大島真寿美のレビュー一覧

  • 渦 妹背山婦女庭訓 魂結び

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    歴史に興味がある人はもちろん、ない人でも十分に楽しめる。時代小説には分類されない程度の作風。
    人形浄瑠璃(操浄瑠璃/文楽)に魅せられた近松半二という男の一生を描いた時代物語。舞台は江戸時代・大阪。
    この世は狂言と表現する半二、どんな辛いことがあっても、それを面白がれる男である。人生で浮かないときにも、一歩引いて楽しめる目を持てるのではないだろうか。
    物語を描き上げていくということの熱量がひしひしと感じられる。それでいて軽快な語り口は読む手を離さない。一気に読め、引き込まれる作品。いつのまにか半二にとりつかれている、というより我々がとりついてしまっているんじゃないかと思うほどのめりこんだ。晩年を

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    2024年05月20日
  • 渦 妹背山婦女庭訓 魂結び

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    人形浄瑠璃(文楽)作者、近松半二の人生が青年期、妹背山に向かう絶頂期、そしてピークを超えたあとの晩年が丁寧に描かれていた。幼い半二が芝居に魅せられる姿に自分を重ねながら読んだ。また、他で演じられた作品を別の作者が書き直して人形浄瑠璃や歌舞伎の演目になっていたことを知り、驚いた。“盗作”ではなく“リスペクト”、“アレンジ”してより新しい世界を開く。そのムーブメントは「渦」のようだなあ、と思った

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    2023年12月23日
  • 渦 妹背山婦女庭訓 魂結び

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    浄瑠璃に生きた近松半二。
    器用に生きたという印象はなく、愚直に浄瑠璃に向き合っている一生懸命さが伝わる物語。
    個人的には、半二を支えたお佐久の存在がとても魅力的。
    メインで登場する人物ではなかったのにもっと知りたいと思わせる人物。女性としても人間としても見習いたい憧れに近い感情が生まれました。

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    2023年04月09日
  • 渦 妹背山婦女庭訓 魂結び

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    ネタバレ

    2022/10/7
    おんもしろい!
    芸術家の業の話、大好物!
    今回は人形浄瑠璃作家。歌舞伎作家もいるけど。
    書かずにいられない人たち。
    歌舞伎は役者のもの、人形浄瑠璃は作家のもの。なるほど。
    もちろん人形を動かす人も大事、裏方も大事だけど。
    今も映画は監督のものとか言うものね。
    私、1回だけ文楽見たことあるんよね。
    楽しめたし楽しめた私やるなと思った思い出。
    私はフィクションを摂取してなんとか生きてる人間なので、フィクションを作り出す人は命の恩人です。
    ありがとう。

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    2022年10月16日
  • ほどけるとける

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    ふわふわしてる感じ、ゆったりと時間が進んでく感じがすごく良かった。

    美和と10代の自分が重なって、過去の自分を思い出した。

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    2022年02月05日
  • 渦 妹背山婦女庭訓 魂結び

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    直木賞受賞作はオモロナイっちゅー印象があったんやけど,認識を改めなあかん.大島先生の作品の中で,いっちゃんええと思います.
    道頓堀の渦の中で生きた近松半二の一代記.なんやいっぺん,文楽っちゅーもんをちゃんと観なあかんかなーっちゅー気にさせてもらいました.

    せやけど大島先生,大阪弁がほんまに自然やわ.

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    2021年10月22日
  • モモコとうさぎ

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    「うさぎ」って?という疑問にはっきりした答えはなかったけど、モモコが自分の道を探しながらゆったりと歩いて行くのにのんびりと付き合って過ごせて一息つけた気がする。
    夢中になって過ごす時もあれば、のんびりする時があっても良いんだよね。

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    2021年03月03日
  • ツタよ、ツタ

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    ツタさんと同じように、この本はちっとも「おとなしくない」小説だった。ページをめくるたびに、ぶわっと風が吹いたり、一面に光が、そして闇が広がったりした。

    小さな人間の生きざまが、雑に切り捨てられたり、良いところだけ大げさに取り立てられたりすることなく、熱をはらんだ獣のように飛びこんでくる。

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    2021年01月20日
  • 空に牡丹

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    花火に夢中になった一人の男の一生。
    特にドラマティックな展開がある訳ではない。
    御一新からの激動の時代を感じながらも、田舎町での暮らしが淡々と語られる。

    それが却って新鮮で、よかった。

    親戚の話を聞くように、ふと気が向いたらまた読んでみよう。

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    2020年03月06日
  • あなたの本当の人生は

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    よかった…

    人生に迷っている時期に、本当の人生を知りたくて、あと大島真寿美さんが好きで、手に取った一冊。

    物語が始まる、希望で幕を下ろす小説。

    人生に横道も本道もない、獣道を行く。

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    2020年02月17日
  • ツタよ、ツタ

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    自分を見つめること。今の自分は本当の自分?これは私か私でないものか……
    短慮でも熟慮でも決めたことは決めたこと。瞬間の反発か流された結果か、そこにいるのはそれを選んできた自分。

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    2020年01月22日
  • ほどけるとける

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    なんだかほんわかとした表紙に惹かれて購入、
    こんな表現は変かもしれないけど、
    足湯に浸かっているような感覚の読書体験。
    確かに浸かってはいるんだけど、身体の感覚に馴染みすぎて、自身の体験を振り返っているような。
    大和湯で働く世間的にはちゃらんぽらんな美和の、スローなテンポで進む物語と、
    ひと夏を仮の家で過ごす、はかなく温かい物語。
    いいくみあわせだった。

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    2020年01月18日
  • 戦友の恋

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    本の雑誌を購読している。その中で、蔦屋書店を通じて本の雑誌社が選んだ数冊を送ってもらえるサービスがある。いつもどうしても偏ったものを読んでしまう。
    こういった、「恋」と名のつくもの、ページ数が少ないものは、内容も見ずに手に取らない。
    人に選んでもらった数冊は、すべて大変刺激的であった。このお話も、じんわりと胸に残る。どこが、と言われたら人間関係なのかな、はっきりと言えないが、数年後に必ず読み返すと思う。ミステリばかり読んでいたが、
    これを機会に同じような作品に手を伸ばし始めている。

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    2019年08月27日
  • あなたの本当の人生は

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    今年はまだ2月だが、今現時点でのNo1作品。
    優しい語り口に暖かい雰囲気。
    とにかく、コロッケがバツグンに効いている。
    心温まる傑作でした。

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    2019年02月15日
  • 戦友の恋

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    恋愛小説と思うと構えてしまう自分がいて、というのはそれを読んで感じ入った記憶が殆ど無いからであって、本作も入手してみたものの、なかなか手が出なかった作品。”読むのが怖い”で大森氏も絶賛しているのを見て、それならばってことでトライ。で、これがまた素晴らしかったんです。やはり出色は表題作だけど、それ以外も色んな人間模様が描かれていて、バラエティ豊かで○。サラッと読める分量だけど、しっかり余韻を残す物語でした。

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    2018年03月08日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    ネタバレ

    【あらすじ】
    この路地を曲がれば、そこはもう、すこし不思議な世界の入口―。ひとつの架空の商店街を舞台に、七人の人気作家がお店を開店し、短編を紡ぐほっこりおいしいアンソロジー。商店街のマスコット「招きうさぎ」がなつかしくあたたかな物語へと誘います。

    【感想】

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    2017年08月07日
  • ふじこさん

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    多感で繊細だけど鋭い視点を持っている女の子と、家族との温度差をひしひしと感じる作品。
    どの作品も素敵ですが、「ふじこさん」が特に好きです。
    「夕暮れカメラ」、会話のかみ合わなさにせつなくなったけど、おばあちゃんを見つめる主人公のまなざしにぐっと来る。
    「春の手品師」、ファンタジーチックながら思春期の壊れやすさを見事に描いていて、惹きこまれました。
    読んでよかった!

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    2015年12月15日
  • 戦友の恋

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    読み終わってすぐ、もう一度読んだ。
    淡々と語られる、大島真寿美の文章は心地よい。

    1行目にして“生前”という単語が出てくる、亡き友を偲ぶ物語だ。

    親友の玖美子の他にも、別れや、別れの予感のようなものに満ちている。
    元彼、すなわち、既に別れた人との食事。
    親友との思い出の場所のオーナーは、病に倒れ、入退院を繰り返し、確実に弱っているように思われる。
    それに伴い、想い出のその店も、なんとなくもう潮時を迎えていそうな…

    逆に、死んだと思っていた音信不通の人がひょっこり現れたり、偶然、幼なじみに再会したり。

    平凡な一日は、しかし健やかな一日でもあり、友の死につづける世界の中で、ヒロインは毎日生

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    2015年07月01日
  • 宙の家

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    【本の内容】
    女子高に通う雛子の家は、マンションの11階にある4LDK。

    どうにかこうにか宙空を、地球と一緒にぐるぐる回っている。

    暇さえあれば寝てしまう雛子、歳の割にしっかりした小学生の弟・真人、時々ヒステリックな母の圭以子。

    同居する祖母の萩乃が「運針の病」にかかってしまったことで、ぎりぎり保たれていた均衡がゆらぎ出した…。

    不安定な心のうつろいと喪失に、まっすぐにむきあう姉弟の物語。

    [ 目次 ]


    [ POP ]
    眠ってばかりいる高校生の雛子を主人公とする、家族の物語。

    詩的なタイトルは、マンションの11階にある雛子の住み処を表したもの。

    空の家、ではなく、宙の家。

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    2014年08月29日
  • 戦友の恋

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    変わってしまったかつて行きつけのライブハウスで、自分の歴史を知らない若い女子の横に座り、変わってしまった味のペペロンチーノを食べながら、昔の思い出に耽る。この年取った感がいい。戦友のような友人を突然亡くしてからの日々が淡々と綴られる本書。生きてる彼女は年を取るのだ。優本!

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    2014年01月11日