感情タグBEST3
Posted by ブクログ
よかった…
人生に迷っている時期に、本当の人生を知りたくて、あと大島真寿美さんが好きで、手に取った一冊。
物語が始まる、希望で幕を下ろす小説。
人生に横道も本道もない、獣道を行く。
Posted by ブクログ
直木賞作家の大島真寿美さんの作品を初めて手に取った。読み始めてすぐに(あー私はこの作品がきっと好きだ)と感じた。
人気作家だったが今はすっかり書けなくなった老女ホリー。「あなたの本当の人生は」ホリーにそう問われ、公務員を辞め秘書となり、ホリーに代わってちょっとした執筆もこなす宇城。書きたい欲求はあるが、もう行き詰まってしまった新人作家チャーチル(ホリー先生命名)。彼女たちによって語られていくスタイルだ。
各々が自身の理想の「本当の人生」を考えながらも、それとは程遠い毎日が過ぎていく。思い通りにいかなくても、なんとなく穏やかにそれぞれの時間が流れていくように感じた。ホリー先生の過去の大作を中心に、先生の不思議な能力?も影響しながら。
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担当編集者に、ヒット小説を生み出した老齢作家の森和木ホリーの弟子入りを持ちかけられた國崎真美。ホリーの有能な秘書であり、エッセイのゴーストライターの宇城、ホリーの元夫の蓑島との関係性を描きながら、「私の本当の人生」について模索する。
真美が自分もゴーストライターとして、ある意味夢を掴んでしまう話なのかと思っていたがそうではなく穏やかに物語が進んでいくさまが良かった。
絶品コロッケで周囲の人々の心を掴み、自分の道を築いていく面白さが良かった。
Posted by ブクログ
初めましての作家さん。
「錦船」シリーズが大ヒットしたものの、
病気で入院して以降、続きは書いていない、
高齢となったホリーさん。
言葉は縛る。それを言霊というのだろうか・・・
〈あなたの本当の人生は・・・〉
これはホリーさんの周りにいた人達の
数奇な人生のパッチワークでしょうか・・・
「わたしには物語が必要なんだ」
これ、すごくわかります!
色んな事を思い出したり、想像し過ぎたりして
これ、うまく感想が書けないですよ(^◇^;)
それにしてもスゴイものを読んだなぁ~
Posted by ブクログ
"人生"に対して大仰な答えを出すのではなく、「やっていけるかどうかわからないけれども、やれるところまでやってみようって思ってるんだよね」と言う自然体な姿勢を示すのがとても清々しくて良かったなあ。
起伏もなく淡々と進み終わる話なのでなんとも感想が書きにくいものの、ふわふわした空気がなんとも心地良くて久々に良い読後感を味わえた。
Posted by ブクログ
あなたの本当の人生は、と問われて簡単に答えられる人なんていない。やさしくてコロッケみたいにほっこりする読み口だけど、ページをめくりながらずーっと心がぢくぢくした。
Posted by ブクログ
選べるのはどれか一つだけです。
コンティニューもリセットもできません。
チュートリアル的なものは…子ども時代かな?
それだって、生まれる場所を選ぶことはできないのだから、その先の選択肢には限りがある。
やがて後戻りできないくらいの年齢になって、「こんなはずじゃなかった」「どこで選択肢を間違えたのだろう?」「あの時ああしていれば…?」的なことを考え始めるのが凡人。
逆に、恐ろしいくらいの黄金狂時代に突入してしまった人や、シンデレラストーリーに恵まれた女性がいたりして、今度は人生が猛スピード過ぎて着いて行けない。
待って、待って、もう少し考えさせて!これでいいのかな?…って。
私くらいの年齢になってある程度達観すると、自分の身の丈が何となくわかってくる。
「あの夢は、まあ、はなから無理だったのだ」とか、「どこをどう選んでも、結局、今のここに立っているのだろう」と思える。
人は一生に一つしか人生を生きることができない。
だから、「物語が欲しくて欲しくてたまらない」のだろう。
そのなかで、何度でもお好みの人生を生きるのだ。
ホリー先生の元夫・蓑嶋さんは真実を知っている。
ホリー先生は、物語を紡ぎ、未来も見ることができる魔女なんじゃないか。
ホリーの秘書・宇城さんと、編集の鏡味氏は、他人の人生に寄り添う、実態を持った影のようでもある。
そして、ヒロインの國崎真実は、“本当の人生は”なんてはなから思わないところが自由である。
「コロッケ揚げるだけの人生も有りかなって思うんです」
創作活動に命をかけている人が聞いたら目をむきそうな…
真実にとっては、創作活動もコロッケを揚げることも同じように人生なのだ。
そんな迷いなく(彼女の名誉のために書いておけば、迷わなかったわけではない)やりたいことをやる、そんなところがやっぱり猫っぽい。