福田恆存のレビュー一覧
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「あらし」
「アントーニオとセバスティアンには最初はそのような意図はなかったのです。それはアロンゾーとゴンザーローの上に投げ掛けられた魔法の眠りによって暗示されました。しかし彼らは、他の人々が言った事に対して状況も年齢も考慮せず、あざけり罵倒する人物――どんなに素晴らしい真実を教えてもらっても感激することなく、悪意に満ちた非社交的な感情に身を任せていて、他人の言うことには何でも耳を傾けるけれども、それは他人の経験や知識からなにか自分のためになるものを得ようとするのではなく、相手が自分よりも劣っていると信じ込んで、虚栄心や利己心を満足させてくれるものを聞き出すために過ぎないような人物として登場し -
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私の恋愛観 ※ 恋愛と人生 恋愛の聖化 美的恋愛 恋愛への逃避 恋愛感情の混乱 恋愛の意味づけ 性の科学 性の露出化 結論 ※現代人は愛しうるかロレンスの恋愛観性的好奇心について恋愛の幻滅 ※誤れる女性解放論日本家庭論恋愛狂時代 ※あとがき以上が目次です。解説は「恋愛はするものであって語るものではありません」(中野翠)。底本は1959年新潮社刊。解説にあるように「決して読みやすい本ではない。スラスラスイスイ読み流せる本ではない」。もちろん刊行当時からかなりの年月が過ぎていることを勘案して読まねばならぬ点も。でも、まず最初の数頁でぐい、と胸ぐら掴まれた思いです。スラスラスイスイではな
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Posted by ブクログ
新潮文庫、平成二年の四十七刷版を読んだ。名高い人肉裁判に加え、美しい女が伴侶をくじ引きで決めるシーンや女性たちが男装して男性を欺きからかうシーンなど、それぞれに魅力的な幾つものエピソードを組み合わせ構成されている。人肉裁判の結末、そして物語のオチとしても痛快で大変魅力的な話でありいたく心惹かれる作品であったが、解題にてほぼ全てのエピソードが他からの借用であり、組合せすらも先人からの引用であることを知りがっかりした(訳者はそれでもシェイクスピアの魅力を貶めるものではないと言うが……)。またこれも解題·解説にてしつこいくらいに「シャイロックを悲劇の主人公と見るべきではない」と書かれているのだが、そ
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Posted by ブクログ
名作とは知っていたが、実際に読んでみて確かに面白い一冊だった。最初は「そんな復讐なんてしても何も生まれないし、狂ったフリをしてまで色んな人を傷つけるなんて……」と、物語の結末が不安だった。しかし読み進めるうちに、ハムレットがしっかりレイアーティーズを敬い、父を殺したクローディアスも巻き込んで終わることができたので、比較的良い終わり方だったのではないかと思う。
人は死を恐れる生き物でありつつ、この世の理を受け入れるのも苦難で、いっそのこと死ぬべきかもしれない。けれど、死後の世界も不透明だから、結局はこの世の理を受け入れて生きるしかない。死ぬ瞬間、何を思って死ぬべきなのか。死んだら貴族も平民も皆