あらすじ
家族を「許可」するのは、子ども。
「扶養審査官」という名のもとに、子どもたちが親を審査する――。
子どもを持つ事が免許制になり、人々は「理想」の社会を手に入れた。
「扶養審査官」のヒカリは、日々、親たちの審査を繰り返すうちに、ある日、訳アリの夫婦と出会う。
家族のカタチを見つめなおす、SFファミリーストーリー。
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舞台は少子化の加速に加え虐待やネグレクトなどが大きな社会問題となり、「子供を扶養する」事が免許制となった未来。
管理局が派遣する「扶養審査官」である子供により扶養資格適正審査が行われ、合格して晴れて「子供」を有することができます。
逆に言えば扶養適正者として認められなければ「落第者」のレッテルを貼られ、社会的信用を失ってしまうのです。
この物語はひとりの扶養審査官と、彼が派遣された扶養者失格になることを望む夫と合格を願う妻との物語。
虐待による子供の死を報じるニュースを見る度に、何故…という思いが胸を占めます。
また「親ガチャ」や「毒親」という言葉が一般的に認知されるようになったことも、そこに至るまでにどれだけの犠牲があったのか…と思わずにはいられません。
そういった現状を踏まえた、この物語の“子供は親を選べないということが問題なら親を選別すれば良い“という設定に衝撃を受けました。
しかしこの物語が凄いのは、子育てに対する社会風刺だけに留まらないところです。
主人公の扶養審査官である少年・ヒカリが派遣されたワケアリ夫婦が抱える問題やヒカリ自身のエピソードが複雑に絡まり物語の奥行となっており、グッと胸を掴まれるのです。
そしてこの物語の需要な要素としてSFも欠かせません。
扶養審査員の子供たちはどうして審査員となったのか…、扶養資格制度はどう変化していくのかも見どころです。
上下巻で完結するので一気に読み切ることができますが、しっかりとした読み応えがあります。
審査対象の大喜とちさに対し心無い言葉を投げる人や、扶養審査官が体験するエピソードなど読んでいてイライラするシーンもあるのですが、読了後心に残るのはそんな胸糞悪さではなく、一筋の涙が頬を伝うような…そんな物語です。
感情タグBEST3
匿名
感動した
‘扶養審査’という設定から興味を持って入りましたが、予想以上に面白かったです。
ヒカリのどこか拙い感情表現がグッときました。
終わり方が特に好きです
ドラマ化してほしい!
最初の数ページが衝撃的だったから、ホラーとかサスペンス的な方向に行くのかと思いきや、良い意味で裏切られました。
設定に説得力があり、そこが怖さと言えばそうなんですが、、最後はとにかく泣けました。
漫画を読んでこんなに泣いたのはいつぶりだろう?
読後感は良いので、ご安心を。
70ページの読み切りを10話にひろげたのが本作だそうですが、絵も整っていて、ストーリーの芯も通っているし、たった2冊完結なのが短く感じました。
さっと読むには手に取りやすいですけどね。
ただ一つ難癖をつけるとしたら、背景の描き込みかな。
これはこの本が超売れて、アシスタントが付いたら今後の作品は豪華になっていくかな!期待!
Posted by ブクログ
親になる適正を子供が審査するという設定が面白い。現実では無理な制度だけどわりと良い制度なんじゃないか…と思いきや、やはり問題点がかなりあるなと思いしる。
審査対象の夫婦とヒカルの言葉やり取りが、お互いに救いになるも心にゆらぎをもたらしていく。
先が気になる展開であっという間に読んでしまった。
すぐに続巻買いました
親になる資格があるのかどうか、子供が審査する。という現実に起きそうな、一見社会のためになる正しい行いのように思えることが行われる世界の話。笑ってるのに笑っていない。どんな真実が隠されてるのか続きがとても気になる本です。ハッピーエンドなのかどうか、何がハッピーエンドなのか考えながら、何周も読みたくなる。