大島真寿美のレビュー一覧

  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    「あずかりやさん」は既読。
    ちょっと深さがない感じの1冊だった。
    軽く読めていいのかも。
    でも、「伊藤米店」はよかった。
    彩世まるさん初読みでした。

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    2015年07月16日
  • かなしみの場所

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    寝言が原因で夫と離婚し、雑貨作りの小商いをしながら実家で暮らしている。
    人に寝言を聞かれる恐怖心からか実家で眠れなくなってしまったが、雑貨を卸している「梅屋」の奥の小部屋では熟睡できるので、頻繁に梅屋に眠りに通っている。

    幼いころに「天使のおじさん」に誘拐された記憶を持ち、いつか「誘拐犯」が自分の前に現れるのではないかという期待を持っている。

    話としては梅屋のバイトのみなみちゃんや、近所の人、そして両親や伯母と過ごす中で、「誘拐事件」の真相を知るという展開である。

    離婚の原因にもなってしまった、心の引っかかり続ける「天使のおじさん」の正体を知ることで、過去を乗り越える、という、よくありが

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    2015年05月19日
  • ビターシュガー 虹色天気雨2

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    『虹色天気雨』の3年後。
    いまだに奈津は夫と別居中。
    全然事態が進展しない中、大人びて健気で空気読み~で美少女だった美月は、いっぱしの大人のつもりで、分かってない事まで分かったつもりで大人の生き方に口をはさみ、批判し、不潔扱いするという、まさに中二病真っ盛りの女子に変貌を遂げた。

    そして、主人公の市子は、厄介事を次々と押しつけられ、善意でした事(というか断れなかっただけ?)をみんなから非難され、家には押し掛けられ…という気の毒な状態。
    前作はそんなに気の毒にも感じなかったのだけれど…
    まりとか美月が何だか強烈で。

    前作は運動会、今作は、小糸ちゃんの結婚式やリンゴ狩り?
    登場人物が総出で楽し

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    2015年05月14日
  • かなしみの場所

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    静かで優しい世界に包まれながら自分自身が抱えるものを浄化していくような、そんな大島さんの世界が表れた作品でした。
    果那さんがだんだんとたくましく、自分の足で一歩ずつ歩いていく様子や、みなみちゃんが尽きてしまっても立ち直っていこうとする姿とか、読んでいて心が穏やかになりました。二人がお菓子を食べるシーンがすごく好きでした。

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    2015年03月12日
  • 水の繭

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    両親の離婚により、離れ離れになった双子。父親の死後、再会を描いた作品。お互いにそれぞれに様々な思いや苦労があって、でも全くそれをいい意味で感じさせないことで、余計にひしひしと伝わってくるものがあった。穏やかで透明感のあふれる作品でした。

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    2015年01月22日
  • それでも彼女は歩きつづける

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    映画監督を続けている女性が海外の映画祭で小さな賞を受賞した。彼女を知る人々の視点から様々な思いを描いた連作短編集。最終章のシナリオの部分は、こう来るかと驚かされつつも、彼女に関わった人たちの胸の内が一つにつながり、読んでいてなるほどと思いました。女性ならではの人間関係のようなものも描かれているけれど、大島さんの書かれる優しい世界観が出ていて、読んでいて心地よかった。

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    2015年01月17日
  • チョコリエッタ

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    特に何か具体的な目的があるわけでもなく、日々をそれなりに過ごしていく、過ごし方。高校生の。
    知らないけれど知っている。見た目は重ならないけれど、中身は重なるような気がして。
    難しい。
    150106

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    2015年01月05日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    こんぺいとう商店街の店を舞台にしたアンソロジー。
    カフェスルス、あずかりやさん、伊藤米店、チンドン屋、三波呉服店、キッチン田中、砂糖屋綿貫。

    店がメインのもの、人がメインのもの等作家さんにより色々です。
    伊藤米店(彩瀬まる)は主婦視点の話の中に米店が出てくる。
    日常から逃避したくて非現実的な事を想像しがちだけど、想像に使ってる相手も結局は普通の日常を生きてるんだよね…その辺の表現が上手いなぁと。「さらりと乾いた親しさ」とか。
    キッチン田中も恋愛色強め。そして切ない。

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    2019年05月26日
  • 水の繭

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    【本の内容】
    むかしむかしあるところに、私たちが家族だった頃がある―。

    母と兄、そして父も、私をおいていなくなった。

    孤独な日常を送っていたとうこのもとに、ある日転がりこんできた従妹の瑠璃。

    母とともに別居する双子の兄・陸は時々とうこになりかわって暮らすことで、不安定な母の気持ちを落ち着かせていた。

    近所の廃屋にカフェを作るためにやってきた夫婦や、とうこの祖母。

    それぞれが大きな喪失を抱えながら、ゆっくり立ち上がっていく、少女とひと夏の物語。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    父を亡くして以来、無気力になったとうこが少しずつ変化していく。

    何か劇的な出来事がきっかけになるわけでは

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    2014年08月29日
  • それでも彼女は歩きつづける

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    柚木真喜子という映画監督に関わった6人の女性たちの物語。
    柚木が海外の小さな映画祭で賞に輝いたというニュースに触れた6人のそれぞれの記憶と思いが綴られる。
    大島真寿美って文章巧いよねぇ。登場人物の言葉と思いを、読点で続けて、パシパシとテンポ良く読ませていき、下世話な話もこの手になると淡~い切ない感じの物語になる。
    とは言え、男の私には共感性の薄い話でちょっと喰い足りない感じも、この作者のこれまでの作品と同じく。嫁さんはどう見てるか聞いてみたい気もするな。
    最後の章は蛇足な感じだけど、昔、キネマ旬報でこんな具合に映画の脚本めいたものを読んでいたのを思い出した。
    映画を題材にした本が続いて、定年に

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    2014年08月24日
  • 青いリボン

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    家庭内別居の中で育った依子が、友人の大家族の家へ居候する中で、もまれながら、家族関係とは何かについて、考え、成長していく様子を描いた作品。『香港の甘い豆腐』よりこちらの方が好きだったかな。そして、上海に引っ越してしまった沖田君との関係は今後どうなるんだろう。沖田君へのもやもやとした気持ちと手紙のやり取りも何だかよかった。

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    2014年06月29日
  • チョコリエッタ

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    どきっとする文がいくつか。
    これは高校生の時に読みたかったような気もするけど、丁度その時でもなく、高校生の自分がはっきり思い出せないくらい年をとった後でもなく、今読んで正解だったのかもしれないな。

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    2014年06月27日
  • 香港の甘い豆腐

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    学校で合わせることに辟易し、自分の居場所がわからないという気持ちは、10代ではなくても、大人でもわかる気がする。実の父親が香港にいると連れていかれる彩美。香港でのホームステイを自分で決め、香港での生活を楽しみ始めて、自分というものを持ち始めた彩美の姿を見ていて、何だか励まされました。はじめは読んでいてなじめなかったけれど、彩美が香港を好きになったっ瞬間、この物語が肯定された気がして、自分の中にも何だかすとんと入ってきました。彩美にもたくさん、彩美自身を支えてくれる身内がいる。その様子がまたいいなと思う。香港の甘い豆腐=豆腐花。私も大好き。食べたくなりました。辻村深月さんの解説が良かった。

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    2014年06月15日
  • 戦友の恋

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    漫画原作者である佐紀(あかね)はデビューより共に戦ってきた編集者の玖美子を突然の死により失う。喪失した中でスランプにおちいり、淡々と日々をこなす佐紀が、幼馴染、新しい編集者、元彼などと接し、何気ない穏やかな毎日をすごすことで、徐々に緩やかに立ち直っていくお話。喪失やスランプがあったとしても人間は生き続ける。立ち直るのに、特別なことがあるわけではなくて。何気ない日々の生活を描かせたら、大島さんに勝る人はいないのではないだろうか。酸いも甘いも知った年だからこそ、その中であきらめの心境もあり、複雑なんだけど、これが大人というものなのかなと思う作品でした。連作短編集。

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    2014年05月19日
  • 宙の家

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    マンションの11階に暮らす家族を描いた中編2作。
    両親と弟、祖母と暮らす女子高生が主人公。
    ある日祖母にボケの症状が見られはじめ、平凡な日常にズレが見られていく。

    ”運針の病”と名づけた謎の行動など、ボケの描写はあるものの介護の苦しみや家庭崩壊などはなく、静かな日々が描かれる。

    2作目は小学生の弟の親友兄弟と主人公との交流。
    ちょっと展開が唐突かな。2作目より1作目がよかった。

    文章表現は巧みで、特にタイトルにある通り地上40メートルのマンションの一室について描写する表現がいい。

    こういう雰囲気の作品はハマると感動すると思う(今回はそういうメンタリティじゃなかった)。

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    2013年12月03日
  • 虹色天気雨

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    再読
    39歳の女友達、市子と奈津とまりの友情を描く
    元モデル・奈津の夫が行方不明になった事から急遽奈津の娘・美月を預かる事になった市子。

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    2013年11月05日
  • 香港の甘い豆腐

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    父親を知らずに育ち、人間関係に疲れて不登校になっている女子高生が主人公。個性の強い母と祖母に挟まれて、だらだらと無為に過ごしていた夏のある日、突然母親に香港に連れていかれる。エネルギーに溢れた街で初めて知る母の過去。父との出逢い。
    ただ、感動的な親子の物語ではない。
    学校・家庭という狭い世界で、人から見た自分という鏡でしか自分を見られなかった女の子が、一人異国に残り、本来の自分を見出していく成長物語。自由だからこそ、自分に責任を持てるのも自分だけなのだと気づく。自分の居場所を自分で作れる。
    爽やかな気分になる小説だった。

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    2013年05月30日
  • 虹色天気雨

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    学生時代からの女友達3人や彼女達の周囲の人々、それぞれの家庭や恋愛の事情や友情が書かれる。
    過去や人間関係の詳細が思い切りよく省かれた潔い文章・展開で、少し戸惑うところもあったが、読みやすかった。
    ベッタリ一緒にいなくても、人生の色々な出来事を経ていく自分を、近くでみていてくれる友達の存在は、その存在だけで力をくれる。
    私にも長い付き合いの友達がたくさんいるが、それぞれの旦那や恋人よりも長く付き合い、お互いをよく理解し合っている友達がいることを、改めて感謝したくなる…そんな小説だった。

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    2013年05月13日
  • 虹色天気雨

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    さらっと読める。
    それはいい意味でのさらっと、でもある。
    みずみずしい文体と、ひとりひとりのキャラクターのよさ、
    清々しい人間関係。どれも五感に気持ちよく届く。
    NHKドラマ「ビター・シュガー」を見ていたのでわかりやすかった。
    女同士の友情ものは、できた人たちじゃないと成立しない。
    この物語に出てくる女性たちは、実にチャーミングで惹かれる。

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    2013年03月01日
  • 水の繭

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    どこかに寂しさをかかえてる登場人物たち。でもみんな前向きで、これからはちょっとずついい方向に向かっていくんじゃないかなぁ。
    全体的にふんわりのんびりしてる感じが、いいと言えばいいんだけどスピード感はないかも。

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    2013年05月25日