福田恆存のレビュー一覧

  • 黙示録論 ──現代人は愛しうるか

    Posted by ブクログ

    読んでみましたけど、イマイチ消化しきれませんでした。私の力不足ですね。ロレンスの結論、すなわち、人間が自然(コスモス)の一部として生きるべき(ということだと思いますけど(^^;)ということがどういうことなのか、それとの集団的自我との関わりあいを現実においてどう対処すべきなのかがこれからの問題なのかなと思った次第です。

    0
    2009年10月04日
  • ハムレット

    Posted by ブクログ

    名作とは知っていたが、実際に読んでみて確かに面白い一冊だった。最初は「そんな復讐なんてしても何も生まれないし、狂ったフリをしてまで色んな人を傷つけるなんて……」と、物語の結末が不安だった。しかし読み進めるうちに、ハムレットがしっかりレイアーティーズを敬い、父を殺したクローディアスも巻き込んで終わることができたので、比較的良い終わり方だったのではないかと思う。

    人は死を恐れる生き物でありつつ、この世の理を受け入れるのも苦難で、いっそのこと死ぬべきかもしれない。けれど、死後の世界も不透明だから、結局はこの世の理を受け入れて生きるしかない。死ぬ瞬間、何を思って死ぬべきなのか。死んだら貴族も平民も皆

    0
    2025年11月24日
  • ヴェニスの商人

    Posted by ブクログ

    シェイクスピアの喜劇作品。ユダヤ人の扱い、黒人の表現、宗教等で気になる部分のオンパレード。時代を感じます。
    最初しばらくは誰がなんなのかよくわからず楽しめなかった。人物関係は冒頭で整理して載せてくれてるので、面倒がらず逐一参照しながら読むことをお勧めします。
    最後は大団円ですが、私にはいじめっ子たちが幸せになってる感じがしてモヤモヤ。
    昔の作品だからこんなもんか、と思って見れば良いのかな。
    最初は面白くなかったけど、割り切って読むことにしてからはそれなりに楽しめたので星4。

    0
    2025年11月24日
  • マクベス

    Posted by ブクログ

    近代の物語が進化し過ぎてて、新しい発見は無いものの、言葉の言い回しが渋くて面白い。
    言い回しが難しくて読みにくいが、長さ的には短いので取っ付きやすいと思う。

    王国っていう舞台設定は個人的に興味無いので、
    没入感を持って読むことが出来なかったな…。

    マクベス夫人が怖すぎる。
    一番野心に駆られていたのは彼女でしょう笑

    YouTubeで解説の動画みます。

    追記
    Youtubeで中田敦彦さんが解説してた。
    シェイクスピアについても勉強出来て、本書の背景も分かって、物語の解説も実に面白い。
    一度読んだ後に視聴すると面白いと思います。

    0
    2025年11月14日
  • マクベス

    Posted by ブクログ

    初めてのシェイクスピアということで、
    四大悲劇のひとつである本書を読んだ。

    結末は予想できていたものだったり、戦いの描写やクライマックスは思ったよりもあっさりとしたものだった。
    しかしながら、序盤のマクベスの葛藤や、自身の野心や本心に加え、妻からの誑かしで悪い方へと身を流してしまうシーンがとても読み応えがあった。
    結局は自業自得という言葉で片付いてしまいそうな内容だが、その中には人間の善と悪の判断や欲望といった奥深さが綴られていてとてもおもしろかった。

    次に四大悲劇を読むのなら、「ハムレット」を読んでみたいと思う。

    0
    2025年10月24日
  • リア王

    Posted by ブクログ

     目に見えないものは、どうやって測ろう。
     口から出る建前ではなく、底にある意地の悪さにだけ目を向けてその人を知った気になってしまうことがあるけれど、それを隠そうとするのもまたその人であって、本音だけが全てではないのにね。

    0
    2025年10月19日
  • ハムレット

    Posted by ブクログ

    「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。」


    〈あらすじ〉
    デンマークの王子ハムレットは、2ヶ月前に亡くなった父親の死が叔父のクローディウスによる殺害だと知る。父の亡霊に諭され敵討ちをすることを決意したハムレットは、周囲に油断させるため気が狂ったフリをして作戦実行を試みる。


    〈父親ちょっと影薄い〉
    この作品は父親が亡くなり喪にふくすハムレットの様子から始まる。観客からすると既に亡くなっている父親の敵を息子が討つ、という形で物語が進んでいくので、出だしはやや置いて行かれている感じが否めない。前半に少しでも生前の父親とハムレットの関係性が分かるような場面があれば、観客もよりハムレットに同情

    0
    2025年09月21日
  • リア王

    Posted by ブクログ

    「人は泣きながら生まれる。このあほうどもの舞台に引き出されたのが悲しくてな」

    〈あらすじ〉
    ブリテンを治めるリア王は引退を控え、3人の娘に「父である自分を最も愛している者に領土、権力を分け与えること」を宣言する。長女ゴネリルと次女リーガンが美辞麗句を並べる中、末娘のコーデリアは「何も」と答える。怒り狂った王はコーデリアを追放し上の娘2人に財産を与えるも、その後2人に手のひらを返され酷い扱いを受け、自分の過ちに気づく。


    〈不器用な末娘〉
    父の要求に対し「自分の本心」よりも「相手の求めている言葉」を並べることができる長女や次女と比べ 、1番若いコーデリアが「何も。」と答えるのは、一見すると思

    0
    2025年09月21日
  • ハムレット

    Posted by ブクログ

    シェイクスピア劇の中で最もよく上映される「ハムレット」の有名なセリフは「尼寺へ行け」「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」は誰もが知っている 読んでみてはじめてその状況と文脈で発せられた言葉に意味を知る シェイクスピアの戯曲は下敷きになる種本があり彼の独創ではないらしい 「ハムレット」は筋だてすべてが揃っている「デンマーク国民史」に酷似しているとかいないとか

    0
    2025年09月06日
  • 老人と海

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    大きく4つの段階で物語が展開していく。

    最初は老人と少年の会話から始まる。老人は漁師だが、84日間も魚が釣れず、周囲の漁師からは「運に見放された」と嘲られている。そんな中でも少年だけは変わらず老人を慕い、その温かさが物語の基調となっている。

    次に、老人が海へ漕ぎ出し、これまでに見たこともないほど巨大なカジキとの闘いが描かれる。この場面は老人の「独り言」を中心に進む。魚や自分自身に語りかけ、少年がここにいてくれたらと弱音を漏らしつつも、自らを奮い立たせる。孤独とどう向き合うかが印象づけられる。

    やがて老人はついに魚を仕留める。すでに漁に出てから3日も経ち、老人は極度に疲れ切っている。魚を船

    0
    2025年10月03日
  • マクベス

    Posted by ブクログ

    自宅の本棚に6冊ある家人の新潮社文庫シェイクスピア 手はじめに「マクベス」を読んでみた こちら同じく1969年発行本で表紙はイラストなし 本書は1606年頃/戯曲四大悲劇「ハムレット」「リア王」「オセロー」より後に書かれたものらしい 日本で1600年と言えば関ヶ原の戦いがあり戦国時代の終焉から江戸時代への転換点 今更シェイクスピアでもないけど日本語訳が物凄く読みやすい 読まず嫌いだったかな

    0
    2025年08月29日
  • サロメ

    Posted by ブクログ

    周囲を虜にし、また危惧させるほど魔性の美貌を誇る王女サロメの、預言者ヨカナーンへの執着たるや! どれほど本人から拒まれようと恋慕し、己が手中に入れんとする様が恐ろしい。狂気ここに極まれり。

    なぜエロド王はサロメのことをずっと視ていたのか?
    ヨカナーンが非難していたのは本当にエロディアス妃だったのか、そもそも彼女は本当に罪深かったのか?
    そもそもヨカナーンは真に預言者であったのか?
    ……戯曲としてはかなり短い内容。聖書から材を得ているらしいが、分からないことだらけ。とは言え狂おしく禍々しいくらいの耽美の世界には圧倒された。収録されているAubrey Beardsleyの不可解で官能的な挿絵18

    0
    2025年05月20日
  • マクベス

    Posted by ブクログ

    ★4。
    「メタルマクベス」と「蜘蛛巣城」のおかげで筋は知ってたけど、改めて戯曲読むと新鮮に面白かったなー。後半の、マクダフ夫人と子の場面、マクダフとマルコムの場面とかは面白そうなので映像で見るの楽しみ。
    レディマクベスの死にさらっとしか触れられてなかったのが意外だった。でもこれだけさらっとだと膨らませる余地あるから、かえって色んなバージョンが作りやすいのかなーとも思うね。
    新潮文庫版を読んだのだけど、中村保男さんの解説が興味深かったな。その前の福田つねなりさんのもそうだけど、ハムレットとの対比について書かれててなるほどーだった。テナントさんファンは脳裏に思い描きながら読めるからこれわかりやすく

    0
    2025年05月17日
  • サロメ

    Posted by ブクログ

    文学の力を体現したような文章と訳で、内容は非常に面白かったのだが、ビアズリーの挿絵で全部ぶち壊されていて笑ってしまった。盛り上がって引き込まれていくシーンでヌルッと出てくる気の抜けた「サロメの化粧」等々は全く関係なさすぎてワイルドの文学に対する冒涜としか思えないのだが、ワイルドとビアズリーの当時のバチバチした関係が味わえてよかった。ビアズリーの挿絵を載せるかどうかは意見が分かれるところではあると思うが全部載せてくれた岩波文庫に感謝。

    0
    2025年05月07日
  • ハムレット

    Posted by ブクログ

    翻訳者の福田恆存が書いたあとがき「シェイクスピア劇の演出」が印象に残った。
    この中で、役者は、演じるキャラクターの心理を掘り下げて演技すべきではない、と述べている。演劇は劇場的効果が重要で、役者は観客の望むものを提供することに徹すべきだ、と述べている。すなわち、台本に書かれているハムレットの台詞を観客に効果的に届ける媒介者、と私は理解した。
    私が映画や演劇に興味を持った時(若い時)、影響を受けたのはスタニスラフスキーの演技論だった。彼は徹底的にリアリティを求めて、観客が退屈しようと役者はリアルに佇むだけ、、、な感じだった。これがモスクワ芸術座であり、アメリカに渡り、リー・ストラスバーグのメソッ

    0
    2025年04月17日
  • 福田恆存の言葉 処世術から宗教まで

    Posted by ブクログ

    ❇️日本の近代化とは
    富国強兵
    1. 強兵➡️日清、日露で勝ち大東亜で破れた、、、戦闘力だけでは勝てない時代、経済、情報等の総合力が必要
    2. 富国➡️吉田、池田、角栄まで勝ったが中曽根以降に失速、失われた30年
    ❇️1990年の 歴史の終わり
    日本は富国強兵に代わる 目標を発見出来ていない
    ★恥の文化
    日本とヨーロッパはよくにている➡️ 騎士道と武士道、決闘と切腹、マフィアとヤクザ
    ❇️処世術
    1. 先ず、我が身のエゴイズムを知れ、自分可愛さ
    2. ゴマは上手く擦れ、自分一人だけでなく、回りの環境全体の快適さをも考慮せよ
    3. リアリズム➡️➡️
    道徳、倫理、正義を言い出すとキリ

    0
    2025年04月15日
  • マクベス

    Posted by ブクログ

    3人の魔女がマクベスの野心を表しているのならばそれは亡霊と一緒なのでは?彼の野心を正当化するためなのか。

    0
    2025年03月28日
  • サロメ

    Posted by ブクログ

    わずか90ページだが濃密。オスカーワイルドのサロメ。王女サロメはサイコパスなのか、欲望の奴隷なのか。サロメの欲するものは預言者ヨナカーンの首。ビアズリーの挿絵も強烈で凄く、インパクトのある本でした。

    0
    2025年03月09日
  • 演劇入門 増補版

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    作品の中の事実を並べて、役の性格分析するのはやめよう。いや、それもそれでアプローチのひとつなのかもしれないけども。作品の中での役割の方に重点を置いて、役を探ってみよう。

    0
    2025年02月04日
  • ヴェニスの商人

    Posted by ブクログ

    宗教、地理のことがわかって面白かった。
    シャイロック様も、ランスロットも先を読む力があって賢かった。

    小生が貿易の仕事をしているので、航海の安全性が担保されない時代に、アントーニオが一隻に大量の商品を積んでいることの危ないということを知って勉強になった。

    0
    2025年01月30日