SF・ファンタジー作品一覧

  • アントマン
    5.0
    主人公スコットは、仕事も家庭も失い絶体絶命…。そんな彼にオファーされた最後にして唯一の"仕事"は、身長わずか1.5cmになれる驚異の"スーツ"を着用し、神出鬼没のヒーロー"アントマン"となることだった。スーツを発明した天才科学者ハンク・ピム博士と博士の娘ホープの指導の下、猛特訓が始まる。彼は、本当のヒーローとなり、人生のセカンド・チャンスをつかむことができるのか!?
  • アンドロイドお雪
    -
    ドラッグ・ハウスの元締めの老人が、貧乏刑事・野坂に贈った遺産は、特A級アンドロイドだった。人間としての完璧な外観を備え、すべてオーダーメイドで造られるヒューマノイドロボット“お雪”は、百万ドル以上の価値を持つ。ハウスキーパーとしての仕事をかいがいしく完璧にこなすお雪には、しかし大きな秘密があった。 限りなく人間に近づいたアンドロイドに“魂”は宿りうるのか? SF界のレジェンド平井和正が、人間存在の根源に迫るハードボイルド・ストーリー。
  • アンドロイド殺し
    値引きあり
    -
    地球から約十万光年離れた惑星・アドラス。この星の観測をしていたシャトルが突然のイオン嵐に巻き込まれ墜落。乗船していたトキトウ博士の娘マリアとホープ中佐だけが、怪我を負いながらもかろうじて生き残った。暗雲がたちこめる外界から逃れ、洞窟に身を隠すふたりだったが…。アンドロイドを殺したのは誰なのか? 動機は? まさかの展開、結末が待ち受けるSFミステリー。

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  • アンドロイドの夢の羊
    4.1
    地球‐ニドゥ族の貿易交渉の席上で事件がおきた。戦争につながりかねないこの問題の解決のため、ニドゥ族は代償として特別なある「羊」の調達を要求してくる。期限は一週間。凄腕ハッカーの元兵士クリークがこの羊探しを命じられるが、謎の宗教団体に追われ、反ニドゥ勢力の暗殺者に狙われるはめに。そして、ようやく見つけ出した羊の正体とは……。〈老人と宇宙〉シリーズ著者がP・K・ディックに捧げた冒険活劇SF。
  • アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
    4.3
    第三次大戦後、放射能灰に汚された地球では生きた動物を持っているかどうかが地位の象徴になっていた。人工の電気羊しか飼えないリックは、かくて火星から逃亡した〈奴隷〉アンドロイド八人の首にかかった賞金を狙って、決死の狩りを始めた! 現代SFの旗手が斬新な着想と華麗な筆致で描く悪夢の未来世界!
  • アンドロメダ病原体-変異- 上
    3.8
    正体不明の「病原体」アンドロメダ因子による人類絶滅の危機に、招集された4人の科学者たちが立ち向かった「第一次アンドロメダ事件」から50年――。アメリカ、フェアチャイルド空軍基地にて〈永遠の不寝番〉計画は、アンドロメダ「病原体」が再び現れるのを監視し続けていた。計画が打ち切りになる直前、地形マッピングドローンが、ブラジルのジャングルにて奇妙な物質を検出、それはあの「病原体」と同じ科学的特徴を持っていた! この衝撃的な発見により、世界中から集まった多様な専門家による調査チームが、アマゾン密林へ派遣された……。人類は再び未曾有の脅威に立ち向かう! マイクル・クライトンの出世作にして革新的なテクノスリラーを、気鋭の著者が発展昇華した遺族公認の公式続篇。
  • アンノウン・アルヴ ―禁断の妖精たち―
    -
    『アルヴ・レズル―機械仕掛けの妖精たち―』に待望の続編登場!30万人の魂が消失した大災害ER(アーリー・ラプチャー)より2年。平凡な大学生活を送っていた御影詩希の前に、ERの黒幕といわれる謎の組織・国際携挙教会が姿を現す。再び大災害を起こそうとする彼らの野望を潰すため、詩希は兄・礼望、友人のアルヴとともに世界で戦う!
  • Unknown 1 濃霧のアンデール
    -
    【書籍説明】 時計塔がシンボルの街、アンデールで出会った少年レスターとゴーストのアダム。 2人はひょんなことから相次いで起こる行方不明者の事件の真相究明に乗り出す。 霧のかかる橋で少年が見たものは一体何なのか? 無鉄砲で姉想いの少年と記憶をなくしたゴーストが繰り広げるファンタジックなミステリー。 【目次】 1 時計塔と霧の町で 2 アンデール警察署にて 3 その少年、レスター・ブラフォード 4 路地裏の探偵 5 デール川のゴースト 6 そしてゴーストと少年は 7 喪服のレディ 8 なぜ、彼女は嘆くのか? 9 ゴーストとゴーストのタンゴ 10 Unknown ~アンノウン~ 【著者紹介】 銀河忍(ギンガシノブ) 児童書作家。 子どもの頃からファンタジーが大好きで、少年少女に向けた物語を中心に小説やその小説にちなんだ挿絵を描いている。 「大人も子供も楽しめる作品を広めていきたい」という想いから、主にファンタジーを手がける児童書作家として活動中。
  • Unknown 5 ヴィクター・オルブライトの怪物
    NEW
    -
    【書籍説明】 記憶をなくしたゴーストが繰り広げるファンタジックなミステリーの第5巻。 山岳地帯周辺で起こっている事件解決のため、アンノウンに加わったケイトとともにつむじ風の里に向かう一行。そこで起こる切なさと哀しみが入り混じる出来事とは?そして大教会やその傘下であるエクソシストの実態も徐々に明らかになっていく。 【著者紹介】 銀河忍(ギンガシノブ) 児童書作家。子どもの頃からファンタジーが大好きで、少年少女に向けた物語を中心に小説やその小説にちなんだ挿絵を描いている。「大人も子供も楽しめる作品を広めていきたい」という想いから、主にファンタジーを手がける児童書作家として活動中。
  • Unknown 3 グレンモリス城の怪人
    -
    【書籍説明】 記憶をなくしたゴーストが繰り広げるファンタジックなミステリーの第3巻。 ホワイトチャペルから戻ったアダムとグレーテル。 しかし休息も束の間、アンノウンの元に新たな事件が迷い込む。 そして時を同じくして、闇の生き物の宿敵とも言えるエクソシストもまたこの事件の調査に乗り出しているというが…? 【目次】 1 銀の十字架、銀の鐘 2 ハーミット邸にて 3 ジャック・ザ・キラー 4 情報の海に生きる男 5 古城の佇む町 6 グレンモリス城の怪人 7 外套と短剣 8 黒が緋色に染まる時 9 ひとかけらの勇気 10 そして怪人はいなくなった 【著者紹介】 銀河忍(ギンガシノブ) 児童書作家。 子どもの頃からファンタジーが大好きで、少年少女に向けた物語を中心に小説やその小説にちなんだ挿絵を描いている。 「大人も子供も楽しめる作品を広めていきたい」という想いから、主にファンタジーを手がける児童書作家として活動中。
  • Unknown 4 ハーメンの赤い月
    -
    【書籍説明】 記憶をなくしたゴーストが繰り広げるファンタジックなミステリーの第4巻。 今回の事件は街そのもの!? 古都ハーメンを脅かすものはアンノウンの《怪物達》にとっても摩訶不思議な怪現象。 血相を変え調査に飛び出したレン、動き出したエクソシスト達。 そしてすれ違っていた歯車同士がついに噛み合いだす……! 【目次】 1 ハーミット邸の怪物達 2 迷宮入りの怪物 3 運命の線路は交差して 4 悪夢に魅入られた町 5 悪夢の時間 6 覚めぬ現実 7 ケイト・ブラフォードの憂鬱 8 背徳の下水道 9 ハーメンの赤い月 10 夜明け 【著者紹介】 銀河忍(ギンガシノブ) 児童書作家。子どもの頃からファンタジーが大好きで、少年少女に向けた物語を中心に小説やその小説にちなんだ挿絵を描いている。 「大人も子供も楽しめる作品を広めていきたい」という想いから、主にファンタジーを手がける児童書作家として活動中。
  • アンブロークンアロー 戦闘妖精・雪風
    4.2
    地球のジャーナリスト、リン・ジャクスンに届いた手紙は、ジャムと結託してFAFを支配したというロンバート大佐からの、人類に対する宣戦布告だった。ついに開始されたジャムの総攻撃のなか、FAFと特殊戦、 そして深井零と雪風を待ち受けていたのは、人間の認識、主観そのものが通用しない苛酷な現実だった。『戦闘妖精・雪風〈改〉』『グッドラック』に続く、著者のライフワークたる傑作シリーズ、待望の第3作。
  • アンロック・シティ
    -
    『二人の記念日である七月七日から一週間、一つの<概念>を<反転>させる』セキュリティ会社に勤める高萩甲大が受け取った差出人不明の奇妙なメール。その日から甲大、妹の乙葉が暮らす街、「鶴黄市」では不可思議な現象が起こり始める。市内一帯を覆い、何人も通さない”透明の壁”。電子セキュリティ、アナログの錠前、あらゆる「鍵」の効かなくなった街。そして、隔絶された世界で迫る、野性的な狂気……。一通のメールをヒントに現象の謎を追う甲大。出口のない学校で窮地に陥った乙葉。絶望の鍵は開くのか……。
  • アヴェントの娘
    3.0
    ――欲しいのは、娘の力と血だ 毒の海に蝕まれた世界で 浄化のカを持つ水の一族(アヴェント)は尊い存在として水の国アクアテラで手厚く保護されていた。そんな中、一族の長の娘でありながら最も力が弱く隠されるように育てられたシェルタは、満足に役目を果たせずにいる自分に忸怩たる思いを抱えていた。しかしある日、部屋を抜け出したシェルタの前に現れた二人の男との出会いが彼女の運命を変えていく。 褐色の肌に冷淡な赤い瞳を持つカビール国の王子カルフと柔和な笑みを絶やさないメガロス皇国の軍人ソティラス。シェルタの事情を知らず、しかし浄化のカが欲しい彼らは、アヴェントの娘であるシェルタを自国に引き入れようと強引に迫ってくるのだが…… 【目次】 プロローグ 一章 二章 三章 四章 五章 エピローグ あとがき
  • アヴェントの娘 ─《選ばれた娘》の結婚─
    4.0
    大好評ファンタスティックサーガ第4巻! 無事アクアテラに帰国したシェルタは、 自分に備わっている強大な力の意味を知るために、 父であり一族の長であるシンティリーオと向き合う決意をする。 しかし、父に告げられた真実はシェルタの想像を超える衝撃的なものだった。 一方、カルフとソティラスは《水の一族》の力と寿命の関係を知り、シェルタのもとに向かう。 秘されて育てられた意味、強大な力の理由、そして、シェルタという名に込められた思い。 様々な思いが交錯する中、物語は核心へと突き進んでいく……。 【目次】 プロローグ 一章 二章 三章 四章 五章 エピローグ あとがき
  • アヴェントの娘 ─最後の選択─
    4.5
    大好評ファンタスティックサーガ、ついに完結! 残された時間はあと僅か――。 シェルタが強大な力を持ち、秘されて育てられた理由 ――それは、命と引き換えに世界を滅亡から救うためだった……!  その残酷な運命を知ったカルフとソティラスは、 やり場のない怒りを抱えつつ、シェルタを生かす道を必死に探し回る。 だがそんな中、世界各地に滅びの予兆が現れて……。 シェルタを救うか、世界を救うか。 正解のない問いに、悩み、苦しみ、それでもやがて、それぞれの答えにたどり着く。 秘された姫と二人の貴人、命がけの愛と選択。 果たして最後に残るのは――? 【目次】 プロローグ 一章 二章 三章 四章 五章 エピローグ あとがき
  • 僕のつくった怪物 Arknoah1
    3.5
    いじめられっ子の兄弟アールとグレイは、事故で亡くなった父親の書斎で妙な絵本を見つけ、異世界「アークノア」に迷い込んでしまった。そこは、戦争も飢饉もない、天井や壁に囲まれた箱庭のような絵本の中の世界。そして、アークノアを破壊すべく現れたおそろしい怪物を倒さなくては、二人はもとの世界に帰れないことを知る……。鬼才・乙一が描くファンタジー長編第一弾!
  • アーサー王ここに眠る
    値引きあり
    4.7
    ブリテン島、紀元五百年頃。ひとりの司令官に率いられた、荒々しい騎馬の男たちの集団が農場を襲い火を放った。燃えさかる屋敷から、命からがら逃れたみなしごの少女グウィナは、奇妙な風体の男に救われる。鷹のような風貌の男の名はミルディン。ブリテン島の統一を目指す司令官、アーサーに仕える吟遊詩人だった。言葉を巧みに操り、人々の心を手玉に取る不思議な男。グウィナはミルディンのもとで、彼の企みに手をかすことになる。カーネギー賞受賞。『移動都市』の著者がアーサー王伝説を新たな視点から語り直した傑作ファンタジイ。
  • アーサー王物語 1
    4.0
    魔剣エクスカリバー、円卓の騎士、魔術師マーリン、騎士ラーンスロットの冒険、トリストラムとイソルテの悲恋、聖杯探求……。あらゆる英雄譚、恋愛譚、奇蹟譚の伝承が詰まったファンタジーの宝庫──「アーサー王伝説」。本シリーズは、1485年刊行の原典・キャクストン版を、全訳し紹介する、本邦初の完訳版。「1」は、原書全21巻のうち1巻から6巻までを収録。
  • アーデン城の宝物
    3.8
    エルフリダとエドレッドの姉弟は、おばさんと崖の上の家に住んでいた。ある日ふとしたことからエドレッドがアーデン家の当主であることが判明、アーデンの城に移り住むことに。そしてアーデン家の紋章にある不思議な白いモグラを呼び出したふたりは、モグラの助けで過去の時代を訪れ、伝説の宝を探すが……。〈ハリー・ポッターシリーズ〉の著者がこよなく愛した英国児童文学の大家の、タイムトラベル・ファンタジーの草分け的名作。訳者あとがき=井辻朱美/解説=永島憲江

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  • アーバン・ヘラクレス
    5.0
    警察公認の《賞金稼ぎ》が走る! 最高級ノンストップ近未来アクション!  時は21世紀中庸。東京湾に浮かぶ未来的人工都市《TOKYO I.E.C.》に、犯罪者を狩る《賞金稼ぎ》と、かつてその手に囚われ復讐の鬼と化したテロリストの、意地と命をかけたゲームが始まった! 街に仕掛けられた爆弾は4つ、立ちふさがる壁は無数。限界まで体を痛めつけながらも、《賞金稼ぎ》九条隼人はなお走る!  大作アクション映画のスピード感を、そのまま文字で繰り広げた近未来サスペンス・アクション。全面的な改稿を経て、電子書籍で復刊! ●久保田弥代(くぼた・やしろ) 1970年生まれ。2000年に、第3回ソノラマ文庫大賞佳作受賞作である本作によりデビュー。その後ソノラマ文庫より長編二本を出版、またホラー小説アンソロジー『異形コレクション20 玩具館』(光文社刊)にも短編一本を寄稿。以後は活動を停止するが、今回の電子版復刊にあたり十数年ぶりに改稿の筆を執った。
  • RUR
    5.0
    ある学者が、人工的な方法で原形質を得ることに成功し、これによって、外見は人間と少しも変わらないが、肉体的苦痛を感じず、喜怒哀楽や死に対する恐怖を欠いた人造人間をつくりだす。この点に目をつけた企業家が、ロボットの大量生産に着手し、やがて彼らに人間の仕事のすべてを肩がわりさせる。労働はロボットによって行なわれるので、人間はいつか生活を楽しむだけの存在と化する……。チェコの国民作家カレル・チャペックの若き日の代表戯曲。「ロボット」という言葉が初めて考案され、使われたSF古典としても有名。

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  • 飯野文彦劇場 亜熱帯より愛を込めて
    値引きあり
    -
    東南アジアの場末のホテルで出会った無口で陰気な女は、私の初めての相手になった。だが、その体験は“初めて”という枠を越えて、あまりに強烈で神秘的だった。――お、女の人って、こんななの!? 旅先での恥と恐怖はカキ捨て、異国での身も心も凍るどころか、人生や世界観までも崩壊するような驚愕と恐怖の一夜は、記憶の奥底に永遠に封じられたはずだったが――。
  • 飯野文彦劇場 陰歯
    値引きあり
    -
    都落ちして郷里に戻ってきた怪奇物作家の井之は、ある日、地元のさびれた神社に面白いものがあるという噂を耳にする。それはなんと、陰部に歯のはえた女の木乃伊だった…。そこに添えられた古い手記には、木乃伊となった女の悲しくも驚きの運命が綴られていた。やがて、その木乃伊に魅了された井之は…。
  • 飯野文彦劇場 鰻女
    値引きあり
    -
    先輩作家に紹介されたアメリカ帰りの美女は、酒も下ネタもいける口。ふたりきりで酌み交わす安焼酎が気分をハイにし、豪快なH体験談が甘く下心を誘う。すっかり機嫌良く次の肴を頼もうとしたとき、突然「やめてください」! いったい何が悪かった? 鰻の肝で精力つけて、という下心が見透かされたのか?「駄目なんです、わたし、鰻が。三年前――」。鰻嫌いの陰に隠された、驚くべきトラウマ体験。果たして現実か妄想か? 異常な告白は、留まるところを知らずに大暴走する。いったい何なんだ、この女!? 身も心も引きずり回されたその果てに、作家が辿り着いた場所とは? 悪酔い必至の酒の夜語り、妄想から妄想へ今夜はハシゴ!
  • 飯野文彦劇場 裏長屋の住人
    値引きあり
    -
    小説家である私の実家の裏には、人が住まなくなって久しいぼろ長屋があった。ある日その大家である私の両親のもとに、ぜひ長屋を貸してほしいと申し出る男が現れたという。風雨にさらされ、とても人が住める状態ではないと念押ししたにも関わらず、強引に引越してきた老人とその妻…。そんなある日、私のもとに不気味な手紙が送られてきて、その老夫婦の元を訪ねることになるのだが、彼らが語り始めたのは驚くべきことで…。
  • 飯野文彦劇場 AE
    値引きあり
    -
    これから私が話すのは、全編蟻の話なんですよ。ちょいとばかり長くなるかも知れませんが。飲んだくれの父に施設から引き取られ、郊外の山中に建てられた団地に引っ越してきた少年。新築でありながら荒れ果てた、廃墟のような建物は人間の屑の吹き溜まり。内部の探索を始めた少年の前に、やがて悪夢のようにおぞましい光景が! 人形のように美しく、しかし奇妙な少女が語る祠の祟りとは? かつてこの地に、いったい何が封じ込められていたというのか!?
  • 飯野文彦劇場 同じ穴の
    値引きあり
    -
    東京から甲府へ帰る電車の中で遭遇した奇妙な男。酒と金と女をエサに、彼に懇願され途中下車した私は、人里離れた山奥の彼の家にたどり着く。そこで私を快く迎え入れてくれた男と、その娘。しかし美しい娘の頬には髭が、そしてお尻には尻尾が!? 狸に化かされていると知りつつも、気づかぬふりをして一夜を過ごした私に、狸親子はあるお願いをするのだが…。狸に化かされる話といえば、どこか滑稽でほのぼのしている…と思われたなら大間違い。鬼才・飯野文彦が、そんな風に物語を終わらせるわけがない! 奇想天外、毒にまみれた展開に思わず中毒となるか!?
  • 飯野文彦劇場 おのこの缶詰
    値引きあり
    -
    私はある本を読んだことをきっかけに部屋を片付け始めた。不要なものを全部捨ててしまおうと思ったときに、段ボール箱から転げ落ちたのは、直径10cm、高さ15cmほどの缶詰。側面には「おのこの缶詰」と書いてあり、「使用法・ホルマリンに漬けてあるので、何か透明な器にうつして、鑑賞すべし」とも併記されている。思い起こすこと10年ぐらい前、仕事仲間との飲み会で、二次会へと向かう途中に出会った屋台で、半ば無理矢理に買わせられたものだったのだ。瓶を買ってきて、缶を開けて中味を移し替えてみるとそれは…。
  • 飯野文彦劇場 己の死を知りながらも
    値引きあり
    -
    池袋の安アパートに、その老婆は死してなお住んで、いや棲んでいた。外に出ることも出来ず、ただ壁と一体となって佇む日々。だが、ひとりの女が新たな入居者として引っ越してきたとき、外界のすべてに無関心だった老婆の心に小さな灯がともった。「さみしかったでしょ。ずっと独りで」。古いアパートの一室で、孤独なふたつの魂が触れ合い、一体となる。そして――開かれる新たな目眩く世界! 女神か聖女か淫乱天使か!?
  • 飯野文彦劇場 御札のあるスナック
    値引きあり
    -
    友人に無理矢理連れて行かれた、寂れたスナック。女たちとの弾まぬ会話に耐えきれず、半ば自棄になって怪談話をせがんだところ、雰囲気は一変。「なんで、そんな話するわけ」。いたたまれない空気の中で、ふと見上げた柱の上には、一枚のお札が貼られていた。「だいじょうぶよ。御札が貼ってあるから」それから一年、自身を襲った生々しい悪夢に衝き動かされて、ホステスのひとりにメールしたところ、戻ってきたのは奇怪な返信…。
  • 飯野文彦劇場 河童と会った話
    値引きあり
    -
    「井之くんには、相撲代表チームの主将をやってもらいたいと思います」。中学の体育祭で、いやいや相撲に出場させられることになった私。残りの四人は、体力なし根性なしの肥満児か虚弱児。頭を抱える私の脳裏を過ぎったのは、かつて空き地の沼のほとりで出遇った“あいつ”のことだった 。「お、おまえ、おれが河童だって、どうしてわかったんだ?」「どうしてって、見ればすぐにわかる。どう見ても河童だろ」――幼い日の奇妙だが心温まる想い出が甦る。
  • 飯野文彦劇場 奇妙な初体験
    値引きあり
    -
    初体験の話をしよう。私の場合、それはダブルの初体験だったのである。女性との性体験と同時に、もうひとつ別の初体験をしてしまった――。街ですれ違った美女との、熱く濃厚な一夜。しかし彼女はそれきり姿を消した。「聞こえたら、答えてください。会いたい。会いたい……」必死の祈りが天に通じたか。ついに彼女の応える声が! 「私も会いたいわ。でも、すぐには無理。これから私が言うことを実行できる?」。かくして、涙ぐましい修行の日々が始まった!
  • 飯野文彦劇場 肝田めし
    値引きあり
    -
    落語好きの著者がどうしても聴きたい落語会のために出向いた大阪。いつものごとく、居酒屋で軽く一杯ひっかけよう…としたのがいけなかったのか!? 落語の書き下ろしも手掛ける著者ならではのひねりの利いた一席、とくとご堪能ください!! しかし、ここまでいってもやっぱり井之妖彦は、酒をやめられないんですね~。
  • 飯野文彦劇場 きょうこ
    値引きあり
    -
    両親の死以来10年、兄妹は爛れた背徳的な「性」活を送ってきた。兄のどんな歪んだ要求にも、白痴の妹は笑顔で応える。外界との接触を断ち、ありとあらゆる欲望を追求する日々。しかしある日、彼らの許をひとりの紳士が訪れた。「妹さんの噂を耳にしまして。どうか、妹さんを見せてほしいんですが。怪しい者ではありません。わたしはただ妹さんと……。お金なら払いますから」。求めに応じて妹を貸し出したときから、ふたりの間の危ういバランスは崩れ始め…。
  • 飯野文彦劇場 再会
    値引きあり
    -
    その夜、私は落語を聞くために三鷹へと足を運んでいた。会が終わり、駅へと向かった私は、帰りの電車で楽しむために、缶ビールや缶酎ハイを買い込む。三鷹駅でビールを一本開け、立川行きの電車に乗り込んで缶酎ハイに手をつける。すると、段々数が減っていく乗客の中に、恩人の先輩作家Nさんの姿を見つけた。しかし、実はNさんは半年前に病気で他界しているので、ここにいるわけがない。そうは思いつつも、あまりに似ているたたずまいに、酒の酔いも手伝って、思わず私は彼に話しかけてしまうのだが…。
  • 飯野文彦劇場 サシと女
    値引きあり
    -
    「エロの極限を描いた、めちゃくちゃしてるやつが見てえって言ってるだろうが」――酔った勢いで買ってきたアダルトDVD。そのあまりのエグさに、男の魂は凍りついた。魂にぽっかり空いてしまった黒い穴。闇に食い尽くされた太陽。その中から、コロナのように吹き上がるのは、記憶の奥底に封印されていた三十三年前の奇怪な出来事だった――。病的な虫嫌いの少年が、あの日河原の石の下に見出したものは、白くてつるつるした――。
  • 飯野文彦劇場 白い人
    値引きあり
    5.0
    「ああ、お願いだから、ちょっとの間、静かにしていて。絶対に出たりしちゃだめよ。すぐ終わるから、ねっ、ねっ」――寒い冬の夜更け、駅前にふと人通りが途絶えたとき、濃密な闇に塗り込められた街を、奇妙な白い人々が横切っていく。「誰なんです、あの連中は?」「あ、あれは……」――駅周りの店主たちが一様に畏れる禁忌(タブー)に触れたとき、男は白い人との邂逅を求めて、夜更けの街をひとり彷徨う。
  • 飯野文彦劇場 樹海幻想
    値引きあり
    -
    病によって身体が麻痺し、不能となった作家はそれでもなお、女への妄執を露わにする。週に二度彼の許を訪れて、不自由な口から零れ出る言葉を書き留める小夜子。だが、その日作家が語り出したのは、小夜子自身の物語だった! 樹海の中に繰り広げられる死と性の饗宴。作家の鬱屈した視線に晒されるなか、現実と虚構は一体となって小夜子を翻弄する。この奇妙な物語に、作家はいかなる結末を用意しているのか?
  • 飯野文彦劇場 女郎蜘蛛
    値引きあり
    5.0
    「それは…」「女郎蜘蛛ですわ」「それじゃあ、そこにいるのを知っていてわざと」「こんなにしっかりと脚を立てられていて、気づかないわけがありませんわ」「取ってあげましょう」「取ってもらえるのなら」。深夜の列車に乗り合わせた、艶めかしい喪服の美女。その白い首筋には一匹の大きな女郎蜘蛛が! 柔肌を思うがままに蹂躙する七本の脚。淫らに漏れる吐息、高まる官能。誘われるまま、その胸元に手を差し入れた男に女が語った忌まわしい身の上とは?
  • 飯野文彦劇場 神代桜
    値引きあり
    -
    近所のラーメン屋で昼食を済ませ、自宅に帰ったらリビングに見知らぬ老人が居た。「昨日、訪ねてきてくれたでしょう。そのとき、この人だと思ったんですよ」と言う老人は、私の願い事を2つかなえてくれる代わりに、自分の願いも1つ聞いてほしいと言う。この老人、実は私が昨日ふと訪れた神社の樹齢千年を超えるという神木――神代桜だったのだ。彼が持ちかけてきた取引とは? そして、老人と話すうちに明らかになった驚愕の事実!!
  • 飯野文彦劇場 代替わり
    値引きあり
    -
    ここだけの話だけどよ、閻馬師匠が生きているって話だ――。3年前に急死したはずの伝説の落語家・烏亭閻馬が生きている!? 閻馬の弟子だった小馬が語る、驚くべき噺の結末は? 西に田中啓文あれば、東に飯野文彦あり! 落語をこよなく愛し、破滅的生き方を体現する最後の芸人作家・飯野文彦が語る、深く厳しく恐ろしい芸の世界。年末年始に相応しい色物――いや、笑わせ泣かせぞっとさせる、異端の至芸が電脳寄席の高座に上る。
  • 飯野文彦劇場 談春を聴きにいった名古屋で謎の美女と遭う
    値引きあり
    -
    贔屓にしている落語家の独演会を聴きに、山梨から名古屋まで長距離バスで出かけた私。ところが、バスを降りた途端、見知らぬ美女に声をかけられた。彼女は私の事を知っている様子だが、こちらには何の覚えもない…。そんな事はお構いなしの彼女に、強引に手を引かれ私が連れて行かれた先には!?
  • 飯野文彦劇場 団地に出た男
    値引きあり
    -
    サークルの先輩が、連日のように泊まりに来る。私のアパートに来ない日も、他の友人宅を泊まり歩いて、自分の部屋にはほとんど帰っていないらしい。とうとうある日、たまりかねて問い詰めた私の前で、先輩は泣き崩れた「だめだ。もう限界だ」「どうしたんですか?」「出るんだ」――。いったい部屋に何が出る?
  • 飯野文彦劇場 地下の少女像
    値引きあり
    -
    妻と訪れた「風林火山博」で、退屈した私は、今は寂れたこの会場がデパートだった頃のことを思い出す。やがて、とりとめのない追憶の中から浮上してくるひとつの記憶。「誰だ、この子は……」。地下フロアーの片隅に、ひっそりと閉じられた不思議な扉。鬱屈した受験生の日常は、常に鍵をかけられた扉の向こうへの好奇心を爆発寸前にまで高める。そして、ついに我慢の限界を超えた少年の前で、扉はあまりにもあっさりと開かれた。そこに待っていたのは…。
  • 飯野文彦劇場 茶碗
    値引きあり
    -
    ある日、大学時代の友人山崎と居酒屋で飲んでいると、彼が木箱に入った茶碗を取り出した。趣味で骨董でも始めたのかと思いきや、近所の瀬戸物屋の百円均一で買ったものだという。山崎は、その茶碗にビールを入れて飲んでみて、もしわたしが、驚かなければ今日の飲み代を奢ってやるという。その言葉に背中を押され、古びた茶碗でビールを一気飲みすると、私の体に…。落語にある「はてなの茶碗」ならぬ、「欲情の茶碗」を手に入れ、淫乱地獄に堕ちたわたしは…。
  • 飯野文彦劇場 夏の女
    値引きあり
    -
    愛する美しい妻に優しくされればされるほど、わたしは冷たい態度を取ってしまう。寂しさと後悔の念が、わたしを苛む。だが、拭えないのだ。妻に対する違和感を、そして恐怖を。結婚して15年、2人の子供をもうけてなお、美しく若々しい妻。誇りであり、自慢の種だったそんな妻に対して、一冊の本が疑念をもたらした。――いつまでも若く美しい妻は、かつて雪山で出会った雪女だった――有名な民話が、自身の生活に重なる。わたしの妻も…。
  • 飯野文彦劇場 奈落の遊園地
    値引きあり
    5.0
    実の甥に性的虐待をした挙句、怪我を負わせ逃げてきた男。酒に溺れてホームレス状態となった彼がたどり着いた先は…。【作者の言葉】ひたすら下品で汚らわしくて、目茶苦茶な話です。決してどこからも出版してくれないでしょう。こっそりと読んで、嫌な気分になってください。
  • 飯野文彦劇場 女体の中に
    値引きあり
    -
    「昔、SM雑誌でライターをしていたときに経験した不思議な出来事を、一編の小説にまとめてみました。くわしいことは差し障りがあるので、ここには書けません。それは本編の中で……。ご愛読のほど、なにとぞよろしくお願いいたします」(著者:飯野文彦)取材先の肛門科で聞いた、世にも不思議なお話し!
  • 飯野文彦劇場 人形まつ
    値引きあり
    -
    その日わたしは寝不足で、ふらふらの状態のまま取材先に赴いていた。小さな玩具博物館、展示ケースの中にその人形はあった。着物は焦げ、顔や手足は剥がれひび割れた、制作者も由来も定かならぬ粗末で古ぼけた日本人形。だが、そのつぶらな瞳になぜか惹きつけられ、じっと見入っていた私に、初老の男が声をかける。「その人形に目をつけるとはなかなかですな」男が語る、人形への思いとは――?
  • 飯野文彦劇場 白磁の壷
    値引きあり
    -
    ある日、近づいてきたアブナそうな女が押しつけたのはアヤシげな小冊子。その中には、彼女が実際に遭遇したというUMAの記録が綴られていた。「最大最高のUMA」とは、県立博物館にある壷? 翌日、博物館に行こうと押し掛けてくる女に恐れをなした作家は、先手を打ち自ら博物館を訪れるが…。作家稼業は、またも電波を呼び寄せる。何もかも田中啓文が悪いのか!? 知りたくなくてももう遅い。知らずにすめば幸せだった。あなたの身の周りにもUMAは存在する!
  • 飯野文彦劇場 花
    値引きあり
    -
    密かに想いを寄せていた同僚とのささやかだが幸福な一夜。だが翌日、出社した私を待っていたのは衝撃の事実だった。抜け殻となって帰宅すると扉の前に、一鉢の花が。「ありがとう。どんな形にしろ、君が私のところに来てくれたんだからね。もう決して君を離しはしない。これからは二人でいつまでも、いっしょに暮らしていこう」。閉ざされた室内に濃密な匂いと温気が満ち、蕾から涙の雫が滴り、やがて徐々に開き始める…。
  • 飯野文彦劇場 浜の老人
    値引きあり
    -
    ある日、妻が仕事中の私の書斎の扉を開けて、「あの人がやってきた!」と慌てた様子で言う。あの人とは、5年前、新婚旅行先の宮崎の海岸に死んだように横たわっていた老人のこと。しかも彼は、痩せた体にそぐわぬ巨根を見せびらかすかのように全裸だったのだ。まるで二人の心の内を見透かしたようなことを言う老人に興味を持った新婚の妻に、私は思わず殺意さえ覚えるが、次の瞬間、老人の姿は忽然と消えた…。エロと狂気のスペクタクル…そして驚天動地の結末が!?
  • 飯野文彦劇場 張り型とさすらう
    値引きあり
    -
    小説が書けない。3年近く肉体の交渉を持っていなかった妻は、パート先の上司と浮気をしていた。そして、唯一の理解者である母が、死んだ。私の精神は、許容量を超えてしまった。ただ逃げ出したかった、すべてを捨てて逃げ出したかった――。自我の崩壊寸前まで追い込まれた男は、浴びるような酒と共に、あてもない逃避行へ。いつしか辿り着いた温泉宿のストリップ小屋で、私の目の前に股を開いた年増女の自慰ショーには、驚くべき秘密があった!
  • 飯野文彦劇場 人魂
    値引きあり
    -
    作家である私は、ある日、仕事場にある「あるモノ」が妙な光を発していることに気づいた。その光を見つめているうちに、自分の口からも同じような光が飛び出していた。それは…人魂だった。人魂に意識が乗り移った私は、ふわふわと宙を飛び、扉をすりぬけ…そして妻の寝室で目にしたのは…。妻の情事を知った私がとった行動は!?
  • 飯野文彦劇場 フィアンセは
    値引きあり
    5.0
    年下の美青年から、ついにプロポーズを切り出された女。だが、彼は突然恥じらいながらうつむき、女口調でつぶやいた。――「はじめまして、わたしが桜見郁美です」――。幸福の絶頂から、突如意味不明な奈落の底に突き落とされた女は、彼=彼女の口から語られる奇怪な物語を受け容れられるのか?
  • 飯野文彦劇場 フェードアウト
    値引きあり
    -
    作品はおろかその存在自体も徹底して消し去られ、それどころか偶然知ってしまった者さえもまた、当局によって抹殺されるという幻の映画監督、加太野東亜。果たしてその作品には、いかなる秘密が隠されているのか? 一度足を踏み入れた以上、もはや後戻りのできない闇の中に幻のフィルムが映し出されるとき、いったい何が起こるのか!?
  • 飯野文彦劇場 笛
    値引きあり
    -
    少しまとまった金が手に入った。昔の文士を気取り、温泉に籠って短篇でも…と、わたしは旅に出た。道を逸れ迷い込んだ山中で、ふと耳にした笛の音が桃源郷へと誘う。木々の生い茂る山奥、霧に覆われてひっそりと佇む温泉宿。妖艶な若女将と、清楚な妹――美貌の姉妹による献身的なもてなし。徐々に点る官能の火は、やがてこの世のものとも思えぬ、奇怪な悦楽の音色を奏で始める! 異才が高らかに吹き立てる、エロティックでグロテスクな異形の音楽。
  • 飯野文彦劇場 覆面試写会への招待状
    値引きあり
    5.0
    覆面試写会にようこそ。まず、警告しておこう。この作品は怖いだけではない。危険である。あらゆる不快な出来事、恐ろしい体験を、あなたはこれから経験することとなる。もしそれがいやなら、いますぐ席を立たれることだ。それからもうひとつ。この作品についての内容、また衝撃のラストについて、けっして他言しないでいただきたい。もっとも他言したところで、他人はけっして信じようとしないだろうが……。
  • 飯野文彦劇場 へんげ
    値引きあり
    -
    Y県とN県の県境に、突如なぞの巨大生物が出現した!? 厳戒態勢がひかれ、立ち入り禁止となったそのエリアに侵入した男が拾った巨大な紙片には、驚くべき事実が綴られていた!! 果たして巨大生物の正体とその運命は? 奇才・飯野文彦が描く怪獣モノの、ちょっと普通ではない驚愕の結末。
  • 飯野文彦劇場 ポール・デルヴォーの絵
    値引きあり
    -
    静かな夜だった。彼は一人、石畳に覆われた歩道を歩いていた。いつから歩いていたのか、自分がどこにいるのか、どうしてここにいるのか、わからなかった――。都会の片隅で、孤独に生きる内気な若き画家。愛する女性に傷つけられ、絵で身を立てる夢も未だ叶わず、それでも彼は描き続ける。独自な世界を描き、見る者に不思議な感銘を与える作品を目指して。そして、奇蹟は起こった。あまりにも昏く邪悪な奇蹟が!
  • 飯野文彦劇場 まつりの準備
    値引きあり
    -
    作家を志しながらも、現実の厳しさに挫折しかけている青年。夢を諦め、東京を離れて郷里へ帰るしかないのか? そんな彼の前に現れた一人の女性。誰からも愛され、くったくのない笑顔を見せる彼女に、いつしか青年は…。姿を見るだけで胸がキュンと締めつけられるような淡く切ない思い、清らかで真っ直ぐな恋心――恋するっていいなぁ。
  • 飯野文彦劇場 百足の女
    値引きあり
    -
    このことを、これまで長い間、誰にも一言たりとも漏らしたことはない。話したくても話せなかったし、またたとえ誰かに話したとしても、とても信じてもらえず、私の頭がおかしくなったと思われただけだろう。しかしもう限界なのだ。いやとっくに限界を超えてしまっている――。高齢の伯父から届いた手紙には、想像を絶する快楽の地獄絵図が書かれていた。魁偉な容貌の伯母に秘められた、おぞましい秘密とは? ミミズが千匹? とてもとても…。
  • 飯野文彦劇場 面
    値引きあり
    5.0
    秋祭りの縁日で面を買った。それは20年近く前に死んだ祖父にどこか似ていた…。奇妙な面と巡り会ったその日から、作家の許に言霊が降臨する。狂気、妄想が次々と結晶化し、奇蹟のように生み出される歪んだ傑作群。しかし真の狂気、真の恐怖は徐々に作家の日常を蝕み…。面の裏に刻まれた言葉。その素材に秘められたおぞましき秘密。そしてベールの彼方から甦る少年時代の記憶。現実か妄想か? 人面の迷宮を呪われた言葉が彷徨い、鮮血と共に噴出する!
  • 飯野文彦劇場 盲目の天才作家
    値引きあり
    -
    「編集長、この原稿はすごい。マジですごいんですよ。どれくらいすごいかというと…」。若い編集者が、興奮して持ち込んだ原稿は確かにスゴかった…。だがそれは、かつて一部で才能を高く評価されながら、三作を遺しただけで事故による非業の死を遂げ、完全に忘れ去られた悲運の天才作家の作品そのものだった。「しかし、盗作のしようがないんです」。その原稿を生み出したのは、病によって5歳程度の知能しか持たない、盲目の青年の口述だという…。
  • 飯野文彦劇場 山で魔物と会う
    値引きあり
    -
    怪奇作家を出迎えた旧友は、グロテスクな変貌を遂げていた! 彼の身も心も変えた「尋常ならざる経験」とは? 南アルプスの山奥に棲む、恐るべき魔物との遭遇。貪り食われるよりもおぞましい運命が、彼を待っていた!
  • 飯野文彦劇場 山でやったとき
    値引きあり
    -
    ヤリたい盛りの高校生カップルが、人けのない山の高台で乳繰りあっていたとき、そいつは現われた。「なぜ今日は脱がない、脱げ、脱げ! いつもみたいにすっぽんぽんになって見せろ!!」。毛むくじゃらの獣のような男は興奮の雄叫びをあげ、少女をさらって山中に姿を消した。やつは何ものだったのか?
  • 飯野文彦劇場 妖女
    値引きあり
    5.0
    「彼女、おれがいただく」「待てよ」「なんだよ、だんまりを決め込んでいたくせに」「彼女、潮くさくなかったか」――気がつくと、潮の香りが漂っている。そんな気がした…。ディスプレイの中から微笑みかける美少女。確かに漂う潮の香りと、甘い吐息。偶然行き当たった奇妙なwebページは、男の心を激しく波立たせた。馬鹿らしい、気のせいだ…。しかし、仕事帰りに寄った居酒屋で、こちらをじっと見つめ微笑みかけてくるのは、確かにあの少女だった!
  • 飯野文彦劇場 汚れちまった悲しみ
    値引きあり
    -
    40も半ばを過ぎた売れない小説家の私は、妻に去られ、今は田舎の年老いた両親の面倒を見ることで、いくばくかのお小遣いをもらって生活をしている。そんな私の頭の中を閉めている妙なフレーズがあった。「ゆやん、ゆよん、ゆや、ゆよん。ゆやん、ゆよん、ゆや、ゆよん」。何の音かわからない。わからないながら、ふとした瞬間、それを呟いている私がいた…。それが、もしかしたら、幼い頃、何かのドラマで耳にした中原中也の詩「汚れちまった悲しみに」の一節ではないかと思い当たった私は、それを確かめに図書館へと向かったが…。
  • 飯野文彦劇場 霊界ラジオ
    値引きあり
    -
    初めて訪れる場末の居酒屋で私の耳に、ジジジ、ジジジジジジジ、とどこからともなく、いや自分の中から雑音が響く。そして、あの男が話しかけてきた。「それはちがうでしょう」――だが、私は気づく。相手は私の心の中の言葉にまで応えている…。気味悪くなった私に、男は小さな“ラジオ”を取り出した。飛んでくる飛んでくる、次々電波が飛んでくる。性格の歪みが磁場となり、毒の電波を引き寄せる。たまった電波で磁場はますます歪み、私の頭を狂わせる!
  • 飯野文彦劇場 老女の怪
    値引きあり
    -
    今日もわたしは、ひとりひなびた田舎へと車を走らせる。新鮮な空気を吸ってリフレッシュするため――ではない。長閑な風景の中、欲情に血を滾らせる私が求めるのは、老女の萎びた皺だらけの肉体。そう、わたしは“老女マニア”なのだ。最初は拒む老婆もやはりひとりの女。本気で押せばなよなよと崩れ落ち、ご先祖様の見ている前であられもない声を張り上げる。孤独な老女に功徳を施すべく、今日も今日とて当てもなく田舎を流すわたしの前に現われたのは?
  • 家出青年、猫ホストになる
    -
    入社前に就職先が倒産した渚。ひとまずバイトに励んでいたが、「どうせお前が就職できるのはうちの会社ぐらいだ」と家族はバカにするだけ。ある夜、すさんだ気持ちで家出した渚は、神社で迷い猫チャーと出会う。入れ替わりを願ったところ、翌朝、渚たちは本当に入れ替わってしまう。チャー(中身は渚)を探しに来た男・上小路に拾われる渚(中身はチャー)だが…?【目次】第一話 オレが猫ホストになったワケ/番外編 チャー子猫物語/第二話 チャーの大好きな人/第三話 上小路のヒミツ/番外編 チャーのジェラシー
  • イエロー・ジャケット/アイスクリーム
    NEW
    -
    西暦2096年、犯罪集団“アサヒナ・ファミリー”の朝比奈【伊右衛郎/イエロー】は、ハニュウ・コーポレーションCEO、羽生氷蜜の手に堕ちる。有機都市東京の【羽生芸夢学園/ハニーゲーム・スクール】で【電装化体験型遊戯/ドレスアツプ・ゲーム】“ジャケット・プレイ”の特殊訓練を受ける彼に、父・朝比奈レインボウの刺客が迫る。
  • 異界からきた舟
    -
    「それはUFOだったのか」 「この宇宙に生命が存在する意味とは……。」 「うつろ舟」の伝説を追った若き物理学者と生物学者が、地球外生命体の謎を解き明かし、 遙かな時空へと導かれていく。 物理学・生物学などの専門的な観点から描く新感覚理論派SF。 (※本書は2021/6/10に株式会社 リーブルより発売された書籍を電子化したものです)
  • 異界機神ブラックバスター
    -
    戦闘で異世界・トラケミスに飛ばされた自衛隊員・石戸譲は、魔物を保護する少女に「人間を連れて帰ってくれ」と頼まれる。トラケミスでは、人間は世界の安定を損なう外来種であった。世界を変えてでも繁栄しようとする人間。石戸はリノの力を借りて改造した兵器・ブラックバスターで戦う。

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  • 異界戦艦「大和」
    2.0
    若き大富豪・郷は戦艦大和の引き揚げを計画していた。ところが、その作業を阻止するかのように原因不明の大事故が起こる。生き残った撮影クルーが聞いた不気味な“声”……そして突如、沈んでいたはずの大和が東シナ海に出現した! 海上保安庁、海上自衛隊の艦艇を次々と撃破し、ついには沖縄米軍との一大決戦の時が迫る――。著者会心の痛快戦艦小説!
  • イカ星人
    -
    コンビニの裏の秘密工場で生み出されるイカ星人の陰謀とは?  売れないSF作家「K」が、近所のコンビニで手にした謎の求人チラシ。「簡単な流れ作業で高収入、単純で今日から出来ます稼げます」今にして思えば、それこそがKにとってのイカ星人と戦いの始まりだったのだ! イカ星人の秘密工場でつくられるさまざまなイカ製品がもたらす、さまざまな悲劇・喜劇・不条理劇。噛めば噛むほど味わいがでるスルメみたいな北野ワンダー・ワールド。 ●北野勇作(きたの・ゆうさく) 1962年生まれ。大阪府在住。SF作家。1992年『昔、火星のあった場所』で第4回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。2001年『かめくん』で、日本SF大賞受賞。著書に『クラゲの海に浮かぶ舟』『どーなつ』『きつねのつき』『どろんころんど』『カメリ』等。
  • 怒りのヘリック
    -
    半神半人のヒーロー、ヘリックは、遂にオリュポスの神々の座に招かれた。そこでは、オリュポスの支配権をめぐって、ヘリックの父・ゼノス神と女神・ヘレとの間で、壮絶な闘いが繰り広げられていた。そして、トロジァ戦争の勃発。ヘリックはゼノスを勝利に導くため、再び地上へと降りて行った……! 好評ヘリックシリーズ、第3弾!
  • 生き屏風
    3.8
    村はずれで暮らす妖鬼の皐月に、奇妙な依頼が持ち込まれた。病で死んだ酒屋の奥方の霊が屏風に宿り、夏になると屏風が喋るのだという。屏風の奥方はわがままで、家中が手を焼いている。そこで皐月に屏風の話相手をしてほしいというのだ。嫌々ながら出かけた皐月だが、次第に屏風の奥方と打ち解けるようになっていき――。しみじみと心に染みる、不思議な魅力の幻妖小説。第15回ホラー小説大賞短編賞受賞作。
  • 遺響の門-サイレント・ゲート-
    値引きあり
    -
    【ご購入の前に】本電子書籍には、紙版収録のイラストが収録されておりません。 あらかじめご了承ください。 なにかを理解すること、理解してもらうことなんて本当にできるんだろうか―。 惑星グレイストームで暮らす高校生・遙は、街で出会った少女ヴィオレッタとともに、原住種族ウルボアイの村近くにある巨大な「門」を訪れた。 その場所は、ウルボアイと奇妙な交流をもつ謎の種族クランガの領域であった。 クランガの抜け殻が、人類と星間戦争を続ける異星種族キラーバグの姿に酷似していることに気がついた遙。 〈門〉で得た宇宙創世のヴィジョンは、遙の心に新しい意志を芽吹かせた。 驚きに満ちた本格SF長篇。
  • 異空間アドベンチャー(電子復刻版)
    -
    深夜スナックやディスコに出入りし、シンナー遊びで何度も補導された高校生の花崎達也と野口雪子は、ある夜、新宿で奇妙な仮面の男に出会い、突然、異空間に放り出されてしまった。――ヒマラヤの麓の町で飢えと恐怖に脅える二人は、奇怪な仮面をつけた謎の集団に襲われ、三つの眼をもつ不思議な塔に逃げ込む。が、雪子は捕えられ、満月の夜、ヒンドウの神のいけにえにされるというのだ……!~ 異色長篇。

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  • 幾千の夜を超えて
    -
    北の海にそびえ立つ美しい氷の城と、その傍らに浮かぶ緑の小島レックランド。二十数年ぶりに故郷のレックランドに帰ってきた青年・ジェイは、そこで不河解な事件に巻き込まれる。宝玉《月の雫》とは何か? そして、一族の伝承『月読の詩』の秘密とは……。  伝説と神秘に彩られた北海の小島で繰り広げられる幻想と冒険の物語を描いた表題作他、同一の創作神話世界を舞台としたファンタジー全三編を収録。「電子版あとがき」を追加収録。表紙イラストは加藤直之の手により文庫版から新たにリニューアルされた。 *緑なす夢 *リュスリナの剣 *幾千の夜を超えて ●神月摩由璃(こうづき・まゆり) 宮崎県生まれ。明治学院大学文学部フランス文学科卒業。大学在学中に日本版ウォーロック創刊号でブックレビューの連載を始め、それをまとめた『SF&ファンタジー・ガイド 摩由璃の本棚』で1989年にデビュー。創作神話・異世界ファンタジーの先鋭として活躍し、小説『永遠の護り』等で絶賛を浴びる。大病による長いブランクを経て執筆を再開した。
  • 生贄乙女の婚礼 龍神様に食べられたいのに愛されています。
    NEW
    -
     荒ぶる神に生贄として捧げられた如月千代。彼女は弟を守るため、神の力を封じる毒と一緒に食べられたい。その瞬間を待つ千代の前に、秀麗な龍神・銀嶺が現れる。誰もが恐れる龍神は、けれど千代を花嫁として丁重に扱うばかりで――いっこうに食べてくれない!  銀嶺の優しさに癒やされつつも、食べられようと自分磨きに励む千代。一方で、千代の不憫な境遇を神の力技で解決しようとする銀嶺。から回りながら共に暮らす二人は、やがて互いの隠し事を通じて向き合うようになり――。生贄乙女と龍神様、運命の婚礼物語が始まる。
  • 生贄妃は天命を占う 黒猫と後宮の仙花
    4.0
    「どうしたもんかなぁ」新米占い師・月麗は困っていた。占いが権力者の逆鱗に触れて強制連行。生贄にされるはずが、人違いで神様の妃になるはめに陥ったのだ。 早速皇帝・洪封から命じられ、恋愛運を占ってみるが、結果は「妻に見えず」。偽妃だから当然だ。 それに生贄だとバレたら、月麗は喰われてしまう――。 怯える姿を尻目に、皇帝は月麗を喰べるつもりもなく、たっぷり溺愛しようと後宮専属の占筮者へと任命した。 だけれど後宮は一癖も二癖もある妃達ばかり。慌てる月麗の前に、モフモフの黒猫が現れて……?
  • 言鯨【イサナ】16号
    3.7
    神“言鯨(イサナ)”によって造られたとされる砂の時代。骨摘みのキャラバンで働く歴史学者志望の少年・旗魚(カジキ)は、裏の運び屋・鯱(シヤチ)と歴史学者・浅蜊(アサリ)に出会う。接近を禁じられた言鯨の遺骸の調査に赴くという憧れの人物に同行することになり胸躍る旗魚だったが、遺骸を見た浅蜊が妙な言葉を口にした瞬間、世界が一変し始めた――。
  • 十六夜荘ノート
    4.1
    英国でこの世を去った大伯母・玉青から、高級住宅街にある屋敷「十六夜荘」を遺された雄哉。思わぬ遺産に飛びつくが、大伯母は面識のない自分に、なぜこの屋敷を託したのか? 遺産を受け取るため、親族の中で異端視されていた大伯母について調べるうちに、「十六夜荘」にこめられた大伯母の想いと、そして「遺産」の真の姿を知ることになり――。誰も信じず仕事だけをしてきた雄哉に託された「想い」とは――? 文庫化を望む声多数! 古内一絵の人気作が登場!
  • 猶予の月(上)
    3.5
    〈第三眼〉を持つカミス人は、人工衛星カミスに設置した事象制御装置アスタートによって、惑星リンボスを制御していた。そのアスタートの操作にたずさわる理論士イシスは、弟のアシリスとの禁じられた恋を成就するため、世界の改変を試みようとするが……日本SF界を代表する俊英が満を持して描く本格SF巨篇
  • 石と星の夜
    4.5
    ギルデアの使節が暗殺されたことで、ギルデアとアトーリスの和平交渉は決裂。アトーリス王室の諜報員ステランは、仲間内に敵に通じている裏切り者がいるとの情報を得て、懸命に捜査を行う。一方、戦火を逃れて最果ての地フォーディル村に身を寄せていたリーヴたちは悲しみに包まれていた。故郷テス王国を守るべく戦っていた父が戦死したのだ。迫りくるギルデアの脅威に、立ち向かう連合国。フィーンの預言者が謳った英雄はどこにいるのか? アトーリス王国が極秘裏に開発を進める恐るべき兵器の正体は? 風雲急を告げる、好評シリーズ第2弾。
  • 石の血脈
    3.7
    アトランティス、暗殺集団、赤い酒場、巨石信仰、狼男、吸血鬼、不死の生命……。この本を手に取ったあなたは、これらの言葉からどんな物語を想像するだろうか。失踪した妻を捜し夜の街を歩く建築家・隅田、展示場から消えたアトランティスの壺を追うカメラマン・伊丹。彼らの周囲には、次第に不可解な出来事が起こり始める。一見脈絡のない事象を縦糸に、男女の愛を横糸に紡ぐ、半村良の伝奇ロマン。
  • 石の血脈
    4.7
    古代アトランチスの謎を秘めたクロノスの壷。この壷の展示会こそ全ての悲劇の幕あけといえた。美しい人妻の失踪、人間の能力を遥かに超えた狼男の暗躍、美男美女の秘密グループが行う性の狂宴(サバト)――これら次々に起こる奇怪な事件こそ、永遠の生命を求める暗黒の野望のうごめきであった……。そして今、古代イスラムより歴史を貫いて脈々と生きる恐怖の秘密の全貌も明らかにされようとしていた……。壮大なスケールで描くSF伝奇ロマンの最高傑作!
  • 異種間通信
    4.0
    一九六四年、火星探査機により小惑星帯で発見された未確認物体。以来数十年、NASAは秘かに観察を続けていた。だが近い将来、この物体に小惑星が衝突すると知ったNASAは、太陽系外の未知の技術を取得すべく、急遽この巨大異星船に六名のスペシャリストを送りこむが……傑作近未来ハード・サスペンスSF
  • イシュタルの子
    -
    バビロンの最高神マルドゥクよりも崇拝を集める豊饒の女神イシュタル。いかなる地上の快楽よりも勝るというイシュタルの秘儀、聖なる獣との交わりを求め夜毎神殿を訪れる信徒たち。人と獣との交わりで生み落とされたという半人半獣の仔マヤとムー。紀元前5世紀の新バビロニア王国の首都バビロンで繰り広げられる、王宮、五国の守護神マルドゥク、女神イシュタルとの闘いを描く長篇伝奇小説。 ●篠田真由美(しのだ・まゆみ) 1953年、東京生まれ。1977年、早稲田大学第二文学部卒業。1992年、第2回鮎川哲也賞の最終候補に残った『琥珀の城の殺人』(東京創元社)でデビュー。1994年に『ドラキュラ公 ヴラド・ツェペシュの肖像』『未明の家 建築探偵桜井京介の事件簿』(講談社)を発表。以後、ミステリ、幻想、伝奇ジャンルで執筆。
  • イシュタルの船
    -
    冒険家ケントンのもとへ、太古バビロニア帝国のころの石碑が送り届けられた。石碑が放つ芳香に興味をひかれ、ハンマーでそれを打ち砕いた瞬間、そこには一艘の船があらわれた! 瑠璃色の海の上に、宝石をちりばめた船が高々と浮いていたのだ。それは、愛と憎しみの船だった。天と地の女神イシュタルと、悪と死の神ネルガルの魂が乗りうつった船では、イシュタルに仕える尼僧シャラーネとネルガルに仕える僧クラネスの果てしない闘争がつづいていた。ケントンは一瞬呆然としたが、たちまち、神々の闘争の渦中に巻きこまれていった。そしていつしか、彼はシャラーネに魅かれていった。
  • 異神千夜
    3.7
    鎌倉の山中に庵を結ぶ僧に、謎めいた旅の男が語り聞かせる驚くべき来歴―数奇な運命により、日本人でありながら蒙古軍の間諜として博多に潜入した仁風。本隊の撤退により仲間とともに取り残されるが、やがて追われる身となった一行を、邪神「窮奇」に仕える巫女・鈴華が思いのままに操りはじめる。元寇に際して渡来した一匹の獣は姿形を変え、時に悠然とたたずみ、時に妖しく跳梁する。傑作ダークファンタジー。 ※本書は二〇一四年十一月、双葉文庫より刊行された『金色の獣、彼方に向かう』を改題したものです。
  • 異次元戦士デュラン ルクレール王家の守護神
    -
    夢の中で彼はデュランと名乗っている。ソフィアル大陸に八百年繁栄するルクレール王家の戦士らしい。夢から醒めると傍らにはちょっとHな中学生の妹が。そして銃器と刀。累計100万部突破のベストセラー「レイン」シリーズ著者による渾身のファンタジー。
  • 異次元鉄十字団
    -
    突然予告されて起きた人工の異常大地震。巨大で奇怪な、歩く食虫植物群……。何者かの意思によって今、確実に異変が起きつつあった。そして、国連の秘密捜査官、神宮義昭にかかってきた、命を奪うという脅迫電話。180センチ、80キロの体躯を誇る柔道と空手の名手・神宮も強敵の出現を悟った。社会を騒がす敵、鉄十字団と名乗る、正体不明の組織の狙いはいったい何なのか――? スーパー・ヒーロー神宮義昭の活躍を描く、SFアクション・シリーズ!
  • 異次元の女王
    -
    金星の酒場で一服盛られたスミスが目覚めたのは、真っ暗な、古代の廃墟らしい無気味な土地であった。気がつくと、甘美な声がいざなうのを耳にする。一人の少女に手をとられて彼は進んだ──そこは、おぞましくも美しい「血に飢えた」異次元の女王ジュリが棲む太古の都であった……。女流作家ムーアの手によるSFファンタジー名編ノースウェスト・スミス・シリーズ第2巻。
  • 異常論文
    4.0
    先鋭的なアイデアを架空論文の形で提示して話題を呼び、増刷なったSFマガジンの特集を書籍化。新たに十数篇の書き下ろしを追加
  • イスランの白琥珀
    4.3
    「この子は稀なる闇の種を抱いている。偉大な魔道師になろう」〈星読み〉テイバドールと共にイスリル帝国の礎を築いた国母イスランにその才を見いだされた大魔道師ヴュルナイ。いまわの際のイスランに国の行く末を託されたものの、その後の後継者争いで裏切りにあい、輝かしい名声も地に堕ちた。それから数十年、国の中枢には欲にまみれた連中がはびこり、存亡の危機に。密かにオーヴァイディンと名を変えて生きていたヴュルナイは、無実の罪で捕らえられた若い女族長を助けるが……。謎に包まれた魔道帝国イスリルの歴史が、ついに明らかになる。
  • 泉鏡花 現代語訳集2 高野聖
    5.0
    【あらすじ】 若狭へ帰省する列車で、私は高野山に籍を置く旅の僧と道連れになった。 僧が常宿としている香取屋の床の中、夜が更けるまで寝ることのできない私が、諸国を修行で巡り歩いた中でのおもしろい話をして欲しいと請うと、彼は若い時分に飛騨の山越えをした時の不思議な物語を聞かせてくれた。 ある理由から、敢えて人通りの絶えて久しい旧道へと踏み入った僧が、命からがら辿りついた山奥の一軒家に見たのは、白痴と思われる若者と、都でも珍しい妖艶な美女の姿だった。 女から受けたもてなしの嬉しさと、彼女の境遇への同情から心乱れ、眠れないまま空が白むのを待ち焦がれていた僧は、板戸一枚に隔てられた外で、さまざまな獣のようなものがうごめく気配をはっきりと感じたのである。

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