大島真寿美のレビュー一覧

  • ほどけるとける

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    2008年に単行本で一度読んでいた作品。
    当時文庫化しないかなーと思っていたけど、ここにきて実現するとは…
    当時読んでとても好きだったのに、内容を全く覚えていなかったので、ほぼ初見でした。

    少しずつ時間が経って、銭湯の常連さんたちとの交流を通して、徐々に変わっていく美和。
    ほどけるとける というタイトルのように、かちかちだった気持ちが解けていく様が眼に浮かぶ。

    進んでいないように感じても、時間や誰かとの交流を通して、いつの間にか変わっていくものなのかもしれない。
    それは希望。

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    2020年01月20日
  • 戦友の恋

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    「ほどけるとける」が面白かったので,解説で紹介されていたサイドストーリーの本書も講読.
    漫画原作者の佐紀さんが主人公のバディもの.ただし,相方の玖美子さんはすでに亡くなっている.
    「戦友」を失った喪失感と,「長い長い喪中」を経てゆっくりと再生して行く姿が,日常の生活を通してゆったりと描かれている.
    ラストシーンの,達貴君の得意げな顔と夕日の光に満たされていく二人の姿が印象的.

    本書だけでも十分面白い(と思う)のだが,「ほどけるとける」のあの場面で,佐紀さんはこうだったんだと言うのがわかって,より楽しめた.
    大島先生,君津君や律子さん視点の話もお願いします.

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    2020年01月17日
  • ほどけるとける

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    しまったー.この本は中編「ほどけるとける」と短編「フィルムの外」の2本立てなんだけど,「フィルムの外」はアンソロジー「ひとなつの。」に掲載されていた作品だったんだ.
    大島真寿美先生の作品は「ピエタ」とこれしか読んでないのに忘れていた.とはいっても「ほどけるとける」を読むにはこれを買うしかないので仕方ないか(面白かったし).

    高校を中退してブーたれながらおじいちゃんの大和湯でアルバイトをしている美和ちゃん.何がしたいわけでも,将来の夢もわからない.そんな美和ちゃんが大和湯で色々な人と触れ合って,進む道を見つけていくっていう話で,「いいよなー,あの時期って・・・.」と懐かしむ感じと,なんか元気が

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    2020年01月17日
  • あなたの本当の人生は

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    "人生"に対して大仰な答えを出すのではなく、「やっていけるかどうかわからないけれども、やれるところまでやってみようって思ってるんだよね」と言う自然体な姿勢を示すのがとても清々しくて良かったなあ。
    起伏もなく淡々と進み終わる話なのでなんとも感想が書きにくいものの、ふわふわした空気がなんとも心地良くて久々に良い読後感を味わえた。

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    2019年11月28日
  • あなたの本当の人生は

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    あなたの本当の人生は、と問われて簡単に答えられる人なんていない。やさしくてコロッケみたいにほっこりする読み口だけど、ページをめくりながらずーっと心がぢくぢくした。

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    2019年11月19日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    「あずかりやさん」からの訪問。
    粒ぞろいの短編集でした。

    「あずかりやさん」の大山さん以外は初読み作家さんばかりでしたが、もっと読んでみようと強く思った方も見つかりました。
    でもとりあえず、こんぺいとう商店街24の物語を全部読んでみようと思います。

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    2021年12月23日
  • 戦友の恋

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    ネタバレ

    北上次郎大絶賛の本作、俺も読んでみた。

    北上次郎書評はぴったりハマる時と、首をかしげるときが両方あるんだが、本作はハマった方である。北上好みの情表現が俺好みの方に上手いというか、表現はカラっとあっさり読めて、ちょっと考えると「あぁそれあるある」と入り込めるというか…。

    親友同士女性二人の物語で、片方が亡くなってから話が始まるって設定も斬新だが、奇をてらった感は少なく、むしろこの設定ないと書けない友情モンなんだっただろうなぁ。

    …あっ、この設定にある何かこそ、北上次郎を揺さぶったものなのかも。残された人々の日常って、好きそうやモンな。

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    2019年01月27日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    アンソロジーはあんまり読まないけど、こういうのもいいもんだ。
    それぞれ文体に個性があってそれも楽しめた。
    今まで読んだことない作家さんも、これをきっかけに手に取ってみようと思う。

    カフェスルス、すてきだなあ。
    こうやって仲間とわいわい夢を形にしていくのが楽しそうで羨ましい。

    商店街の店どうしの繋がりも描かれていて面白かった。

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    2018年11月10日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    こういうオムニバス形式のものには手を出していなかったけど、先日、3時のおやつを読んで、なかなかいいかもな…と思って読んだ。結果、とても面白かった。ハズレもなく、小さな繋がりを見つける楽しさもあった。軽いものばかりがあっさり詰まっているのでは?と思ってたけど、どれもしっかりした話だった。よい意味で作者が競い合うのかなぁ。

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    2018年07月21日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    これも大阪で買ってきた一冊。
    以前から読みたいと思っていた本です。

    スカイツリーを見上げる下町のかたすみに、
    ひっそりと息づく商店街がありました。
    それがー『明日町こんぺいとう商店街』。

    明日町こんぺいとう商店街を舞台にした7つの物語。
    七人の作家さんのアンソロジー。

    大島真寿美 『カフェスルス』
    大山敦子  『あずかりやさん』
    彩瀬まる  『伊藤米店』
    千早茜   『チンドン屋』
    松村栄子  『三波呉服店ー2005-』
    吉川トリコ 『キッチン田中』
    中島京子  『砂糖屋綿貫』

    読んだことのある作家さんは、彩瀬まるさん、中島京子さんの二人だけ。

    どの物語も心がほんわかします。

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    2018年06月06日
  • 明日町こんぺいとう商店街3 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    いつも通り、明日町こんぺいとう商店街は心暖まるホンワカな雰囲気だ~(*^^*)と思って読んでいたら、後半は大人でダークな雰囲気に…(゜゜;)四軒目までの話は大好きだけれど、五軒目からは少し苦手(--;)

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    2018年06月06日
  • あなたの本当の人生は

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    選べるのはどれか一つだけです。
    コンティニューもリセットもできません。
    チュートリアル的なものは…子ども時代かな?
    それだって、生まれる場所を選ぶことはできないのだから、その先の選択肢には限りがある。

    やがて後戻りできないくらいの年齢になって、「こんなはずじゃなかった」「どこで選択肢を間違えたのだろう?」「あの時ああしていれば…?」的なことを考え始めるのが凡人。
    逆に、恐ろしいくらいの黄金狂時代に突入してしまった人や、シンデレラストーリーに恵まれた女性がいたりして、今度は人生が猛スピード過ぎて着いて行けない。
    待って、待って、もう少し考えさせて!これでいいのかな?…って。

    私くらいの年齢に

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    2018年05月15日
  • 明日町こんぺいとう商店街3 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    スカイツリーを見上げる下町の片隅にある、架空の商店街の物語、第3弾。
    知らない作家さんの名前も増えてきたが、今回もまた一段と、箱庭世界が充実していった。
    自分のコレクションが増えていくような気持ち。

    自営業と後継ぎという定番の物語、古くなってしまった業種、逆に商店街にはそぐわないようなおしゃれな店舗のことなど、品ぞろえ多数。
    その中、シリーズで一番最初のお話だったカフェ・スルスのその後の様子を知ることができてよかった。
    また、店の内情は一つもうかがわせず、舞台として使われている「アイスバイン」は、ちょっと異色で、文学的にして官能的である。
    『明日の湯』が一番好きかも。
    そして、お店をやってい

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    2018年01月18日
  • 明日町こんぺいとう商店街3 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    ネタバレ

    大好きな明日町シリーズ、第三弾

    一軒目「カフェ スルス~一年後~」大島真寿美
    平均年齢60歳。老後の楽しみに開いたお店に咲く恋の花。

    二軒目「ブティックかずさ」 越谷オサム
    三十近いひきこもりがちのバンドマンの一人息子VS昭和の香りプンプンな「ブティックかずさ」を守り続けている父。

    三軒目「エステ・イン・アズサ」青谷真未
    お互いを思いやるお嫁さんと姑さん、なんて素敵なんだ。

    四軒目「明日の湯」秋山浩司
    銭湯の壁の絵にまつわるおばあちゃんの恋心に、心がぽかぽか♪。
    がんばれ三太郎!

    五軒目「ドイツ料理屋・アイスバイン」島本理生
    ずっと好きでいたいからと、他の男性と結婚した主人公。

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    2018年03月14日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    スカイツリーを見上げる下町の片隅にある、架空の商店街。
    大山淳子氏の「あずかりやさん」がとても良かったので、"出身地"である、こんぺいとう商店街のことをもっと知りたくなりました。

    個人商店が立ち並ぶ商店街は、現代では衰退の傾向にあるけれど、こんぺいとう商店街は、たたむ店あり、新しくできる店ありで細々と続いている。
    家業を継いだ若者や、出て行ってまた戻ってきた者、新しい商売の形、幼なじみと小さな恋の話など、懐かしい雰囲気の中で語られる。
    後に行くにしたがって、他の商店の名前が登場するようになって、箱庭世界が充実していくのが面白い。

    一軒目『カフェ スルス』 大島真寿美

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    2018年01月08日
  • それでも彼女は歩きつづける

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    嫌な登場人物が出てこない(ちょっと危険な香りのする人はいるけど)。全体的に、優しいまなざしを感じる。

    映画監督である柚木さんに関わる女性6人の物語。
    彼女たちの感情や想いが丁寧に言葉にされていて、そして読みやすい文章。
    『ピエタ』を読んで、好きになった作家さんだが、
    この物語も読んでみて、やっぱり大島さんの紡ぐ言葉が好きだなあと、改めて思った。

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    2017年08月31日
  • ツタよ、ツタ

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    大島さんなのにハズレなの?と途中で投げ出してしまいたくなるほど序盤戦はつまらない。
    筆を折った女性の一代記、書けない人を書ける人が描くわけだからそのたどたどしさは演出かと思うのは勘ぐり過ぎか。
    兎に角そこさえ我慢してしまえばあとはいつものようにグイグイと物語に引き込まれ名を変え不遇を生きたヒロインを通して「人生」 を考え共感し落涙のラストを迎える良書。
    今際の際にその人の一生が走馬燈のように蘇ると言うがそれが妙にリアルで心に響くのは作者の技巧かそれとも自分が歳を取ったのか。
    やはり大島さんにハズレなしである

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    2017年06月25日
  • ツタよ、ツタ

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    「幻の女流小説家」と呼ばれることになったツタは、けれどただの一度も本を出版したこともなければ、自身でそう名乗ったこともなかった。彼女がどうしてそう呼ばれたのか、その半生からたどってゆく物語です。

    耳元に呼びかけるような、話しかけるようなどこか柔らかな抑揚のついた文章で紡がれるのは、まっすぐで不器用に、けれど自分に正直に生きてきたたくましい女性の姿。

    ツタよ、ツタ。
    それであなたは本当に良いの?

    そんなふうに投げかけたくなる無軌道さもあるけれど、自分を信じて自分の大切な人や信じるもののために生きる姿は、羨ましいようなあっけにとられるような、そして「でもしょうがない、あなたはあなたなんだから

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    2017年05月03日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    7名の作家さんの、商店街をめぐる連作
    たぶんモデルはあそこの商店街だと思うんだけど、閉まるの早いから違うかな
    こういう商店街は通り抜けるだけでも楽しいと思う

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    2016年11月17日
  • ツタよ、ツタ

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    幻の女流作家ツタの生涯を
    ツタの心の内が細かくや丁寧に描かれていて
    小説を書く、書かざる得ないその衝動や
    また、書いたものへの反響に潜む
    偏見や差別が透けて見え
    本当に興味深かった。

    ツタが辛い時、文章を書くと
    それを俯瞰してみることができ
    心が解放されたのに対して
    それは、私の本を読む
    ということとも通じるなぁ
    と感じた。

    ツタのふんわりとした穏やかな臨終、
    どんなに波乱の人生であっても
    誰しもがこういう人生の閉じ方だと
    いいなと思う。

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    2016年11月12日