大島真寿美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
親友、という以上に、人生の一時期を濃密にわかちあった女友達を、突然失ってしまったとしたら。
さみしい、とか、辛いという言葉では言い表せない喪失を抱えて、でも何気ない顔をしながら、その後の人生を生きていく、30代半ばの女性の話。
死んだ彼女をともに知っていた人たちや、主人公がそうと知らない形で愛した人たちが搭乗するけれど、そこから何か、流行りの「エモい」ドラマに発展するわけではない。人生ってそんなものじゃない。淡々と日は流れるようでいて、でもそこかしこに、永遠に喪われた人の影がともにある。
「喪うことに慣れてしまったからこそ、ようやく繋がった、ようやく見つけたこの細い線を手放してはならないのでは -
Posted by ブクログ
この本、なんで読もうと思ったのかなぁ。大島真寿美さんだったからとは思うのだが、他には何かなぁ。
明治初期、旧名主の次男・清助が、東京で観た花火に魅せられ、花火作りに身代かけて夢中になっていくという物語。
しかし、何だかあっさりしているな。大きな事件が起こるわけでもなく、時代の波に翻弄されるわけでもなく、花火作りにのめり込んで傍から狂人扱いされるわけでもなく。
東京で妾に焦れ込む長男に代わり曲がりなりにも家を守る次男に対し、周囲はその心情に寄り添うでもなく唯一の道楽には仕方なく目を瞑るといった体で進む話に、読者の私も同じような心境で読み進めてしまう。
清助も悪い人間ではなく、読んだあと口も悪く -
Posted by ブクログ
ネタバレスカイツリーを見上げる下町のかたすみに、
ひっそりと息づく商店街がありました。
それがー『明日町こんぺいとう商店街』
こんべいとうの角は、24個って知っていましたか?
戦後の焼跡に、24軒のお店が集まって歩きだしたこの小胆がは、
だから明日町こんぺいとう商店街。いつまでも味が変わらない。
ひとつとして同じ形がないこのお菓子には。
「商店街の永年の繁盛、お客様の健康長寿」を祈り、
「個性のある商店街づくり、店づくり、そして人づくり」という
願いが込められています。
さあ、今日も店がひらきます。
明日町商店街シリーズもこの本で第4弾です。
それぞれのお店の話を、違う作家さんが書かれているアンソ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ明治の終わり、琉球の士族の娘として生まれたが、没落。名古屋へ嫁いだが、離婚。別の相手との結婚。投稿を繰り返していた雑誌から、突然掲載の話が持ち上がる。
「千紗子」というもう1人の自分は、幼い頃から書きたい!という衝動を育んできた。ついにその時が来たのだ。全てを注ぎ込んだその手記は、掲載されるや否や、思いがけない反応が返って来る。
離婚したものの、その後のツタの人生は、波乱とはいえない。ツタの密かな情念が生んだ衝動は実を結ばなかった。淡々と進む物語。大島さんらしく突き放した表現。入り込めない、込ませない客観的な視線が、物語の核心をあぶり出す。
ツタよ、ツタと呼びかけたのは誰だったのか。作者の大島 -
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