大島真寿美のレビュー一覧

  • 虹色天気雨

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    女同士の友情、いいなあ。
    誰かが結婚したり、子供が出来たりすると、別の人間関係の方が育ってしまって、幼なじみでも、仲良しの仕事の同僚でも疎遠になって行くことも多いけれど…
    こんな関係はうらやましい。
    そして、10才に育った子供が女の子だったから、もう、この女子会に加わっているような感じがするのも面白い。

    気になるキャラは三宅ちゃんだ。
    オネエやゲイのキャラが、主人公の人間関係に登場する作品は割と多い。
    そして、何故か、人情に厚く、面倒見が良かったりする。
    だいたい、私はそのキャラクターを、いいな、と思う。
    何で、オカマっていいなあ~ってことになるのか、今回考えてみて、ふと思ったんだけど…

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    2015年04月19日
  • チョコリエッタ

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    チョコリエッタ 私は犬。

    夏休みへの ノスタルジー

    ジェルソミーナの音楽と、先輩と、おじいちゃんの喫茶店。

    現実の世界にいる、霧湖ちゃん。

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    2015年03月31日
  • 香港の甘い豆腐

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    【本の内容】
    「どうせ父親も知らない私ですから」十七歳の彩美は、うまくいかないことをすべて父親のせいだと思っていた。

    夢がないのも自信がないのも。

    退屈な夏休み。

    突然、彩美は母親からパスポートとエアチケットを渡される。

    どうやら父親はいま香港にいるらしい。

    会いたいと望んだことなんて一度もなかったのに。

    ガッツよ、ガッツ。

    初めて知る出生の秘密に、へこたれそうになる自分を鼓舞し、彩美は空港へ降り立った―。
    熱気に溢れる香港の町。

    力強い響きの広東語。

    活気に満ちた人々と出会い、少女がたおやかに成長を遂げる青春の物語。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    17歳の彩美は、人付

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    2014年10月31日
  • 香港の甘い豆腐

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    胸を甘く締めつけられるような感覚になりながら、すいすいと読み進めました。
    香港に行きたい。
    もしくは香港映画を久々に観たい。
    安易かもしれないけれど。
    読み終えた後にふくふくとした気持ちにさせられる一冊でした。

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    2014年03月03日
  • 戦友の恋

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    巻末に添えられた北上次郎さんの解説の一行が物語る…完璧で美しく、静かで力強く、、の見事な時間の経過、時の流れ、、玖美子と一緒に年を重ねる佐紀と単独のあかね。頁内の幾つかの言葉が突き刺ささってくる作品と違い、こんなに頁毎にしんなりと溶け込んでくる作品も珍しい。ほんのり軽いエッセイ感も漂わせながら…リズに行きたくなる♪

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    2013年12月30日
  • 戦友の恋

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    ある女性が、大切な人を失った喪失感から、立ち直っていくお話なんだけど、その大切な人が、恋人ではなく肉親でもなく、友人でもない。そう、戦友なんである。
    この表現、距離感。心得てるな~。
    立ち直っていく過程も、劇的なことがおきるのではなく、どちらかというと、地味に淡々と日々を過ごしている。このリアルさなんですよねー。
    ピエタの慎とした、凛とした感じも好きだけど、本作の方がより身近な印象を受けた。
    が、ラストが??な終わり方。

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    2013年04月14日
  • 戦友の恋

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    仕事の、そして私生活でも、
    かけがえのない友達を喪ったところから
    始まる。
    友達が「死につづけている世界」で「生き続ける」私の
    物語。
    かけがえのない人がいなくなった世界でも、
    忙しかったり、スランプになったり、
    その底辺に流れる日常の生活、出会い、再会、
    変わっていく気持ち、育っていく感情・・・。
    生きてゆく・・・ということは、大変だけれど、
    美しくて、愛しいことだなぁ・・・と
    ラストを読んでしみじみと思った。

    ふつうの生活を、もっと愛したくなる
    好きな作品が、またひとつ増えた。

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    2013年03月29日
  • 戦友の恋

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    ”完璧な小説だ。”とは北上次郎さんの文庫解説の冒頭の文。
    これは単行本の時の感想で、装丁・挿画・造本等はこの原稿を書いている文庫版がどうなるかは判らない。と書いている訳だが、この文庫は「北上さんの解説まで含めて完璧」だ。
    漫画原作者の主人公佐紀と同年齢の編集者玖未子との関係を描いた小説だが、実は冒頭から仕掛けが施されている。
    六話の連作短編の中で時間は過ぎ行き、あっというまの20年前後を描いている。
    話の終らせ方が実に巧みで、短編にありがちな「それからどうなった?」と思わせないところがいい。それでいて、解説によれば「それから」が描かれた小説もあるらしいからニクイな。

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    2012年12月29日
  • 戦友の恋

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    ネタバレ

    人から見たら、いや自分でだって、なんてことない毎日を送っている
    だけど、知らない間に、頑張っていたりして、疲れちゃうこともある
    それでも、1日1日すこやかに生活をしている佐紀の姿がいとおしい
    連作短編で、1章づつが短く、読みやすい文章で
    とても好きな小説でした

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    2012年12月27日
  • 戦友の恋

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    大島真寿美さんは本当に素敵。「ピエタ」とは違う着地点で、この作品があったから、「ピエタ」が生まれたのだと思う。大島さんが描く女性というのは、喪失感やコンプレックスを持っていて、けれど、それがすべてではなくて、きちんとそういう「人生の重み」というものを持っている上で、時に明るく、時に真面目に生きている。だから尊敬できる。人生ってそんなもんだよなって頷ける。
    小説と料理とは似ていて、どうにも僕も、こういう出汁の効いた作品が好きになるだけの歳月を、それなりに過ごしてきたみたいだ。

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    2012年10月13日
  • 水の繭

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    人それぞれが持っている、悲しみの深さなど、言葉で勇気づけることも必要だけど、相手の気持ちに合わせて行動し、悲しみを少しでも共有できる人間になりたいと再確認できたストーリーでした。
    お話に出てくる廃屋だった家に住みつき、悲しみ心に空洞を持った人々にそっと寄り添っていた野良猫ちゃんのように。

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    2012年09月19日
  • ビターシュガー 虹色天気雨2

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    前作から私が慣れたのか、大島満寿美に円熟味が生まれたのか^^;
    面白かった。
    前作から同様に軸は女子の友情と思ったが、前作ではぼやけていた(と私が勝手に感じていた)主人公の人柄で話は展開されていた。自然に登場人物の性格を出していくところは大島の真骨頂。登場人物は何処かにいそうで、でも、それぞれキャラ立ちしている。
    事件なんてほどのことはなち何気ない日常にふっとある非日常。トータルであーなんか、そういうのいいよねーと思わせる。
    自分の今までと今に同じものを見て、悪くないのかなと思う。そういう楽しみ方をする小説なのだろう。

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    2012年08月29日
  • 香港の甘い豆腐

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    女子高生の主人公には生まれたときから父親がおらず、
    思春期に突入し、「父親がいないこと」を全ての理由にして投げやりに生きている。

    学校をサボっていることを知った母親が主人公を香港へ連れて行き、そこで父親と再会することに。

    主人公の香港での日々と出会いを描いた青春旅情小説。

    環境を理由に甘ったれていることを主人公自身がよく分かっているのが伝わってきて、
    なんだかほどよい苦さと甘さのある物語だった。
    説教臭くないのもいい。

    香港という土地のチョイスがすばらしいのだとも思う。
    すごく香港に行きたくなった。
    猥雑な空気にまみれたい。

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    2012年07月22日
  • 香港の甘い豆腐

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    海外で生活することで今まで見えなかったものが見えるようになる、考えたこともなかったようなことを考える、単純に言ってしまえば成長するということだが、海外で生活したことのある人には共感して頂けるのではないだろうか。

    本書の主人公「彩美」もその一人で、高校2年の夏に母親から連れられて香港へ行くことになる。目的は今までいないと教えられてきたはずの実の父親に会うためであった。それまで、人付き合いが下手なのも、自分に自信がないのも、頭が悪いのも、溌剌としていないのも、夢がないのも、希望がないのも、全部父親がいないことのせいにしてきた彩美。学校をサボってることが母にバレて、そのことでグチグチ言われた時つい

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    2012年10月02日
  • ビターシュガー 虹色天気雨2

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    『虹色天気雨』から3年後の話。奈津の娘である美月を例に挙げれば、彼女が小学5年生から中学2年生になったということだ。3年も経てば何かしら変化が起こってるはずで、高校からの同級生まりがそれまで付き合っていた旭(あきら)と別れた、とか、三宅ちゃんの事務所で働いている小糸ちゃんが結婚する、とか、お騒がせ娘の辻房恵が別の男性の子どもを身ごもったまま元夫と再婚する、とかまあいろいろあるのだ。ただ、一番大きな変化はまりの元彼である旭が市子の部屋に居候していることだろうか。「同棲」と言うと男女間に恋愛感情が発生していることが暗に含まれてると思うのだが、この場合はあくまで居候である。

    事の発端は三宅ちゃんだ

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    2012年06月26日
  • 虹色天気雨

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    父親が失踪した美月のことを奈津の幼馴染である市子をはじめ、奈津の友人や知人がサポートしていく。運動会のシーン、美月が某テーマパークのポスターガール(言葉があってるか定かでない(汗)に採用されたため、リニューアルオープンイベントに皆で行くシーンが印象的だ。父親がいなくなったことによる暗いイメージを受けることはない。むしろ、逆で、本書に出てくる女性たち(ゲイを含む)は皆精神的に強い。男なんていなくたって生きていけるんじゃないか、そう思わせてくれる。

    大島真寿美さんの作品を読んだのはこれが初めてだったのだが、読みやすいテンポだし、女性たちのリアルな会話の描き方が上手だなと思った。僕は喫茶店でバイト

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    2014年10月13日
  • 戦友の恋

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    ともに青春時代を過ごした、戦友とも言うべき友人の編集者を亡くした漫画原作者の再生を描いた連作短編。

    1話目の時点で友人は亡くなってしまって、以降、何か大きな出来事等が起こるわけでもないが、取り返せない喪失感を抱えた主人公が、淡々とした日々を過ごすなかで、少しずつ前向きな気持ちを取り戻していく過程がなかなか丁寧に描かれており、またそれを語る文章も、抑制が効いている分、余韻が残って印象的だった。

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    2012年05月15日
  • ふじこさん

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    ネタバレ

    短編集。
    表題作は、離婚調停中の両親に親権を争われうんざりしているリサと、
    父の愛人との妙な交流を描いたお話。
    タイトルの『ふじこさん』が愛人の名前。

    リサの自分自身への無関心さと人生への倦怠感が溢れている。
    リサは小学生。
    でも小学生は小学生なりに人生を悲観し、鬱屈としたものを抱えているのだよね、と自分の子供時代を重ねて思う。

    自分を支配しようとして、当然の権利のように自分を引き取ろうとする母&祖父母への反感と対になり父親への好意(いや同情か)が強くなるものの、
    物語を通して「男は身勝手で無神経」という側面を出すことで主人公は本当に自分自身の価値基準を自分の中に持てる子になったのかなと思

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    2012年02月29日
  • ビターシュガー 虹色天気雨2

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    前作に続いて面白い。
    3人に共感できる年齢なので、ときどき内容が刺さる
    この物語の中に、仲間に入れてほしい

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    2012年02月16日
  • ビターシュガー 虹色天気雨2

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    「ほっこりする」というと、なんか鄙びた印象を持ちそうだけれども、でも本当にそんなカンジがする。読み終わった時に。

    昔、好きで見ていた海外ドラマのフレンズを、雰囲気が似ているとかはないんだけど、思い出してみたりする。

    描かれることは、離婚の話だったり決して幸せだけを描いているわけじゃないのに、それでもなんというか素敵な時間を過ごしているなという、やや羨望にも似た気持ちにさせれる。

    読み終われると、もうちっと見ていたかったなぁという気にもなる。
    好きな物語。

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    2011年11月30日