大島真寿美のレビュー一覧

  • それでも彼女は歩きつづける

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    嫌な登場人物が出てこない(ちょっと危険な香りのする人はいるけど)。全体的に、優しいまなざしを感じる。

    映画監督である柚木さんに関わる女性6人の物語。
    彼女たちの感情や想いが丁寧に言葉にされていて、そして読みやすい文章。
    『ピエタ』を読んで、好きになった作家さんだが、
    この物語も読んでみて、やっぱり大島さんの紡ぐ言葉が好きだなあと、改めて思った。

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    2017年08月31日
  • ツタよ、ツタ

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    大島さんなのにハズレなの?と途中で投げ出してしまいたくなるほど序盤戦はつまらない。
    筆を折った女性の一代記、書けない人を書ける人が描くわけだからそのたどたどしさは演出かと思うのは勘ぐり過ぎか。
    兎に角そこさえ我慢してしまえばあとはいつものようにグイグイと物語に引き込まれ名を変え不遇を生きたヒロインを通して「人生」 を考え共感し落涙のラストを迎える良書。
    今際の際にその人の一生が走馬燈のように蘇ると言うがそれが妙にリアルで心に響くのは作者の技巧かそれとも自分が歳を取ったのか。
    やはり大島さんにハズレなしである

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    2017年06月25日
  • ツタよ、ツタ

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    「幻の女流小説家」と呼ばれることになったツタは、けれどただの一度も本を出版したこともなければ、自身でそう名乗ったこともなかった。彼女がどうしてそう呼ばれたのか、その半生からたどってゆく物語です。

    耳元に呼びかけるような、話しかけるようなどこか柔らかな抑揚のついた文章で紡がれるのは、まっすぐで不器用に、けれど自分に正直に生きてきたたくましい女性の姿。

    ツタよ、ツタ。
    それであなたは本当に良いの?

    そんなふうに投げかけたくなる無軌道さもあるけれど、自分を信じて自分の大切な人や信じるもののために生きる姿は、羨ましいようなあっけにとられるような、そして「でもしょうがない、あなたはあなたなんだから

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    2017年05月03日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    7名の作家さんの、商店街をめぐる連作
    たぶんモデルはあそこの商店街だと思うんだけど、閉まるの早いから違うかな
    こういう商店街は通り抜けるだけでも楽しいと思う

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    2016年11月17日
  • ツタよ、ツタ

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    幻の女流作家ツタの生涯を
    ツタの心の内が細かくや丁寧に描かれていて
    小説を書く、書かざる得ないその衝動や
    また、書いたものへの反響に潜む
    偏見や差別が透けて見え
    本当に興味深かった。

    ツタが辛い時、文章を書くと
    それを俯瞰してみることができ
    心が解放されたのに対して
    それは、私の本を読む
    ということとも通じるなぁ
    と感じた。

    ツタのふんわりとした穏やかな臨終、
    どんなに波乱の人生であっても
    誰しもがこういう人生の閉じ方だと
    いいなと思う。

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    2016年11月12日
  • ツタよ、ツタ

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    明治の終わりに沖縄に生まれた「幻の女流作家」の数奇な運命。

    「書くこと」に目覚め、そのことによって現実の生活から離脱し、自分の心を解き放てると知ったツタ。
    千紗子という名で思いがけず婦人雑誌に投稿した作品でデビューする機会を得るも、待ち受けていたのは、思いもよらない抗議。
    翻弄され、時代の隙間に落ち、やがて忘れられていく。

    故郷に戻ることができなくなっても、ツタには愛した充がいて、友人のキヨ子がいて、作家として立つことは叶わなかったけれど、ツタの死の間際の平安が、私にはよくわかる気がする。

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    2016年11月03日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    7人の作家が、「こんぺいとう商店街」を舞台に、主人公を変えながら送るリレー式の短編集。じつは、もっとファンタジー色の強いものかと思っていたのだけれど、まったくそんなことはなく。まるで同じ人が書いたかのように、すんなり読めました。

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    2016年03月25日
  • それでも彼女は歩きつづける

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    柚木という映画監督を中心に話が展開。
    一人一人の視点から、話が進んでいく。
    本人を直接見ることも、その人の人間性を感じることができるが、その周辺の人の話から読み取ると、それとまた違ったかカンジを味わえると思う

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    2016年01月10日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    千早茜さんのチンドン屋が一番好きでした。下町のベランメイ調は素敵と思いながら、現実に聞いたことはありません。(聞いたら、なんと返したらよいかわからなくてモジモジしそう…。)

    偏屈で頑固者だけど、情にあつい親方の独り語りのテンポの良さや相手の若くて真面目な泥棒さん?もじんわり心あたためてくれました。

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    2015年06月06日
  • それでも彼女は歩きつづける

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    マイナーな映画を撮る映画監督・柚木真喜子が海外の映画祭である賞を受賞した。

    彼女と関わった人、関わらなかった人、関わった人にかかわった人…
    それが、柚木真喜子という人物または彼女の作品で意外な繋がりを描き出す。

    一番普通で地味なのは、妹の七恵かもしれない。
    彼女の姉が映画監督だと知って、スーパーで声をかけて来て話題に喰らいつき、興奮して喋りまくるママ友が強烈。
    いるな~、こういう人。
    テレビにちょっと出たとか、有名人とつながりがあると聞くと、大騒ぎしちゃう人。
    そのセリフが、芋づる式にずるずる止まらないおしゃべりが、すごくリアル。

    そのセリフ以外でも、鍵括弧にくくられずに、地の文章の中に

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    2015年05月18日
  • 虹色天気雨

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    女同士の友情、いいなあ。
    誰かが結婚したり、子供が出来たりすると、別の人間関係の方が育ってしまって、幼なじみでも、仲良しの仕事の同僚でも疎遠になって行くことも多いけれど…
    こんな関係はうらやましい。
    そして、10才に育った子供が女の子だったから、もう、この女子会に加わっているような感じがするのも面白い。

    気になるキャラは三宅ちゃんだ。
    オネエやゲイのキャラが、主人公の人間関係に登場する作品は割と多い。
    そして、何故か、人情に厚く、面倒見が良かったりする。
    だいたい、私はそのキャラクターを、いいな、と思う。
    何で、オカマっていいなあ~ってことになるのか、今回考えてみて、ふと思ったんだけど…

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    2015年04月19日
  • チョコリエッタ

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    チョコリエッタ 私は犬。

    夏休みへの ノスタルジー

    ジェルソミーナの音楽と、先輩と、おじいちゃんの喫茶店。

    現実の世界にいる、霧湖ちゃん。

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    2015年03月31日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    ネタバレ

    2015/3/23
    猫弁の大山淳子さんの話が入ってたので。
    でも時々こういうアンソロジー読むのは知らない作家を知れてよい。
    全体的にあたたかくて好み。ちょっと泣いた。
    全員の読んでみようかな。
    でもほっこりの縛りがなかったらどうだろう。
    とりあえず最初の大島真寿美さんはメモ。
    あと金平糖を買って本当に角が24個か数えなきゃ。

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    2015年03月23日
  • 香港の甘い豆腐

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    【本の内容】
    「どうせ父親も知らない私ですから」十七歳の彩美は、うまくいかないことをすべて父親のせいだと思っていた。

    夢がないのも自信がないのも。

    退屈な夏休み。

    突然、彩美は母親からパスポートとエアチケットを渡される。

    どうやら父親はいま香港にいるらしい。

    会いたいと望んだことなんて一度もなかったのに。

    ガッツよ、ガッツ。

    初めて知る出生の秘密に、へこたれそうになる自分を鼓舞し、彩美は空港へ降り立った―。
    熱気に溢れる香港の町。

    力強い響きの広東語。

    活気に満ちた人々と出会い、少女がたおやかに成長を遂げる青春の物語。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    17歳の彩美は、人付

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    2014年10月31日
  • 香港の甘い豆腐

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    胸を甘く締めつけられるような感覚になりながら、すいすいと読み進めました。
    香港に行きたい。
    もしくは香港映画を久々に観たい。
    安易かもしれないけれど。
    読み終えた後にふくふくとした気持ちにさせられる一冊でした。

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    2014年03月03日
  • 戦友の恋

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    巻末に添えられた北上次郎さんの解説の一行が物語る…完璧で美しく、静かで力強く、、の見事な時間の経過、時の流れ、、玖美子と一緒に年を重ねる佐紀と単独のあかね。頁内の幾つかの言葉が突き刺ささってくる作品と違い、こんなに頁毎にしんなりと溶け込んでくる作品も珍しい。ほんのり軽いエッセイ感も漂わせながら…リズに行きたくなる♪

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    2013年12月30日
  • 戦友の恋

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    ある女性が、大切な人を失った喪失感から、立ち直っていくお話なんだけど、その大切な人が、恋人ではなく肉親でもなく、友人でもない。そう、戦友なんである。
    この表現、距離感。心得てるな~。
    立ち直っていく過程も、劇的なことがおきるのではなく、どちらかというと、地味に淡々と日々を過ごしている。このリアルさなんですよねー。
    ピエタの慎とした、凛とした感じも好きだけど、本作の方がより身近な印象を受けた。
    が、ラストが??な終わり方。

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    2013年04月14日
  • 戦友の恋

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    仕事の、そして私生活でも、
    かけがえのない友達を喪ったところから
    始まる。
    友達が「死につづけている世界」で「生き続ける」私の
    物語。
    かけがえのない人がいなくなった世界でも、
    忙しかったり、スランプになったり、
    その底辺に流れる日常の生活、出会い、再会、
    変わっていく気持ち、育っていく感情・・・。
    生きてゆく・・・ということは、大変だけれど、
    美しくて、愛しいことだなぁ・・・と
    ラストを読んでしみじみと思った。

    ふつうの生活を、もっと愛したくなる
    好きな作品が、またひとつ増えた。

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    2013年03月29日
  • 戦友の恋

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    ”完璧な小説だ。”とは北上次郎さんの文庫解説の冒頭の文。
    これは単行本の時の感想で、装丁・挿画・造本等はこの原稿を書いている文庫版がどうなるかは判らない。と書いている訳だが、この文庫は「北上さんの解説まで含めて完璧」だ。
    漫画原作者の主人公佐紀と同年齢の編集者玖未子との関係を描いた小説だが、実は冒頭から仕掛けが施されている。
    六話の連作短編の中で時間は過ぎ行き、あっというまの20年前後を描いている。
    話の終らせ方が実に巧みで、短編にありがちな「それからどうなった?」と思わせないところがいい。それでいて、解説によれば「それから」が描かれた小説もあるらしいからニクイな。

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    2012年12月29日
  • 戦友の恋

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    ネタバレ

    人から見たら、いや自分でだって、なんてことない毎日を送っている
    だけど、知らない間に、頑張っていたりして、疲れちゃうこともある
    それでも、1日1日すこやかに生活をしている佐紀の姿がいとおしい
    連作短編で、1章づつが短く、読みやすい文章で
    とても好きな小説でした

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    2012年12月27日