【感想・ネタバレ】Executing Init and Finiのレビュー

あらすじ

本邦初、生成AIとの共作長篇

観測系と呼称される人工知性が、読者Aを想定して出力する言語空間。作家・樋口恭介が執筆した断章と、樋口恭介のプロンプトによる生成AI執筆の断章とが交錯する。企画・編集のアンソロジー『異常論文』から5年、本邦初、生成AIと人間による本格的な共作長篇

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Posted by ブクログ

これはすごい。実際に本を買った。完全に自分の作品の目指す方向性と一致していて、ここまで自分と系譜が近いことに驚いた。その高い前衛性には目を見張るものがある。商業出版で、しかもAIと共作でこのレベルのものが出てきているとなると、さらに未来のAI創作はさらに尖っていく気がする。

何にせよ言語空間の精度が高く圧倒される。坂本龍一の"Love Is The Devil"の擬態的な電子音楽の匂いがする、超越性の超然。ある意味根底ではマキシマム・ザ・ホルモンの"刃渡り2億センチ"や"爪爪爪"のような血塗られた言語破壊的志向さえある。機械的精度によって言語実験の完了形態を現出させており、この作品によってこそ樋口恭介は円城塔に次ぐ作家となったと、大袈裟に言っても良いかもしれない。惜しむらくはルビの実験性の欠落。これはAIによって精度を高めているので、AIのプレーンな文体志向から逃れようとしてもよかった気がする(尤も樋口恭介はそういう実験も異常論文などで試み収録しているが)。

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2026年06月05日

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