに、読後感がすごく良い。

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    2019年08月11日
  • ビターシュガー 虹色天気雨2

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    端的に言えば四十路の女性3人の友情物語
    ですが、友情らしい熱く深くおしつけがましい感じはないです

    解説の方も書かれている通り、登場人物の距離感がいいけれど
    なかなかこんな距離感を保ちつつ誰かと仲良くするのは難しいように思います
    そんなこともないのかな…?ただの力不足かもしれません

    カンニングの竹山さんが(何故か他局で)番宣していたこと
    主演3人の女優さんはニュースか何かで知っていたことで
    奈津=和久井さん、まり=鈴木砂羽さん、三宅ちゃん=竹山さん
    だと勝手に思いこんで読んでいました(笑)

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    2011年10月21日
  • 香港の甘い豆腐

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    17歳女子高生。なんとなくいろんなことがうまくいかない。学校にも行かなくなってしまった彩美。全ての根源は父親がいないこと、と言ってしまったばっかりに父親に会いに香港に連れて行かれ…香港の猥雑な街角と、傍若無人なのに優しい人々と、美味しい食べ物に囲まれているうちにこんがらがった心がほぐれていく過程が優しく綴られる。17歳の頃、感じていたやるせなさのようなよるべなさのような言葉にできないもやもやがここにぎゅっと詰まっている。しかし彩美のおばあちゃんのステキなことといったら!

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    2011年08月01日
  • うまれたての星

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    高校時代、試験が終わった日に別マや週刊マーガレットを読むのが楽しみだったことを思い出した。
    あとがきに書かれていた、漫画家の諸先生方の名前、懐かしく、ワクワクしながら読んでいた少女時代にタイムスリップした感じだった。
    そしてその頃は知る由もない漫画編集者の方々の苦労を知ることができた。
    また、1970年代の働く女性の立場についても納得できた。長編だったが読後感とてもよかった。

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    2026年01月22日
  • うまれたての星

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    1969年〜1973年の少女漫画編集部が舞台。まだ民主主義や男女平等が浸透していない時代、逞しく凛として働く女性編集者や漫画家が素敵だった。いつの時代も、読者に元気や希望や夢を贈り続ける漫画の力は本当に凄い。

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    2026年01月04日
  • たとえば、葡萄

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    この手のひとり語りの話って、基本的に苦手。
    だから、最初は「美月うぜぇ」とか思いながら(笑)読んでたけど、だんだんその等身大の素直な気持ちが染み込んできた。そう、だって皆大なり小なりうざいのよ(笑)
    最後はちょびっと勇気を貰えた気がした。

    「わたしが変化すれば、ぶどうも変化する。
    だから世界もね。」

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    2025年12月28日
  • うまれたての星

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    数々の「書き手の業」を描いてきた大島さんが、近松門左衛門の次に選んだのは、なんと漫画家!はい、彼女たちも、確かに業を持っていた。作中では、鵺と表現されている。

     1969年、人類が月面着陸をした年に出版社に就職した辰巳牧子は、経理補助として「週刊デイジー」「別冊デイジー」編集部で働き始める。親分肌の川名編集長が率いる「週デ」は、漫画班・活版班・グラフ班に分かれて編集部員一同、日々忙しく動き回り、「別デ」を率いる小柳編集長は、才能あふれる若い漫画家たちを見出し、次々にデビューさせていた。

     半世紀以上経って、紙媒体から電子媒体に変わるなんて、誰も思っていなかった頃、少女漫画にぽつぽつとスタ

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    2025年11月24日
  • ほどけるとける

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    やりたいことが何もない状態から、だんだんと自分の向いていることに目覚め、進んでいくところ、生きているなあという感じ。美和の周りにいる大人たちのほどよく気の抜けた雰囲気もいい。

    表紙もかわいくてすてき。銭湯が舞台の小説でおすすめを聞かれたらこれを紹介したい。知恵と勇気!!!

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    2025年11月01日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

    購入済み

    商店街を舞台にした七軒の店のお話。作品達が直接関連しているわけではなく、同じ商店街の空気感で繋がっていてどれも印象的でした。

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    2025年10月28日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    このシリーズの4に好きな作家さんがいたので読み始めました。
    4⇒1で読むと、あのお店はこういう話の始まりだったのか~がわかって面白かった!
    短編集なので、もちろん好みのものと、あまりそうでないものはあるものの、全体的には呼んでいて面白かったです。

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    2025年10月16日
  • 渦 妹背山婦女庭訓 魂結び

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    人形浄瑠璃への情熱がひしひしと伝わって、半二たちのその熱が巻き起こした渦に巻き込まれるように、私も浄瑠璃を観たくなった。
    時代が変わった今も、渦はずっと渦巻いているのだ。

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    2025年10月06日
  • 渦 妹背山婦女庭訓 魂結び

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    根拠なく前向きになれる作品でした。面白かったです。どうやら半二が言うところの『渦』は現在もぐるぐると回り続けて新しいものを生み出しているようです。

    江戸時代の浄瑠璃作者、近松半二を主人公をとした作品。完全に作者のフィクションと思って読みはじめたのだが、近松半二は実在の人物。『妹背山婦女庭訓』は現在でも人気の浄瑠璃および歌舞伎の演目だそうだ。
    移籍や分裂、宗旨替えや旗揚げなどの話は現代の小劇団が舞台だと生々しくなってしまうのだが、250年前の人形浄瑠璃一座が舞台だと素直に拝読することが出来た。
    また、半二の代表作『妹背山』のストーリーは本作中の記述を読む限りではまるで劇団新感線のなかじまかずき

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    2025年08月24日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    ずっと読んでいたシリーズの『あずかり屋』さんがアンソロジーに入っている!
    と、読み始めました。
    商店街の店についてのアンソロジーなので、作家さんが違うのに統一感があるように思えました。
    まるで連作短編みたい。
    このシリーズ、積読にあと3冊控えているので楽しみに読みます!

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    2025年07月11日
  • 渦 妹背山婦女庭訓 魂結び

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    これまで読んだことのないジャンルの小説で興味深かった。 近松半二この世界では有名だがわたしは全く知りませんでした。 天才は作品に没入すると、ストーリーが降ってくる様に書かずにはいられなくなるってパターン。

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    2025年05月27日
  • 香港の甘い豆腐

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    自分を見失った17歳の彩美は、高校をサボりがちだ。そんな夏休みに強引な母に連れられて香港へ行く。まるで喧嘩しているように聞こえる広東語、街の灯りと喧騒に圧倒されるが直ぐに馴染み一人香港に残る。
    「深夜特急」で若き沢木耕太郎は香港に魅了されるが、本書でもその魅力が良く伝わってくる。
    夏の終わりに帰国した彩美はリムジンバスの中の静寂と窓の外の暗さに、この国はまるで眠っているようだと感じるのが印象的。香港に行ってみたくなる本。

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    2025年04月07日
  • いつか、アジアの街角で

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    アンソロジー 6人の女性作家による、アジアをテーマにしたアンソロジー。
    特にガツンときたのは島本理生の「停止する春」。
    心がほんわり柔らかくなったのは角田光代の「猫はじっとしていない」。
    それぞれの個性が際立つ短編集でした。

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    2025年12月18日
  • 香港の甘い豆腐

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    香港という街は「活気がある!早い!」というイメージがあったけど登場人物のキャラを含め優しくゆっくりと時間が過ぎていく一冊。

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    2025年02月27日