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Posted by ブクログ
しばらく前に買い、読み進めていたものの途中で挫折。ゴールデンウィークに時間があったため、ようやく読み終えることができた。
内容は本当に意味不明。巻頭言にもあったが、現実と虚構が入り混じりすぎている。登場している作家ですら現実なのか虚構なのか、実際にはいないんじゃないかと思ってしまうほどの異常さ。自分の知らないどこかで実際に起こっていそうな出来事や事件、それらの表現とリアルさ。理解しようにも理解できない。わかりたくてもわからない。不気味で脳内がぐちゃぐちゃになるのに読み進めたくなる作品。スペキュレイティブ・エンジン。
ここに評価を書きたくなったのも、異常論文が紛れもなく「強い小説」だったからだと思う。
Posted by ブクログ
学術論文の体を取った虚構作品を”異常論文”という定義し、23本の作品を収めたSFアンソロジー。23本もあれば多様性も極めて高くなっており、質のバラつきはあるものの、数作品に関してはちょっと驚愕してしまうようなクオリティであり、アンソロジーとしてのレベルは非常に高い。
最も驚愕したのは、鈴木一平+山本浩貴による「無断と土」という作品。これは架空のVRホラーゲームの謎を解説した人文学の論文テイストの虚構であるが、その作品で引用される菅原文草なる20世紀前半の詩人にフォーカスする。実際のテクストなどの分析を元にしながら、このVRホラーゲームでなぜ彼の作品が引用されたのかを明らかにしていく体を取っているのだが、しっかり脚注での解説や参考文献なども用意されていることから、全てが史実のように見える完成度を誇りつつ、微妙に虚構が入り混じっており、何が真実かなのかがわからなくなってくるうちに、どっぷりとその世界にはまってしまう仕掛け。
”異常論文”という概念によってバラバラだった作品間に1つの関連性を見出しつつ、新たな虚構世界を作り出すためのテクニックとしても十分に可能性を秘めているということがこの豊饒な作品を読むと深く理解できる。幾人かの作家についてはこれを機に単著を読みたいとも思ったし、日本の若手SF作家を知るためのアンソロジーとしても有益。
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