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その日、人類は初めて金星人と遭遇した――。 僕は劇団の稽古場で、入団希望の女の子を面接していた。自らを 「金星人」 だと名乗る彼女は、印象的な瞳を輝かせながら自信たっぷりに言う。「どこからどう見てもそうです」。 弱りながらも、僕は彼女の入団を受け入れた。目の前で演じた即興芝居が抜群にうまかったから。けれど彼女の加入で、僕らの劇団、いや僕らの人生は大きく変わるのだった……。 小さな劇団を舞台に、夢を追いかける個性的な若者たちを鮮烈に描く、甘酸っぱさ満載の青春群像劇。
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Posted by ブクログ
良い話だった。 最後はほんの少し目が潤んだ。 劇団員の生きてる姿を見させてもらった。 特別なことは何もないけれど、自分のことを見失いそうになるけれど、ただやりたいことを精一杯やり遂げる、きっと未来は拓ける。 最後の金星人の行動の身勝手さにはさすがに文句が言いたくなるが、そこに目を瞑れ...続きを読むば、とっても良いお話でした。
演劇の専門知識はなかったが、興味深く読めた。 キャラ立ち、構成の丁寧さ、短い章立てによるテンポのよさ、どれもよかった。 金星人との交流に少々の物足りなさもあったが、その分主人公の成長が全面に押されていて、とても前向きな気持ちになれた。 素直に読める作品だと思う。
最近の好みとしまして 劇団が背景にあると ちょいと手がのびちゃいます。 そんなこんなでこの本とも出会ったのですが、 主人公の男性 なかなかにいい魅力・能力(?)を持ってらっしゃいます。 劇団をやってく上での あるあるも含まれてるのでは… (私はまだ劇団にそこまで深く関われてないので なんとも...続きを読むいえないですが)
区切りが分かりやすく読みやすかった。最初の方は、主人公が荒みすぎてて、少し気が滅入ってきますが、その分、後半の成長した姿を引き立たせます。 君に宛てた文章という構成を採用したのは、只の一人称よりも良かったように思います。
SFではないです。舞台に身を捧ぐ若者たちの物語。 いや、主人公「僕」の物語かな。 「僕」が「君」に語る物語だもんな。 物語は、「金星人」を自称する演技の上手な女の子の入団テストから始まる。 が、彼女の入団後の話よりもまずその劇団が出来るに至るまでを回想する 部分が序盤を占め、そこはどうにもつまんな...続きを読むかった。 あと、これは全体的に言えることなんだけど、区切りが異様に多く ひとつひとつが短くて、まるでコルクボードに適当に貼られた付箋のよう。 おかげでどれも印象が薄く感じてしまったな。 結局面白かったのは残り4分の1くらいだろうか。 そこだけ切り取って短編でも良かったような。 『シアター!』シリーズ(有川浩)や 『チョコレートコスモス』(恩田陸)では 存分に楽しめたいろんな物がどうも欠けている印象。 面白いといえば面白いんだけど、なんだかあっさりさらりと 上っ面を舐めてった感じ。 主人公の悩み・葛藤なんかも描かれてはいるんだけどね。
劇団といえば、若者が青春をぶつける先の代名詞のようなものだと思う。 劇団のメンバーはみんな個性的で、劇団ごとに色も違う。 どの劇団を選ぶのかは人それぞれ。 一度劇団に入ってしまえば、その劇団員として、劇をより良くしていくために青春するのです。 本作もそんなお話。 金星人なんて突拍子のない設定もあ...続きを読むるけれど、一言で言えば、劇団での苦みの効いた青春ということに尽きる。 前半は若干単調になるけど、中盤過ぎたあたりから話が動き出し、そのままラストまで突っ走る。 自分の限界を勝手に決めそれ以上のことは見向きもしなかった人たちが、その限界を超えていくあたりはいかにも青春な熱さがあってとてもいい。 読後感もすがすがしくて、演劇を見に行きたくなりました。 今度探して見に行ってみようかな。 不満点を挙げるとすれば、少しさっぱりしすぎで展開が弱いかなと感じることもあった。 せっかくの題材なんだから、もっともっと爽やかにしても良かったんじゃないかな。
夢追い人たちの甘酸っぱい青春群像劇. その日,人類は初めて金星人と遭遇した. 小さな劇団で夢を追いかける個性的な若者たちを鮮烈に描く甘酸っぱさ満載. 面白かった! ぐいぐい引き込まれていくね. 主人公というか語りの「僕」の名前が途中まで分からない. 「僕」が「君」に向けた語りに名乗りなんて必要が...続きを読むない. ということですね(知らんけど). しかしあれだ, 「理想の彼女のつくりかた」を書いてた人と同じとは思えないな. こっち系の方が良いんじゃないか? ってくらい良かった. 「金星人」だなんて「東京アンダーザブリッジ」系かと思った時期もありました. いやー,良かった. 推すのです.
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金星で待っている
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高村透
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