あらすじ
私たちの未来をつくり出す科学者の物語
「植物病理学を忠実に描いている
驚くべきサスペンス作品!
大学の講義で副教材的に使ってます!」
東京農業大学・植物病理学研究室
篠原弘亮教授、推薦!!
農家を襲った病。
作物をすべて廃棄するしかなかった悲劇に対し、
叶木はいかに知恵を絞るのか!?
そして、
ここで明かされる叶木の衝撃の過去とは…
感情タグBEST3
ローテクinミクロの決死圏
ネット通販を通じた芋の伝染病の発生。その謎を暴くために叶木率いる植物病理学研究室のメンバーは病原検査を開始する。
検査液一滴に拘り、被検体一個体触れるごとに手袋を嵌め変えるほどの一見変質的なまでの緻密な作業は、マクロの世界からミクロの世界への挑戦による。
たった一滴が検査結果を1パーセント変え、たった一組の交換の不徹底が検査結果を狂わせる繊細な職務は、人類の経験の積み重ねが到達した正攻法。
ちょっとしたトラブルで電源が喪失し、検査用電子機器が使用不能となってしまうが、知恵の機転と積み重なった知識が合わさって、ローテクな手段で状況を打開する。その結果、感染源を特定することに成功し、事件の犯人を追い詰めることができた。
今回の事件はとある者の無知による些細な失敗、それが大きな事態と発展し生じたものであった。無知は罪であり、知は空虚、英知持つものが英雄とは、ソクラテスの言葉を捩った作者不詳のネットミームですが、発展した情報のネットワークはされども真偽や賢愚を混濁させて予測不能のカオスな環境を人類に齎す。果たして社会の高度な情報化は人類を賢くしてくれるのか?ハイテクな時代だからこそ、些細な言葉一つの扱いさえも考証を重ねなければ悲劇を生むことに気を付けなければならない。