大島真寿美のレビュー一覧
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ふじこさんは、離婚調停中である父の彼女
小学6年生のリサは、周りの大人と違って自分を大人扱いしてくれて、無邪気でキラキラしてるふじこさんを好きになる
「ある日出会うの。リサはリサの宝物に」
大人の世界への不信感や不安を抱えるリサに、同じ目線で語りかけるふじこさんが魅力的
文中に多用される繰り返し言葉は、緊張感をほぐすためなのか
ひょいひょい、ほいほい、ふらふら、不承不承、ぽくぽく、ぴりぴり、へなへな、ふふふふ
ハ行は呑気で何だか愛らしい
前向きに生きるための金言も沢山ありました
大人として、子どもの不安を優しく包み込んで光ある未来を示すためにも
子どもから「キラキラしてんなー -
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人形浄瑠璃作者、近松半二の一代記。
浄瑠璃が下火になっていく時期に、大ヒット作「妹背山婦女庭訓」を書いた人だ。
うん、むか~し、文学史の教科書でちらっと見たような。
その半二を、エンパシーの人として(そんな言葉は使っていないが)描く。
これが、この作品の肝なのではないか。
なんでも取り込んでいく人。
一見、人柄としては天才的な感じには見えないのが面白い。
勃興していく歌舞伎も、衰退していく浄瑠璃も、作り手たちは混然一体となって、何か面白いものを作ってやろうという熱気を持っている。
それが、この時期の道頓堀というところ。
半二も、物語や、キャラたちに呼びかけられたように作品を作り出す。
読ん -
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スカイツリーを見上げる下町の片隅にある商店街の物語、第4弾。
戦後の焼跡に24軒集まって始まった商店街ということだったけれど、今では80軒近くの店があるという。
毎回、冒頭に地図が載っているけれど、その本に載っている短編のタイトルのお店だけなので、これは・・・あの物語のお店の場所なのだが・・・と迷ってしまう。
今回の桜さんのように、お店を出て歩きながら紹介してくれると、ふむふむ、川平金物店は、水沢文具店の向かって左隣なのだな?とわかって嬉しい。
今までに登場した、全部のお店が載った大きな地図が見たいなあ〜
老朽化した二階建てで、一階がお店で二階が住居という作りが多い。
看板も古い言葉で、若い -
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ネタバレ大切な人を失った山本佐紀の失意と再生の物語。
泣けた。
第一章のワタルくんとの出会いの場面からもう涙が出た。
私自身が大事な人を亡くしてしまったような、なんだかそんな気持ちになりました。
喪失感に苛まれながらも、自分を取り巻く環境は何かが変わったようで、でも何も変わってないようで。
心にポッカリ開いた穴も、いつの間にか塞がっているようで、でも実は塞ぎきれてなくて。
大事な人は亡くなってしまったけれど、でも自分は彼女のいない世界で生きて行かなくてはいけない。
っていうもどかしさというか切なさというか、そういう空気が漂ってるのが、なんか胸に刺さるなー。
という感じもしたけれど、でも、スラ -
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副題「妹背山婦女庭訓 魂結び」。
もう一人の近松、操浄瑠璃(あやつりじょうるり。現在の文楽)の作家・近松半二の一代記です。
ちょっと変わった構成です。主役の半二の一代記なのですが、一つの章では一つの事件に絞って扱い、脇役も章ごとに代わって行きます。事件は時系列で並んでいるのですが、章の書き出しは前の章の結末より少し前という事も有ります。ただシンプルに一章一事件(テーマ)なので頭の中に入って来やすい。
人形浄瑠璃そのものはしっかりと描かれておらず文楽ファンの方には物足りなく感じる人も多いようです。しかし、(文楽に留まらず)物書きとしての半二の熱気や悩み、当時の世相を全編大阪弁で描いた、直木賞受賞 -
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スカイツリーが見える、東京の下町。
古くからのお店と新しいお店が混じり合う、明日町こんぺいとう商店街の、七軒のお店の物語を7人の作家が描くアンソロジー。
既読の作家さんは、大島真寿美さん、彩瀬まるさん、千早茜さん、中島京子さん。
それぞれの持ち味が出ていて、どれも面白かった。
大山淳子さんの『あずかりやさん』が、盲目の店主が一日百円で大切なものをあずかるというお店を舞台にしていて、にぎやかな商店街の中、しんとしずかな店という感じが良かった。
アンソロジーを手に取ると、こうして新しく好みに合いそうな作家さんが見つかるのが楽しみ。
こんぺいとう商店街シリーズとして続刊もあるらしいので、続きも -
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ネタバレ「久路千紗子」として「ツタ」が書いた琉球の話をめぐる騒動は、沖縄への差別と女性に対する差別の二重構造だったのだろう。
この話とは別に、差別される側ではさらに女性はその下、という事実は昔からよくある話。
先日の、森喜朗(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の会長)の女性蔑視発言を見ても、変らぬ意識の根強さにはガッカリ。
ツタの話に出てくる、父や二人の夫について、今でこそ『それってDV!』と指摘できるが、そんな言葉も知らないまま過ごし続けたツタやその母のような女性が日本にはワンサカいるんだなあ、と感じ入った。本筋から外れた感想でゴメン。 -
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先祖の清助さんは大の花火道楽。金に糸目をつけず花火に費やし、かつては大地主だった家系を落ちぶらせてしまった。だけどそんな清助さんのことを悪く言う人はいない。彼の道楽のおかげで、何も無い普通の日にも花火を楽しめた村の人たち、彼ののんびりとした性格に癒され(時には困らされ)た家族、皆が清助さんを好きだったから。
花火に魅せられた男の人生が時代の流れを反映させながら描かれています。読んでいて私も清助さんをどんどん好きになる。人生は本当に花火のようなものかもしれませんね。自分自身だけでなく周りの人から見ても綺麗な花火。そんな人生を送れたらいいなと思います。