大島真寿美のレビュー一覧
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幼いころ両親が離婚したことで、母親と双子の兄と離れて生活することになった20歳の女子大生が主人公です。一緒に暮らしていた父親が急死したことで、大学を休学し、けだるい日々を送る主人公。そんな時、子供のころから何度も家出を繰り返している従妹が、主人公の暮らすマンションに転がり込んできます。従妹はもう何年も実家に連絡を取っておらず、親からは死んだも同然とあきらめられているようです。家出癖のある従妹は、主人公の家の近所に昔からある廃屋を、将来自分の住処にしようと考えていたようですが、その廃屋に手を入れて、カフェにしようと目論む男女が現れます。自分たちの手で、少しずつ改修しているために、いつまでたっても
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新入部員が集まらず、廃部になりかけている映画研究部に所属している、知世子という女子高生が主人公です。知世子は幼いころ、両親と出掛けたドライブ旅行で事故にあい、母親を失ってしまいます。亡くなった母親の忘れ形見が、ジュリエッタと名づけられた犬。知世子とジュリエッタは姉妹のように、ずっと一緒に過ごしてきました。その愛犬ジュリエッタも歳老いて亡くなり、知世子は学校の進路調査のアンケートに、将来の希望を「犬になりたい」と書きます。心に暗い影を持ち、どちらかというと世界を否定して生きてきた知世子にとって、本当に心を許し合えたのはジュリエッタだけだったから。
映画好きの方はすでにお気づきかもしれませんが、犬 -
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表題作である「宙の家」の続編である「空気」を含む二編の連作。
とあるマンションの1105室に暮らす家族の物語です。宙空の4LDKに住まうこの一家の家族構成は、主人公の女子高生・雛子のほかに母親と、小学生の弟と、祖母。父親は九州に単身赴任中。
ある日突然、祖母が交信不能(痴呆症)になったことで、平穏な家庭にズレが生じ、その波紋が少しずつ広がっていく模様が雛子の視点で描かれます。
続編では、祖母の死後、自分の扱いが下手になってしまった雛子の心情が、弟の友人とその腹違いの歳の離れた兄・波貴との関わりの中で語られていきます。波貴もまた、自分を持て余し、周囲との折り合いをつけるのが苦手なタイプの男性なの -
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現実と夢のようなものがごっちゃになっていたりして、なんか不思議な話ですね。
離婚のときに母に置いて行かれ、自殺に近い死に方で父親を失ったとうこ。とうこを置いて出たことを悔やみ、精神を病みかけた母親。その母を支えるためにとうことの二役を演じる陸。息子に先立たれた祖母。厳しすぎ、身勝手な両親から逃れようと家出を繰り返す瑠璃。そして、小さな息子を亡くした喫茶店の奥さん。
様々な人たちの一種の再生物語なのですが、そうした物語に多い力強さは感じられず、どこかふんわりとした雰囲気です。
でもその雰囲気のためか、少々まとまりに欠け、焦点が会わない感じが残念です。