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尊厳死。 それは、自らの意思によって延命措置を受けずに、人間としての尊厳を保ちながら最期を迎えること。 実際に現代日本でも法制化の動きがあるが、孕む問題の大きさゆえに、法案の是非をめぐり、さまざまな議論が戦わされている。 そんな「尊厳死」を題材にした本作では、近しい者の死に直面する人々──OL、少年、医師、カウンセラーたち──の思い悩みながら生きる姿が、ときに切なく、ときに凄惨に描かれていく。
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Posted by ブクログ
メディアワークスにしては思いの外重たいテーマで臨んできた、というのが第一印象。 本作は『架空の人物』が書いた連作短編集+インタビュー+遺稿という形になっている。 にしても他の作品とは受ける印象が違い過ぎて、なんと評してよいやら。テーマ自体、結論など出せそうにないものであるし、小説というより問...続きを読む題提起文としての色が強いのかと。
メディアワークス文庫というと、比較的ライトなノベルを出してるイメージがあったので、死生観をテーマにした本作はとても異質に感じられました。そのギャップが気になって手に取ってみたのですが、読後の印象としてはぶっちゃけ微妙なところが… まず、小説内小説の形を取っていることの意義といいますか、それで読み手...続きを読むにどのように楽しんでもらおうと思ってるのか、が私には理解できませんでした。第一章にあたる「鳩居鵲巣(きゅうきょじゃくそう)」で明日香の大変さや悲痛な気持ちに入れ込んでしまったので、むしろその形式を取っているために、仮に作中における現実をモチーフにしていたとしても、フィクションであることが分かったときの興醒め感がハンパなく、とてもガッカリしました。 そして、それに続く「尊厳死法のナラティブ」という架空の評論文。これがとても退屈。難解な言葉が多くて、読み手のことを考えていない社説を読んでいるような気分になりました。 自分に読み手としての読解力が足りないのかもしれませんが、他の章での比喩表現や情景描写なども、いったい何を表現しようとしているのかが今ひとつ掴みきれませんでした。自分が好みの小説に必ずある没入感や、じっくり読みたいけど先のページをめくりたくもなる苦しいジレンマに思い悩むことが全くなく、作者に置いてけぼりにされたような感覚だけが残りました。 回りくどい小説内小説や評論、インタビューなどといった形式じゃなくて、ストレートに普通の小説として描いてくれたら印象はずいぶん違ってたと思います。
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高村透
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