【感想・ネタバレ】剣帝学院の魔眼賢者 【電子特典付き】のレビュー

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時間を超えて少年は剣士になる

2023年01月19日

昔とあるロールプレイングゲームにて、悲しみの涙を剣に変えた少年が時間を超える~やらなんやらいうキャッチコピーが付けられていましたが、この作品では滅亡に向かう世界を救う使命を与えられた少年が、不思議な魔術の力で未来へと送られ、世界を救うために奔走する物語が描かれます。
今作の舞台は1000年に一度、...続きを読む邪神という存在によって世界規模での災厄に見舞われるという世界です。世界は災厄に見舞われるたびに賢者と呼ばれる存在が世界を救う使命を全うして存続されてきました。そして3度目の邪神の災厄の時、歴史上3人目の賢者であるリンネという女性が、己の弟子であるラグという少年を自身に次ぐ4人目の賢者に任命し、彼を1000年後に再び起こるであろう邪神の災厄に対処させるために、この世界特有の魔術の力でラグを未来へと送り出します。未来に送られたラグは、魔術を含めた過去の事象や記録が、人々の記憶から消えて久しくなったらしい時代で、自身の居ない990年間の出来事に関して調べることと並行させつつ、世界の人々を救う賢者としての使命を全うすることにします。果たして彼に待ち受ける未来とは?と、あらすじは大体そのようになっておりますが、話の醍醐味としては、ラグが万能の力を与えられたが故に大概の問題をあっという間に解決するおかげで文章の記述が短く内容がすらすらと頭に入ってくることで、問題点としては話の方向性が纏まっておらず行き当たりばったりな様相を描いてしまっていることでしょう。
ラグの目的は賢者として人々を救うことと、失われた過去の歴史を探っていくことですが、道中に不要なキャラクターや話が多く中々本題が進んでくれません。例えばラグが未来世界で初めて出会う未来人のクラウですが、彼女はラグの過去や世界の根幹とはあまり関係のない人物です。クラウはラグに未来の世界についての様々な知識を教えてくれるアドバイザー役ですが、役割としてはそれだけで、中盤あたりに登場するリンネ(未来)というキャラのほうが世界の過去や世界自体の根幹との関連性を匂わせる要素を持っています。正直クラウの性質や要素、役割をリンネに全部纏めてしまったほうが、話の本筋である世界の根幹に迫ることにスムーズに入れたのではないでしょうか。あと学院に所属してもそれが話の本筋と全く関りがないのも味気ない。学院と学生の要素を世界の謎と結びつけて欲しかった。

#切ない #深い #シュール

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