何にせよ言語空間の精度が高く圧倒される。坂本龍一の"Love Is The Devil"の擬態的な電子音楽の匂いがする、超越性の超然。ある意味根底ではマキシマム・ザ・ホルモンの"刃渡り2億センチ"や"爪爪爪"のような血塗られた言語破壊的志向さえある。機械的精度によって言語実験の完了形態を現出させており、この作品によってこそ樋口恭介は円城塔に次ぐ作家となったと、大袈裟に言っても良いかもしれない。惜しむらくはルビの実験性の欠落。これはAIによって精度を高めているので、AIのプレーンな文体志向から逃れようとしてもよかった気がする(尤も樋口恭介はそういう実験も異常論文などで試み収録しているが)。