74axizさんのレビュー一覧
レビュアー
-
購入済み
終わらない放課後、尽きぬ珈琲
ある日突然異世界に転移して、色々あって結果喫茶店を経営している主人公の少年は、ひょんなことからとある学校に通う女学生を喫茶店で持て成すことになった。
日々関係を深めていく二人の周りには、様々な個性あるキャラクターたちが集い、大きな輪を成していく。
主人公は現在学校に通っていないので、放課後とは女学生にとっての放課後である。しかし少年と女学生の中が深まることによって、放課後の意味は少年と女学生の共有する時間へと意味を変えていく。
やがて訪れるのは、終わることなき悠久の放課後と、尽きぬまま出され続ける珈琲、そしてそこにいるキャラクター達の姿である。
キャラクター同士の掛け合いに面白味がある作品。 -
無料版購入済み
話がよくわかりませんでした
料理屋『えにし亭』を営むツヨシは突如日本から異世界に転移する。彼を呼び寄せた謎の男と対立する謎の女クリアノと旅をすることになった彼を待ち受けるものとは?
主人公が愛想が悪い理由が、かつて有り金を詐欺師に騙し取られたから、という割には普通に店舗を営業してて苦労しているようには見えないし、屋台を始める理由も状況に流されて漠然とそうなってました、といった有様で本人の強い熱意を感じないのは見ていてカッコよくないですね。
もっと愛想悪くなった過去の件を掘り下げた上で、本筋と絡めたり(それこそ件の詐欺師を敵役として用意したり)、屋台をする理由に深い理由を加えたり(料理人として再起を図るとか。作中だと屋台開店→やる理由が出来たで因果が逆になってる)、事情があって主人公を利用しているらしきクリアノの予想を上回る『なにか』をしでかしたり(起こる出来事が作中キャラにとっては予定調和です、じゃお大した話にならないでしょう)してほしい処。結局これは何をする話なのだろう?異世界行きました、屋台開きました、料理を作って色々なキャラに食べさせて、それから……落としどころをどこに設定するのか、よく定まっていない感じでした。そこをまずどうにかして、話として成立させてほしいところですね。
日常系漫画のように特に目標定めずほのぼのとした風景見せるのが目的なら、まあ現状でも問題はないんでしょうけど、一体どうしていくことやら。 -
購入済み
ゲンさん怒りの山籠もり
冒頭、かつてゲンさんを負傷させ、返り討ちにあい刑務所送りになった安藤(単行本第15巻登場)が刑期を終え出所する(なお6年前の出来事と言ていますが、エピソード自体は10年以上前。単行本の発刊が6年ほど前ではありますが……)。
ゲンさんへの逆恨みの念を募らせ、復讐を企てる安藤に対し、ゲンさんは周囲の人間を巻き込まないように山に一人籠り、安藤を迎え撃つことに。
爆薬ちょろまかして地雷とか作る辺りは某ラ○ボーを髣髴とさせます。
さて、そういったわけでまんまと安藤を誘き出したゲンさんは、しかし怒りのあまり必要以上に安藤を追い詰めようとする自分の在り様に気づいて戸惑い、その暗い想いを払拭するためにある策を実行することに。
ストレスに対し、いかに自分にブレーキをかけるか?そういったことを読者に問いかけてきたと思います。 -
購入済み
前途多難な異世界ダム建設誌
主人公は父親にダム建設を差し止められる。再開するには父親を納得させなければならないが、その手段すらも未だ見えない。
一先ず現地調査をすることになり、されどもモンスターらしきスケルトン(動く骸骨)に襲われたりと大変な目に合ったりする。
この異世界にもモンスターのようなファンタジー感のある脅威はあるようだ。
更に、政府組織内での縄張り争いなども明らかになり、また技術的な問題も発覚するなど、かなり前途多難な状況の中、事件は起こる。
果たしてどのような展開で第一話に繋がるのか?ますます謎が深まるが、それにしても今回登場した役人のイヤミなことよ。
奴にギャフンといわせたい。 -
購入済み
不協和音なタイトルの理由は?
凄いぶっとんだタイトルに引き寄せられて思わず読んでみました。
異世界物で剣と魔法、まあこれはよくある。科学、これも比較的見かける要素だろう。
勇気とは一体?剣と魔法と科学の調和した正三角形の関係を破壊するかのようにぶち込められた、勇気という異様な二文字。これは一体何を意味するのか?物凄く気になる。
内容としては、まずは紆余曲折あってようやく登場人物らがダムを建設、完成させた場面から物語は始まります。異世界に花開いたダムという未知、既存の価値観を破壊する混乱と災厄、そして希望の混ざり合ったカタルシス、これをまずは見せつけられて、そこに至るまでの筋書を想像させられる構成。
しかしだからこそ深まる混迷、勇気という言葉の意味するものとは?謎が尾を引いてページを捲らせる原動力となる。
渇望を引き起こす現象を誘発する。感情の濁流、しかしそれはこの奇妙なダム漫画に起因する事象、不安定かつ力強い躍動そのもの。
早く勇気の意味を知りたいです。 -
天嬢天華生徒会プリフェイズ
-
購入済み
購入済み首輪以外内容覚えてない
メインヒロインが普段から首輪付けてる変人で、更に人に一方的に物を送り付ける変人だということばかりが印象に残り、
話の大半を通じて明かされていく物語の本筋、語り部である「ぼく」に纏わる謎とその解明がさほど話の構築において効力を持たなかった。
主人公が常に外部の事態に巻き込まれ、他者から施しを与えられ、利用されてばかりで、自ら事態を動かすこと、他者に施しを与えて自らの事態に巻き込むというのがなく、舞台である天蓋学園と生徒会の設定を作中キャラから解説される、所詮驚き役以上のものが薄い。
特に物語途中にヒロインがシンボルである首輪を外される場面があるのだが、そこで主人公が見てるだけでなにもしなかった、できなかったのが悪印象。
首輪という印象的なアイテムに主人公が能動的に関わることでメインヒロインとの絆を深め、作中キャラ、読者双方の好感度ポイント稼ぐイベントに出来たと思うのだが、駄目なんだろうか?結局読んだ内容で首輪奇人ヒロインのことしか覚えてません。いや、正確には主人公が身元バレしたくなくて、とある事件にて話を逸らすために事件をでっち上げた不愉快さが残っています。序盤の怪盗事件の部分ですが、正直この部分と中盤以降のヒロインとそのライバルの対決部分の構成は衝突している。怪盗事件は尺短く感じるし、ライバル対決は巻中盤からのせいで展開、キャラ描写が急ぎ足。しかも両者に関連性が薄い。
どっちかを削ってもう一方をじっくり、或いは両方を強く絡めて一つの事態とし、特にメインヒロイン以外のキャラ描写に力を入れて頂きたかった。結局メインヒロインヒロインレース単独無双の描写しかほぼできてないし。
因みにメインヒロインのキャラ自体は好きです。首輪外しの件も主人公居なくても自己完結。いっそ無双ギャグものだったならよかったのだろうか。 -
-
購入済み
健康革命起こします
乙女ゲームの世界の悪役令嬢に転生したと思ったら病弱だった、という悲劇的なプロローグから始まる物語。
主人公の転生先の世界では健康に関する理解が低く、特に食事の栄養バランスに欠いていた。なので主人公自ら台所に立って料理したり、運動したりして健康な肉体を目指していきます。
主人公曰く悪役令嬢の悪事の原因は不健康が元凶とのことで、これまでの行い全部を不健康のせいにします。そして、婚約者とは仲違いしていましたが誤解が解けてあっさり優しくされます。とはいえこれまでの行いをなかったことにはできず、主人公は婚約破棄を申し出ますが、そのためには婚約者の祖母に許可をもらわねばならず、会いに行くことに。されども相手は何やら事情を抱えているようで?
健康という面からナーロッパ型異世界に切れ込みを入れた作品。現代知識と現地人の意識の差が笑いを生みます。 -
購入済み
78人のプリキュアのデザイン
2004年の初代『ふたりはプリキュア』から2023年の『ひろがるスカイ!プリキュア』までに登場する78人のプリキュアのコスチューム、ファッションを分析した本。
作品ごとだけでなく、イメージ色ごとに分別したり、ディテールごとに分別したりもしています。
キャラごとの細かいコンセプトや工夫、それに演じた声優の感想などもあり、解説が実に細やかなところまでなされています。
スタッフや関係者インタビューなどは過去に出版された資料などからの再録(15周年アニバーサリー)もありますが、新規のインタビュー記事も掲載。20周年を迎えたシリーズを振り返って、今に至り、そして更にこれからの展望も予感させる一冊でした。 -
購入済み
ローテクinミクロの決死圏
ネット通販を通じた芋の伝染病の発生。その謎を暴くために叶木率いる植物病理学研究室のメンバーは病原検査を開始する。
検査液一滴に拘り、被検体一個体触れるごとに手袋を嵌め変えるほどの一見変質的なまでの緻密な作業は、マクロの世界からミクロの世界への挑戦による。
たった一滴が検査結果を1パーセント変え、たった一組の交換の不徹底が検査結果を狂わせる繊細な職務は、人類の経験の積み重ねが到達した正攻法。
ちょっとしたトラブルで電源が喪失し、検査用電子機器が使用不能となってしまうが、知恵の機転と積み重なった知識が合わさって、ローテクな手段で状況を打開する。その結果、感染源を特定することに成功し、事件の犯人を追い詰めることができた。
今回の事件はとある者の無知による些細な失敗、それが大きな事態と発展し生じたものであった。無知は罪であり、知は空虚、英知持つものが英雄とは、ソクラテスの言葉を捩った作者不詳のネットミームですが、発展した情報のネットワークはされども真偽や賢愚を混濁させて予測不能のカオスな環境を人類に齎す。果たして社会の高度な情報化は人類を賢くしてくれるのか?ハイテクな時代だからこそ、些細な言葉一つの扱いさえも考証を重ねなければ悲劇を生むことに気を付けなければならない。 -
購入済み
自分の好きなものは無限リピート
師団披露でのお化け屋敷開催に向けて奔走する入間と魔具研と美術師団の面々。出来れば使いたかった怪画『ガルナ』が使用不可能になったものの、新入りのシルビアによる模写した贋作での代用案を受けて、再度ガルナの使用を検討し始める。その為に必要なのは仲間たちと『大事なヒト』たちの同意。シルビアの兄サブロを呼び出した入間は、シルビアの気持ちをサブロにぶつけさせることで、サブロの同意を得る。そして行われるシルビアによる模写。精神を蝕む『ガルナ』を前に、自らの欲と向かい合いながら自身の限界を振り絞り悪周期すらも乗り越える彼女の姿は、周囲にも影響を及ぼす。
そして完成した贋作を引っ提げて、入間たちは師団披露へと挑む。果たしてその結果は?
沢山の仲間に囲まれた入間が幸せそうで見ていてほっこりしました。 -
購入済み
次の戦場は荒野、騎兵超怖い
初陣から戻ったマスケットガールズ達は部隊を再編制することに。ユイナーの友人ロズをオブザーバーに、ハンナを中核とした砲兵隊を結成。
言葉巧みにハンナをかどわかしたユイナーはしかし、彼女の胸に秘められた自身への恋慕の情に気づくこともなく、互いの思いは掛け違う。
更に他にも一般隊員のレラや、上司のアルツァー閣下など、ユイナーに思いを寄せる女性陣に囲まれて、益々ラブコメ色が深まっていくが、リトレイユ公の次なる陰謀により、空気は一変シリアスなものに。
リトレイユ公の画策によって他国への侵攻を余儀なくされたマスケットガールズ達。しかしそれは失敗する確率の高い無謀な計画であり、敗退はほぼ確実。ユイナーはマスケットガールズ達の生存帰還を目的に、生への足掻きを始める。
綿密な準備ののち、空しくも実行された侵攻。マスケットガールズ達は敵の待ち構える荒野を進み往くが、遂に敵に補足されてしまい、更に友軍の失敗によって窮地に立たされることに。
果たしてユイナーとマスケットガールズ達は生き残れるのか?
甘い雰囲気から地獄の展開に持っていくのは鬼畜行為だと思いました。次の地獄が楽しみです(涙)。
-
購入済み
F-22は頂点なのか?
F-22を航空兵器の頂点に据え、そこから逆算して兵器開発を振り返り辿る作品。
下巻では戦略爆撃の問題点と、航空優勢確保の重要性と実現方法、そして、様々な過去の事象を反映して完成した航空兵器の頂点F-22の性能と、その有用性、性能の問題点に関して追及されていきます。
果たして本当にF-22は航空兵器の頂点といえるのか?或いはそう言えるし、だがしかし、されどもあれもまた、幾多の兵器と同じく、数多くの妥協の産物でしかない、といえるものなのである。
人類の空想と現実のギャップ、それこそがF-22という存在がこの世に誕生した理由ではないだろうか。
そしていつかは、F-22という存在も歴史上の存在でしかないものとなる日が来るのであるが、次の時代の航空兵器は、F-22からどのように発展していくのだろうか?その答えの断片がこの作品には振り分けられているのかもしれない。 -
技術戦としての第二次世界大戦
-
購入済み
-
-
購入済み
遅すぎた或いは早すぎた遅延戦術
2018年末の新型コロナウイルス感染流行の影響か、前巻から発行がかなり発表が遅れてしまった。
前半ではテロという混乱の中で正常な判断を揺さぶられた状態で、選択を選ばなければならない人々と選択を突き付ける者の対比が描かれ、
後半ではその善悪を問うこと、それ自体の正誤に関して物語が展開される。
情報というものが武器となる状況の中で、それを持つものに対しその危険性、性質を問い、その上で情報の発信者と受け手双方の熟慮、熟成を求める。
情報の速さは正誤とは関係なく、情報を受け取ってから判断は個々人に善悪という正誤が問われる。それ故に正義の判断、行動が全てのものに問われる。
されどもなるべく良い方向に結果が向かうように、時間の経過をとある人物が求める。
時の流れが情報の発信者と受け手の熟成を促すかは未知数であるが、それでもなお混乱から立ち直る時間を求めるとある人物の行動が、矛盾するような書き方ではあるが暗黒の星のごとく輝いて、灰色の暗闇を照らさんとしている。白か黒かでいうと黒だと自らを評しながらもなお、である。
伝染病の流行が社会に混乱を齎して久しいが、されどもこれは今後も人類の歴史に起こり続ける事象なのだ。故に、人類には情報処理の能力が問われる。この物語は人類に対する問題であり、もはや遅く或いはまだ早すぎる物語なのではなかろうか。 -
ネタバレ 購入済み
今月号の感想
・新連載:ネバーランドの白川さん(ことのは紬)
女子高生の白川は周囲から大人びたお嬢様として見られている。しかし本人は「大人」ぶることに必死な子供向け番組オタクであった。
その秘密を知るのは、趣味を共有する学友の男子生徒・立石のみであり、周囲に内緒の会合を繰り返す両者の関係は親睦を深め続ける。
しかしある日、二人が属する弓道部での部費の使用方法の方針で相違してしまったせいで、白川は気落ちしてしまう。
立石と顔を合わせづらくなる中、しかし立石は問題と感情に分別をつけ、白川と依然と変わらぬ親密さで接するのであった。
そんな優しい立石の存在が、白川を成長させていく……
他人に明かせぬ悩みを抱えながらも、運命的な出会いによってそれが解決していきそうな未来を予感させており、胸キュンものである。
・読み切り:はかないくんは儚げ(倉瀬しの)
とある女学生が隣の席の葉加内くんを観察すると、ノートにしりとりのらくがきをしていた。内緒で見ていたが思わずしりとりの出来に感嘆して声が出たので葉加内くんに気づかれ、彼は恥ずかしそうな顔をする。面白い葉加内くんにほっこりする。
・乾杯はブラックで(原作:星維ももか、作画:夏八木遊)
彼氏に振られた挙句他の女に寝取られた!から始まるジェットコースターラブストーリー。主人公の高野が彼氏に振られる場面から始まって、そこから更に色々な出来事が矢継ぎ早に起こって面白かった。ただ細かいところはあまり煮詰まってない、描写しきれてない気が(特にライバルの白川周りが)。高野と白川、二人とも秘密を抱えているんだけど、複雑な事情を話の中に納めきれてないのが残念。ただ、色々散りばった出来事が起承転模様を描き、最後のオチ、結末に繋がるよう流れたのは見事。書くべきテーマを描けているんじゃないだろうか。
・春を仰いで。(絢瀬もも子)
先生に恋した女子高生がだがしかし卒業を機に自身の気持ちに決着をつける話。儚くて切ない。
・愛の国(菊地ゆめ)
キャラクターデザインがデフォルメ調でかわいらしげ。描かれる感情表現もストレートで明快。読んでて朗らかな気持ちになった。
-
購入済み
異世界で漫画が生まれるまで
漫画雑誌編集者の主人公が漫画の概念のない異世界に召喚されて、そこで漫画を作る話。
前巻で漫画家の素質のある異世界現地人の少女、ニアを発見し、彼女に漫画を描かせてみることにした主人公。されども漫画の存在しなかった世界で漫画を完成させるためには、様々な困難が付きまとう。異世界人に受け入れられる物語のテーマを探したり、漫画を印刷するために必要な道具や、それを作るために素材。そして漫画家という職業を確立させるに際しての、人と人との軋轢……
モンスターを繰り出してまで主人公の行動を妨害してくるのは、偏屈な性格の王妃様。国王が主人公に一先ずの猶予を与えてくれたのを尻目に、そんなの知ったこっちゃないと言わんばかりに嫌がらせを繰り返し行ってきます。因みに人徳はあまりないのか、臣下の騎士団長である青年男子ガレットは王妃の漫画を読むなという命令より姫様の漫画を読めというご指示を優先しました。いいのか?(笑)。
王妃様は偏屈な性格していて主人公に嫌がらせしてくるから印象最悪ですが、娘の姫様のほうはおおらかで快活で、人当たりがよくて理解力もあるのでかなり好印象です。親子でこの差は一体……
あと親子といえば、ニアとその父親との間には確執があります。ニアは漫画家の素質があるのですが、父親のほうは偏屈な性格で娘の才能に全く関心がなく、漫画家を目指す娘に対しあたり散らかします。そんな父親と対立するニアは、父親へのわだかまりをばねに漫画家として生きる覚悟を強く決意します。果たしてニアは漫画家としてどこまで成長していくのか、今後の動向が気になることころです。 -
購入済み
溢れ出る性癖
話の内容の感想は一先ず先送りにして、とにかく女の子書きたいんだなあという作品。
主人公を異世界に召喚するのも女子、異世界で漫画家の素質があったのも女子、主人公を理解して立場を保護したり励ましてくれるのも女子、あと日本で担当してた漫画家も女子の、女子のオンパレード。
あとジジイ要素も何気に濃い。といっても今のところ国王とドワーフの職人の二人ですが、割と頼もしくて存在感があるジジイがいます。キャラクターについては善良で好感が持てるキャラが多くてストレスフリーなので、見ててストレス溜まる感じはないです。
話の内容に関しては、主人公が召喚時に一緒に持ち込んだのが移送中の漫画原稿だったのですが、ジャンルが大人の男女の不倫恋愛もので、成年向けのセクシーなもののようだったのですが、それを異世界に持ち込んで漫画を流行らせようというのは無理難題というか、後に主人公が異世界の漫画家の素質のある娘に書かせる漫画が少年漫画っぽいバトル漫画らしいので、アダルティな不倫漫画を参考に少年向けバトル漫画描かせるのはかなり無理のある飛躍な気がします。
ちょっとエッチな描写のある少年向けバトル漫画を持ち込むんじゃ駄目だったのでしょうか?或いは不倫漫画をもとにアダルト向けな18禁の漫画描かせるとかにできなかったのか。そのあたりの話の流れを見ていると、なんだか序盤は話の方向性定まってなくて、途中から書きたい方向が決まったような印象があります。まあ異世界人に漫画描かせるようになってからは、作品の太いテーマが定まった感じが出てきて面白いと思います。
今回は次巻に向けて前途多難な感じで終わります。 -
購入済み
お取り寄せ王女木場津つばき
社会人新入生のOLみやこは、先輩で上司OLのつばきに憧れ、彼女のかっこよさの秘訣を探るべくつばきの仕事ぶりを観察しようとつばきのパソコン画面を覗く。しかしそこに映っていたのは仕事の資料ではなく私的なお取り寄せのホームページ画面であった。迂闊にもみやこにお取り寄せ趣味を知られてしまったつばきはしかし、趣味を知ってなおつばきに親しみを抱くみやこと、仕事の上下関係を超えて私的な親睦を深めることに。それから始まるのは二人の同居生活!職場では上司と部下、家では同居人という二足の草鞋生活を始めた彼女たち二人の共通の趣味として、お取り寄せの世界の深みにはまり込んでいくのであった。
のほほんとした性格のつばきと、明るく元気一杯のみやこの掛け合いで、作風は全体的にほのぼのとしており、読後はほっこりと穏やかな気持ちになりました。 -
鉄血の海兵令嬢2
-
購入済み
購入済み異世界版特攻野郎Aチーム
前巻では映画フルメタルジャケットのように、貴族の令嬢が強靭な海兵隊員の戦士になる過程が描写されたが、今巻ではそこから変化して特攻野郎Aチームのように、一癖も二癖もある戦士たちの愉快な戦いと日常の様子が描かれていく。
前巻に引き続いて自身と仲間の身の安全を脅かす敵、悪を打倒していく令嬢と従者とその仲間たち。しかし戦いだけでは人は生活していけないので、戦士としての職務以外にも仕事を増やしてみることに。仕事を探しにとある商人の元に赴いてみると、彼は人生に疲れ果てて店仕舞いを考えていた。しかし海兵隊員らの活気にあてられて気合を入れ直した商人は、海兵隊らと共に事業を起こすことに。そんな海兵隊と商人を邪魔すべく、敵は活動を始めるが、先手を取って軍事行動を取った海兵隊によって撃退される。
その後海兵隊は、味方を増やすために令嬢の母親の務める国境の砦まで赴くが、そこに他国から侵攻をかけてきた侵略部隊が襲い掛かる。現代地球の技術の粋を集めた強力な兵器を駆使する海兵隊の戦闘力によって、他国の侵攻を失敗させた上敵将をもとらえることに成功し、国内だけでなく他国との交流の伝手、人脈まで手に入れる。
様々な戦いを経て心の距離を縮めていく令嬢と従者の恋愛模様が、物語に花を添えている。 -
-
鉄血の海兵令嬢
-
購入済み
購入済み異世界版フルメタルジャケット
異世界悪役令嬢ものに映画フルメタルジャケットの要素をぶちこんだ感じの作品。
とある異世界の国にて貴族の令嬢が濡れ衣を着せられ侮辱された瞬間、従者に地球の米海兵隊員の魂が憑依する。受け継がれた海兵隊員としての戦闘力で敵に囲まれた令嬢を救出し、その後従者は令嬢に対して海兵隊式の練兵訓練法を受けさせ鍛え上げる。全ては彼女を陥れた敵を打倒し、彼女と自分が生き残るためである。
過酷な訓練を経て強靭な戦士となった令嬢は、従者と共に国を蝕む巨悪との戦いに身を投じていく。
貴族としての品格を磨かれた弱弱しい令嬢が、米海兵隊式の訓練を経て心身ともにタフな戦士に変貌する様子はコミカルである。
現代の地球の海兵隊員として活動するために必要な、銃などの装備全般は従者の特殊能力で用意されるが、異世界の文明基準からは数百年ほど先行した技術の産物なので現地の人員に対しては性能差で優位に立ち、蹂躙できる。令嬢や従者が敵を圧倒的な力の差で蹂躙する様が爽快。
また中盤からは武器のみでなく海兵隊員そのものも地球から召喚可能となり、仲間が増えて行動の幅も増えていく。
頼りになる仲間を手に入れた令嬢の戦いはまだまだ続くようだ。 -
-
購入済み
走れ高速の帝国女子戦列歩兵隊
近世ドラゴン桜に浪漫の嵐!絶対王政が頂点を極めし異世界にて、華の乙女達が戦場に駆け参じる痛快浪漫譚。
舞台となる世界は大体17世紀頃のヨーロッパ・オリエント世界を基準としており、魔法や異能の類は転生者でチート持ちの主人公のもの以外には皆無。必然科学技術が文明を支えており、戦争においては銃と大砲、あと刀剣類が主力武器となっている。
そんな異世界で女性兵士たちを鍛えるために、主人公ユイナーはあれこれ試行錯誤するが、彼は前世は21世紀頃の日本であり、異世界に先んじた現代地球世界の知識で問題の解決を図っていく。
職務の実力が高いのみならず、異世界の粗暴な男たちよりもよほど紳士的な現代人的性格をした彼は、異世界の女性兵士たちから惚れられまくっていくのだが、未だ異世界に馴染みきっていないユイナーは、そんな彼女たちの恋慕に鈍感さを発揮し、戸惑っていく。
そんなことを経ながらも、まだ世間からの評価が低い女性兵士たちの地位向上を目指して、彼の努力が続いていく。
現代知識無双と現代民度無双が面白い作品。 -
購入済み
全員纏めてかかってこいや!
前巻に引き続き学生同士の模擬戦イベント。周囲からの期待の低い主人公チームは野次馬にかなり詰られ罵声を浴びせられます。
この作品の学生はかなり好き勝手やってますが、指導する大人の教員とか全然影も形も見せなくて笑える。この世界の人類の民度は余り高くないようです。
能力発動時の台詞がブリーチっぽくてオサレですね。でもあっちの作品にあった鬼道(魔法的なもの)にあたるものがほぼなく、主人公しか使わないのが残念です。オサレな呪文使われる場面とか見てみたい気がしてきます。
模擬戦のルール上他のチームと同盟組むのがありですが、主人公チームは油断していたせいで複数チームの同時攻撃により被害を被ります。
戦闘前にそこに気付いて警戒しない辺り、主人公チームのメンツはあまり賢くないようです。さて、都合よく主人公チームと同盟を組みにきたチームが登場しますが、コミカルな性質のキャラクターが多くて好感が持てました。
戦闘が割とサクサクと進みます。テンポは悪くないかな。ただ主人公が案外負けず嫌いで短気な性分で気がかりです。被害を被ってから短絡的にやる気出すのは余りクールではないかな。というかコミュ症気味な性格はもう治ったのだろうか?そろそろ他人との付き合い方が分からず、唐突なギャグで場を和まそうとするコミカルさを思い出して頂きたいですが。 -
購入済み
王子を翻弄する3人
作品のタイトルは、王子を翻弄する3人の名である。王子の婚約者であるリーゼロッテ、そして異世界の神になってしまった実況の遠藤君と解説の小林さん。この3人に翻弄されて悶える王子の姿が描かれていく。
ある日突如天の神の声(王子の視点で)が聞こえるようになった王子は、神の声の導きで人付き合いの不器用な婚約者リーゼロッテの誠実な本心を知る。誤解の解けた王子はリーゼロッテとの関係を縮め、彼女と親密になろうと奔走し始める。
一方ゲームに自分たちの声を届けられるようになった遠藤君と小林さんは現代日本の高校生。理由は分からないなりにゲームのシナリオを本来のものから変えていくために言葉で王子を補助していく。
本来のゲームでは非プレイアブルキャラクターであった王子を操作していくことで、物語の筋書きを変えていく過程が面白く描かれており、悲劇の逆逆転というカタルシスがある。 -
購入済み
欲望こそ人を強くする
一人の少年に恋する女性たちの騒動を描いた作品。
装備したものが他者の好意を受けるほどに強大さを増す好き好きだいちゅきつよつよソード。
少年剣士エトロン君はウラニャ王女からその剣を授かりますが、その理由はウラニャ王女が彼に恋慕しているから。
剣を通じて自身の恋心をエトロン君にわからせたいウラニャ王女でしたが、純情で誠実なエトロン君はウラニャ王女の思いに気付いてくれません。自身の恋心を博愛の精神と受け止められたウラニャ王女は、それでも様々な手を尽くして彼の心を射止めようと画策していきます。
彼に近づく女性の影あれば邪魔したり、冒険についていこうとしたり、目的のためなら強引に動こうとする彼女の姿がコミカルで面白いです。 -
購入済み
ファンタジーでも菓子作りは科学
お菓子作り初心者のエルフちゃんがお菓子作りの得意な女子高生のところに行ってお菓子作りについて学ぶ学習漫画。
エルフちゃんのいる世界は魔法とかあるファンタジーな異世界ですが、お菓子作りまでは魔法で簡単にとはいかず、四苦八苦しています。
ですがひょんなことから不思議な泉を通じて現代日本まで転移して、偶然出会った女子高生ちゃんのもとでお菓子作りを学んで、成長します。
一方の女子高生ちゃんも、自身のお菓子作り技術の成長のためにトライ&エラーを積んでいくため、エルフちゃんを試食係として育て上げていく気になって、こうしてお互いの利害が一致した奇妙なコンビが誕生したのでした。
お菓子作りを通じて皆が幸せになる過程を描いた作品。 -
購入済み
ガレキとは瓦礫ではない!
ガレキというタイトルだが瓦礫のことではなくガレージキットの略称である。だが女子高生は言葉を略することが好きなのでガレージキットはガレキになるのだ。
女子高生とガレージキットというのは現代日本では中々結び付きにくいだろうが、だからこそその世界にのめり込む造形乙女たちはその存在が尊く、美しい。例え顔がガスマスクで被われていようとも、瞳は輝いているのだ。
さて、この作品は基本真白という女子高生の目線で見た世界を描き出している。彼女はガレージキットに関してほぼ無知であり、真っ白なキャンバスのような初心者の目線でガレージキットというマニアックな世界にのめり込んでいく。かといってそれは初心者のみを共感させるということのみならず、彼女の目線から見たガレージキットづくりの奥深さをも映し出して、経験者の共感をも喚起させるのではないか。
ガレージキットの世界のことを追体験する気なら読むべし。 -
購入済み
原作と異なるオリジナル展開
今巻からは原作の設定から膨らませたオリジナル展開が開始。原作ではさらっと流された学園の各部隊の事細かな設定や所属員、訓練内容の詳細が明らかに。
それに関連して追加された新キャラのレガシーは、訓練内容はナルト、ネーミングセンスはブリーチと、往年の週刊少年ジャンプの作品を想起させる性質に感じる。最近の作品で言うと鬼滅の刃とか呪術廻戦とかに例えられるだろう。しかしそれら近年の流行作に比べると特徴的要素、癖が薄いと感じる。台詞回しやコマ割、擬音や演出があまり手慣れていない様子。
あと主人公のキャラが薄くなった。前巻でコミュニケーションのために唐突にギャグやってたようなひょうきんさが消えて、性格が内向的でつまらなくなった。オリジナル描写を増やした反動でキャラがぶれたと感じる。一貫性のあるキャラ描写を望む。 -
剣帝学院の魔眼賢者2
-
購入済み
購入済み運命の輪(リンネ)を解き放て
魔王という人類の敵と化したかつての師であるリンネを、全て撃破し世界に平和を齎すことを魔王の内の一人と約束として交わしたラグ。そんな彼は魔王を撃破したことで国の英雄へと祭り上げられる。どこか胡散臭い雰囲気を漂わせる国の長剣帝から、魔王討伐の使命を与えられる。
学院でできた仲間たちと共に魔王殲滅に向かい、見事全ての魔王を打倒すことに成功するものの、そこで発覚する剣帝の正体とリンネ(未来)の謎の事実は意外なものであった。世界を救う賢者として、ラグの孤独な戦いが始まる。
前巻で武功を示したことでリンネ(未来)の興味を引き、彼女に接近され始めたラグ。ラグの過去での師であり初恋の相手であるリンネに似たリンネ(未来)が作品の根幹に関わる謎を秘めているらしきことは前巻でも主張されていましたが、今巻では改めて彼女の謎が掘り下げられることになります。結果としては彼女は過去のリンネと関係のある人物であり、ラグは自身にとって重要な存在と化した彼女に夢中になります。そのせいで他のヒロインが賑やかし役と化し、前巻よりは各自の事情に関して掘り下げられたりもしたものの、それでも物語の本筋上大した役割もないので今一影が薄いです。一応クラウには救済措置として、ラグを励まして彼の気を引くことに成功する描写があるものの、それ以上の仕事、役割を何か与えられて欲しかったところです。ラグが魔術で何でもできる反面、それを理由に彼を孤独な状況に置いてしまう物語の構造は正直、他の名有りキャラクターの見せ場を作ってくれなくて辛いところ。少し掘り下げられると更に奥底が気になるのが人間の性なのだから、もっとキャラを掘り下げても良い気がする。いっそ一度ラグが全く出てこない他の名有りキャラだけしか出ない話とか書いてくれないだろうか? -
-
剣帝学院の魔眼賢者 【電子特典付き】
-
購入済み
購入済み時間を超えて少年は剣士になる
昔とあるロールプレイングゲームにて、悲しみの涙を剣に変えた少年が時間を超える~やらなんやらいうキャッチコピーが付けられていましたが、この作品では滅亡に向かう世界を救う使命を与えられた少年が、不思議な魔術の力で未来へと送られ、世界を救うために奔走する物語が描かれます。
今作の舞台は1000年に一度、邪神という存在によって世界規模での災厄に見舞われるという世界です。世界は災厄に見舞われるたびに賢者と呼ばれる存在が世界を救う使命を全うして存続されてきました。そして3度目の邪神の災厄の時、歴史上3人目の賢者であるリンネという女性が、己の弟子であるラグという少年を自身に次ぐ4人目の賢者に任命し、彼を1000年後に再び起こるであろう邪神の災厄に対処させるために、この世界特有の魔術の力でラグを未来へと送り出します。未来に送られたラグは、魔術を含めた過去の事象や記録が、人々の記憶から消えて久しくなったらしい時代で、自身の居ない990年間の出来事に関して調べることと並行させつつ、世界の人々を救う賢者としての使命を全うすることにします。果たして彼に待ち受ける未来とは?と、あらすじは大体そのようになっておりますが、話の醍醐味としては、ラグが万能の力を与えられたが故に大概の問題をあっという間に解決するおかげで文章の記述が短く内容がすらすらと頭に入ってくることで、問題点としては話の方向性が纏まっておらず行き当たりばったりな様相を描いてしまっていることでしょう。
ラグの目的は賢者として人々を救うことと、失われた過去の歴史を探っていくことですが、道中に不要なキャラクターや話が多く中々本題が進んでくれません。例えばラグが未来世界で初めて出会う未来人のクラウですが、彼女はラグの過去や世界の根幹とはあまり関係のない人物です。クラウはラグに未来の世界についての様々な知識を教えてくれるアドバイザー役ですが、役割としてはそれだけで、中盤あたりに登場するリンネ(未来)というキャラのほうが世界の過去や世界自体の根幹との関連性を匂わせる要素を持っています。正直クラウの性質や要素、役割をリンネに全部纏めてしまったほうが、話の本筋である世界の根幹に迫ることにスムーズに入れたのではないでしょうか。あと学院に所属してもそれが話の本筋と全く関りがないのも味気ない。学院と学生の要素を世界の謎と結びつけて欲しかった。 -
-
購入済み
死神のお供、脇役が主役の物語
日本の漫画世界における殺し屋キャラクターの最高峰として知られるゴルゴ13氏。彼は単独でも万能に近い能力を持っており、一見すると孤高の存在に見えがちですが、実際のところ彼の職業のプロフェッショナルとしての資質は自己完結性ではなく人を使う点も含めてのそれであり、達人の達人たる所以は自分以外の達人を見極め仕事を委託できることにあるのだという、義理人情や仁義の領域での高潔さから生じる感動、その点にあるのである。
ゴルゴ13は銃器職人デイブを重用している。それは友情に基づくものではなく、自律した個人と個人が役割を分担することで集団が成り立つ分業社会を形成することがゴルゴ13にとって利益を生むからである。ゴルゴ13は銃を扱うことには長けているが、その部品を作るのは銃器職人であり、それなしにはゴルゴ13はゴルゴ13足りえないのである。それは、銃の生産者が人類の社会に銃を扱う者、軍人や暗殺者、或いはその他諸々の人種を生み出し続けていることと不可分でもない。
さて、今回のデイブの仕事はまたしても銃の改造と銃弾の制作である。それは彼が銃器職人だからそうするのであり、アイデンティティであるからだ。顧客は様々でいつものゴルゴ13以外にもデイブの知り合いや、ひょんなことから彼を訪ねてきた復讐者、或いは新しい銃を作るために意見を求めてきた企業の人間など、兎に角銃を必要とする者たちである。デイブは時に彼個人の情念を交えながら、銃と銃弾を仕上げて物語を完結させる促進剤を提供していく。彼は事態を発生させ動かす主体的な存在ではなく、既にある事態を解決するために動く受動的な存在である。挑戦者と言ってもよい。そんな挑戦者がある事態に向き合って解決へと導いていくさまが、人間の情動を刺激する。素晴らしい物語を生み出す。
ゴルゴ13の世界を補完し、より深い魅力を付与した今作は素晴らし外伝作品であるといえよう。 -
購入済み
異郷人発のノスタルジー
日本大好きなイタリア人の著者マッシミリアーノ・スガイさんが、日本で出会った様々な美味しいグルメに関わるお話を連ねていく本。
取り上げられた食べ物の種類は広範に渡り、コンビニのお菓子やチェーン店のごはん、町の料理屋のお話などもあり、そのどれもから著者の好感、日本とそのグルメに対するノスタルジーを感じられる。
日本とイタリアは違う国ですが、通じるところもあるとする著者の論はグローバル社会における狭い地球観、友情で結ばれた国家と民族の交流を表現している。
なお著者が甘い食べ物が好きなのでお菓子の話が割と多い。 -
購入済み
謎が謎を呼ぶ超感覚活SF劇譚
アクション漫画の巨匠皆川亮二先生の新作は、傭兵になりたての新兵と、生まれながらの兵器である改造軍用犬とがタッグを組んで織り成すSFアクション活劇。
ひょんなことから戦争で荒廃した世界にて傭兵を始めることとしたショウが戦場で目にしたのは、人間の兵隊よりも強力な改造された犬兵士ヘルの姿でありました。瞬く間に味方を倒されて孤立したショウは、一目散に逃げだし地下を駆けずり回るものの、敵の軍用犬は無慈悲に彼を追跡し続けます。
そんな絶体絶命の危機に置かれたショウですが、犬兵士に追いつかれてついにここまでというところで彼は、突如奇妙な事象に巻き込まれて見知らぬ世界へと転移してしまいます。
戦争で荒廃した元の世界とは全く違いとても平和な様子の新世界に戸惑いながら彷徨うショウの前に、突如彼を追ってきた謎の敵が現れ、またしても危機に陥るショウ。しかしその危機を退け彼の命を救ったのは、なんと敵であるはずの軍用犬。実は犬もショウと動揺元居た世界から転移してきて困惑していたのである。辛くも敵を退けた両者は、対立関係を一旦置いてこの世界で生き延びるため、そして元居た世界に帰るために協力することになった。
犬と人間、かみ合わない両者の関係は、謎の敵との戦いの中でどのような結末を辿っていくのか?奇妙な活劇譚が今ここに始まったのである。
この作品の肝は、気が抜けて楽天的なおバカ人間のショウと、プライドが高いが故に平和な世界に馴染めない犬ヘルの、漫才めいた掛け合いの日常編のギャグと、それとは打って変わるバトルパートでのシリアスなコンビネーションでしょう。ショウとヘルは新世界に来るときにお互いの要素が混ざっており、ショウは犬であるヘルの戦闘力と言語理解を、大してヘルのほうは人間の何か―恐らく知性なり情緒なり―を少しだけ獲得しており、互いが互いの意思を理解することが可能となっています。そのおかげで、まだ出会ったばかりで、しかも敵対関係から始まった二人の関係が、そこから大きく変化していく気配を見せており、一体どのような結末に向かって行くのかが気になるように構成されています。
これまでいくつもの感動的な物語を紡いできた皆川先生が、果たしてショウとヘルのコンビにどのような未来を用意するのか、実に楽しみです。 -
購入済み
因縁は国境を跨いで
傭兵代理店シリーズにおいて敵役として序盤から長く、そして多く登場してきたロシア。今回はそのロシアに関わる幾つかの事件を傭兵の藤堂浩志らリベンジャーズが解決していきます。
最初の事件はアフガニスタンで発生。前回邦人救出にて命を落とした浩志の友人一色二等陸佐は、その遺骸を故郷日本に持ち帰られることなくアフガニスタンの地に葬られましたが、今回その遺骸を回収するために浩志らは再度アフガニスタンへと足を運びます。しかし現地にてちょっとしたトラブルが発生し、浩志らは失われた一色の遺骸を捜索することに。その結末は拍子抜けするほどあっけないので、虚しさが際立ちました。
さて、一色の死を振り返る浩志らは、彼の死が単なる事故ではなくロシアの暗部である傭兵集団ワグネルが関与しているのではないかという疑念を抱き、現場にいた不審なロシア人を探して異国ウクライナまで足を運びます。そこでは開戦に備えて暗躍するワグネルが待ち受けていました。一色の死の真相を解明するのと同時に、ロシアの蛮行を阻止するべく浩志らは奔走し、幾つかのテロを未然に防ぐことに成功します。しかし、それでも開戦を止めることは敵わずウクライナはロシアの進行を受け始めます。国家という巨大な組織を相手に、流石の世界最高峰クラスの傭兵とてその動きを独力で食い止めることは難しかったといったところでしょう。
さて、混迷を極めていくウクライナを敢えて抜け出して、浩志らが向かったのはウクライナから遠く離れたアフリカのマリ共和国。近年ロシアと親密化している同国では、テロ対策に伴い罪もない市民が巻き添えを食らい被害を受けていました。この地でもワグネルの影があることを突き止めた浩志らは、ここを決戦の地としてアフガニスタン以降続くワグネルとの因縁を断ち切るため奔走します。
義憤に満ちた浩志らの進撃は見事ワグネルを撃退し、一色の無念の死の仇を撃つことに成功します。
前回舞台となったアフガニスタンでのタリバンクーデターもそうですが、ウクライナ、マリ共和国と、ロシアは国境を跨いで様々な地で陰謀の網を張り巡らせているのだと今シリーズでは訓示しています。それを作劇で繋げて一つの巨大な陰謀、即ち大ロシア主義的なロシアの国家戦略を浮き彫りにし、そしてそれに立ち向かう浩志らリベンジャーズの傭兵の姿は本当に毎回カッコいいです。 -
購入済み
今回もげにほのぼのであつた
以前いとこの晃くんと出会ったスイは、晃くんと八京の相性について疑問を持ちながら、八京の本心を知り得ず一人胸のもやもやを抱え込みます。実家と距離を置くスイですが、いつか家族と向き合える時が来るのでしょうか?と、そんな切ない話題を交えつつも、一人一人がアクの強いキャラをしたろくほうどうの4人の青年たちは、今日も今日とて相続を斜め上に働かせながら、面白おかしい日常を送っています。
ほかはかの暖かい上着を買って苦手な寒さを乗り切ろうとしながらも、温かい食べ物を口にする時はつい抜いでしまう繊細な椿くんや、テレビドラマの影響で人生相談を始めるぐれ、家中に忍びこんだ謎の侵入者を追うときたかは侵入者の意外な正体を突き止め、そしてスイは椿くんと角崎さんのお店まで赴いて世間話に花を咲かせます。
また、千利くんたちまりのごはん組も、DIYや縫製でほのぼのとした休日を過ごす様子を見せ、読んでいて和やかな気持ちになりました。
そんなこんなで話が進むも、終盤、ついに八京と晃くんが対面し、少し緊張した空気が流れ始めます。果たして八京と晃くんは仲睦まじくなれるのか?不穏さが残りながら今回はそこで終了です。
続きは一体どんな展開になるのか、次巻が気になります。 -
購入済み
小さな女の子の摩訶不思議譚
小さな女の子あか、あかの先生のどか、そして謎の巨大黒猫くろちゃが、おのぼり町で過ごす不思議だらけの日々を描いたハートフルストーリー。
喫茶店を営む祖父のジーノと過ごすあかは、桜の咲き誇るある晴れの日に、謎の巨大な黒猫くろちゃと出会います。動物ながらも賢さを備えているらしきくろちゃは、幼いあかの遊び相手になりつつも、時折守護する素振りを見せる善良な存在でした。
そんなあかとくろちゃに付き添うのは、あかの先生としておのぼり町に派遣されてきたのどか。あかを成長させるために、のどかはあかを遊びと冒険に誘います。
舞台のおのぼり町は、断崖絶壁に築かれた危険な場所でありながらも、巨大な乃蓮によって平穏を維持され、人々が生活している生活空間となっており、幼いあかもまた危険と隣り合わせながらも彼女を守護する様々な人々や掟と関わることで生きる住民なのです。
さて、おのぼり町は不思議な事象が沢山ある超現実的な舞台であり、本作独自の設定が緻密に盛り込まれています。そして読者はあかと一緒にこの不思議なおのぼり町を冒険する仲間になれます。日々の現実を生きる我々現実世界の人間を、あかやくろちゃは幻想の世界へと誘い、空想の刺激を与えてくれるのです。
作者の天野こずえ先生が得意とする、漫画による人々へのリラクゼーションは、本作でも健在です。体から余分な力を抜いて癒されましょう。 -
ネタバレ 購入済み
バイカーの服飾は選択肢が少ない
今回のばくおん!は雨天にハロウィン、麻雀、それと四国巡りまでの道のりと爆破解体。
雨の日のバイク運転は、自動車とも徒歩とも違って高速の雨風に晒されるため大変。しかもバイカーが使える雨具は河合羽一つであり、なおさら大変というもの。そのためいつものメンバーもバイクから降りてしまいます(羽音除く)。雨の日でもバイクに拘り続ける羽音はもう立派なバイクキチ。
ハロウィン回でも、バイカーの出来る仮装は革ジャンにサングラスという只のバイカーの格好ぐらいしかないため、お化けの格好に拘ったクラスの女子たちの中で浮くことに。更にここでも羽音が立派なバイクキチっぷりを発揮し、クラスの女子から飽きられてしまいます。
何故か突然始まった麻雀回では、麻雀ダジャレ縛りという複雑なルールが展開。麻雀をする女子高生が出てきますが、この作品はS〇KIではありません。
四国までの道のりでは、校長ことたづ子と羽音の交流が描かれます。なんならたづ子が教職者になった経緯も描かれますが、そこはばくおん、たづ子の過去語りは一筋縄ではなく、考えるよりも感じなければ理解不能です。
そして四国を目指すツーリングの過程、兵庫県で羽音は運命の出会いを果たします。世の中の変な建築物トマソンの通にはよく知られているであろうかの有名な世界平和観音像を間近に謁見し、その巨大な荘厳さに圧倒された羽音は、彼女?とテレパシー交信(ばくおんにはよくあること)で世界の平和を祈ります。ところがその直後に某解体屋(こわしや)そっくりの爆破解体技師に、世界平和観音像は爆破解体されてしまうのでした。奇しくも元ネタの某解体屋漫画の方でも、世界平和観音像をモチーフにした回を近年描いており、世界平和観音像という特異な建築物が備え持つ独自の魅力、芸術性は、時空間を超えて人々の創造性をかき立てるのだと証明されたかのようです。