大島真寿美のレビュー一覧

  • ツタよ、ツタ

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    明治の終わりに沖縄に生まれた「幻の女流作家」の数奇な運命。

    「書くこと」に目覚め、そのことによって現実の生活から離脱し、自分の心を解き放てると知ったツタ。
    千紗子という名で思いがけず婦人雑誌に投稿した作品でデビューする機会を得るも、待ち受けていたのは、思いもよらない抗議。
    翻弄され、時代の隙間に落ち、やがて忘れられていく。

    故郷に戻ることができなくなっても、ツタには愛した充がいて、友人のキヨ子がいて、作家として立つことは叶わなかったけれど、ツタの死の間際の平安が、私にはよくわかる気がする。

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    2016年11月03日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    7人の作家が、「こんぺいとう商店街」を舞台に、主人公を変えながら送るリレー式の短編集。じつは、もっとファンタジー色の強いものかと思っていたのだけれど、まったくそんなことはなく。まるで同じ人が書いたかのように、すんなり読めました。

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    2016年03月25日
  • それでも彼女は歩きつづける

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    柚木という映画監督を中心に話が展開。
    一人一人の視点から、話が進んでいく。
    本人を直接見ることも、その人の人間性を感じることができるが、その周辺の人の話から読み取ると、それとまた違ったかカンジを味わえると思う

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    2016年01月10日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    千早茜さんのチンドン屋が一番好きでした。下町のベランメイ調は素敵と思いながら、現実に聞いたことはありません。(聞いたら、なんと返したらよいかわからなくてモジモジしそう…。)

    偏屈で頑固者だけど、情にあつい親方の独り語りのテンポの良さや相手の若くて真面目な泥棒さん?もじんわり心あたためてくれました。

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    2015年06月06日
  • それでも彼女は歩きつづける

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    マイナーな映画を撮る映画監督・柚木真喜子が海外の映画祭である賞を受賞した。

    彼女と関わった人、関わらなかった人、関わった人にかかわった人…
    それが、柚木真喜子という人物または彼女の作品で意外な繋がりを描き出す。

    一番普通で地味なのは、妹の七恵かもしれない。
    彼女の姉が映画監督だと知って、スーパーで声をかけて来て話題に喰らいつき、興奮して喋りまくるママ友が強烈。
    いるな~、こういう人。
    テレビにちょっと出たとか、有名人とつながりがあると聞くと、大騒ぎしちゃう人。
    そのセリフが、芋づる式にずるずる止まらないおしゃべりが、すごくリアル。

    そのセリフ以外でも、鍵括弧にくくられずに、地の文章の中に

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    2015年05月18日
  • 虹色天気雨

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    女同士の友情、いいなあ。
    誰かが結婚したり、子供が出来たりすると、別の人間関係の方が育ってしまって、幼なじみでも、仲良しの仕事の同僚でも疎遠になって行くことも多いけれど…
    こんな関係はうらやましい。
    そして、10才に育った子供が女の子だったから、もう、この女子会に加わっているような感じがするのも面白い。

    気になるキャラは三宅ちゃんだ。
    オネエやゲイのキャラが、主人公の人間関係に登場する作品は割と多い。
    そして、何故か、人情に厚く、面倒見が良かったりする。
    だいたい、私はそのキャラクターを、いいな、と思う。
    何で、オカマっていいなあ~ってことになるのか、今回考えてみて、ふと思ったんだけど…

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    2015年04月19日
  • チョコリエッタ

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    チョコリエッタ 私は犬。

    夏休みへの ノスタルジー

    ジェルソミーナの音楽と、先輩と、おじいちゃんの喫茶店。

    現実の世界にいる、霧湖ちゃん。

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    2015年03月31日
  • 香港の甘い豆腐

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    【本の内容】
    「どうせ父親も知らない私ですから」十七歳の彩美は、うまくいかないことをすべて父親のせいだと思っていた。

    夢がないのも自信がないのも。

    退屈な夏休み。

    突然、彩美は母親からパスポートとエアチケットを渡される。

    どうやら父親はいま香港にいるらしい。

    会いたいと望んだことなんて一度もなかったのに。

    ガッツよ、ガッツ。

    初めて知る出生の秘密に、へこたれそうになる自分を鼓舞し、彩美は空港へ降り立った―。
    熱気に溢れる香港の町。

    力強い響きの広東語。

    活気に満ちた人々と出会い、少女がたおやかに成長を遂げる青春の物語。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    17歳の彩美は、人付

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    2014年10月31日
  • 香港の甘い豆腐

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    胸を甘く締めつけられるような感覚になりながら、すいすいと読み進めました。
    香港に行きたい。
    もしくは香港映画を久々に観たい。
    安易かもしれないけれど。
    読み終えた後にふくふくとした気持ちにさせられる一冊でした。

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    2014年03月03日
  • 戦友の恋

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    巻末に添えられた北上次郎さんの解説の一行が物語る…完璧で美しく、静かで力強く、、の見事な時間の経過、時の流れ、、玖美子と一緒に年を重ねる佐紀と単独のあかね。頁内の幾つかの言葉が突き刺ささってくる作品と違い、こんなに頁毎にしんなりと溶け込んでくる作品も珍しい。ほんのり軽いエッセイ感も漂わせながら…リズに行きたくなる♪

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    2013年12月30日
  • 戦友の恋

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    ある女性が、大切な人を失った喪失感から、立ち直っていくお話なんだけど、その大切な人が、恋人ではなく肉親でもなく、友人でもない。そう、戦友なんである。
    この表現、距離感。心得てるな~。
    立ち直っていく過程も、劇的なことがおきるのではなく、どちらかというと、地味に淡々と日々を過ごしている。このリアルさなんですよねー。
    ピエタの慎とした、凛とした感じも好きだけど、本作の方がより身近な印象を受けた。
    が、ラストが??な終わり方。

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    2013年04月14日
  • 戦友の恋

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    仕事の、そして私生活でも、
    かけがえのない友達を喪ったところから
    始まる。
    友達が「死につづけている世界」で「生き続ける」私の
    物語。
    かけがえのない人がいなくなった世界でも、
    忙しかったり、スランプになったり、
    その底辺に流れる日常の生活、出会い、再会、
    変わっていく気持ち、育っていく感情・・・。
    生きてゆく・・・ということは、大変だけれど、
    美しくて、愛しいことだなぁ・・・と
    ラストを読んでしみじみと思った。

    ふつうの生活を、もっと愛したくなる
    好きな作品が、またひとつ増えた。

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    2013年03月29日
  • 戦友の恋

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    ”完璧な小説だ。”とは北上次郎さんの文庫解説の冒頭の文。
    これは単行本の時の感想で、装丁・挿画・造本等はこの原稿を書いている文庫版がどうなるかは判らない。と書いている訳だが、この文庫は「北上さんの解説まで含めて完璧」だ。
    漫画原作者の主人公佐紀と同年齢の編集者玖未子との関係を描いた小説だが、実は冒頭から仕掛けが施されている。
    六話の連作短編の中で時間は過ぎ行き、あっというまの20年前後を描いている。
    話の終らせ方が実に巧みで、短編にありがちな「それからどうなった?」と思わせないところがいい。それでいて、解説によれば「それから」が描かれた小説もあるらしいからニクイな。

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    2012年12月29日
  • 戦友の恋

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    ネタバレ

    人から見たら、いや自分でだって、なんてことない毎日を送っている
    だけど、知らない間に、頑張っていたりして、疲れちゃうこともある
    それでも、1日1日すこやかに生活をしている佐紀の姿がいとおしい
    連作短編で、1章づつが短く、読みやすい文章で
    とても好きな小説でした

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    2012年12月27日
  • 戦友の恋

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    大島真寿美さんは本当に素敵。「ピエタ」とは違う着地点で、この作品があったから、「ピエタ」が生まれたのだと思う。大島さんが描く女性というのは、喪失感やコンプレックスを持っていて、けれど、それがすべてではなくて、きちんとそういう「人生の重み」というものを持っている上で、時に明るく、時に真面目に生きている。だから尊敬できる。人生ってそんなもんだよなって頷ける。
    小説と料理とは似ていて、どうにも僕も、こういう出汁の効いた作品が好きになるだけの歳月を、それなりに過ごしてきたみたいだ。

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    2012年10月13日
  • 水の繭

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    人それぞれが持っている、悲しみの深さなど、言葉で勇気づけることも必要だけど、相手の気持ちに合わせて行動し、悲しみを少しでも共有できる人間になりたいと再確認できたストーリーでした。
    お話に出てくる廃屋だった家に住みつき、悲しみ心に空洞を持った人々にそっと寄り添っていた野良猫ちゃんのように。

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    2012年09月19日
  • ビターシュガー 虹色天気雨2

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    前作から私が慣れたのか、大島満寿美に円熟味が生まれたのか^^;
    面白かった。
    前作から同様に軸は女子の友情と思ったが、前作ではぼやけていた(と私が勝手に感じていた)主人公の人柄で話は展開されていた。自然に登場人物の性格を出していくところは大島の真骨頂。登場人物は何処かにいそうで、でも、それぞれキャラ立ちしている。
    事件なんてほどのことはなち何気ない日常にふっとある非日常。トータルであーなんか、そういうのいいよねーと思わせる。
    自分の今までと今に同じものを見て、悪くないのかなと思う。そういう楽しみ方をする小説なのだろう。

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    2012年08月29日
  • 香港の甘い豆腐

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    女子高生の主人公には生まれたときから父親がおらず、
    思春期に突入し、「父親がいないこと」を全ての理由にして投げやりに生きている。

    学校をサボっていることを知った母親が主人公を香港へ連れて行き、そこで父親と再会することに。

    主人公の香港での日々と出会いを描いた青春旅情小説。

    環境を理由に甘ったれていることを主人公自身がよく分かっているのが伝わってきて、
    なんだかほどよい苦さと甘さのある物語だった。
    説教臭くないのもいい。

    香港という土地のチョイスがすばらしいのだとも思う。
    すごく香港に行きたくなった。
    猥雑な空気にまみれたい。

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    2012年07月22日
  • 香港の甘い豆腐

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    海外で生活することで今まで見えなかったものが見えるようになる、考えたこともなかったようなことを考える、単純に言ってしまえば成長するということだが、海外で生活したことのある人には共感して頂けるのではないだろうか。

    本書の主人公「彩美」もその一人で、高校2年の夏に母親から連れられて香港へ行くことになる。目的は今までいないと教えられてきたはずの実の父親に会うためであった。それまで、人付き合いが下手なのも、自分に自信がないのも、頭が悪いのも、溌剌としていないのも、夢がないのも、希望がないのも、全部父親がいないことのせいにしてきた彩美。学校をサボってることが母にバレて、そのことでグチグチ言われた時つい

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    2012年10月02日
  • ビターシュガー 虹色天気雨2

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    『虹色天気雨』から3年後の話。奈津の娘である美月を例に挙げれば、彼女が小学5年生から中学2年生になったということだ。3年も経てば何かしら変化が起こってるはずで、高校からの同級生まりがそれまで付き合っていた旭(あきら)と別れた、とか、三宅ちゃんの事務所で働いている小糸ちゃんが結婚する、とか、お騒がせ娘の辻房恵が別の男性の子どもを身ごもったまま元夫と再婚する、とかまあいろいろあるのだ。ただ、一番大きな変化はまりの元彼である旭が市子の部屋に居候していることだろうか。「同棲」と言うと男女間に恋愛感情が発生していることが暗に含まれてると思うのだが、この場合はあくまで居候である。

    事の発端は三宅ちゃんだ

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    2012年06月26日