中島京子の作品一覧
「中島京子」の「黒い結婚 白い結婚」「オリーブの実るころ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「中島京子」の「黒い結婚 白い結婚」「オリーブの実るころ」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
東京女子大学文理学部史学科卒。2003年『FUTON』で小説家デビュー。2010年『小さいおうち』で第143回直木賞受賞。その他作品は『イトウの恋』、『均ちゃんの失踪』、『冠・婚・葬・祭』、『小さいおうち』などがある。
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Posted by ブクログ
中島京子さんへの勝手な信頼感(きっと面白いにちがいない…!)で手に取った本。
せわしない朝の満員電車で読む本ではなかった気がしますが、読みながら段々読み方に慣れてきて(!?)妙な共感や、ふむふむ、と染み込んでくる不思議な空気感に、読み終えた後には大好きな本になっていました。
改めて裏表紙の説明書きを読み、懐かしさと温かな驚きに包まれる喫茶店物語。という記載に、読んだ後だからわかる「うんうん、そうだよね」という読者ならではの共感をもちました(笑)
好みはわかれると思うので万人におすすめはしないですが、中島京子さんの他の本が好きだなと思ったことのある方や、裏表紙の説明書きで興味を引かれた方にはおすすめです!
Posted by ブクログ
目次
・フェノロサの妻
・隣に座るという運命について
・月下氷人
・切支丹屋敷から出た骨
・シスターフッドと鼠坂
・坂の中のまち
・エピローグ
主人公の坂中真智(まさに坂の中のまち)は大学進学のために上京し、亡き祖母の親友である志桜里さんの家に下宿する。
そこは大学から徒歩15分と通学には便利な場所にあるが、小日向台というめちゃくちゃ坂の多い地域の坂の上にあった。
元ヒッピーだったという志桜里さんは、はきはきとした言葉遣いと行動力を持つ元気なおばあさん。
自分の、いかにも田舎のおばあちゃんだった祖母との違いに驚き戸惑うが、実は彼女とはもっと根源的な縁があったのだった。
というのはまあ、措いておいて。
東京の坂の多さは知っていたけれど、これほど文学作品に坂が登場していたとは思わなかった。
もっとも日本の近代文学はあまり読んでいないのだけど。
冒頭の一編こそ明らかにファンタジーで、現実には起こりえないけれど、『切支丹屋敷の骨』もまあ、不思議系の話だけど、坂マニアの志桜里さんとの交流や、幽霊部員のエイフクさんとの出会いや、学友であるよしんばちゃんや泉さんとのやり取り等、これは高校生くらいの子が読むといいかもしれないね。
PTAはお薦めしないと思うけど。
でも、選ぶのは自分自身。
恋愛も、生き方も。
主人公が夏目漱石の『こころ』について、主人公はお嬢さんであるべきでしょうと憤るところが面白かった。
確かに男性二人が勝手に盛り上がって死んでしまって、お嬢さんは「己の過去に対してもつ記憶を、なるべく純白に保存」って、漱石、女性に夢見過ぎやで。
真智のおばあちゃんがちょっと現実的でないというか、受け入れがたくはあった。
1970年代に地方都市から進学のために上京する女性って、頭がいいとかよりも、世間を説得できるかが大きいと思うのだ。
私はそれ以降の世代だけど、やっぱり「女に学問はいらない」って親戚から言われたし、ましてや上京、4大、共学なんて無理無理無理。
親友に対しても口が重くて、三日も悩み続けるような人が、70年代の東京で女子大生って親は心配で絶対出さないと思うもの。
進学するなら地元の女子大って時代だった。
出ていける人って、頭が良くてお金があってはきはき自分の意見が言える人。
そんな時代でしたよ、私の頃も。
よしんばちゃんは、もっと活躍してほしかったな。
口癖が「よしんば」だから、子どもの頃から「よしんば」というあだ名の彼女は、両親が共働きで書道の先生をしていたおじいちゃんに昼間は面倒見ていてもらったのだという。
だから会話の中で「よしんば」とか「なかんずく」とかちょっと言葉遣いが古めかしくておかしかわいい。好き。
Posted by ブクログ
江戸時代の介護看護の小説「銀の猫」を読み終えて没入したまま、現代の認知症を患った父を支える妻と3人の娘を取り巻く家族のストーリーに突入した。
認知症、The Long Goodbyeと言うのか。
時間をかけて記憶や知性、人格が少しずつ失われて、家族だけでなく自身からもゆっくりと遠ざかっていくことなんだな。
儚いと言うしかない。
時間は悲しさ寂しさ辛さを忘れさせてくれる一面もあるが、残酷だな。
娘たちも、それぞれの生活がある中で、妻の献身的な介護看護には頭が下がる思いで、老老でふたりとも倒れないでくれ、と念じながら読み進めたが、最期のシーンは家族で想いをひとつにして看取れたことに、厳かな安堵感を得た。
近い将来の自分の姿を外から見ているような、そんな気持ちにさせてくれるストーリーだった。
はからずも漏らしてしまったウンチを寝ている妻の横に並べることだけは避けたいが、それも叶わないかもしれないな。
•この人が何かを忘れてしまったからといって、この人以外の何者かに変わってしまったわけではない。