ブックライブの書店員おすすめレビュー

少年・青年マンガ のおすすめレビュー

  • 舞台は少子化の加速に加え虐待やネグレクトなどが大きな社会問題となり、「子供を扶養する」事が免許制となった未来。
    管理局が派遣する「扶養審査官」である子供により扶養資格適正審査が行われ、合格して晴れて「子供」を有することができます。
    逆に言えば扶養適正者として認められなければ「落第者」のレッテルを貼られ、社会的信用を失ってしまうのです。
    この物語はひとりの扶養審査官と、彼が派遣された扶養者失格になることを望む夫と合格を願う妻との物語。

    虐待による子供の死を報じるニュースを見る度に、何故…という思いが胸を占めます。
    また「親ガチャ」や「毒親」という言葉が一般的に認知されるようになったことも、そこに至るまでにどれだけの犠牲があったのか…と思わずにはいられません。
    そういった現状を踏まえた、この物語の“子供は親を選べないということが問題なら親を選別すれば良い“という設定に衝撃を受けました。

    しかしこの物語が凄いのは、子育てに対する社会風刺だけに留まらないところです。
    主人公の扶養審査官である少年・ヒカリが派遣されたワケアリ夫婦が抱える問題やヒカリ自身のエピソードが複雑に絡まり物語の奥行となっており、グッと胸を掴まれるのです。
    そしてこの物語の需要な要素としてSFも欠かせません。
    扶養審査員の子供たちはどうして審査員となったのか…、扶養資格制度はどう変化していくのかも見どころです。

    上下巻で完結するので一気に読み切ることができますが、しっかりとした読み応えがあります。
    審査対象の大喜とちさに対し心無い言葉を投げる人や、扶養審査官が体験するエピソードなど読んでいてイライラするシーンもあるのですが、読了後心に残るのはそんな胸糞悪さではなく、一筋の涙が頬を伝うような…そんな物語です。

    2023年03月28日
  • ブックライブ書店員

    皆様は霊感はありますでしょうか?
    私は全くないのですが、それでも、普段生活している中で、言葉ではうまく表せないのに何か少し嫌だなと感じる場所や瞬間があります。
    閉まり切っていない少し隙間が空いている扉や、高架下のトンネル、夜の公園などは何となく不気味に感じます。
    実際にそこで何かを見たことはこれまで一度もないため、ただの気にしすぎで終わる話なのですが、今回紹介する本作品を読んだ後だと、不気味な予感は案外当たっているのかもと思わされます。

    本作は数ページの短編ホラーが1冊にまとまっている作品で、日常で感じる不気味さに焦点が当てられており、学校や会社、いつも通勤に使っている道、自分の部屋などで、この世のものではない何かの存在が描かれます。
    数ページの短編のため、スラスラ読むことが出来るのですが、読み進めるうちにじんわりと怖さが広がっていくようなイメージです。
    タイトルも秀逸で、日常で感じる不気味さは正に不安の種であり、その種が芽を出すと日常は非日常へ変わっていきます。
    不安の種が発芽してしまったとき、霊感のない私も非日常な出来事に遭遇してしまうのかもしれないと思うと大変恐ろしく感じます。

    普通のホラーマンガとは違った恐怖を体験したい方に是非読んでいただきたい1作となっております。

    2023年03月27日
  • ブックライブ書店員

    探偵と聞くと、皆さんかっこいいキャラクターをイメージされると思います。
    金田一少年や名探偵コナン、ドラマであれば古畑任三郎など、世間では探偵と言えば、一般人とは異なる優れた洞察力で難事件を解決するヒーローのイメージです。
    今回紹介する作品の主人公「名雲桂一郎」も、その類に漏れず、難事件をいくつも解決する天才として、世間から注目されている名探偵だった!……のは過去の話で、35歳となった彼は勘も若さも失ったただの渋いおっさんとなってしまっていました。
    しかし、名雲のところに、将来は探偵になることを夢見る女子高校生「真白」が訪ねてきてから、彼の探偵人生は再び動き始めます。

    本作は、若さを失ったおっさん探偵と助手の真白が事件をパワー(物理)で解決していくコメディ漫画です。
    真白のフィジカルが、比喩表現ではなく文字通り「人間離れ」しており、真白は難事件もパワーと勢いで解決しようとします。その都度、名雲がツッコミをするのですが、ギャグのテンポ感とツッコミのワードセンスが秀逸で、笑いながら読むことが出来る作品となっております。

    おっさん探偵×女子高生のコメディ探偵漫画を是非ご堪能ください!

    2023年03月23日
  • ブックライブ書店員

    大雪の夜、由崎星空(ナサ)は道の向こうにいる月読司を見つけます。ナサは、超絶美少女の司に目を奪われ、トラックに撥ねられて重症を負ってしまうのです。司に一目ぼれをしてしまったナサは、死にそうになりながらも決死の覚悟で告白をします。告白をされた司はなんと「結婚してくれたら、付き合ってあげる」と予想外の返答をするのです。

    いきなり結婚するという急な展開に最初は戸惑いましたが、読み進めていくうちに司の可愛さやナサとのやり取りの面白さに夢中になっていました。何と言っても司が「トニカクカワイイ」のです。ドキドキ・ハラハラするラブストーリーではないですが、とても癒されるマンガです。他人だった二人が一つ屋根の下で暮らす結婚生活に目が離せません。

    ドキドキ・ハラハラではなく、癒し系ラブコメディが読みたい人にはとてもおすすめの作品です。

    2023年03月15日
  • ブックライブ書店員

    何かがめちゃくちゃに壊れる様子、嫌いな奴が痛い目に遭っている姿……
    心のどこかで見たいと思ったことはありませんか?

    周囲の誰からも好かれる優等生・神城千夏。誰のことも嫌いになったことがない彼女だったが、ある日、担任の塚田が嫌いだと気づいてしまう。その日から、千夏の中にある「悪意」は目覚め、彼女は美しき化け物となっていく――。

    主人公・神城千夏が、周囲のムカつく奴の弱点を突いて、自滅するように仕向けて行く様が見ていて気持ちいいです。次はどんな悪意を見せてくれるのか…? 気になってページをめくる手が止まりません。
    やっていることは残酷なのですが、人が堕ちる姿を見て興奮する美少女には、美麗な絵柄も相まって美しさすら感じます。優しそうな優等生なのに、こんなにも純粋に破壊を楽しむ闇があるというのは、怖くて魅力的なギャップですよね。

    あなたの中にもあるかもしれない「悪意」を自覚させてくれる作品です。
    是非読んでみてください。

    2023年03月09日
  • ブックライブ書店員

    人気アイドルの闇…犯罪組織の裏側…
    東京の喧騒に紛れる秘密を暴いて暴いて暴きまくる! 写真週刊誌サスペンス!

    新入社員の葉山ユウは、芸能人の過激なスクープを取り上げ、「マスゴミ」と呼ばれることもある写真週刊誌「スキャンダル」に配属される。ヒーローに憧れていた彼だったが、エースカメラマン・黒羽根サユリとコンビを組み、芸能人や政治家のスキャンダルを次々暴いていくことになり……?

    この主人公・葉山ユウ、ずっとヒーローに憧れていて「人を傷つけるなんて言語道断!」という真っ直ぐな性格だったんですが、スキャンダルをとっていくうちに、だんだんと人の秘密を暴くことに快感を覚え始めてしまうんです。「こんなことは間違っている」と思いながらも興奮がおさえられない様子が人間臭くて良いですし、これから先、この葉山ユウという人間はどうなっていくんだろう?と1巻からワクワクが止まりません。
    コンビの黒羽根サユリも、美しい見た目とは裏腹に、自分がとったスクープについた「いいね」で性的興奮を覚えてしまうというギャップがたまらないです。
    このコンビ、刺さる人にはものすごく刺さるんではないでしょうか。

    「裏社会」「スキャンダル」「欲望」このキーワードにピンと来た方は是非読んでみてください。

    2023年03月09日
  • 央道 晴光(おうどう はれみつ)は、吹奏楽部でトランペットを吹いていましたが、下手さ故にコンクールメンバーに選ばれることなく中学3年間を終えます。
    心が折れボロボロになった晴光でしたが、吹奏楽の強豪校登坂高校に入り再び吹奏楽部に3年間を注ぎ込む決心をするのです。

    晴光の演奏は色んな人から下手クソと言われています。
    間違ったり音を外したり…それでも彼は一切の迷いを見せません。
    彼の演奏を聴いた剛上 猛(ごうじょう たける)は、晴光に可能性を感じるほどです。
    晴光のとにかく吹奏楽が好き!という思いと、下手な自分を受け入れた上でそこからどうするか?という姿は、我々も学ぶところが多いのではないでしょうか。

    晴光の強い心は読んでいるこちらが勇気を貰えます。
    中でも、才能がないと言われた時に晴光が言った
    「才能がこっち向いてなくても俺は音楽の方、向いてるから」
    というセリフに衝撃を受けました。

    多くの人は、人前での失敗を恥ずかしく思ったり、人から否定されることを恐れたりします。
    そういった思いから、自分には向いていないと諦めたことが1回くらいはあるのではないでしょうか。
    このセリフを言えるようになるまで、晴光はどれだけの葛藤をしたのか…。
    その姿は1巻でサラっとしか描かれていませんが、彼の辛さは想像に難くありません。
    挫折を経験したからこそ彼はこれだけ前向きに強くなれたのでしょう。
    心が折れそうになった時、晴光の前向きな姿を思い出したいものです。

    晴光と共に吹奏楽部に入部したメンバーも曲者ぞろいです。
    登録者数10万人のチャンネル配信者である剛上や、 強豪中学出身の平河(ひらかわ)、全国初出場で金賞をとった春岡(はるおか)など…中々に有能なメンバー。
    彼らと晴光がどう切磋琢磨してゆくのか、青春マンガとしても期待が持てます。

    演奏シーンも圧巻です。
    特に吹奏楽部全体の演奏シーンは迫力が凄く、画面から音圧を感じるほど。
    メロディが聞こえてきそうというよりは、音が質量となってぶつかってくるような感じがします。

    副部長である3年の威達 龍之介(いたち りゅうのすけ)の指導を受け、晴光のトランペットは上達するのか!?
    強豪吹奏楽部で晴光は高校生活の内にコンクールメンバーに選出されるようになれるのでしょうか?
    彼と彼をとりまく吹奏楽部メンバーの成長にワクワクが止まりません。

    2023年02月15日
  • 主人公は飴屋幸子(あめや さちこ)、80歳。
    死を目前にやり残したことを考えたら海外旅行や勉強でもなく、すべて人への執着でした。
    臨終の間際、大事な人間に会うのを避けてきた臆病な自分に気づき、心から「どんな姿でもいいから、もっと生きたい!!」と強く願ったところ、なんと18歳に若返ってしまったのです!!
    ふとしたことで仲良くなった隣のアパートに住む、胡桃仙太郎(くるみ せんたろう)に助けてもらいながらなんとか第2の人生を歩み始めた幸子ですが、仙太郎に命のリミットがあることを知り、お互いがやり残したことをふたりで協力して叶えることを提案します。

    80歳が18歳に若返るとだけ聞くと、若返って色々できて良いことづくめ!と思ってしまいますが、実際にはそんな単純な話ではないようです。
    幸子がバスに乗ろうとするも小銭を出すのにまごついてしまった際、80歳の時は動作が遅くても周りはそれを許してくれていたのに18歳の姿で同じことをしたら「ちっ!早くしろよ」と言われてしまったり、駅で道を聞いた際も、お年寄りには親切丁寧に教えてくれるのに、18歳の姿の幸子には「自分で調べてよ」と言われて終わってしまったり…。
    「突然若返るとこんな問題が発生する」ということを老人視点から描いており、それが妙なリアル感があるのです。
    もしや作者の岩渕竜子先生は本当に若返った方なのでは…!?と思ってしまうほど、読者側に様々な気づきを与えてくれます。

    若返ったことで様々な問題にぶつかる幸子ですが、諦めずに立ち向かう姿は読んでいて勇気を貰えます。
    中でも
    「やればできるんだって思いたい 心まで老化させちゃ駄目なんだ」
    というセリフが胸に突き刺さりました。
    何歳でも新しいことにチャレンジできるとは言いますが、心が老化してしまうとチャレンジしたいとも思わなくなってしまいます。
    この発言に至った幸子のバイタリティは眩しいほど!
    恐らくはそんな幸子と一緒にいることで、体が弱い仙太郎も救われているのだろうと思います。

    心が疲れてしまった方、心の老化を感じる方は、彼女の前向きな姿を見て元気を貰ってください!

    2023年02月15日
  • ブックライブ書店員

    陰キャに優しいギャルなのか? “ファミリー”からの刺客なのか? 陰キャ殺し屋×陽キャギャルの疑心暗鬼ラブコメディ!
    主人公の橿原ノゾミは幼いころに両親を殺され、復讐に燃えていた。殺し屋として自らを育てた“ファミリー”をも裏切り、孤独な高校生活を送っていたが、クラスのギャル・新宮さんを助けたことがきっかけで、ぐいぐい距離を詰められることに!?
    本作の魅力は何といっても、正反対な二人の恋模様にあります! 陰キャ殺し屋と陽キャギャルのラブコメと聞くと、相容れない二人にも見えますが、だからこそお互い惹かれあう魅力があります! また、正反対なところだけではなく、趣味が合い、意気投合できるシーンも多いので、読んでいて二人の相性の良さから目が離せなくなります!
    他作品や流行のネタを取り入れるなど、かなり笑える要素も多いので、しっかりと笑えてキュンとできるラブコメが読みたい方には是非読んでいただきたい一冊となっております!

    2023年02月01日
  • ブックライブ書店員

    みなさんは百物語をご存知でしょうか?
    百物語とは、百話怪談を語り終えると、本物の幽霊が現れ、怪異が発生すると言われている怪談会の1つです。
    本作は、目的は不明ですが百物語をおこない、本物の幽霊を呼び出そうとする主人公・ユウマ君が語り部となり、百話の怪談を紹介するストーリーとなっております。

    紹介される怪談はどれも短いながらも、表情の描き方や間の取り方がうまく、不気味な雰囲気があり、思わず背筋がゾクっとしてしまいます。
    また、語り部のユウマ君も謎が多い人物として描かれています。なぜユウマ君は百物語をおこなっているのか? その謎が解かれないままユウマ君の語る怪談話は続いていきます。怪談が百話に近づくにつれ、徐々に語り部であるユウマ君の周囲の人物や環境にも変化が表れ始めます。百話目の会談をユウマ君が語ったとき、どんな結末が待ち受けているのか見届けたいと思わせてくれる作品です。

    短編の怖い話が好きで、背筋が凍るようなお話を読みたい方は是非。

    2023年02月01日
  • ブックライブ書店員

    『甘々と稲妻』の雨隠ギドが描く、純愛ラブコメディ!

    「思っていたのと違う…」というのが、第1話を読んだときの感想でした。あらすじを見ずに買ったので、まさかこんな不思議な設定だと思っていなかったのです。しかし、読み進めるにつれてこの作品にどんどんハマっていきました!

    メインキャラクターである一郎と五色さんの関係は、初対面から始まります。言葉を交わしたり、一緒にお出かけをしたりして、少しずつ心を寄り添わせていくのですが、その様子がなんとも微笑ましいです。中でも、恋愛経験のない五色さんが「好き」という気持ちを実感するシーンは必見です!

    そして、この作品を語る上で外せないのが、一郎の妹・まち、弟・ふみおの二人の存在です。
    子どもというと、ついつい「いつでも元気で無邪気」という典型的なイメージを持ってしまう人は少なくないはず。漫画のようなフィクション作品の中ではなおさらです。しかし、子どもも子どもなりに気を遣ったり、言葉では言い表せない複雑な感情を抱いたりすることがあると思います。この作品では、「子どもらしさ」にとらわれない、生き生きとした子どもの姿を鮮やかに描いています。

    ラブコメ好きはもちろんのこと、普段ラブコメをあまり読まない方や、ちょっぴり変わった作品を読んでみたい方におすすめです!

    2023年01月30日
  • ブックライブ書店員

    週刊『JIDAI』編集部の松方弘子が寝食忘れて仕事に打ち込む物語です。弘子は、仕事のスイッチが入ると、目の前の仕事のことしか見えなくなり、「働きマン」に変身します。恋愛やプライベートを犠牲にしながらも、日々結果を出すために働く弘子。「仕事とは何か」「働く意味とは」について考えさせられます。

    間違いなく仕事のモチベーションが上がるマンガです。仕事人間の弘子の働き方を見たら、もっと頑張らなきゃという気持ちになりました。ワークライフバランス的な考え方が広まっていますが、そんなの関係なしでとにかく頑張りたい、結果を出したいという方は絶対読むべき一冊です。

    最近仕事のモチベーションが上がらない、もっと仕事を頑張りたいと感じている方はぜひ読んでみてください。

    2023年01月17日
  • ブックライブ書店員

    ブラック企業に勤める冴えないリーマン・佐々木は、スーパーでレジ担当の山田を仕事終わりの癒しとしていた。ある日、いつものように癒しを求めてスーパーに立ち寄ったが、レジに山田はおらず、仕方なくタバコの力を借りようとする。しかし、喫煙所が見当たらず困っていたところに、店員"田山"から「ここならタバコが吸える」と声をかけられ、共にタバコを吸うことになる。実は"田山"は仕事終わりの山田なのだが、鈍感な佐々木は気づかないまま、"田山"とスーパーの裏でタバコを吸うのが習慣となっていく。
    はじめは、山田さんの2面性のギャップや、佐々木のからかわれている様子にハマって読み始めたのですが、読み進めていくにつれて、2人のつかず離れずの距離感や、忙しない現代社会の中でも「タバコを吸う」ことで流れるゆったりとした時間の雰囲気など、そういったゆるさが良いなと思うようになりました。
    忙しさで休み方を忘れてしまった方、ゆっくりとした時間を過ごしたいという方におすすめです。

    2023年01月06日
  • ブックライブ書店員

    皆さんは12月と聞いて最初に何を思い浮かべますか?
    クリスマス、大晦日、ケーキ…いろいろあるかと思いますが、私が最初に思い浮かべるのは恋愛シミュレーションゲーム「アマガミ」です。

    「アマガミ」は、クリスマスを一緒に過ごすことをゴールに攻略対象のヒロインと仲を深めていくゲームです。
    本作は、ゲーム「アマガミ」のヒロイン3名のルートをコミカライズした作品なので、まずは七咲ルートを描いた第1巻の紹介をさせていただきます。

    七咲は、主人公より1学年下の後輩で、クールな見た目と面倒見の良い性格が魅力的なヒロインであり、ファンからの人気もとても高いキャラクターです。
    本作では、原作のゲームではなかなか見られなかった七咲の細かい表情や反応を見ることができ、特に、主人公と接しているときの照れた表情が最高に可愛いです! 七咲が好きな方には必見の1冊です!!
    また、ストーリー自体は原作に沿って進んでいきますが、原作を知っている人はもちろん、原作を知らない方でも十分に楽しめる内容となっております。
    これを読めばあなたも12月と言えばアマガミ!七咲!!と思うようになること間違いなしです!

    2巻、3巻ではまた別のヒロインのルートが描かれていますので、1巻を気に入ってくださった方は是非他の巻も読んでいただければと思います!

    2022年12月28日
  • 中学生の頃から硬式野球をしていた野中宏晃(のなか ひろあき)は、高校でも野球をすることしか考えていませんでした。
    そんな彼が入学式で出会ったのが、インテグレーション生(障がいのある生徒が各種特別支援学校ではなく、通常教育の学校で一般の生徒と共に学ぶこと。)として普通学校に進学した、生まれつき耳が聞こえない“ろう者”の相澤真白(あいざわ ましろ)。
    耳が聞こえない相澤とはどうせ関わることなんてないだろうと思っていた野中でしたが、なんと相澤は硬式野球をするために入学してきたのです。
    相澤と組むのを面倒くさがった野球部のチームメイトは、その役を野中に押し付けます。
    最初は嫌々だった野中でしたが、相澤の投げるフォームのしなやかさやボールの筋の良さに考えを改めるのです。
    “ろう者”のピッチャーと“聴者”のキャッチャーのバッテリーが誕生したのでした。

    この物語は“ろう”であることを様々な観点から描いており、乗り越える苦難としてではなく受け入れる日常として描いているところが印象的でした。
    もうひとつ印象的だったのが、手話もひとつの言語であり日本語や英語を習得し会話するのと同じ。言語が違うだけということです。

    それを表しているのが、50音のひらがなを指で表す指文字でコミュニケーションが取れることを知り、元来野球のサインを憶えるのが得意だった野中は相澤の投げたボールに対して指文字で「ナイスボール」と返すシーン。
    普通学校での些細な躓きに傷ついていた相澤が初めて人とコミュニケーションが取れたと実感した瞬間だったのでしょう、その瞬間の彼の表情は読んでいるこちらも胸が震えます。

    自身も子供の頃に周りから煙たがれていた野中は、“ろう”であることで周りから距離を取られがちな相澤にまっすぐ向き合っていきます。
    “ろう”であることを特別視するのではなく、ただ普通に“ろう”であることを当たり前として受け入れる野中。
    彼の姿勢は、様々な個性や価値観がある現代社会で生きる我々には学ぶべきものが多いのではないでしょうか。
    また、そんな野中と一緒に野球をするうちに相澤自身も変化してゆくのです。

    今作は巻数のクレジットがなかったので、1巻完結の作品なのでしょうか。
    まだまだ彼らのこの先を読みたい!!と思ったのは私だけではないはずです。

    “ろう”と野球を通してコミュニケーションを取るということについて考えるキッカケになる作品です。

    2022年12月21日
  • ブックライブ書店員

    元連続殺人犯の主人公フミトは、過去の過ちを悔い、日々、罪の意識に苛まれていた。そんな中、未曽有のゾンビパンデミックが発生。自殺など許されず、罪を背負いながら、生き続けることが唯一の償いとされてきたフミトであったが、死に直面した今、フミトの取る選択とは…。
    こちらの作品では、登場人物一人一人が抱える問題と向き合いつつ、ゾンビパンデミックの中で奮闘する様子が描かれています。特に主人公のフミトに関しては、元連続殺人犯ということもあり、自分の異常性に苦しみ、罪の意識に押しつぶされそうになるなど、パニックホラー作品とは思えないほど、事細かな心理描写が魅力です。また、SNSやニュース番組で徐々に状況が明らかになっていく様子やそれぞれのとる行動に非常にリアリティがあるところも本作の魅力となっております。もちろん、パニックホラー作品らしい躍動感のある作画と緊張感あふれる内容となっておりますので、ホラー好きであれば思わず唸ること間違いなしです!

    2022年12月20日
  • 女子高生の青木ルリ、ある朝起きたら頭にツノが生えていた!?
    そこで突然母親から明かされたのは、実の父が龍(ドラゴン)であるということ。
    自分が人とドラゴンのハーフだと知ったルリは、驚くものの意外とすんなり状況を受け入れて…!?
    人とドラゴンのハーフとしての日常がスタートする。

    この物語を読んで感じたのは「新しい!」ということ。
    女子高生が人とドラゴンのハーフという設定も斬新ですが、この物語の新しさは特殊な状況を本人だけではなく周りも受け入れるという寛容さにあると思います。

    もし主人公がルリでなかったならば、ある日突然ツノが生えたら慌てふためくし、ツノを隠して生活しようとするだろうし、突然陥った状況に苦悩し悲観するかもしれません。
    まして火を噴いて友達を傷つけてしまったりしたら、自己嫌悪に陥り親を恨んで…といった感じでダークサイドに落ちてしまうかも。

    ですがこの物語の主人公ルリは、ツノが生えても「生えてしまったものはしょうがない」とツノを隠すことなくいつも通り学校へ行くし、友達から聞かれたら「父親がドラゴンらしくてさ…」とまるで他人事のようにカミングアウト。火を噴いた後は流石に学校に行くことを躊躇いますが、自分の人生を悲観したりはせず火を吐く練習に勤しんだりと現状を受け入れた上でどうするかを考えるのです。

    またルリの周りにいる人たちが彼女のことを気色悪がったり拒絶したりせず、ルリの状況をありのまま受け入れ今まで通りに接しているところも「新しい!」と思ったポイントです。
    それは多様性が叫ばれる現代のあるべき姿を表しているのではないでしょうか。

    絵柄も可愛く、ルリの豊かな表情が魅力的!!
    コマ割りも読みやすく、普段マンガを読まない方でも楽しめるのではないでしょうか。

    普通と違う女子高生がゆるっと日常を送る平和な物語。
    心が辛くなった時に癒しを求めて読むのもアリかもしれません。
    元気をもらえて、前向きになれる気がします!!
    今後どういったドラゴンの能力が開花し、どう向き合っていくのか、ルリの成長にも注目です。

    2022年12月05日
  • ブックライブ書店員

    女の子が苦手すぎる最強S級剣士・バルテラの、ちょっとだけエッチな異世界コメディ!!

    極悪人さえ恐れるS級剣士バルテラ。
    剣技を極め、向かうところ敵なしのバルテラであったが、そんな彼にも1つ弱点があった。
    それは、エッチ耐性が0であること――。次々に現れる強敵に、彼は耐えることができるのか……?

    本作の魅力は、エッチ耐性の限界を突破したバルテラが次々と繰り出す剣技です。
    「双狼」「皇ヶ終」これらのかっこいい技名には、精巧なネタが詰め込まれています(本編を読めば答えが分かります)。
    また、剣技が登場するアクションシーンの作画には迫力があり、くだらない下ネタをかっこよく描き切ってやろうという執念すら感じます。
    クスッと笑いたい方におすすめです! 通勤・通学時間のおともに是非!

    2022年12月01日
  • ブックライブ書店員

    人は笑顔によって幸せになる――。
    宗教団体「心笑会」の闇に迫るサスペンスホラー!

    不慮の事故で娘を亡くし、無気力な日々を送っていた主人公・鴨目友司。
    しかし、ある日「心笑会」という不気味な宗教団体の勧誘チラシに、
    音信不通の妻の姿を発見してしまい…?

    本作の魅力は、作品全体に流れる「いつ何が起きてもおかしくない」という不穏な空気です。
    不気味なまでに信仰する熱狂的信者、常軌を逸した礼拝…
    そのどれもが不気味で刺激的で、ひと時も目を離すことができません。
    「心笑会」の底知れない闇に飲み込まれてしまいそうになります。

    果たして鴨目は「心笑会」の隠された裏側を暴くことができるのか? 続きが気になって眠れません…!
    この世界にあるかもしれない闇を覗いてみたい方は、是非読んでみてください。

    2022年12月01日
  • ブックライブ書店員

    「【汚れなき18歳の童貞の血】が一番美味!」という嗜好のイケメンバンパイア・森蘭丸(齢450)が、純粋無垢な青年・李仁をご馳走に仕上げるべく、その成長と童貞を見守るドタバタな日常を描いた作品。
    李仁の実家である銭湯に住み込みで働き始めて10年、かつての少年は高校生になり、イタダキマスまであと3年。だというのに、李仁が思春期に突入! さっそく同級生の女の子に恋!? 邪魔するしかない…童貞喪失絶対阻止ッ!!

    タイトルも含めて奇抜で、見たことのない設定。ギャグもストーリーもテンポがよく、正直おススメしない理由が見当たりません!
    特に絵がとても美しく、どの角度からも蘭丸が本当に麗しい。そんな蘭丸が「李仁の童貞を18歳まで死守すること」をすべての行動原理に動く姿が残念すぎて最高です。そして、心の純粋さも血の美味しさに影響するらしく、吸血鬼に目を付けられただけあって李仁の可愛さも見どころ。優しく純粋でちょっと抜けている李仁の「ピュアな童貞っぷり」がたまらないのですが、私たち読者以上に蘭丸はいつも大興奮!

    BLと書いて「ブラッディ・ラブコメ」と読む、まさに唯一無二のマンガ。
    BL好きの方だけじゃなく、幅広い層のBL!(ブックライブ)ユーザーさんに楽しんでいただけるはず。とにかく一緒にBLに浸かりましょう!!

    2022年11月30日