大島真寿美のレビュー一覧

  • ふじこさん

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    ふじこさんは、離婚調停中である父の彼女

    小学6年生のリサは、周りの大人と違って自分を大人扱いしてくれて、無邪気でキラキラしてるふじこさんを好きになる

    「ある日出会うの。リサはリサの宝物に」

    大人の世界への不信感や不安を抱えるリサに、同じ目線で語りかけるふじこさんが魅力的

    文中に多用される繰り返し言葉は、緊張感をほぐすためなのか

    ひょいひょい、ほいほい、ふらふら、不承不承、ぽくぽく、ぴりぴり、へなへな、ふふふふ

    ハ行は呑気で何だか愛らしい

    前向きに生きるための金言も沢山ありました

    大人として、子どもの不安を優しく包み込んで光ある未来を示すためにも

    子どもから「キラキラしてんなー

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    2023年01月03日
  • 渦 妹背山婦女庭訓 魂結び

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    人形浄瑠璃作者、近松半二の一代記。
    浄瑠璃が下火になっていく時期に、大ヒット作「妹背山婦女庭訓」を書いた人だ。
    うん、むか~し、文学史の教科書でちらっと見たような。

    その半二を、エンパシーの人として(そんな言葉は使っていないが)描く。
    これが、この作品の肝なのではないか。
    なんでも取り込んでいく人。
    一見、人柄としては天才的な感じには見えないのが面白い。

    勃興していく歌舞伎も、衰退していく浄瑠璃も、作り手たちは混然一体となって、何か面白いものを作ってやろうという熱気を持っている。
    それが、この時期の道頓堀というところ。
    半二も、物語や、キャラたちに呼びかけられたように作品を作り出す。
    読ん

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    2022年09月12日
  • ふじこさん

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    3編ともめちゃくちゃ好きやった!
    ふじこさんは素敵過ぎたし、小椋さんも素敵過ぎたし、手品師さんは最強に素敵過ぎた!!
    どのお話も心がふんわりするような話で、最後の終わり方も先をこちら側にそっと想像させてくれるような終わり方でとても素敵やった。
    是非とも他の本も読みたい!!

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    2022年03月10日
  • 明日町こんぺいとう商店街 心においしい七つの物語【電子限定特典付】

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    スカイツリーを見上げる下町の片隅にある商店街の物語、第4弾。
    戦後の焼跡に24軒集まって始まった商店街ということだったけれど、今では80軒近くの店があるという。
    毎回、冒頭に地図が載っているけれど、その本に載っている短編のタイトルのお店だけなので、これは・・・あの物語のお店の場所なのだが・・・と迷ってしまう。
    今回の桜さんのように、お店を出て歩きながら紹介してくれると、ふむふむ、川平金物店は、水沢文具店の向かって左隣なのだな?とわかって嬉しい。
    今までに登場した、全部のお店が載った大きな地図が見たいなあ〜

    老朽化した二階建てで、一階がお店で二階が住居という作りが多い。
    看板も古い言葉で、若い

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    2022年03月02日
  • 戦友の恋

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    ネタバレ

    大切な人を失った山本佐紀の失意と再生の物語。

    泣けた。
    第一章のワタルくんとの出会いの場面からもう涙が出た。

    私自身が大事な人を亡くしてしまったような、なんだかそんな気持ちになりました。

    喪失感に苛まれながらも、自分を取り巻く環境は何かが変わったようで、でも何も変わってないようで。
    心にポッカリ開いた穴も、いつの間にか塞がっているようで、でも実は塞ぎきれてなくて。

    大事な人は亡くなってしまったけれど、でも自分は彼女のいない世界で生きて行かなくてはいけない。
    っていうもどかしさというか切なさというか、そういう空気が漂ってるのが、なんか胸に刺さるなー。

    という感じもしたけれど、でも、スラ

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    2022年02月17日
  • 戦友の恋

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    戦友を突然亡くし、でも、日常は続く。
    亡くなってもなお、どこかしらに彼女の存在があり続けていくが、決してそれは囚われているわけではなく、いい意味で人生に関わっているところが、前向きだなと思った。

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    2021年12月12日
  • チョコリエッタ

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    映画みたいな小説。
    山に置いてきてしまった自分をチョコリエッタとして迎えに行ったのかな。
    犬であるチョコリエッタは先輩がつくったフィルムの中で生きているから、知世子ちゃんはまた自分としてめげずに生きていけば良いよ。

    「記憶ってさ、もしかして、選べないんじゃないかな?」
    私は、記憶は全部脳みそに記録されていると思う。両親とジュリエッタとのあまい生活も、別れてからの生活も。でも取り出せる記憶は選べないような気がするな。

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    2021年11月25日
  • 渦 妹背山婦女庭訓 魂結び

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    人形浄瑠璃作家の近松半二の半生。人形浄瑠璃なんて、今までちんぷんかんで興味もそれほどなかった世界だったけど、作家の苦悩だったり、歌舞伎と拮抗していた時代背景だったり、何より、関西弁がテンポよくてとても楽しめた。
    妹背山婦女庭訓、どんなお話しなんだろう?三輪ちゃんに会ってみたいな。

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    2021年11月11日
  • 渦 妹背山婦女庭訓 魂結び

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    副題「妹背山婦女庭訓 魂結び」。
    もう一人の近松、操浄瑠璃(あやつりじょうるり。現在の文楽)の作家・近松半二の一代記です。
    ちょっと変わった構成です。主役の半二の一代記なのですが、一つの章では一つの事件に絞って扱い、脇役も章ごとに代わって行きます。事件は時系列で並んでいるのですが、章の書き出しは前の章の結末より少し前という事も有ります。ただシンプルに一章一事件(テーマ)なので頭の中に入って来やすい。
    人形浄瑠璃そのものはしっかりと描かれておらず文楽ファンの方には物足りなく感じる人も多いようです。しかし、(文楽に留まらず)物書きとしての半二の熱気や悩み、当時の世相を全編大阪弁で描いた、直木賞受賞

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    2021年11月11日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    スカイツリーが見える、東京の下町。
    古くからのお店と新しいお店が混じり合う、明日町こんぺいとう商店街の、七軒のお店の物語を7人の作家が描くアンソロジー。

    既読の作家さんは、大島真寿美さん、彩瀬まるさん、千早茜さん、中島京子さん。
    それぞれの持ち味が出ていて、どれも面白かった。

    大山淳子さんの『あずかりやさん』が、盲目の店主が一日百円で大切なものをあずかるというお店を舞台にしていて、にぎやかな商店街の中、しんとしずかな店という感じが良かった。
    アンソロジーを手に取ると、こうして新しく好みに合いそうな作家さんが見つかるのが楽しみ。

    こんぺいとう商店街シリーズとして続刊もあるらしいので、続きも

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    2021年07月04日
  • ふじこさん

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    ふじこさん、夕暮れカメラ、春の手品師の3遍。
    どれも主人公は女の子。
    少し大人の世界を覗きながら生きにくさを感じている。
    そしてとても不思議なことが起こる。
    異常ではない非現実的な何か。
    ふじこさんが1番のお気に入りです。あの後ふじこさんとリサはどうなったのかな?

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    2021年05月19日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    中島京子さんと大島真寿美さん目当てに読んだ。どれも角が取れてて、程よい甘さ。こんぺいとうって美味しいもんね。

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    2021年02月24日
  • モモコとうさぎ

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     就活に失敗して引きこもっていたモモコちゃんが,ママチチのひと言で家出して,いろんな所を転々としながら少しずつ自分らしさを見つけていく,ロードムービーの香りもする作品.
     簡単に言っちゃうと,まだ未熟な20代前半の女性が成長していく話なんだけど,大島先生らしいやさしさを感じる,すてきな物語.

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    2021年02月21日
  • ツタよ、ツタ

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    ネタバレ

    「久路千紗子」として「ツタ」が書いた琉球の話をめぐる騒動は、沖縄への差別と女性に対する差別の二重構造だったのだろう。
    この話とは別に、差別される側ではさらに女性はその下、という事実は昔からよくある話。
    先日の、森喜朗(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の会長)の女性蔑視発言を見ても、変らぬ意識の根強さにはガッカリ。
    ツタの話に出てくる、父や二人の夫について、今でこそ『それってDV!』と指摘できるが、そんな言葉も知らないまま過ごし続けたツタやその母のような女性が日本にはワンサカいるんだなあ、と感じ入った。本筋から外れた感想でゴメン。

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    2021年02月06日
  • 明日町こんぺいとう商店街 心においしい七つの物語【電子限定特典付】

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    この商店街の魅力というか、根底に流れる想いみたいなもののが自分の好みなのか、「合わないなぁ」と感じるものがなくどれも平均点以上のおもしろさ。
    安定・安心・粒揃い なアンソロジー。
    いろいろ増えてきて忘れてる話もあるので、第1集から読み直してみたくなりました。

    どうでもいいことだけど、巻末の〈初出〉の日付、本当?

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    2021年01月24日
  • 空に牡丹

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    コロナのせいで今年の隅田川をはじめてする花火は中止になった。なんて虚しい世界になってしまったのだろう。慰霊や疾病退散の意味をもつ花火には人の心を穏やかにする力があり、静助はそんな花火に見せられて一生を生き抜いた。
    ちなみに同時に読んだ瀬尾まいこの「戸村飯店…」と前半の舞台設定が非常に似通っていた。蔵書から適当に数冊手に取って読み始めるのに、何故かシチュエーションや世界観が似ている小説に当たってしまう。とても不思議だ。

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    2020年09月01日
  • 空に牡丹

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    山下清の表紙絵に釣られて買った。柔らかい文体なのでさらりと読める。本を通して淡々としていて山場とか、そう言うものは言われてみればない。でも人生、振り返ってみれば多くの人は本になるようなものでもないし。でも静助さんはみんなが覚えている。夏の夜に読むのに一興。

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    2020年08月23日
  • 空に牡丹

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    先祖の清助さんは大の花火道楽。金に糸目をつけず花火に費やし、かつては大地主だった家系を落ちぶらせてしまった。だけどそんな清助さんのことを悪く言う人はいない。彼の道楽のおかげで、何も無い普通の日にも花火を楽しめた村の人たち、彼ののんびりとした性格に癒され(時には困らされ)た家族、皆が清助さんを好きだったから。

    花火に魅せられた男の人生が時代の流れを反映させながら描かれています。読んでいて私も清助さんをどんどん好きになる。人生は本当に花火のようなものかもしれませんね。自分自身だけでなく周りの人から見ても綺麗な花火。そんな人生を送れたらいいなと思います。

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    2020年06月08日
  • 空に牡丹

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    戦時中の焼夷弾を思い出すから花火は嫌いと言う人がいるのは聞いたことがありますが、大抵の人は花火はが好きですもんね。静助さん、本当に花火のように人々の心の中に良い思い出として残っているんですね。

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    2020年04月01日
  • あなたの本当の人生は

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    ネタバレ

    担当編集者に、ヒット小説を生み出した老齢作家の森和木ホリーの弟子入りを持ちかけられた國崎真美。ホリーの有能な秘書であり、エッセイのゴーストライターの宇城、ホリーの元夫の蓑島との関係性を描きながら、「私の本当の人生」について模索する。

    真美が自分もゴーストライターとして、ある意味夢を掴んでしまう話なのかと思っていたがそうではなく穏やかに物語が進んでいくさまが良かった。
    絶品コロッケで周囲の人々の心を掴み、自分の道を築いていく面白さが良かった。

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    2020年03月29日