大島真寿美のレビュー一覧

  • チョコリエッタ

    Posted by ブクログ

    宮永知世子。チョコリエッタ。

    幼い頃、事故で母を亡くし、父をある意味で失い、ジュリエッタという犬を相手に過ごす。
    心の成長は止めたいのに、止まらない。

    そんな彼女の母代りとなった父の妹霧湖がどこにも行かないことだけをひたすら願い、願いながらも反抗してしまうどっちつかずの知世子がよく分かる。

    自分を外側から眺めることは、なかなかに難しい。
    「犬になりたい」と望むチョコリエッタに、ひとつの出会いが示される。
    外側から見た自分が、どのような進展をもたらすのだろうか。ふらふらと危なげでかわいい話だった。

    0
    2014年03月07日
  • 宙の家

    Posted by ブクログ

    マンションの11階に暮らす家族を描いた中編2作。
    両親と弟、祖母と暮らす女子高生が主人公。
    ある日祖母にボケの症状が見られはじめ、平凡な日常にズレが見られていく。

    ”運針の病”と名づけた謎の行動など、ボケの描写はあるものの介護の苦しみや家庭崩壊などはなく、静かな日々が描かれる。

    2作目は小学生の弟の親友兄弟と主人公との交流。
    ちょっと展開が唐突かな。2作目より1作目がよかった。

    文章表現は巧みで、特にタイトルにある通り地上40メートルのマンションの一室について描写する表現がいい。

    こういう雰囲気の作品はハマると感動すると思う(今回はそういうメンタリティじゃなかった)。

    0
    2013年12月03日
  • 虹色天気雨

    Posted by ブクログ

    再読
    39歳の女友達、市子と奈津とまりの友情を描く
    元モデル・奈津の夫が行方不明になった事から急遽奈津の娘・美月を預かる事になった市子。

    0
    2013年11月05日
  • 香港の甘い豆腐

    Posted by ブクログ

    父親を知らずに育ち、人間関係に疲れて不登校になっている女子高生が主人公。個性の強い母と祖母に挟まれて、だらだらと無為に過ごしていた夏のある日、突然母親に香港に連れていかれる。エネルギーに溢れた街で初めて知る母の過去。父との出逢い。
    ただ、感動的な親子の物語ではない。
    学校・家庭という狭い世界で、人から見た自分という鏡でしか自分を見られなかった女の子が、一人異国に残り、本来の自分を見出していく成長物語。自由だからこそ、自分に責任を持てるのも自分だけなのだと気づく。自分の居場所を自分で作れる。
    爽やかな気分になる小説だった。

    0
    2013年05月30日
  • 虹色天気雨

    Posted by ブクログ

    学生時代からの女友達3人や彼女達の周囲の人々、それぞれの家庭や恋愛の事情や友情が書かれる。
    過去や人間関係の詳細が思い切りよく省かれた潔い文章・展開で、少し戸惑うところもあったが、読みやすかった。
    ベッタリ一緒にいなくても、人生の色々な出来事を経ていく自分を、近くでみていてくれる友達の存在は、その存在だけで力をくれる。
    私にも長い付き合いの友達がたくさんいるが、それぞれの旦那や恋人よりも長く付き合い、お互いをよく理解し合っている友達がいることを、改めて感謝したくなる…そんな小説だった。

    0
    2013年05月13日
  • 虹色天気雨

    Posted by ブクログ

    さらっと読める。
    それはいい意味でのさらっと、でもある。
    みずみずしい文体と、ひとりひとりのキャラクターのよさ、
    清々しい人間関係。どれも五感に気持ちよく届く。
    NHKドラマ「ビター・シュガー」を見ていたのでわかりやすかった。
    女同士の友情ものは、できた人たちじゃないと成立しない。
    この物語に出てくる女性たちは、実にチャーミングで惹かれる。

    0
    2013年03月01日
  • 水の繭

    Posted by ブクログ

    どこかに寂しさをかかえてる登場人物たち。でもみんな前向きで、これからはちょっとずついい方向に向かっていくんじゃないかなぁ。
    全体的にふんわりのんびりしてる感じが、いいと言えばいいんだけどスピード感はないかも。

    0
    2013年05月25日
  • 水の繭

    Posted by ブクログ

    失った過去を父親の死というものをキーにいろいろなつながりを再生する物語・・・かな。ジャケットで手にしたんだけど、少し切なくも透明感があって良かったんだけど、後半に入ってからちょっと話を行き急いだのか話を詰め込み過ぎだろ感が否めないのがちと残念かな。

    0
    2013年01月24日
  • ビターシュガー 虹色天気雨2

    Posted by ブクログ

    恋愛、家族や老後を考える四十路女性三人の友情を中心とした物語。三者三様の人生がお互いに絡み合いながら進み、その会話の掛け合いが面白い。NHKのドラマを見て読もうと思った。小説よりドラマのほうがスピード感があって面白いと感じた。それは女優3人(りょう、和久井映見、鈴木砂羽)の演技力の賜物か。
    恋愛できる最期ではという思い、自分の価値観を大切にしたい気持ち、老後一人を恐れる気持ち。お互いのさわやかな関係が浮かんできて、とても気持ちよい。この妙齢の女性を対象とした小説はドロドロ、嫉妬といったものがイメージされるが、それらがなく、読み終えて気持ちよかった。

    0
    2012年08月09日
  • チョコリエッタ

    Posted by ブクログ

    進路調査に「犬になりたい」と書いて呼び出されるところから物語りは始まる。
    事故で母を亡くし、生き残った父との関係もうまくいかないまま高校生になった主人公はいっそ死にたいと思いながら生きている。

    映画研究会OBの正岡と出会い、強引に自主フィルムに出させられる。
    レンズを向けられながら自分自身や現実と向き合っていくお話。

    『水の繭』同様、青春のひりひりした部分を描いた作品。
    好みは分かれそう、今回は深く心が揺らされるメンタルではなかった。

    0
    2012年08月01日
  • 水の繭

    Posted by ブクログ

    父を亡くしひとりになった主人公のところへ、家出癖のあるいとこが転がり込んでくる。

    いとこの後押しをきっかけに、
    子供の頃家を出た母とふたごの兄と再会しようとするお話。

    カフェの開業準備をする夫婦との出会いがあったり、主人公のゆるやかな日常が主軸となっている。

    初期の作品ということもあってか、全体的に浅い感じだけどその分瑞々しい、という表現がぴったりな作品。

    読むタイミングや環境によっては深く刺さる気もするけれど爽やかで軽い分、感情移入できないと残るものが少ない気がする。

    0
    2012年08月01日
  • 戦友の恋

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     yomyomで連載していた「三人姉妹」がわりと好きだったのと、表紙の絵が良かったので購入。

     “戦友”の玖美子が急逝し、“玖美子が死に続けている世界”で生きつづけなければならない佐紀の喪失と再生の物語。

     冒頭に玖美子が亡くなる以外は事件らしい事件もなく、佐紀の日常は淡々と過ぎていくのだけれど、その静かさが却って佐紀の心の痛みを浮かび上がらせているような、大島さんらしい物語でした。海の描写が美しく希望を感じさせる最終章が印象的。

    0
    2012年07月25日
  • 戦友の恋

    Posted by ブクログ

    漫画家を志していたものの、致命的に絵が下手で漫画原作者となった主人公。
    彼女に原作者としての道筋を示し、二人三脚でやってきた編集者が急死してしまう。

    大切な戦友を失った主人公が喪失感を抱えながらも生きていくお話。

    とても大島さん的な文章で、数十ページに渡って主人公の一人語りで物語が進んでいったりする。

    主人公を取り巻く人々のキャラクタや人生も陰影がくっきりしていて魅力的である。
    戦友が死に続けている世界で生き続けている主人公。
    がんばってる感なくでも精一杯生きている感じがして穏やかな気持ちになる話。

    ただ、読む人とテンションを選ぶ作品だと感じるから、しばらく読んで合わないなと思ったら少

    0
    2012年07月23日
  • ふじこさん

    Posted by ブクログ

    ずっと昔にその設定とタイトルに惹かれ、気になって読みたいと思っていた作品。表題作を含む3篇の短編集。
    どの作品も保護される者の立場から語られる「家族」が大きなテーマになっている。
    保護する人はいないけど、保護される立場でもない、なんとなく大人になったわたしには共感できるところが少なかったけど、被保護者なりの悩みや葛藤、それを言葉にして表されると思い当たる節がないこともなかった。
    「ふじこさん」のラストは、なんか良かったなあ・・・。
    じんわり沁みてくるような読後感。
    あと、擬音?が、独特な表現で面白いなと思った。

    0
    2012年07月18日
  • ビターシュガー 虹色天気雨2

    Posted by ブクログ

    虹色天気雨の続編

    40代の女性3人の友情ストーリー

    前作から3年が経ち、少しずつ変わっていく

    主人公の市子のようなみんなの安定剤にちょっと憧れる

    結婚もせず、恋人もいない、けどもいつも誰かがふらっとそこにやってきて、癒されて帰っていく

    そんな市子のような友達が欲しい

    0
    2012年07月03日
  • 水の繭

    Posted by ブクログ

    喪失と、そこからの再生を描いた、透明で澄んだ物語。
    ふわっと、淡々と話は進むのですが、確かにそこにある現実と、にわかに現実とは思えない話とが折り重なるそれは、なんだか実態の掴めない蜃気楼のよう。
    それはちょうど捉えようのない漠然とした孤独感とか、不安感に近いものなのでしょうか。

    壊れてしまったものを元通りの形ににすることはできないけれど、元通りではなくても、また別の形にすることはできる。案外、それは元の形より良かったりするのかもしれません。

    楽しいことは、自分で探す。楽しいところへは、自力で移動する。

    0
    2012年05月14日
  • 虹色天気雨

    Posted by ブクログ

    なんともパワーのある小説だった。ドラマをみていないが、このままの雰囲気で上手にドラマ化すれば、かなりのヒットになるはずだ。
    元気な女性はこういう小説が大好物だろう。型にはまらず、幼い心をもち続け、男を思いながらも、女友達に勝るものはなく、仕事問題も男問題も、女友達と超えていく。
    形は色々かもしれないが、男性並みに働いている女性の知り合いの多くは、友達付き合いが甚だ良く、そこに一つの支えがあることはセオリーだ。
    男は社会全体で徒党組むもので、女性は友人同士で結束するものなのかもしれない。
    続きがみたいのは確かだけれど、ちょっと疲れもした。年?私もこの登場人物達と瓜二つ。それがリアル過ぎて、夢見た

    0
    2012年04月03日
  • 虹色天気雨

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    突然失踪した夫を探しに出た幼馴染・奈津の娘を預かることになった主人公・市子。
    奈津は数日後に戻ってくるが夫の行方はわからず。

    二人の友人や仕事仲間やらがざわざわしながら日々を過ごす話。
    さくさく読めて気軽いお話ではある。

    ただ登場人物たちのキャラクタはリアルだけど、社会の中での姿が薄すぎる。
    年齢も定かではないが、30代後半くらいか。
    仕事はみんなフリーランスということで、仕事の面でも社会との繋がりがなく、
    親兄弟も出てこないから友人たちと接している顔以外の表情が見えない。

    ベースが友情話ではあるものの、もっと自分自身の問題にかまけるべき年代なのではないかなと。
    リアリ

    0
    2012年03月28日
  • 戦友の恋

    Posted by ブクログ

    女性編集者と、
    漫画の原作を作る仕事をしている女性の物語です。

    この後者の女性が
    年齢を重ねて行く模様を追っていますが、
    そのリアルな感じが何だかとても良かったです。

    あの男性とはどうなるのかな。

    ふわっとした未来を感じる結末でした。

    0
    2012年03月18日
  • 戦友の恋

    Posted by ブクログ

    『ピエタ』を読んだ直後だったので、同じ星三つというより…『ピエタ』の方がテーマがあって私としては良かったかな。

    序盤になかなか、衝撃的な展開を迎える所は面白いのだが、そこからは平凡に描かれる。
    何かを失って気付くこと、時間経過と共に薄れるもの、またその中で残るもの。
    そういったものたちが淡く描かれている所に共感が持てるという見方もあるだろう。

    輪郭のない、いわゆる○○的日常に包まれたい時は、是非。

    0
    2012年02月05日