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おぼろ忍法帖
心をこの世に残しつつ死の際に立った男が愛する女と交る――と、ひと月後にその女胎を裂いて男は再誕する。妖異凄絶の忍法「魔界転生」! 血風の中に甦る剣鬼たちは天草四郎を筆頭に、曰く宮本武蔵、荒木又右衛門、柳生宗矩、柳生兵庫、宝蔵院胤舜、田宮坊太郎。背後でこれを操るは天草の乱に敗れた森宗意軒と、そして由比正雪。 彼等は紀伊大納言頼宣を唆かし、徳川の天下を潰乱に導くべく、魔人と化した「転生七人衆」を紀州に送り込んだ。これに対決しうるは隻眼の剣手、柳生十兵衛あるのみ。妖雲は腥気をはらみ、十兵衛を窺って紀州から柳生の庄に迫った。全3巻、痛快忍法小説。 -
黒風に流されて
毎日のように男の怒鳴る声と何かが割れる音が響き、その後には必ず女の悲鳴や泣き声が聞こえてくる大きな屋敷。 地元でも有数の名家として知られているその屋敷で、真矢は当主である父親の機嫌を損ねないように生活していた。 父親の暴力と暴言に耐え切れなくなった真矢はひとり家を逃げ出し、とある割烹で偽名を使い働くようになった。 真矢が仕事に慣れた頃、割烹で政治家同士の密談があるという。 一緒に連れられてきた秘書の沢田達二は控えの間に通され、真矢がお茶を運ぶことになった。 それを機にふたりは仲を深めていくが、ある日のこと、達二は満州へ行くと真矢に告げるのだった。 その後、真矢のもとへ電報が届き……。 さら・シリウス:あらすじ 妖精社:文章 -
中国美女譚
紂王に愛された「妲己」、項羽と生きた「虞美人」、高祖劉邦の亡き後、呂太后に責め殺された「戚夫人」、処女のまま花神となった「張淑君」、辺境に嫁いだ「王昭君」、中国史上唯一の女帝「則天武后」、玄宗皇帝の寵姫「楊貴妃」、復讐と恋の狭間で苦しんだ「凝香児」、芳艶な10代の少女「費美人」、紫禁城で権力をほしいままにした「西太后」。愛欲と陰謀と怪奇渦巻くロマンス。10人の中国美女の伝説。 -
えろぐろ軟扇子
子供のころ、女体のグロテスクなことにびっくりしたあたいは、女よりも男が好きになっちゃった。学徒出陣をしているとき、ホモっ気のある中隊長につかまったのが、ゲイ道に入るきっかけよ。中隊長は権力であたいの処女性を奪ったの。戦後はGI相手に稼いだりした。外国人の囲われ者になったこともあるわ。そのうち、日本人の素敵なパトロンにめぐり合った。彼のおかげでいまあたいはゲイバーのマダムだけど……。と、その奇妙な人生を味のある独白調で語る標題作の他に、「やったぜベイビー」「あとの二人が損をする」「密造酒」など、全5編を収録する短編小説集。 -
緑の水平線
鎌倉に住む小説家の白井は、釣り道具を肩に家を出た瞬間から、俗世間と縁を絶つ。奥さんの鈴江と娘の友子は、それが白井の健康法だと理解している。しかし、孤独になったつもりの白井は、思わぬ釣り仲間の出現から、世間的なトラブルの中に捲き込まれてゆく……。この型破りな小説について作者は、「世界にもちょっと類のない小説だと、大口をたたきたい。小説は何もお色気と殺人スリル専門とは限るまい。人生には、そのほかにも、いろいろと楽しみがあるはずだ」という。ホームドラマに新境地を開拓した林房雄が、約30年のキャリアを活かした釣魚小説。 -
青年
ペルリ来航から10年後の元治元年、英国留学から帰った志道聞多と伊藤俊輔は、英艦バロッサ号で長州へ戻り、攘夷論者に対して開国を主張し、馬関戦争の勃発と、京都での敗戦に苦慮する藩政府を説得し、高杉晋作とも協力して、屈辱的な条件にもめげず、講和への道をひらく。バロッサ号の通訳アーネスト・サトウとドクトル・ブラウンは、幕府の開国主義が見せかけの進歩主義にすぎず、一見反動的な長州の排外主義の中に、真の進歩主義が潜んでいることを理解して、二人を支持する。明治維新の大業をなしとげた青年たちの理想に燃える姿を作者・林房雄が心熱こめて描いた傑作歴史小説。 -
恋慕奉行
母の形見の印籠1つを抱いて江戸へでてきたお柳には、正体のわからない、不吉な影がつきまとっていた。大事な印籠は僅かな隙に盗まれ、折角きまった奉公口も次々とこわされ、千住の宿場女郎に身をおとす破目となった。――見えない、呪(のろ)いの糸が、お柳を縛っている。もし、町同心・水木半九郎に夜釣りの道楽がなかったら、お柳はとうに死んでいたろう。半九郎の鋭いカンは、暗闇に嘲笑う覆面の武士の正体を見破った。彼の名は、阪田権太夫。町奉行・大岡越前守に不敵な挑戦を宣し、江戸を恐怖の巷(ちまた)に落とす男。越前守の弱点――恋の過ちを衝くだけに、名判官の苦渋は深かった。<上下巻> -
影丸極道帖
天保13年9月、江戸を襲った台風の日、怪盗・影丸が脱獄した。江戸城内、大奥にまで侵入した剽盗だけに、奉行所の召喚状をすりかえて脱獄する、前代未聞の牢破りだった。同じ日、名与力・松並白亭の養女・小夜も何者かに誘拐された。そして、白亭と配下の同心・志賀三平は、この2つの怪事件を結ぶ謎に立ち向かう。不敵にも影丸は、「目指す相手は八丁堀!」と、かれらに挑戦してきたのだ。だが、目明し伝六、紋十郎ら悪党の名は浮かんでも、当の影丸は神出鬼没。しかも事件の背後には、将軍家継嗣をめぐる暗闘までも絡んでいる……。著者が秘材を傾けた本格派時代物推理の妙。<上下巻> -
末っ子物語
作家の多木は、戦時中、東京の住居を畳んで、以来、郷里に住みついた。御殿場線の小さな田舎町だ。戦中戦後の多難な時に、多木は長い闘病生活を送るが、奇蹟的に全快して、家庭も明るさを取戻す。楽天的な妻の芳枝はいよいよ健在で、3人の子供たちもつつがなく成長した。長男長女ともに、父の母校・早大に入学して東京にいるが、これは心配ない。気がもめるのは、ミソッカスの「チビ」、つまり末っ子の圭子のことである。甘えん坊でお転婆で不勉強ぶりは、両親の若い頃そっくりなのだ……。 末っ子を中心に、子供たちにそそぐ父性愛、母性愛を描き、深い感動を呼ぶ、最高級の長篇家庭小説。 -
さざなみ
絹子さんと俺がこっそり仕掛けた<小さな親切>の波紋の行方。ちょっとミステリアスで、心がほっこりする長編小説ーー三つ揃いを着て、雇主を「貴人」と思うこと……。借金まみれで自己破産寸前に追い込まれた「俺」は、住み込みの執事として雇われることに。賄いとガードマンと秘書にかしずかれて、銀杏(いちょう)屋敷に住まう謎の若き女主人・絹子さんの、無理難題に応えようとして、思いついた「波紋のチンギスハンのシマウマ作戦」の反響は? ◎(沢村さんの作品の)登場人物の多くは本作の「奥山史嗣」のように品行方正なほうなのに、「罪(黒)」に分類されるような行動もとってしまう。人間は、善悪の両方をあわせ持つものだから。共感できる心象風景と、人物の背景に広がるリアルな世界を、沢村さんは、興趣に富んだミステリー仕立てで書いている。本作ではなんと、「波」を小説にした。――<青木千恵「解説」より> -
シルバーブラスト Zero
かつて『星暴風』と呼ばれた戦闘機操縦者がいた。 彼は最強の戦闘機操縦者であり、伝説でもあった。 しかし伝説は彼の死と共に終焉を迎える。 かつて生きることを奪われようとしていた少女が居た。 亜人と呼ばれる少女は、それでも生きることを諦めようとはしなかった。 そして、自分を救ってくれた光と出会った。 死んだ筈の操縦者と、助けられた少女。 二人は出会い、そして別れる。 一度は失われた関係を、少女は再び求めた。 必死で努力して、追いかけて、そして捕まえる。 もう一度、彼に空を飛んで欲しくて。 一度は電子書籍化した作品のリライトヴァージョンです。 いろいろと変わっている部分もありますので、初めての方も、そうでない方も楽しんで貰えると嬉しいです。 -
ふたつの名前を持つ猫だけが知っている
「どっかにイイ男いないかなあ」大学四年生の真理子は、昔から男癖が悪かった。 真理子の悪友である薫や鮎子の間では、大金持ちの息子である同学年の耕太の話で持ち切りだったが、耕太は真理子のタイプではなかった。 ある日、耕太がからかわれているところを同じ学部の直樹が助けてやる場面に遭遇し、そこで真理子は直樹に一目惚れする。 しかし、直樹には沙理という恋人がいるという。 なんとかして直樹を手に入れようと、真理子は略奪愛を掲げて山中湖への旅行を企画するが、そこである事件が起きて…! 真理子という狂気に満ちた女の半生を描いた、恋愛サスペンス! ◆あらすじ さら・シリウス ◆文章 ゴーストライター -
舟姫潮姫
関ヶ原の戦いの直前、瀬戸内海の島々を舞台に、美貌の姫たち、歌舞伎踊の名手、海賊船、美貌と剣の兄弟たちが繰り広げる、ソロモンの財宝の在処が古代文字で書かれた舟姫呪文の秘文書を巡る、愛と欲の伝奇物語。伝奇小説の第一人者が描く、妖異怪奇の異色譚。 -
三度作家になった女
ベストセラー作家の川中澄美子は初めてのスランプに陥った。時を同じくして大先輩であり唯一の親友でもあった大御所作家の桃香が亡くなってしまい、澄美子はあまりの心痛から小説が書けなくなってしまった。 それから暫く経ったある日、ふと頭の中に浮かんだ物語をまとめケータイ小説に応募すると澄美子の作品が見事一位を獲得。 それを機にベストセラーを次々と世に送り出し、再び脚光を浴びるようになった澄美子はテレビ出演やメディアにも欠かせないほどの売れっ子になった。 人々の賞賛と、もてはやされる毎日の暮らしのなか、整形し名前も年齢も偽り別人の桜ハルミとして活動していたために彼女は苦しみ、引退を決め田舎で暮らすことに。 そこで村田大輔という大学生と出会い恋に落ちるが、あまりの年の差に澄美子は……。 ★さら・シリウス:あらすじ ★妖精社:文章 -
宝物のオイルとは・他短編集
◆宝物のオイルとは? 彦太は自らの住む港町を活性化させるために『干物のブランド化』を計画する。 なかなかうまくいかず挫折しそうになっている彼の前に、不思議な機械をセールスマンが現れ大喜びするが…… ◆処理活動 妻子を持つ身でありながら向井は有り余る性欲を持て余し、ネットでリモートデートを楽しんでいた。 そのうち、リモートの相手といよいよ会えることになり、ホテルでの一夜を楽しんだ彼の哀れな末路とは…… ◆パブ パブで働く主人公・増田裕子は、羽場康弘という男と不倫関係にあった。 今日もまた店の隙を突いて出会い、心身を重ねる二人。 しばらくの間まともな会い方をしていないことに苛立っていた裕子は、もっと別の場所で会いたいと訴える。 その言葉に苦言を呈する康弘と、さらに苛立ちを募らせる裕子。 そんな赤裸々なやりとりを体感していたのは、彼らだけではなく…… ◆夫婦の守護霊 下田瑞穂は、苛烈な環境の中を生き抜き、ついに独り立ちを果たした。 希望と未来に満ち溢れた社会人生活。それを謳歌していたある時、瑞穂は公園でとある老夫婦と出会う。 彼らの呻き声から腹が減っていることを知った瑞穂は、手元にあったパンをあげることにしたのだが…… ◆もう一つの世界 多恵子には、長年付き添った夫の俊哉がいた。 ある日、多恵子は俊哉がいつのまにか 失踪していることに気づく。 夜になっても帰ってこない現状に不安を覚えた多恵子は、このことを警察へと通報することに。だがその瞬間、誰もいないはずの二階から誰かの話し声が聞こえ…… さら・シリウス:あらすじ タンボ:文章 -
振られた女・他短編集
◆振られた女 サラリーマンの山崎浩二は歌手になる夢を持っていた。ただ、いかんせん見た目が悪い。整形を考えるも、実際に踏み出す勇気はない。そんなある日、飲みに行こうと店を探していると綺麗な女性を見つける。奇跡的にその女性と仲良くなり、ふたりの関係はどんどん進展していく。 ◆ フタの無い家 川端重男は同僚の竹田に付き合って、終電を逃してしまう。歩いて家に帰ると、家のドアがない。ドアだけではなく、扉や蓋が家から消え去っている。家族も本心をしゃべるようになっていた。酔っぱらったときに見る夢だと思っていたが、どうやら夢ではないらしい。 ◆ マドンナと剥製 葉山鉄平は、鉄道員をしている。鉄道と剥製が趣味の薄っぺらい男だ。だが、その鉄平の妻は小・中・高と学校のマドンナだったさゆり。ある日、さゆりが同窓会に行くと言う。その同窓会にはかつてのさゆりの恋人である早川まさおが来ていて……。 ◆ 可愛い娘 久米野家に嫁いできた真莉子は、このあたりでは評判の嫁だった。暴れん坊で手の付けられなかった健吉の嫁として、最初の一年間は何もかもがうまくいっていた。ただ、一年を過ぎると健吉の悪い癖が出るようになり、手が付けられなくなっていき、やがて真莉子にも限界が……。 ◆ いけない弁護士 浜田ゆかは元政治家の弁護士。市会議員をしていたせいで、弁護士としてはブランクがある。運悪く、とある依頼人から逆恨みをされてしまった。毎日のように文句を言いに来る依頼人にうんざりし、珍しくひとりで飲みに行くとそこで……。 ◆ さら・シリウス:あらすじ ◆ 妖精社:文章 -
夢魔
新幹線の車中で、美しい和服の女が発病した。医師と名乗る黒背広の男に治療をうけた彼女は、京都で下車した。が、その瞳はどこか虚ろだ。ルポライター・渋谷は、彼女を尾行する。それは、奇怪な体験であった。京都の有名な料亭の若夫人である彼女が、娼婦のように彼に身を任せたのだ。しかも彼女は、その悦楽の情事を一切記憶していない、という。この日から渋谷の周囲に「夢魔」にあやつられた女たちが、続々と登場する。女は鍵言葉(キー・ワード)で、やすやすとその白い肉体を開き、没我の欲望に狂うのだった……。深層催眠を利用して女体を弄ぶこの「夢魔」の正体を渋谷は追う……。 -
空一杯カラフルに・他短編集
◆空一杯カラフルに 加奈は下積みのイラストレーターをしていた。 加奈は、オリジナリティが皆無なのだと言われる。だんだん、加奈に回される仕事は減ってきて、ついに加奈は職場をクビにされる。 どん底だった加奈はその後恋愛にも失敗して、更に絶望の淵に立たされる。 そんな中、彼女は岩次郎という名の青年と出会う事になり、やがて……。 ◆アフリカ 武司は大学時代からアフリカの貧困地域に向かい、留学を重ねていた。 武司の彼女である鶴代は夢見がちな性格で、ニューヨークで武司と一緒に暮らしたいと告げる。武司はアフリカの貧困層を助けるボランティア活動に強い使命感があったので、鶴代とは袂を分かって、アフリカに向かう事を決意するが。 ◆セロリの幸せ 良太と佐和子は相思相愛で付き合っていたのだが、佐和子の父親は卸問屋の社長で相当な金持ちだった。良太は平凡な一般市民。良太は佐和子の父親からの嫌がらせに参っていた。佐和子はそんな状況を打破する為に一人東京へと向かい、タレントにスカウトされて……。 ◆魔法の石 みのるは観光船の船長をしていた。 みのるが部屋で静かに読書をしていると、突如、小さな女の子が現れる。彼女は自分の事を“妖精”と名乗り、このままだとみのるの片思いの女性が亡くなるのだと告げられて……。 ◆海花大のアイドル 美也子は普通高に通っているが、彼女には将来のプランが無かった。 幼馴染である浩は船長になりたいと言う。美也子は女だてらに船乗りになる為に浩と同じ海花大を受験することになり……。 ◆さら・シリウス:あらすじ ◆朧塚 :文章 -
雇っていない幽霊・他短編集
◆雇っていない幽霊 下級藩士の妻、琴絵は近所の繕い物を代行する仕事をしている。 ある日、仕立て直した着物を届けに行った琴絵は、強盗殺人の容疑者として役人に捕らえられてしまった。 真犯人を突き止めた夫の悠太郎の考えた自首させるための作戦は、果たしてうまくいくのか。 ◆首のおみやげ 唄と舞の名手である桜は、隣国の殿様に気に入られて大金を手にした。 その金で弟妹のために御殿を建てたのだが、どうにも妹のくめとは相性が悪くて……。 ◆古井戸 ひさしぶりに東京から帰ってきた恋人が、女と赤子を連れていた。 ショックを受けた夕子だが、説得により恋人は女と赤子を捨てて夕子を選んでくれた。 幸せの絶頂にいたある日、夫の不審な行動に気付いた夕子がこっそりと後をつけると。 ◆くの字の坂道 ゆかりは毎日、祖母を待っていた。 家の前にある、くの字に曲がった坂の中腹にある電信柱の傍で。 けれどある日、祖母が帰ってこなくなってしまう。 ◆気持ちいい誤解 佐代子は母の再婚を期に家を出たが、甘え癖が抜けずにたびたび夕食を食べに行っていた。 そんなある日、酒に酔ってそのまま泊まった佐代子の部屋に、男が忍んで来る。 義弟の信也に違いない、と佐代子は思ったが、酒の勢いに負けて体を許してしまう。 その日から、暗闇の中での秘密の逢引がはじまった。 ◆さら・シリウス:あらすじ ◆鉢本杏梨:文章 -
真っ正直な殺人
◆ 真っ正直な殺人:閑静な住宅街で、一家の惨殺死体が見つかった。刑事の角田大樹とその相棒の牛山裕は聞き込みを始める。ただ、殺された一家はその全員が殺されても仕方のないような人物だった。そんな中、被害者が過去に死亡事故を起こしていることが判明するのだった。 ◆ 巡る悲劇:賀茂川のほとりに有名割烹がある。そこの女将が殺された。被害者は小谷貴恵。刑事の増田健吾は怨恨の線を疑っていたが、貴恵に殺される理由はなかった。貴恵の過去を洗うために増田は飛び回ることになる。帰ってきた増田のところに、溝口凛が気になる情報を持ってきて……。 ◆ むしり取られた幸せ:有名アパレルメーカーの倉庫で、男の死体が見つかった。被害者は友田勇作。そのアパレルメーカーの社長だった。評判が悪く、誰が殺してもおかしくない状況だった。そんな中、刑事の矢口謙三は先代の社長夫人との噂を耳にするのだった。 ◆ あの頃に戻れたなら:松本雪子は都会に出て、女優になる夢を持っていた。ただ、恋人である山田康太はそれを許さない。束縛が激しい恋人のことを友達の真山佐知子と田中良治に愚痴っていた。でも、そんな毎日が楽しかった。ある日、地元でミスコンが開催されることになり……。 ◆ 許せない笑顔:富裕層ばかりの高層マンションの一室で、殺人事件が起こった。被害者はケーキ屋をやっている山岡優子。優子はその昔、スナックのママをしていた。その常連客の澄川真奈美は優子を慕っていたが、気づいたときには優子によって人生を狂わされていた。 ◆さら・シリウス:あらすじ ◆妖精社:文章 -
魔婦の足跡
贋札造り、偽装化石師、偽真珠造りという3人の前に、突然姿を現し、そして消える可愛い魔婦。秘密の島に逃れる3人に、死の影が迫る! ゴジラ原作者による傑作サスペンス。 -
幸せ運び犬クレオ
書店員のさとみは、平凡な日々に少しの忙しさを感じながら生きている普通の女性だった。そんなある日、同棲している恋人の優太がなんの相談もなしに大きなラブラドールを買ってきた。 相談もなく飼うと言う彼と喧嘩になり、優太が仲直りの為にさとみの大好物を買いに行く途中で事故に遭ってしまう。 それからクレオとの生活が始まったさとみは、とりあえず散歩から始めようと出かける。しかし喧嘩の原因であるクレオの散歩は苦痛なものだった。そんな散歩途中にさとみはクレオに命を救われる。 さとみは命を救ってくれたクレオに愛情を持つようになった。 そして散歩途中に出会ったのは、買い物カートが壊れてしまったおばあさんだった。 おばあさんを助けたことで、さとみと優太の夢である居酒屋をオープンにこぎつけることが出来たが……。 さら・シリウス:あらすじ 仮名:文章 -
妖蝶記
はるかゴビ砂漠の発掘現場から、ひとりの男が古生物学者・曾根の館を訪れた。男はいわくありげに巨大で薄汚れた1匹の瀕死の蝶を差し出すが、曾根はすぐに打ち捨ててしまう。しかし蝶は、館の温室に隠れ棲み、やがて美しい少女に姿を変えて、曾根の前に姿を現した。化身の妖しい魅力の虜となった曾根だが、少女の目的はただ一つだった……。映画「ゴジラ」の原作者として知られる小説家が、異形と異能のものたちの蠱惑的な姿を流麗な筆致で描く、4編の幻想譚集。 -
地球喪失
生物化学研究所の若き学究・宮原は、街の暗がりで焦っていた。手に持つスーツケースには、たとえようもない邪悪なものの幼生が収まっていたから。追っ手をかわし、早くこれを処分しなければ、人類に明日という日はなくなる。しかし、それはあまりに巨大な力へのはかない抵抗にすぎなかった……。映画「ゴジラ」の原案を担い、怪獣という存在を生み落とした怪奇小説家が、遊星から来た圧倒的な恐怖にあらがう人々を、ミステリータッチで描き出す。 -
若草の歌
美人でしとやかな千秋と、愛らしくドライな元子は、東京西郊の住宅地で繁昌している、そば屋の二人娘である。中学卒業と同時に、二人とも、「手に職を持つこと」を望んで、理容師になる。そして、実力とPRと親バカを利用して、ささやかな店を持ったが、青春の街道は、照る日ばかりではなかった……。「紀ノ川」「有田川」など、女の歴史を才筆で辿った作者は、この作品で、現代女性の生き方を、軽妙なタッチで、輪切りにした。若い女性の、職業・恋愛・結婚・親子問題などが、精妙に織り込まれた、ユニークな青春小説。 -
夢と現の設計図
◆ 夢と現の設計図 女医の母親を持つ主人公・新庄あやめは、父譲りの強い意志を持つ元気な女子高生。 あやめは地震の夢である『大工になる』道を諦められず、現実と夢の狭間で苦しんでいた。 そんなある日、彼女は憂さ晴らしに神社で行われている祭りに参加し、そこで運命の人と出会う。 二人は同じ夢を志していて…… ◆ 偽の告白スイッチ 橋本咲子は、とある商社で働くキャリアウーマン。 ある日、咲子は自分の上司に、新しく入って来る新人社員の教育係を務めることになる。 一癖も二癖もある若手社員をまとめようと奮闘する中、一人だけは本当にどうしようもなく…… ◆ 再会食堂 河野みどりは、夫である俊哉と共に飲食店を経営していた。 経営もなんとか軌道に乗り、ついには子供も授かることができた。 だがしかし、その店で食中毒事件が発生。 みどりは店をたたむことになり、夫は消息を絶った。 この状況にみどりは…… ◆ 印象最悪の隣人 村坂綾子は、子供二人を抱えたシングルマザーである。 子供達のため、多忙な毎日を送る彼女だったが、もともと住んでいたマンションが取り壊されることが決定し、近辺にあったとある平屋に引っ越しをすることに。 その平屋の隣には、この地域の唯一のお隣さんがいるのだが、彼はかなり変わった風貌をしていて…… ◆ 再会と出会い 相川瞳は、引きこもりとなって五年目の一人娘を抱え、娘の気持ちに寄り添えなかった自分を責め続けていた。 そんなある日、瞳は仕事の移動中、同じ境遇を抱える一人の女性と出会う。 彼女にシンパシーを感じた瞳は…… ★さら・シリウス:あらすじ★ ★タンボ:文章★ -
かぎろい頌
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 幻の板画集! 棟方志功・保田與重郎の遺志を継いで集成、刊行! ――日本浪曼派の総帥・保田與重郎が詠んだ和歌を、昭和23年から20余年間も彫り続けた板画家・棟方志功。棟方・保田とも鬼籍に入ったが、50作で纏める計画は遂に「未完成板画集」となった。故人の遺志を継ぎ、改めて全国的規模で調査・収集を敢行し、判明した32柵で編む、初めての作品集。 ◎棟方志功 「かぎろい頌」は、保田氏のつくられた歌を五十くらいつくって、一本にしようではないか、というので、制作にかかりました。―(略)―まだ未完ですが、五十首完成ののち、好きに出来たものを発表しようと思っています。<昭和31年刊『板画の道』より> ◎保田與重郎 棟方さんが私の歌を彫ったのは戦後になってからのことだが、以来、折にふれ長期にわたって、私の歌を板画にしてくれた。―(略)―私の歌にふれた作品は、彼の各時代の手法が現われていて、作品年譜を見るようで、おもしろい。<昭和51年刊『グッドバイ棟方志功』より> -
人には聞けない マンガ・男と女の法律相談
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 誰にも相談できなかったあなたの悩み解決します! 知らないと危ない生活法律知識。弁護士作家・和久峻三が楽しく漫画指南! ――不倫関係のツケ、結婚・離婚にまつわる難題、子供の事故と親の責任、知らぬ間の連帯保証人、インフォームドコンセント……。身の回りで起こる男と女とカネのトラブルを、法的にどう解決するか? 弁護士作家・和久峻三が人には聞けない悩みや心配事に、分かりやすく楽しいマンガつきでお答えします! -
犬神の絵 怪談・短編集
◆犬神の絵 モザイクアートを手掛ける種田小百合は、恋人の花村耕平のところへ向かう。その道中でバックパッカーのヒッチハイクをスルーし、耕平の家に到着すると犬のモモが激しく鳴いていた。モモの向かう先には……。 ◆妖怪様、さま。大繁盛! お花の小間物屋では、客が来るたびにものがなくなるという。でも、客が盗んでいる様子はない。そこで亭主の新二郎が休みの日に見張りをする。ものを盗っていたのは客ではなかったが……。 ◆ひどい部長を連れに来た男 上司のお供で、とある店の控室にいた水野紀久子。そこにやってきた関係者らしい男が「佐藤部長をお連れしに来た」と言う。しばらくすると今度は上司が「今日の出張は無駄になった」と言い出すのだった。 ◆遅まきながらの恋 水森弥江子は日本舞踊の教室を開いている。生徒が減り、新しく日本舞踊を取り入れた体操の教室を開くことにした。自宅では手狭になるほど生徒たちが増え、そこに魅力的な男性会員もやってきて……。 ◆ハーモニー 高波吉枝は路上ミュージシャンをしている。悲劇が続き、天涯孤独の身となった彼女の歌は、なぜか泣けると評判になる。ただ、吉枝の歌は生で聞かないとそのハーモニーを感じられないのだった。 ◆匂い袋 白水瑛太と妻の佐和子は温泉の素を製造販売している。売り上げが悪い中、佐和子は温泉の素を使った匂い袋はどうかと提案する。その匂い袋は売れに売れて看板商品になったが、そのせいで惨劇が起こってしまう。 さら・シリウス:あらすじ 妖精社:文章 -
パン屋の恋・他短編集
◆ パン屋の恋 ゆかは町でも有名なパン屋の娘だった。しかし食中毒が出てしまい、両親のパン屋は閉鎖してしまう。生きがいを失ったうえ借金まみれになった両親は自殺してしまい、残されたゆかは両親のパン屋を復活させようとする。そんなある日、隣町のパン屋が食中毒を故意に引き起こさせたという話をきいて……? ◆ 健太とケン 毎日ペットショップに来る男の子がいた。その少年は決まって不細工なダックスフントを見ている。しかし、ある日男の子は現れなくなり、代わりにダックスフントを見て泣きじゃくる女性が現れる。男の子と犬の感動の物語。 ◆ まわり道 幼い頃から綾香は、染め物職人として朝から晩まで働く両親のことが嫌いだった。自分は両親とは違いセレブになろうと勉学や運動に励みラスベガスへと向かった。そこで出会ったのは、お金持ちではないけれど、ささやかな幸せを大切にする青年で、綾香は次第に青年に惹かれていって……。 -
兵児一代記
椎原真平は、薩摩のボッケモン(勇敢者)である。年少の頃から気に奔った奇行で知られた。薩英戦争では、素ッ裸に赤ふんどし姿で伝令を務め、唯ひとり砲台に居残って、届かぬ弾丸を英艦に射ち続けた。――「チェスト!」真平には万事が気合いである。鳥羽伏見の戦では、緊張の対陣のなかで、ノコノコ敵陣に煙草の火を借りに行く。「見事やりとげたら、宮川町の女郎をおごいやんせ」。真平は、中村半次郎と賭けをしていたのであった。――やがて、時代は明治維新に転換する。彼は、酒と女に溺れていた。風雲は、西南戦争に向って妖しく流れてゆくのに……。木強かぎりない薩摩っぽを描く「兵児一代記」ほか。 -
五十両の夢
時代小説の巨匠が、江戸時代庶民の哀歓を、流麗な筆に乗せて描いた短編集。表題作、「女郎ぐも」「貞女」など、12編を収録。 -
孤剣二十六万石
孤剣腰間にあれば天下怖るるものなし――美濃高須館・松平義行の次男・雪丸は、高田二十六万石の養嗣子への縁組と美姫を蹴って、武者修業に立つ。雪丸は、柳生新陰流の達人である。高田藩では後継ぎ争いの家内紛争が続き、江戸表では酒井大老の対藩政策で政情波瀾に満ち、市中には旗本奴町奴が走り、道場には各派の名人達がはびこっていた。男性的な若い剣士を描く大剣豪小説。 -
青い貝殻
生きているウシロメタサと抑圧された性の欲望、抜き差しならぬ友人や女との関係を、安岡章太郎節とも言うべき苦いユーモアと自在の文体で描いた5つの短篇集。 -
算士秘伝
現代での数学=算法を操る者たちの悲喜こもごもを描いた表題作や、超能力である千里眼を持つという女と、そこに群がる者たちを描いた『千里眼』など、時代物の短編集、全7編。 -
忠直卿行状記
越前宰相・忠直には、沸々たる不満がたぎる。二代将軍・秀忠の兄・秀康の長子に生まれ、大坂の陣にも東軍随一の戦功をたてながら、恩賞は薄かった。「血統から言えば、わしが将軍となって当然の身分ぞ!」忿懣は忠直を酒色に走らせて、やがては狂乱の殺戮をほしいままにする。愛妾の一国とともに罪人の処刑を見物し、鮮血のなかに盃を傾け、果ては罪なき家臣に無理難題をつきつけて成敗する。残虐の裡に無上の快楽を求めていた。忠直の妻は、秀忠の娘・勝姫である。狂気の中に身を滅亡の淵に追い込もうとする夫の行動を、彼女は江戸に告げた。独自の新解釈による「忠直卿行状記」ほか9篇を収録。 -
鮮血洋燈
洋燈(ランプ)に隠された、ロマノフ王朝最後の王女・タチアナの宝石を巡って、ロシア、満洲、日本を舞台に繰り広げられた殺戮と惨劇。だが、実はその宝石は、ある日本人が軍に供出していた品で、ある日本の大臣が秘匿しようとしていたことがわかり……。元・日本探偵作家クラブ会長の手による、戦争が生んだ狂気を描いた傑作ミステリー。 -
慶長大判
関ヶ原の戦いの翌年、徳川家康は江戸大判座で大型金貨を鋳造し、日本で初めての全国的流通金貨とした。その金貨を届けるために男たちは……という表題作はじめ、人情や愛嬌のある人々を描いた、8作品の短編集。 -
チンネの裁き
ヒマラヤ遠征隊のリーダーとして有名な蛭川繁夫が、剣岳チンネをめざして池の谷左俣の雪渓で落石死した。剣尾根のドーム壁を登攀していた木塚健は、落石が3方から起こり、その上にそれぞれ人がいたことから遭難に疑惑を抱く。しかも、アイゼンの紐が切れていた! 何者かの作為を感じ真相の究明にのりだした木塚と蛭川の兄・一郎の前に立ちふさがる、山の偉容となまぐさい人間関係……。この「チンネの裁き」は、美貌の女流アルピニストをめぐって山の掟をやぶった山男たちの愛の確執から、登攀ルートに企らまれた完全犯罪が山の裁きをうける顛末を、逞しい筆致で描いた異色作。 -
スイーツに悪意を込めて・他短編集
◆スイーツに悪意を込めて 水沢みのりの最近の悩みは、パート先の店長・前田からもらう差し入れが断れないことだった。 向けられる純粋な善意に苦戦し、いつも総菜とお菓子ばかりが増えていく毎日。 ついにみのりは決意し、その差し入れの受け取りを拒否しようとするのだが、実はその差し入れには…… ◆あの夜の極上の…… 銀行員の高山勝。再婚も果たし、再び順風満帆な日々を取り戻したと思っていた矢先、なんと銀行で巨額の横領事件が発生。 あろうことか、彼が事件の容疑者の一人とされてしまう。 彼の無実を証明するため、新妻である信子は証拠集めに出ることになるが…… ◆男には気をつけないと 一人娘の舞を育てるシングルマザー、 加山ゆうこの元に、ある日突然飛び込んできたお見合いの打診。 離婚を経験していた彼女は「男には気をつけないと」という母からの言葉を胸にお見合いに参加。 すると、彼女の内に残っていた未練が顔を出し…… ◆削除依頼 夫と別れ、最愛の娘の親権も奪われてしまった滝田あかね。 彼女はしがない占いグッズ店を営みながら一人寂しい日々を送っていた。 元夫から娘を取り戻したいと願うあかね。 そんな時、あかねはネットサーフィン中、とあるサイトを見つけることになる。 そのサイトのヘッダーには一言『あなたのウザい人、消します』と書かれていた……。 ◆良妻賢母の鏡 時代の流れに逆行し、『良妻賢母』となれる女こそが素晴らしいと考える小林美紀。 彼女は人の心を理解することに長け、常に家庭環境を円満にすることだけを考えて生きてきた。 だがそんな彼女にも、心の底を許した男が過去にいたそうで……。 -
ヒダの思い出・他短編集
◆ヒダの思い出 上村留男にとって安田モナミは一番会いたい女で、一番会いたくない女でもある。ある雨の日、留男はモナミにキスをされる。モナミのこの行動が惨劇を生み出してしまうのだった。 ◆一字だけ 小さな出版社に送られてきた読者からの投稿。謎が多い投稿ではあったものの、結末がわからないからと掲載を保留にしていた。後日、投稿者の家族からの電話をきっかけに答えがわかる。 ◆解体ショー 梶川里子は当たらない占い師。OL時代よりは稼いでいるものの、先々に不安を感じる。落としたハンカチをきっかけに、男と一緒に「女言葉を使ってはいけない」という不思議な店へと向かう。 ◆妻の座 経営していた会社の負債が残っているからと一年中働いている祐介。その祐介を支えるのは奈津美だった。だが、ある日、奈津美は出張先から送られてくるスナップ写真の背景に違和感を覚える。 ◆本物のサド とある酒場で男女二人の死体が見つかった。刑事の程川が調べていくと、関係者には過去につながりがあった。暴かれる裏の顔。果たして犯人は誰なのか? ダンサー夫婦 ◆ 咲山夢乃は有名な創作ダンスの舞踏家だ。母校での特別レッスンからテレビへの出演、講演もおこなっている。一方、夫の隆治は引きこもりで鬱気味。別れを決意した夢乃を待っていたのは……。 ◆ あの世へのおみやげ 売れない歌手の高山伊佐男はあるきっかけで、お笑いタレントとして人気を博すようになる。そのきっかけをくれた鶴田社長に大事な話があると呼び出された日、悲劇は起きた。 さら・シリウス:あらすじ 妖精社:文章 -
笑う門には殺人きたる
◆父親という名の男 舞川里子は友人の見舞いに訪れた病院でこの世で一番憎い男を見かけた。 母の人生を、そして里子の人生をもメチャクチャにした男……。 里子は自分の人生と引き換えにしてでもその男を許すわけにはいかなかった。 決心した彼女は……。 ◆復讐三昧 娘の亜里沙が突然家出する。 半年後、亜里沙が無残な殺され方で発見された。 それから間もなく息子の耕太も飛びおり自殺をしてしまった。 半狂乱になったかおるが向かう先には……。 ◆命がけの椅子取りゲーム 小説家の桜田由美子は近頃いい話が思いつかずブランクに苦しんでいた。 喫茶店でコーヒーを飲みながら構想を練っている由美子の耳に、深刻な会話が飛びこんできた。 子供を産めないらしい主婦二人が、なにやら愚痴りあっている。 なにげにそれをメモにとる由美子だったが、数日後、思いもかけない展開に……。 さら・シリウス:あらすじ 花筏:文章 -
合縁奇縁の絵画
絵を描く夢を諦めた彩は無機質な日々を繰り返していた。しかし、ある時切り離したかった縁によって無機質な心は揺り動かされることになる。 〈NovelJam2021Online参加作品〉 -
サロン奥沢
「サロン奥沢」あらすじです。世田谷の奥座敷、と呼ばれる閑静な住宅地、奥沢。アロマサロンの主・直子の元に、近くに住む主婦の真由美が客として通い始める。真由美がSNSを始めたときから、直子は絆という鎖に絡め取られそうになるのだった。 〈NovelJam2021Online参加作品〉 -
おこまさん
「おこまさん」は、小ぶりな身体から生れた愛称である。年ごろの一人娘・萱子と二人ぐらし。亡夫の遺志で建てたアパート「松の荘」の持主で未亡人。親切で世話好きなおこまさん母娘を中心に、現代社会の縮図ともいえる、男女さまざまな10人のアパート止宿人の生活から、笑いとペーソスを織込んだ人生悲喜劇が展開される。庶民的ユーモア溢れる長編小説。 -
海は七色
九州若松港の肉体労働者たちと、そこを取り仕切る親分衆。彼らはみな血気盛んで、ギャンブルにのめり込んでいる。ふとしたことから、海女だったという女と出会い……。北九州の海や島も舞台に、心意気を見せる男たちの物語。『糞尿譚』が芥川賞を受賞した作家の傑作。 -
加納大尉夫人
大阪で指折りのメリヤス問屋の末娘に生まれた安代は、卒直な明るさを持つ娘であった。安代が女学校を卒業した年に、戦争が始まった。ある日、母に見せられた1枚の写真、それが海軍中尉・加納敬作であった。敬作のりりしさにあこがれた安代は、彼の妻になった。少女時代の延長のような稚なさの安代が、帝国軍人の妻らしくなりたいと努力し、緊張するほど、無邪気な失敗がくり返された。そんな妻を、敬作はいとしく思った。戦いは次第に苛烈さを加え、敬作の出征中に、安代は男の子を生んだ。そして半年の後に、敬作の戦死が伝えられた……。ほかに「猫」「山」「二人の女」を収録。 -
髪の秘密・他短編集
◆ 髪の秘密 親友の正夫が亡くなり、その遺品を整理することになった信彦。正夫の遺品と共に懐かしい思い出がよみがえる。数年後、遺伝子研究で死人を復元できる技術が開発され、信彦は正夫と亡くなった妻の復元を依頼するが……。 ◆ イヤリングを奥様に 証券会社に勤めるOL、ひかりは上司の松井課長に恋をしていた。松井は愛妻家と社内でも有名だったが、松井が平日の晩に一人で歩いているのを見かける。ひかりが追いかけてみると、松井は妻と仲が悪いという話を聞いてしまい……。 ◆ アイライン 早川沙里は結婚してから仕事と家事に追われており、子どもを送り出して初めて自分の人生を省みる。家事を済ませて帰りの遅い夫を待つだけの日々。そんなある日、店頭広告のアイラインに一目惚れをした沙里は、化粧をして女として振る舞う楽しみを見つける。 さら・シリウス:あらすじ 千歳うつつ :文章 -
武四郎探検譚
動物文学の第一人者が、戦国・江戸時代の歴史的人物を描く、傑作短編7編。蝦夷地探検で名を残す幕末の探検家・松浦武四郎の大自然の中での行動を描いた表題作ほか、鉄砲伝来の種子島、織田信長、今川義元、武田勝頼など、ノンフィクション作家としても定評のある著者ならではの作品ばかり。 -
武豪列伝
動物文学の第一人者にして、ノンフィクション作家としても多くの名作を残した著者による、12編の傑作。山岡鉄舟、千葉周作、沖田総司、嘉納治五郎などを見事に描いた作品。 -
天国遠征
大雨の日、筑後川の氾濫を心配する人々。その中に、戦後の新しい時代に、資本家となり芸術に心を傾ける家族がいた。その家の娘は、お芝居に夢中になり、配役で抜擢されもする。そして……。キリスト教をモチーフに人間の罪と罰を、『糞尿譚』で芥川賞を受賞した作家が描いた長編小説。 -
花嫁太平記
親藩・松平家の江戸留守居役を、倅の藤太郎に譲って隠居した藤翁は、同藩目付役の娘・お乃芙を倅の嫁に迎えたが、藤太郎は国事に奔走するため、妻と相談の上、脱藩する。家名の断絶をおそれて倅を勘当した藤翁は、夫を信頼する嫁の強さといじらしさに心うたれて、勘当を思いとどまる。という、幕末の藩邸にありがちの事件を描いた「花嫁太平記」のほか、格式ばった武士階級の中に人情味を汲みとった「藪うぐいす」「ばかむこの記」や、勤皇浪人に危難を救われた男嫌いの姐御が、一夜の情交からすっかり女らしくなる「舞鶴屋お鶴」など、幕末動乱期のなかに義理人情を描いた、珠玉の名作集。 -
くれない系図 若さま侍捕物手帖
両国広小路「娘手ずま胡蝶斎一座」の君太夫が、何者かに殺された。親方・一神は、秘蔵弟子の死をきくと、なぜか花太夫の安否を気遣う。おなじみ遠州屋小吉が駆けつけ取調べていると、花太夫が行方不明となり、常回り同心・矢村小左衛門が検死にきたとき、君太夫の死体は煙のように消えていた。そのうえ小吉は、剣客風の武士に事件から手を引けと威される。花房家跡目相続にからむ一党と幻術師の死闘が展開され、渦中にまきこまれた「若さま」は、船宿・喜仙で淘然とばかりもしていられず、忍者もどきの大活躍をする。数多い作者の「若さま侍捕物手帖」のうちでも屈指の異色長篇。 -
おえん殿始末 若さま侍捕物手帖
将軍家の寵妾おえんの方付の奥女中が、宿下り中、謎の矢に射られて死んだ。その背後に秘められた大事件!? ――「ここは柳橋米沢町、船宿喜仙の大川に沿った二階屋敷。齢のころなら三十四五……」一向に格式張らず、何の屈託もなさそうな至極のびのびと育った人柄の若さま。船宿の一人娘で今年19のおいと。二人の閑談をいつも邪魔して無粋さをおいとにうらまれる御用聞き、遠州屋小吉。……ご存じ、若さま侍捕物手帖『おえん殿始末』は、将軍家の寵妾・おえんの方という歌川の局付の奥女中が、宿下りして謎の矢に射られて死んだことから、大奥を舞台に豊臣家遺臣の謀叛事件が発覚する。その底深さに挑戦する若さまの鋭い推理と、優美な剣の冴えが、錦絵さながらに繰り広げられる巨篇。 -
面白くないお笑い芸人・他短編集
◆面白くないお笑い芸人 小島夢夫は、笑ってもらえないお笑い芸人だ。 面白くなさ過ぎたから、と慰謝料を請求されたことまである。 ある日、はじめて夢夫のネタで笑ってくれた女性にどこが面白かったのかを聞くと、予想外の答えが返ってきた。 ◆ひょっとこ踊り 北男は同じ会社で働いていた、六人の子供を持つシングルマザーの南子と結婚したが、大家族はたくさんの問題を抱えていた。 北男はそれぞれと体当たりでぶつかり合って、本当の家族になることができるのか。 ◆果物屋の未亡人 五十代で夫に先立たれた未亡人、早野水穂は周囲の人々に支えられて夫が遺した果物屋を切り盛りしていた。 ある時、妻が入院したという男が来店するが、彼との出会いによって水穂の人生は狂っていく。 ◆魚を助けた歌手 売れない歌手、髙木まどかは友人たちと三泊四日の沖縄旅行へ向かった。 ある夜、ひとりで浜辺を散歩していたまどかは打ち上げられて死にそうになっている大きな魚を見つけ、一生懸命にその魚を水に戻してやった。 すると、魚が口を開き、まどかの願いをひとつ叶えてくれるという。 まどかが願ったこととは。 ◆未来からのエールをありがとう! 米倉真由美は悩んでいた。 陶芸家として活動しているが、収入はほとんどなく、そろそろ引退することを考えていた。 もう店を閉めよう、と決意したその日、ニューヨークから帰国したばかりだという老夫婦が店に訪れ、真由美の作品を絶賛してくれた。 アドバイスも受けて、真由美は現実的に考えたリミットとして半年間という期限を切って、もう一度頑張ってみることを決めたのだが。 さら・シリウス:あらすじ 鉢本杏梨:文章 -
願い通りへの遠回り
プロのカメラマンである平野浩二とグラフィックデザイナーの佐山由香が一緒に暮らすようになって、結構な時間が経っていた。由香は重度の難聴で、浩二はそれがとても心配だった。今は都会でともに生活をしているが、都会は危険だらけだ。車に自転車、容姿に恵まれている由香は街中で声をかけられることも多かった。浩二は都会は危険だからと田舎暮らしを由香に提案するも、由香はそれを受け入れない。そのうち、浩二は仕事でアフリカへ行くことになった。浩二がアフリカで充実した仕事をしている一方で、由香はスランプに陥っていた。ある日、信頼している上司から叱責され、やけ酒をあおってしまう。ふらふらの状態の由香は帰り道、車に轢かれてしまう。大怪我をして入院するも、浩二とは連絡が取れない。浩二は現地で携帯をなくしていた。ようやく連絡のついた浩二に由香は田舎暮らしがしたいと伝えるが、今度は浩二が報道写真家になるから待ってくれと言う。次第に浩二からの連絡も減っていった。浩二に黙って事務員に転職していた由香は、同僚と寝てしまう。由香からの謝罪のメールを受け取り、浩二は一方的に由香との関係を終わらせた。直接謝罪をしようと由香が現地へ向かうと、浩二は現地の女性と結婚していた。由香は事務員の仕事も辞め、カメラの勉強を始める。そのうち、浩二の背中を追いかけるように報道写真家を目指すようになっていった。報道写真家になって由香は改めて、浩二への想いを痛感した。帰国した由香を空港で待っていたのは、年を重ねた浩二だった。 -
若い樹々
快活で美しい立花理々子には、父がない。中学を卒業すると、東京に出て働きながら夜間高校に学ぼうと決心する。上京した彼女はお手伝いさん勤めをするが、慣れない環境で身も心も疲れていった。そういう理々子の心の支えになるのが、洗濯屋のご用聞きをしている戦災孤児の橘悟くん。周囲の無理解と蔑視に傷つき、また悩みながら、しかし希望をもって彼等は生きる……。幸せを願い、明日をさして伸びゆく若い樹々のような若者たち。働く人たちの愛と生活を暖かく描いて定評ある壺井文学の名作長篇。大映映画化。若い世代に贈る話題の1冊。 -
四角な卵
戦後のオフィス不足の時代、銀座にオフィスを持っているだけで信用される……。元植木職人とその妻、姪……経営者と普通の人々……。新しい時代に立ち向かう人々を、作者ならではの暖かい眼で描いた、朝日新聞連載小説。
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