名称未設定さんのレビュー一覧

初期の小熊は独立独歩、孤高という感じでなかなか魅力的だったのだが、バイク乗りとして「成長」していくにつれて、他者を見下しがちな鼻持ちならない人間になっていった（というか作者のそういう性向が作品に漏れ出すようになっていった）ように感じる。

劇中劇は少々引っ張り過ぎな気がするが、愛の努力でどうにか切り抜け、それがきっかけで愛がさらさとトップコンビになることを目指す、という展開は良かったと思う。

時折ユーモアや和める描写を挟みつつも、自らの信念や生き様、大切に思うもののために命を懸けて戦う者達の描写が美しい。

「天守閣激闘編」、力が入っているのは分るし面白いのも確かなんだけど、正直「このバトルいる？」と思ってしまう。オルバルトのキャラがうざいだけになおさら。
もっと本筋に頁を割いてほしい。

久しぶりに爆笑できるネタが多かった。とくにコウイチ君二号はオチも含めて最高だった。
そして青空と香純の今後が気になる。

悪くはないしこれがデビュー作だということを考えれば立派なものだとは思うのだが、手放しで称賛できるほどのものでもないという印象。
特にギャグ的な会話文がいまいち面白くないのが残念。

アクションもラブコメもエロコメも本作品の平均以上のクオリティだったと思う。
ニノ曲先輩が祭里相手に狼狽している様子が楽しい。

労作と言おうか力業と言おうか、広範な資料および史料から日々の生活に関わる部分を抜き出して並べるのは大変だったろうと推察される。
単なる雑知識の寄せ集めになりかねないところ、２４時間を描くという形にしたことで読みやすくなっている。

何か一つ話が進むとそれに１０倍２０倍する分量で退屈で後ろ向きで似たような内容の恭也のモノローグが延々と続くのでうんざりする。
ラストは作者的には衝撃展開のつもりなのかもしれないが、読んでいる側としては「ふーん。まあどうでもいいけど」という感じ。

前巻最後の展開を引き継いで緊張感のある状態を保ちつつ、奇策で一気に解決するのではなく論理的に着実に物語を進めていく手際が見事。
ちょいちょい出てきた重要そうな伏線が今後どう活かされるのかも楽しみ。

死せるエイティシックスの亡霊たちが自分たちを迫害した共和国市民に復讐する、というコアのアイデアは面白い。だがいかんせんそこに至るまでの過程が長くて退屈。

あとがきにもあるがこの作品でどういうことをやりたいのかはっきりしない。
学園ラブコメ（百合コメ）としては全然つまらないし、アクションや謀略サスペンスとしては物足りない。

ガッツに仄かな恋心を抱き、半ば自分の気持に気づきつつ、半ば認めがらないシールケが可愛い。
あとはまあいつも通り。

前巻から既に兆候はあったが、説明的文章が増えて流れが悪くなってきている感じがする。
１巻の時点でラブコメとしての物語はある意味完結してしまっているので、続けるのが難しいのは分るけど。

仲の良い女の子同士のにぎやかな感じがとても生き生きと描かれている。
脇キャラの出番が多かったぶん、絢はいまいち存在感が薄かった感じ。

場の空気を読むということについて、鞠佳と西田が似て非なる、そして非でありつつもやはり似ているスタンスを持っていて、最終的に和解に至る過程が面白かった。

よくできた物語というのはアップダウンが巧妙に作られているわけだが、この作品の場合その上がり下がりの幅が常に一定の幅に収まっていることにより、実に心地よい読書体験を味わえるようになっている。

ラノベ一人称作品としてはトップクラスに文章が上手い。読んでいてストレスを感じたり悪い意味で引っかかったりする箇所がほとんどなかった。あとエロい。

ネタが強引というか流れが唐突なものが多く今ひとつな印象。
茶色の研究の推理合戦はちょっとおもしろかった。

クオリティ自体が落ちたわけでは（たぶん）ないけど、似たような話が繰り返されるばかりだとさすがに面白さが薄れて感じる。

元は友崎の成長物語として始まったこの作品、今はラスボスの日南をどうやって攻略するかがメインになっているわけだが、わりと順調に進んでいる感じなのが意外だった。
おめでとうメッセージ動画はアニメならかなり感動的な見せ場になりそう。

本科生になって講義が本格化したことにより、予科生の時のような泣いたり笑ったりのドラマが少なめになった代わり、表現についてのより深い部分での悩みが読みどころになってきている印象。

エレナの話が予想外に良かった。いかにも漫画的な設定で、下手をすると単なる出落ちキャラで終わってしまいかねないが、性格の良さが魅力につながっている。

新入生の登場やら愛の男役への興味やらで新章のプロローグといった印象。
新キャラの王子が今後さらさにどういう感じで絡んでいくのかがまだちょっと読めない。
スピンオフはこれまでで一番スピンオフらしい内容だった。

五点満点だけど星十個進呈。
愛のやらかしは盛大に吹いた。てっきりすごい演技でみんなを圧倒するのかと思っていただけになおさら。
果たして恋愛感情がどのくらいあるのかは定かでないが、さらさと暁也はすごくいい関係だと思う。

本編もスピンオフも衝撃展開過ぎた。
さらさ＆愛が一番なのか変わらないが、紗和＆竹井や聖＆リサの話もすごく良かった。

実に見どころ満載読みごたえ満点の１冊だった。特に紗和の彩子に対する励ましというか説教は刺さった。
さらさの過去のフラッシュバックも実に効果的。

探偵はもう死んでいるという事を前提に話を始めながら、いつまでたっても継承者達ではなくシェスタがメインヒロインで有り続けているという構造的破綻が、過去話を新たに作り出すという矛盾を延々と繰り返すことに繋がっている。

オーディションで燃え尽きて口から何か出ている愛がおもしろかわいかった。
聖先輩の黒さの背景が垣間見れたのは興味深かった。

らしくもなくプレッシャーでガチガチになっているさらさがリサ先輩と星様と愛のアドバイス（＆バラの花束）のおかげで見事に「自分の役」を演じきる様が感動的。
星様と安東先生の過去話も良かった。

千夏＆千秋の話も薫の話も良かったけどやはりさらさ＆愛メインの話に比べると若干インパクトに欠ける感じ。
すごく絵の上手い人だと思うだけに野球シーンの作画はもうちょっと頑張ってほしかった。

さらさと暁也の過去話、重い部分がありつつも決して陰鬱になることなく物語に厚みを増している。
初めての友達であるさらさの言動に一喜一憂する愛がスペシャルにかわいい。

基本明るく楽しく爽やかでそれがこの作品の一番いいところなのだが、そうでありながら、いやむしろそうであるからこそ、戦争の荒廃とそこからの復興、そして長い時の流れを描いた一幕が胸に迫った。

家庭環境的な要因もあり基本冷めていつつもその裏返しのように依存心の強い女子高生二人の今のところは別の方を向いている関係が今後どのように描かれていくのかかなり楽しみ。

闇人格的な存在が強敵として現れるというのは昔からある王道展開の一つだが、この漫画での解決策はやはり身も心も融合（エロい意味で）的な感じになりそう。

奈良っちとさらさがぶつかり合ったり、そのあとに仲良くなっていく過程が素晴らしい。
キモオタさんの今後の幸せを祈りたい。

健ちゃんがオリヴィアに仄かな憧れを抱いたっぽい感じなのが微笑ましい。
オリヴィアのトラディショナルなメイド服姿が良き。

ハーレムラブコメとミリタリ系アクションとファンタジー系バトルとがいいバランスで物語を成立させている。
タメ口のリサがいい感じ。相変わらずネモがかわいい。

魔法の甲冑が見るからに痛そう。
クシャーン大帝が人外ということで、人外同士の対戦が盛り上がれば物語に厚みが出そう。

さらさを筆頭に女の子達がみんな生き生きと描かれていてとても良い。
寮の部屋にさらさがいるのを見た時の奈良っちの表情が味がある。

単独で見れば十分に面白いのだが、やはりエミリアやベアトリスその他いつもの面々が全く出てこない展開が長引くのはシリーズ作品としては物足りない。
EX5ではことさら同質性を匂わせていたアルとスバルだが、この巻でわずかなりとも異なる出自を示唆する箇所があったのが興味深い。

でたらめにツギハギを重ねるようなストーリー展開や設定を整理してプロの作家にリライトさせればもしかすると面白くなるかもしれない。

王選候補者の中では随一の異常者とも言えるプリシラだが、プリシラなりに揺るがない芯を備えていることがよく分る。
アルとスバルの関係が気になる。同一人物と匂わせるような記述が随所にあるが、さてはて。

香純のチン○ネタは破壊力があった。青空との今後の展開も楽しみ、ではあるけどこの漫画の性質からして普通にラブコメっぽい感じには絶対ならないだろうな。

本編ではいろんな意味でモンスターなあいの人間らしくまた子供らしい喜怒哀楽が綴られている。
作品自体はそれなりだが、商品として見た場合はコスパが悪いと言わざるを得ない。

夢を追う事と現実と折り合いをつけることとの葛藤がうまく物語の中に組み込まれていると思う。
プロットの複雑さとデティールの描写が諸刃の剣となっている感がなきにしもあらず。

個性的なキャラ達を次々に登場させ自在に活躍させた上で、それなりに複雑な筋立てをスピード感を持って読ませる技量はさすが。

テレシアとヴィルヘルムのやり取りが良質なラブコメラノベばりに楽しい。
話を作るためとはいえ父親のウザ絡みは少しやり過ぎな気も。

悪いわけではないのだがまとめにかかっている感が強過ぎていまいち素直に楽しめない。
高校時代のサッキーは良かった。

恋愛が人間関係にもたらすめんどくささを避けようとするあまり自分自身がだいぶめんどくさくなってしまっている純加が少しかわいそう。
陽芽の夢のたわいなさに比べてそれに乗っかろうとる果乃子の夢が重い。