ネットで見かけた、美味しそうな本、というテーマで、この本をおすすめにあげる方が多くて、はじめて名前を知る。
ぶたぶたさんシリーズはたくさんあるけど、どこから読んでも大丈夫とのこと。
どれどれ、とこの2020年刊行の出張料理人を読んでみた。
一話完結型の短編が4つ。
いずれもぶたぶたさんが出張料理人として登場する。
料理や自分へのケアがテーマである。
ぶたぶたさんは名前の通り、ぶただけど、中身は優しくも立ち入らない、しっとりしたイケボイスのおじ様らしい。
なんでもない日の食卓…美味しそうで羨ましい。子持ち主婦が家族からの解放をめちゃくちゃ楽しみにしている図が親近感がわく。
妖精さん…お疲れのところにこんな人が来たら嬉しい。コロナ禍真っ最中で家族と離れてリモートワークする中年女性。子供の顔を思い出すと元気が出る。それは離れているからこそですね。毎回それを突っ込んでしまう自分。すみません。
誕生日の予定…ほろりと泣けてしまった。もう成人した娘との距離感に悩む女性の話。料理で解決はしない。そこに至るまでの話しあい、歩み寄る努力、家族とはなんだろう、という話。家族の問題はハタからは見えないだけで、幸せそうに見える家族だって本人たちにはいろいろあるだろう、とぶたぶたさん。さすが多くの家庭を見てきただけある。
通夜の客…おそらく、これは初期シリーズで主役級だったキャラのお葬式の話。故人との思い出と、現代お葬式をうまくまとめてある。おいしい記憶は幸せなものだ。
じんわりと、日常をうまく描いているシリーズだ。こういう本に癒されたい気持ちがみんなにあるだろう。生きるのに必要なタイプの本だと思う。他のシリーズもまた読みたい。と思ったらものすごくたくさんあるんですね。