大島真寿美のレビュー一覧

  • 戦友の恋

    Posted by ブクログ

    大島真寿美さんは本当に素敵。「ピエタ」とは違う着地点で、この作品があったから、「ピエタ」が生まれたのだと思う。大島さんが描く女性というのは、喪失感やコンプレックスを持っていて、けれど、それがすべてではなくて、きちんとそういう「人生の重み」というものを持っている上で、時に明るく、時に真面目に生きている。だから尊敬できる。人生ってそんなもんだよなって頷ける。
    小説と料理とは似ていて、どうにも僕も、こういう出汁の効いた作品が好きになるだけの歳月を、それなりに過ごしてきたみたいだ。

    0
    2012年10月13日
  • 水の繭

    Posted by ブクログ

    人それぞれが持っている、悲しみの深さなど、言葉で勇気づけることも必要だけど、相手の気持ちに合わせて行動し、悲しみを少しでも共有できる人間になりたいと再確認できたストーリーでした。
    お話に出てくる廃屋だった家に住みつき、悲しみ心に空洞を持った人々にそっと寄り添っていた野良猫ちゃんのように。

    0
    2012年09月19日
  • ビターシュガー 虹色天気雨2

    Posted by ブクログ

    前作から私が慣れたのか、大島満寿美に円熟味が生まれたのか^^;
    面白かった。
    前作から同様に軸は女子の友情と思ったが、前作ではぼやけていた(と私が勝手に感じていた)主人公の人柄で話は展開されていた。自然に登場人物の性格を出していくところは大島の真骨頂。登場人物は何処かにいそうで、でも、それぞれキャラ立ちしている。
    事件なんてほどのことはなち何気ない日常にふっとある非日常。トータルであーなんか、そういうのいいよねーと思わせる。
    自分の今までと今に同じものを見て、悪くないのかなと思う。そういう楽しみ方をする小説なのだろう。

    0
    2012年08月29日
  • 香港の甘い豆腐

    Posted by ブクログ

    女子高生の主人公には生まれたときから父親がおらず、
    思春期に突入し、「父親がいないこと」を全ての理由にして投げやりに生きている。

    学校をサボっていることを知った母親が主人公を香港へ連れて行き、そこで父親と再会することに。

    主人公の香港での日々と出会いを描いた青春旅情小説。

    環境を理由に甘ったれていることを主人公自身がよく分かっているのが伝わってきて、
    なんだかほどよい苦さと甘さのある物語だった。
    説教臭くないのもいい。

    香港という土地のチョイスがすばらしいのだとも思う。
    すごく香港に行きたくなった。
    猥雑な空気にまみれたい。

    0
    2012年07月22日
  • 香港の甘い豆腐

    Posted by ブクログ

    海外で生活することで今まで見えなかったものが見えるようになる、考えたこともなかったようなことを考える、単純に言ってしまえば成長するということだが、海外で生活したことのある人には共感して頂けるのではないだろうか。

    本書の主人公「彩美」もその一人で、高校2年の夏に母親から連れられて香港へ行くことになる。目的は今までいないと教えられてきたはずの実の父親に会うためであった。それまで、人付き合いが下手なのも、自分に自信がないのも、頭が悪いのも、溌剌としていないのも、夢がないのも、希望がないのも、全部父親がいないことのせいにしてきた彩美。学校をサボってることが母にバレて、そのことでグチグチ言われた時つい

    0
    2012年10月02日
  • ビターシュガー 虹色天気雨2

    Posted by ブクログ

    『虹色天気雨』から3年後の話。奈津の娘である美月を例に挙げれば、彼女が小学5年生から中学2年生になったということだ。3年も経てば何かしら変化が起こってるはずで、高校からの同級生まりがそれまで付き合っていた旭(あきら)と別れた、とか、三宅ちゃんの事務所で働いている小糸ちゃんが結婚する、とか、お騒がせ娘の辻房恵が別の男性の子どもを身ごもったまま元夫と再婚する、とかまあいろいろあるのだ。ただ、一番大きな変化はまりの元彼である旭が市子の部屋に居候していることだろうか。「同棲」と言うと男女間に恋愛感情が発生していることが暗に含まれてると思うのだが、この場合はあくまで居候である。

    事の発端は三宅ちゃんだ

    0
    2012年06月26日
  • 虹色天気雨

    Posted by ブクログ

    父親が失踪した美月のことを奈津の幼馴染である市子をはじめ、奈津の友人や知人がサポートしていく。運動会のシーン、美月が某テーマパークのポスターガール(言葉があってるか定かでない(汗)に採用されたため、リニューアルオープンイベントに皆で行くシーンが印象的だ。父親がいなくなったことによる暗いイメージを受けることはない。むしろ、逆で、本書に出てくる女性たち(ゲイを含む)は皆精神的に強い。男なんていなくたって生きていけるんじゃないか、そう思わせてくれる。

    大島真寿美さんの作品を読んだのはこれが初めてだったのだが、読みやすいテンポだし、女性たちのリアルな会話の描き方が上手だなと思った。僕は喫茶店でバイト

    0
    2014年10月13日
  • 戦友の恋

    Posted by ブクログ

    ともに青春時代を過ごした、戦友とも言うべき友人の編集者を亡くした漫画原作者の再生を描いた連作短編。

    1話目の時点で友人は亡くなってしまって、以降、何か大きな出来事等が起こるわけでもないが、取り返せない喪失感を抱えた主人公が、淡々とした日々を過ごすなかで、少しずつ前向きな気持ちを取り戻していく過程がなかなか丁寧に描かれており、またそれを語る文章も、抑制が効いている分、余韻が残って印象的だった。

    0
    2012年05月15日
  • ふじこさん

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    短編集。
    表題作は、離婚調停中の両親に親権を争われうんざりしているリサと、
    父の愛人との妙な交流を描いたお話。
    タイトルの『ふじこさん』が愛人の名前。

    リサの自分自身への無関心さと人生への倦怠感が溢れている。
    リサは小学生。
    でも小学生は小学生なりに人生を悲観し、鬱屈としたものを抱えているのだよね、と自分の子供時代を重ねて思う。

    自分を支配しようとして、当然の権利のように自分を引き取ろうとする母&祖父母への反感と対になり父親への好意(いや同情か)が強くなるものの、
    物語を通して「男は身勝手で無神経」という側面を出すことで主人公は本当に自分自身の価値基準を自分の中に持てる子になったのかなと思

    0
    2012年02月29日
  • ビターシュガー 虹色天気雨2

    Posted by ブクログ

    前作に続いて面白い。
    3人に共感できる年齢なので、ときどき内容が刺さる
    この物語の中に、仲間に入れてほしい

    0
    2012年02月16日
  • ビターシュガー 虹色天気雨2

    Posted by ブクログ

    「ほっこりする」というと、なんか鄙びた印象を持ちそうだけれども、でも本当にそんなカンジがする。読み終わった時に。

    昔、好きで見ていた海外ドラマのフレンズを、雰囲気が似ているとかはないんだけど、思い出してみたりする。

    描かれることは、離婚の話だったり決して幸せだけを描いているわけじゃないのに、それでもなんというか素敵な時間を過ごしているなという、やや羨望にも似た気持ちにさせれる。

    読み終われると、もうちっと見ていたかったなぁという気にもなる。
    好きな物語。

    0
    2011年11月30日
  • ビターシュガー 虹色天気雨2

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    相変わらずザ・マイペースな市子、いきなり行方知れずになって、信州にすみだした旦那と膠着状態のまま、新たなキャリアに踏み出した子持ちの奈津、最愛の男、旭と別れたキャリアウーマンのまり。虹色天気雨から、3年後、四十路に踏み出した3人の友情と恋愛物語。

    四十路になって新しい道に踏み出す奈津とまり。変わらず皆のシェルターみたいな市子。変わる部分と変わらない部分。幸せと不幸せ。人生なんてどっちかじゃなくて、相反するどっちもまざった、苦い砂糖みたいなもの。すごく普通で不変で、わかってるのに忘れがちなことを、無理なく自然に楽しんで、味わっている姿を見ていると、なんだか気楽で、肩の力が抜けていいなー。

    0
    2011年12月05日
  • 虹色天気雨

    Posted by ブクログ

    男と別れて悠々自適マイペースにすごす女市子、旦那が失踪した子持ち女の奈美、夢を追いかける男に惚れた女まり。よくあるアラサー世代のそれぞれの恋愛事情と、それでも相変わらない、友情。

    失踪した旦那を探しに行く奈美の娘美月を預かった市子。美月との交流と奈美の旦那探しから、見えてきた、自分とまりの恋愛。恋愛で傷付きもするけど、もうそれだけで生きてるわけじゃないし、それなりに経験もあるし、それでも前向いて生きるしかないしなカンジがリアルだけど、何故か痛くはない、頑張りすぎず、肩肘はらないゆるさで書かれているのがいいカンジ。

    0
    2011年11月20日
  • ビターシュガー 虹色天気雨2

    Posted by ブクログ

    お話がサラサラと流れていくので、さくさくと読めました。軽い状況ばかりではないのですが、読後感は心地よいです。アラフォー女性の友情小説ですが、関係が羨ましくて、私も仲間に入れて欲しくなりました。

    0
    2011年11月05日
  • ビターシュガー 虹色天気雨2

    Posted by ブクログ

    虹色天気雨につづき、早速読みました。
    前作から3年後の物語。みんな少し変わっていたり、でも相変わらずなところももちろんあって、面白かったです。

    作中で市子が旭に話す土方さんの写真への評価は、そのまま私がこの本(と、虹色天気雨)に感じた印象にすごく近いなと思いました。現実感はあるのにどこか夢の中のような雰囲気。幸せばかりではないけど、なんとなく幸福感が漂っている感じ。

    なかなか今作の登場人物達のように、40歳を過ぎてもここまで自由にできることって少ないのかもしれないけど、それでもこういう友情とか恋愛、生き方っていいなぁと思いました。彼らはみんな「歳を取る」というより「歳を重ねる」っていう表現

    0
    2011年11月02日
  • 虹色天気雨

    Posted by ブクログ

    初大島真寿美作品。結構好きかも。
    ここがこう!って心に残るような話ではないんだけど、すごく心地よく楽しく読めた1冊でした。他の作品も読んでみたい。

    大人の女子の友情や恋愛を描いた話。登場人物がみんな普通…いや、普通ではないか。みんな結構キャラ濃いし。でも「女の浮気は本能だ!」みたいな考えの持ち主とか、なんか浮世離れしたぶっとんでる人がいなくて、みんな常識的でまっとうな大人だから気持ち良く読めました。常識的なんて言っても私目線だけど。なので私には合っていたようです。

    いろんな経験をして大人になったから強くもあり、脆くもある。
    でもそれはみんな一緒だから、頑張れるのかな。
    日常の些細な出来事や

    0
    2011年10月31日
  • 虹色天気雨

    Posted by ブクログ

    久々に、他の作品もよみたいと思った出会い。初めて読んだ著者で、最初の一文がだらだらと長いことに抵抗があったけど、読み進めるにつれ気にならなくなり。まあ、よくあるタイプの小説といえばそうかもしれないが、引き込まれたかな。年齢もあるかも、だけど(笑)

    0
    2011年10月23日
  • 香港の甘い豆腐

    Posted by ブクログ

    ずっと、女子高生が主人公かー、と敬遠していたのだが、まったく違和感なくおもしろく読めた。年齢とか立場とか関係なく、主人公の屈託にすごく理解できる感じで。読後感もさわやかで、月並みな言い方だけど、ほんと、元気がでる。香港に行きたくなった〜。わたし自身は旅行ってあまりしないし、たぶん苦手だけど、旅とか外国の話が好きかもしれない〜。

    0
    2011年09月18日
  • 水の繭

    Posted by ブクログ

    優しい気持ちになるんですよね。

    大島さんの作品全体に言えることですが。

    心のリフレッシュにオススメ。

    0
    2011年03月09日
  • 虹色天気雨

    Posted by ブクログ

    この著者の本を読むのは初めて。なんかもっとエキセントリックな、不思議ちゃん的なものを勝手に想像して敬遠していたのだけれど、そんなことはまったくなくて、すごくよかった。好きな作家かも。(文章は妙に一文が長くて癖があると思うけれども)。基本的に登場人物がみんな常識的な大人であることがとても気に入った。好きな生き方をしているけれども、ちゃんとしている。別にそんなつもりはなくても、思いやりのある、いい人たち。こういう人になりたいとすら思ったり。それぞれの日々のできごとや思いが丁寧にすくわれている感じがよくて。新年に、「年が改まったからといって何がめでたいわけでもないってことは誰しもが思い、だけど、それ

    0
    2011年09月18日