あらすじ
ドラマ「ビターシュガー」原作者の名作小説
依子の両親は家庭内別居中。そこに父親の転勤や母親の長期出張が重なり、依子はいやおうもなく親友である梢の家に下宿することになった。大家族であり居候も多い梢の家は、依子の家とは違って、いつでも人の気配があった。依子が知った梢の淡い恋、そして彼女の家の大家族ならではの生活ぶり。ふだん学校で見る梢とは異なった一面を知ることになり、ふたりの友情はさらに強いものになっていく。そして賑やかな梢の家で過ごすうち、依子の両親への気持ちにも少しずつ変化が……。女子高生の友情と恋、そして家族とは何なのかを描いた名作青春小説。
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Posted by ブクログ
お気に入りの本屋さんのイベント、「選書の冒険」で選んだ一冊。始めての大島真寿美さん作品。
私の年齢になってくると、子供目線·親目線どちらの視点からも物語を読めるようになってくる。身勝手な親だな…とも思うし、仕事に打ち込みたい、チャンスを逃したくない、夫(妻)に負けたくない気持ちも理解出来る。
力の抜けた雰囲気が終始心地良く、さらさらと読み終わった。
後書きをよんで、そうか、新しい環境に触れて依子の価値観が変わった瞬間に触れた作品なんだと気付いた(遅い)。
それを踏まえて最後の章を読むと、なるほどしっくりきた。読解力を鍛えたい。
自分ではきっと見つけられなかった作品なので、やっぱり選書してもらうのは楽しい!
Posted by ブクログ
両親が不仲で家庭内別居という環境で育った高校2年生の依子。
友人の梢の家で居候として暮らし知らなかった家族の形を知る。
友情や恋の話もあり、すごく読みやすかった。
Posted by ブクログ
離婚調停中の両親を持つ高校二年生の依子の物語。
父は福岡に赴任中、母親と暮らしていたが、母親も上海に長期出張することになる。
北海道にある母親の実家へ行けと言われ、途方に暮れる依子に、「うちに来る?」と住みかを提供してくれたのは友だちの梢。
両親共働きで子供一人の依子の家は、おしゃれなマンション。
梢の家は、祖父母・両親・子ども三人でにぎやか。
以前は居候も絶えなかったという。
あまりの『家庭』の姿の違いにおどろく依子だが、割とすぐに馴染んでいく。
しかし、立派に仕事をしているにもかかわらず、驚くほど幼稚で身勝手な両親だ。
(特に、幼稚な父親は嫌だな)
それに対して、依子は醒めているというか大人と言うか。
淡々と進む、いつもの大島真寿美の、少女の成長小説。
透明感がある。