大島真寿美のレビュー一覧

  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

    Posted by ブクログ

    こんぺいとう商店街の店を舞台にしたアンソロジー。
    カフェスルス、あずかりやさん、伊藤米店、チンドン屋、三波呉服店、キッチン田中、砂糖屋綿貫。

    店がメインのもの、人がメインのもの等作家さんにより色々です。
    伊藤米店(彩瀬まる)は主婦視点の話の中に米店が出てくる。
    日常から逃避したくて非現実的な事を想像しがちだけど、想像に使ってる相手も結局は普通の日常を生きてるんだよね…その辺の表現が上手いなぁと。「さらりと乾いた親しさ」とか。
    キッチン田中も恋愛色強め。そして切ない。

    0
    2019年05月26日
  • 水の繭

    Posted by ブクログ

    【本の内容】
    むかしむかしあるところに、私たちが家族だった頃がある―。

    母と兄、そして父も、私をおいていなくなった。

    孤独な日常を送っていたとうこのもとに、ある日転がりこんできた従妹の瑠璃。

    母とともに別居する双子の兄・陸は時々とうこになりかわって暮らすことで、不安定な母の気持ちを落ち着かせていた。

    近所の廃屋にカフェを作るためにやってきた夫婦や、とうこの祖母。

    それぞれが大きな喪失を抱えながら、ゆっくり立ち上がっていく、少女とひと夏の物語。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    父を亡くして以来、無気力になったとうこが少しずつ変化していく。

    何か劇的な出来事がきっかけになるわけでは

    0
    2014年08月29日
  • それでも彼女は歩きつづける

    Posted by ブクログ

    柚木真喜子という映画監督に関わった6人の女性たちの物語。
    柚木が海外の小さな映画祭で賞に輝いたというニュースに触れた6人のそれぞれの記憶と思いが綴られる。
    大島真寿美って文章巧いよねぇ。登場人物の言葉と思いを、読点で続けて、パシパシとテンポ良く読ませていき、下世話な話もこの手になると淡~い切ない感じの物語になる。
    とは言え、男の私には共感性の薄い話でちょっと喰い足りない感じも、この作者のこれまでの作品と同じく。嫁さんはどう見てるか聞いてみたい気もするな。
    最後の章は蛇足な感じだけど、昔、キネマ旬報でこんな具合に映画の脚本めいたものを読んでいたのを思い出した。
    映画を題材にした本が続いて、定年に

    0
    2014年08月24日
  • 青いリボン

    Posted by ブクログ

    家庭内別居の中で育った依子が、友人の大家族の家へ居候する中で、もまれながら、家族関係とは何かについて、考え、成長していく様子を描いた作品。『香港の甘い豆腐』よりこちらの方が好きだったかな。そして、上海に引っ越してしまった沖田君との関係は今後どうなるんだろう。沖田君へのもやもやとした気持ちと手紙のやり取りも何だかよかった。

    0
    2014年06月29日
  • チョコリエッタ

    Posted by ブクログ

    どきっとする文がいくつか。
    これは高校生の時に読みたかったような気もするけど、丁度その時でもなく、高校生の自分がはっきり思い出せないくらい年をとった後でもなく、今読んで正解だったのかもしれないな。

    0
    2014年06月27日
  • 香港の甘い豆腐

    Posted by ブクログ

    学校で合わせることに辟易し、自分の居場所がわからないという気持ちは、10代ではなくても、大人でもわかる気がする。実の父親が香港にいると連れていかれる彩美。香港でのホームステイを自分で決め、香港での生活を楽しみ始めて、自分というものを持ち始めた彩美の姿を見ていて、何だか励まされました。はじめは読んでいてなじめなかったけれど、彩美が香港を好きになったっ瞬間、この物語が肯定された気がして、自分の中にも何だかすとんと入ってきました。彩美にもたくさん、彩美自身を支えてくれる身内がいる。その様子がまたいいなと思う。香港の甘い豆腐=豆腐花。私も大好き。食べたくなりました。辻村深月さんの解説が良かった。

    0
    2014年06月15日
  • 戦友の恋

    Posted by ブクログ

    漫画原作者である佐紀(あかね)はデビューより共に戦ってきた編集者の玖美子を突然の死により失う。喪失した中でスランプにおちいり、淡々と日々をこなす佐紀が、幼馴染、新しい編集者、元彼などと接し、何気ない穏やかな毎日をすごすことで、徐々に緩やかに立ち直っていくお話。喪失やスランプがあったとしても人間は生き続ける。立ち直るのに、特別なことがあるわけではなくて。何気ない日々の生活を描かせたら、大島さんに勝る人はいないのではないだろうか。酸いも甘いも知った年だからこそ、その中であきらめの心境もあり、複雑なんだけど、これが大人というものなのかなと思う作品でした。連作短編集。

    0
    2014年05月19日
  • 宙の家

    Posted by ブクログ

    マンションの11階に暮らす家族を描いた中編2作。
    両親と弟、祖母と暮らす女子高生が主人公。
    ある日祖母にボケの症状が見られはじめ、平凡な日常にズレが見られていく。

    ”運針の病”と名づけた謎の行動など、ボケの描写はあるものの介護の苦しみや家庭崩壊などはなく、静かな日々が描かれる。

    2作目は小学生の弟の親友兄弟と主人公との交流。
    ちょっと展開が唐突かな。2作目より1作目がよかった。

    文章表現は巧みで、特にタイトルにある通り地上40メートルのマンションの一室について描写する表現がいい。

    こういう雰囲気の作品はハマると感動すると思う(今回はそういうメンタリティじゃなかった)。

    0
    2013年12月03日
  • 虹色天気雨

    Posted by ブクログ

    再読
    39歳の女友達、市子と奈津とまりの友情を描く
    元モデル・奈津の夫が行方不明になった事から急遽奈津の娘・美月を預かる事になった市子。

    0
    2013年11月05日
  • 香港の甘い豆腐

    Posted by ブクログ

    父親を知らずに育ち、人間関係に疲れて不登校になっている女子高生が主人公。個性の強い母と祖母に挟まれて、だらだらと無為に過ごしていた夏のある日、突然母親に香港に連れていかれる。エネルギーに溢れた街で初めて知る母の過去。父との出逢い。
    ただ、感動的な親子の物語ではない。
    学校・家庭という狭い世界で、人から見た自分という鏡でしか自分を見られなかった女の子が、一人異国に残り、本来の自分を見出していく成長物語。自由だからこそ、自分に責任を持てるのも自分だけなのだと気づく。自分の居場所を自分で作れる。
    爽やかな気分になる小説だった。

    0
    2013年05月30日
  • 虹色天気雨

    Posted by ブクログ

    学生時代からの女友達3人や彼女達の周囲の人々、それぞれの家庭や恋愛の事情や友情が書かれる。
    過去や人間関係の詳細が思い切りよく省かれた潔い文章・展開で、少し戸惑うところもあったが、読みやすかった。
    ベッタリ一緒にいなくても、人生の色々な出来事を経ていく自分を、近くでみていてくれる友達の存在は、その存在だけで力をくれる。
    私にも長い付き合いの友達がたくさんいるが、それぞれの旦那や恋人よりも長く付き合い、お互いをよく理解し合っている友達がいることを、改めて感謝したくなる…そんな小説だった。

    0
    2013年05月13日
  • 虹色天気雨

    Posted by ブクログ

    さらっと読める。
    それはいい意味でのさらっと、でもある。
    みずみずしい文体と、ひとりひとりのキャラクターのよさ、
    清々しい人間関係。どれも五感に気持ちよく届く。
    NHKドラマ「ビター・シュガー」を見ていたのでわかりやすかった。
    女同士の友情ものは、できた人たちじゃないと成立しない。
    この物語に出てくる女性たちは、実にチャーミングで惹かれる。

    0
    2013年03月01日
  • 水の繭

    Posted by ブクログ

    どこかに寂しさをかかえてる登場人物たち。でもみんな前向きで、これからはちょっとずついい方向に向かっていくんじゃないかなぁ。
    全体的にふんわりのんびりしてる感じが、いいと言えばいいんだけどスピード感はないかも。

    0
    2013年05月25日
  • 水の繭

    Posted by ブクログ

    失った過去を父親の死というものをキーにいろいろなつながりを再生する物語・・・かな。ジャケットで手にしたんだけど、少し切なくも透明感があって良かったんだけど、後半に入ってからちょっと話を行き急いだのか話を詰め込み過ぎだろ感が否めないのがちと残念かな。

    0
    2013年01月24日
  • ビターシュガー 虹色天気雨2

    Posted by ブクログ

    恋愛、家族や老後を考える四十路女性三人の友情を中心とした物語。三者三様の人生がお互いに絡み合いながら進み、その会話の掛け合いが面白い。NHKのドラマを見て読もうと思った。小説よりドラマのほうがスピード感があって面白いと感じた。それは女優3人(りょう、和久井映見、鈴木砂羽)の演技力の賜物か。
    恋愛できる最期ではという思い、自分の価値観を大切にしたい気持ち、老後一人を恐れる気持ち。お互いのさわやかな関係が浮かんできて、とても気持ちよい。この妙齢の女性を対象とした小説はドロドロ、嫉妬といったものがイメージされるが、それらがなく、読み終えて気持ちよかった。

    0
    2012年08月09日
  • チョコリエッタ

    Posted by ブクログ

    進路調査に「犬になりたい」と書いて呼び出されるところから物語りは始まる。
    事故で母を亡くし、生き残った父との関係もうまくいかないまま高校生になった主人公はいっそ死にたいと思いながら生きている。

    映画研究会OBの正岡と出会い、強引に自主フィルムに出させられる。
    レンズを向けられながら自分自身や現実と向き合っていくお話。

    『水の繭』同様、青春のひりひりした部分を描いた作品。
    好みは分かれそう、今回は深く心が揺らされるメンタルではなかった。

    0
    2012年08月01日
  • 水の繭

    Posted by ブクログ

    父を亡くしひとりになった主人公のところへ、家出癖のあるいとこが転がり込んでくる。

    いとこの後押しをきっかけに、
    子供の頃家を出た母とふたごの兄と再会しようとするお話。

    カフェの開業準備をする夫婦との出会いがあったり、主人公のゆるやかな日常が主軸となっている。

    初期の作品ということもあってか、全体的に浅い感じだけどその分瑞々しい、という表現がぴったりな作品。

    読むタイミングや環境によっては深く刺さる気もするけれど爽やかで軽い分、感情移入できないと残るものが少ない気がする。

    0
    2012年08月01日
  • 戦友の恋

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     yomyomで連載していた「三人姉妹」がわりと好きだったのと、表紙の絵が良かったので購入。

     “戦友”の玖美子が急逝し、“玖美子が死に続けている世界”で生きつづけなければならない佐紀の喪失と再生の物語。

     冒頭に玖美子が亡くなる以外は事件らしい事件もなく、佐紀の日常は淡々と過ぎていくのだけれど、その静かさが却って佐紀の心の痛みを浮かび上がらせているような、大島さんらしい物語でした。海の描写が美しく希望を感じさせる最終章が印象的。

    0
    2012年07月25日
  • 戦友の恋

    Posted by ブクログ

    漫画家を志していたものの、致命的に絵が下手で漫画原作者となった主人公。
    彼女に原作者としての道筋を示し、二人三脚でやってきた編集者が急死してしまう。

    大切な戦友を失った主人公が喪失感を抱えながらも生きていくお話。

    とても大島さん的な文章で、数十ページに渡って主人公の一人語りで物語が進んでいったりする。

    主人公を取り巻く人々のキャラクタや人生も陰影がくっきりしていて魅力的である。
    戦友が死に続けている世界で生き続けている主人公。
    がんばってる感なくでも精一杯生きている感じがして穏やかな気持ちになる話。

    ただ、読む人とテンションを選ぶ作品だと感じるから、しばらく読んで合わないなと思ったら少

    0
    2012年07月23日
  • ふじこさん

    Posted by ブクログ

    ずっと昔にその設定とタイトルに惹かれ、気になって読みたいと思っていた作品。表題作を含む3篇の短編集。
    どの作品も保護される者の立場から語られる「家族」が大きなテーマになっている。
    保護する人はいないけど、保護される立場でもない、なんとなく大人になったわたしには共感できるところが少なかったけど、被保護者なりの悩みや葛藤、それを言葉にして表されると思い当たる節がないこともなかった。
    「ふじこさん」のラストは、なんか良かったなあ・・・。
    じんわり沁みてくるような読後感。
    あと、擬音?が、独特な表現で面白いなと思った。

    0
    2012年07月18日