大島真寿美のレビュー一覧
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「ほどけるとける」が面白かったので,解説で紹介されていたサイドストーリーの本書も講読.
漫画原作者の佐紀さんが主人公のバディもの.ただし,相方の玖美子さんはすでに亡くなっている.
「戦友」を失った喪失感と,「長い長い喪中」を経てゆっくりと再生して行く姿が,日常の生活を通してゆったりと描かれている.
ラストシーンの,達貴君の得意げな顔と夕日の光に満たされていく二人の姿が印象的.
本書だけでも十分面白い(と思う)のだが,「ほどけるとける」のあの場面で,佐紀さんはこうだったんだと言うのがわかって,より楽しめた.
大島先生,君津君や律子さん視点の話もお願いします. -
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しまったー.この本は中編「ほどけるとける」と短編「フィルムの外」の2本立てなんだけど,「フィルムの外」はアンソロジー「ひとなつの。」に掲載されていた作品だったんだ.
大島真寿美先生の作品は「ピエタ」とこれしか読んでないのに忘れていた.とはいっても「ほどけるとける」を読むにはこれを買うしかないので仕方ないか(面白かったし).
高校を中退してブーたれながらおじいちゃんの大和湯でアルバイトをしている美和ちゃん.何がしたいわけでも,将来の夢もわからない.そんな美和ちゃんが大和湯で色々な人と触れ合って,進む道を見つけていくっていう話で,「いいよなー,あの時期って・・・.」と懐かしむ感じと,なんか元気が -
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ネタバレ北上次郎大絶賛の本作、俺も読んでみた。
北上次郎書評はぴったりハマる時と、首をかしげるときが両方あるんだが、本作はハマった方である。北上好みの情表現が俺好みの方に上手いというか、表現はカラっとあっさり読めて、ちょっと考えると「あぁそれあるある」と入り込めるというか…。
親友同士女性二人の物語で、片方が亡くなってから話が始まるって設定も斬新だが、奇をてらった感は少なく、むしろこの設定ないと書けない友情モンなんだっただろうなぁ。
…あっ、この設定にある何かこそ、北上次郎を揺さぶったものなのかも。残された人々の日常って、好きそうやモンな。 -
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これも大阪で買ってきた一冊。
以前から読みたいと思っていた本です。
スカイツリーを見上げる下町のかたすみに、
ひっそりと息づく商店街がありました。
それがー『明日町こんぺいとう商店街』。
明日町こんぺいとう商店街を舞台にした7つの物語。
七人の作家さんのアンソロジー。
大島真寿美 『カフェスルス』
大山敦子 『あずかりやさん』
彩瀬まる 『伊藤米店』
千早茜 『チンドン屋』
松村栄子 『三波呉服店ー2005-』
吉川トリコ 『キッチン田中』
中島京子 『砂糖屋綿貫』
読んだことのある作家さんは、彩瀬まるさん、中島京子さんの二人だけ。
どの物語も心がほんわかします。 -
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選べるのはどれか一つだけです。
コンティニューもリセットもできません。
チュートリアル的なものは…子ども時代かな?
それだって、生まれる場所を選ぶことはできないのだから、その先の選択肢には限りがある。
やがて後戻りできないくらいの年齢になって、「こんなはずじゃなかった」「どこで選択肢を間違えたのだろう?」「あの時ああしていれば…?」的なことを考え始めるのが凡人。
逆に、恐ろしいくらいの黄金狂時代に突入してしまった人や、シンデレラストーリーに恵まれた女性がいたりして、今度は人生が猛スピード過ぎて着いて行けない。
待って、待って、もう少し考えさせて!これでいいのかな?…って。
私くらいの年齢に -
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スカイツリーを見上げる下町の片隅にある、架空の商店街の物語、第3弾。
知らない作家さんの名前も増えてきたが、今回もまた一段と、箱庭世界が充実していった。
自分のコレクションが増えていくような気持ち。
自営業と後継ぎという定番の物語、古くなってしまった業種、逆に商店街にはそぐわないようなおしゃれな店舗のことなど、品ぞろえ多数。
その中、シリーズで一番最初のお話だったカフェ・スルスのその後の様子を知ることができてよかった。
また、店の内情は一つもうかがわせず、舞台として使われている「アイスバイン」は、ちょっと異色で、文学的にして官能的である。
『明日の湯』が一番好きかも。
そして、お店をやってい -
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ネタバレ大好きな明日町シリーズ、第三弾
一軒目「カフェ スルス~一年後~」大島真寿美
平均年齢60歳。老後の楽しみに開いたお店に咲く恋の花。
二軒目「ブティックかずさ」 越谷オサム
三十近いひきこもりがちのバンドマンの一人息子VS昭和の香りプンプンな「ブティックかずさ」を守り続けている父。
三軒目「エステ・イン・アズサ」青谷真未
お互いを思いやるお嫁さんと姑さん、なんて素敵なんだ。
四軒目「明日の湯」秋山浩司
銭湯の壁の絵にまつわるおばあちゃんの恋心に、心がぽかぽか♪。
がんばれ三太郎!
五軒目「ドイツ料理屋・アイスバイン」島本理生
ずっと好きでいたいからと、他の男性と結婚した主人公。
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スカイツリーを見上げる下町の片隅にある、架空の商店街。
大山淳子氏の「あずかりやさん」がとても良かったので、"出身地"である、こんぺいとう商店街のことをもっと知りたくなりました。
個人商店が立ち並ぶ商店街は、現代では衰退の傾向にあるけれど、こんぺいとう商店街は、たたむ店あり、新しくできる店ありで細々と続いている。
家業を継いだ若者や、出て行ってまた戻ってきた者、新しい商売の形、幼なじみと小さな恋の話など、懐かしい雰囲気の中で語られる。
後に行くにしたがって、他の商店の名前が登場するようになって、箱庭世界が充実していくのが面白い。
一軒目『カフェ スルス』 大島真寿美
ほ -
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「幻の女流小説家」と呼ばれることになったツタは、けれどただの一度も本を出版したこともなければ、自身でそう名乗ったこともなかった。彼女がどうしてそう呼ばれたのか、その半生からたどってゆく物語です。
耳元に呼びかけるような、話しかけるようなどこか柔らかな抑揚のついた文章で紡がれるのは、まっすぐで不器用に、けれど自分に正直に生きてきたたくましい女性の姿。
ツタよ、ツタ。
それであなたは本当に良いの?
そんなふうに投げかけたくなる無軌道さもあるけれど、自分を信じて自分の大切な人や信じるもののために生きる姿は、羨ましいようなあっけにとられるような、そして「でもしょうがない、あなたはあなたなんだから -