福田恆存のレビュー一覧

  • リア王

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     目に見えないものは、どうやって測ろう。
     口から出る建前ではなく、底にある意地の悪さにだけ目を向けてその人を知った気になってしまうことがあるけれど、それを隠そうとするのもまたその人であって、本音だけが全てではないのにね。

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    2025年10月19日
  • ハムレット

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    「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ。」


    〈あらすじ〉
    デンマークの王子ハムレットは、2ヶ月前に亡くなった父親の死が叔父のクローディウスによる殺害だと知る。父の亡霊に諭され敵討ちをすることを決意したハムレットは、周囲に油断させるため気が狂ったフリをして作戦実行を試みる。


    〈父親ちょっと影薄い〉
    この作品は父親が亡くなり喪にふくすハムレットの様子から始まる。観客からすると既に亡くなっている父親の敵を息子が討つ、という形で物語が進んでいくので、出だしはやや置いて行かれている感じが否めない。前半に少しでも生前の父親とハムレットの関係性が分かるような場面があれば、観客もよりハムレットに同情

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    2025年09月21日
  • リア王

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    「人は泣きながら生まれる。このあほうどもの舞台に引き出されたのが悲しくてな」

    〈あらすじ〉
    ブリテンを治めるリア王は引退を控え、3人の娘に「父である自分を最も愛している者に領土、権力を分け与えること」を宣言する。長女ゴネリルと次女リーガンが美辞麗句を並べる中、末娘のコーデリアは「何も」と答える。怒り狂った王はコーデリアを追放し上の娘2人に財産を与えるも、その後2人に手のひらを返され酷い扱いを受け、自分の過ちに気づく。


    〈不器用な末娘〉
    父の要求に対し「自分の本心」よりも「相手の求めている言葉」を並べることができる長女や次女と比べ 、1番若いコーデリアが「何も。」と答えるのは、一見すると思

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    2025年09月21日
  • ハムレット

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    シェイクスピア劇の中で最もよく上映される「ハムレット」の有名なセリフは「尼寺へ行け」「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」は誰もが知っている 読んでみてはじめてその状況と文脈で発せられた言葉に意味を知る シェイクスピアの戯曲は下敷きになる種本があり彼の独創ではないらしい 「ハムレット」は筋だてすべてが揃っている「デンマーク国民史」に酷似しているとかいないとか

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    2025年09月06日
  • 老人と海

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    ネタバレ

    大きく4つの段階で物語が展開していく。

    最初は老人と少年の会話から始まる。老人は漁師だが、84日間も魚が釣れず、周囲の漁師からは「運に見放された」と嘲られている。そんな中でも少年だけは変わらず老人を慕い、その温かさが物語の基調となっている。

    次に、老人が海へ漕ぎ出し、これまでに見たこともないほど巨大なカジキとの闘いが描かれる。この場面は老人の「独り言」を中心に進む。魚や自分自身に語りかけ、少年がここにいてくれたらと弱音を漏らしつつも、自らを奮い立たせる。孤独とどう向き合うかが印象づけられる。

    やがて老人はついに魚を仕留める。すでに漁に出てから3日も経ち、老人は極度に疲れ切っている。魚を船

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    2025年10月03日
  • マクベス

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    自宅の本棚に6冊ある家人の新潮社文庫シェイクスピア 手はじめに「マクベス」を読んでみた こちら同じく1969年発行本で表紙はイラストなし 本書は1606年頃/戯曲四大悲劇「ハムレット」「リア王」「オセロー」より後に書かれたものらしい 日本で1600年と言えば関ヶ原の戦いがあり戦国時代の終焉から江戸時代への転換点 今更シェイクスピアでもないけど日本語訳が物凄く読みやすい 読まず嫌いだったかな

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    2025年08月29日
  • サロメ

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    周囲を虜にし、また危惧させるほど魔性の美貌を誇る王女サロメの、預言者ヨカナーンへの執着たるや! どれほど本人から拒まれようと恋慕し、己が手中に入れんとする様が恐ろしい。狂気ここに極まれり。

    なぜエロド王はサロメのことをずっと視ていたのか?
    ヨカナーンが非難していたのは本当にエロディアス妃だったのか、そもそも彼女は本当に罪深かったのか?
    そもそもヨカナーンは真に預言者であったのか?
    ……戯曲としてはかなり短い内容。聖書から材を得ているらしいが、分からないことだらけ。とは言え狂おしく禍々しいくらいの耽美の世界には圧倒された。収録されているAubrey Beardsleyの不可解で官能的な挿絵18

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    2025年05月20日
  • マクベス

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    ★4。
    「メタルマクベス」と「蜘蛛巣城」のおかげで筋は知ってたけど、改めて戯曲読むと新鮮に面白かったなー。後半の、マクダフ夫人と子の場面、マクダフとマルコムの場面とかは面白そうなので映像で見るの楽しみ。
    レディマクベスの死にさらっとしか触れられてなかったのが意外だった。でもこれだけさらっとだと膨らませる余地あるから、かえって色んなバージョンが作りやすいのかなーとも思うね。
    新潮文庫版を読んだのだけど、中村保男さんの解説が興味深かったな。その前の福田つねなりさんのもそうだけど、ハムレットとの対比について書かれててなるほどーだった。テナントさんファンは脳裏に思い描きながら読めるからこれわかりやすく

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    2025年05月17日
  • サロメ

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    文学の力を体現したような文章と訳で、内容は非常に面白かったのだが、ビアズリーの挿絵で全部ぶち壊されていて笑ってしまった。盛り上がって引き込まれていくシーンでヌルッと出てくる気の抜けた「サロメの化粧」等々は全く関係なさすぎてワイルドの文学に対する冒涜としか思えないのだが、ワイルドとビアズリーの当時のバチバチした関係が味わえてよかった。ビアズリーの挿絵を載せるかどうかは意見が分かれるところではあると思うが全部載せてくれた岩波文庫に感謝。

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    2025年05月07日
  • ハムレット

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    翻訳者の福田恆存が書いたあとがき「シェイクスピア劇の演出」が印象に残った。
    この中で、役者は、演じるキャラクターの心理を掘り下げて演技すべきではない、と述べている。演劇は劇場的効果が重要で、役者は観客の望むものを提供することに徹すべきだ、と述べている。すなわち、台本に書かれているハムレットの台詞を観客に効果的に届ける媒介者、と私は理解した。
    私が映画や演劇に興味を持った時(若い時)、影響を受けたのはスタニスラフスキーの演技論だった。彼は徹底的にリアリティを求めて、観客が退屈しようと役者はリアルに佇むだけ、、、な感じだった。これがモスクワ芸術座であり、アメリカに渡り、リー・ストラスバーグのメソッ

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    2025年04月17日
  • 福田恆存の言葉 処世術から宗教まで

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    ❇️日本の近代化とは
    富国強兵
    1. 強兵➡️日清、日露で勝ち大東亜で破れた、、、戦闘力だけでは勝てない時代、経済、情報等の総合力が必要
    2. 富国➡️吉田、池田、角栄まで勝ったが中曽根以降に失速、失われた30年
    ❇️1990年の 歴史の終わり
    日本は富国強兵に代わる 目標を発見出来ていない
    ★恥の文化
    日本とヨーロッパはよくにている➡️ 騎士道と武士道、決闘と切腹、マフィアとヤクザ
    ❇️処世術
    1. 先ず、我が身のエゴイズムを知れ、自分可愛さ
    2. ゴマは上手く擦れ、自分一人だけでなく、回りの環境全体の快適さをも考慮せよ
    3. リアリズム➡️➡️
    道徳、倫理、正義を言い出すとキリ

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    2025年04月15日
  • マクベス

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    3人の魔女がマクベスの野心を表しているのならばそれは亡霊と一緒なのでは?彼の野心を正当化するためなのか。

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    2025年03月28日
  • サロメ

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    わずか90ページだが濃密。オスカーワイルドのサロメ。王女サロメはサイコパスなのか、欲望の奴隷なのか。サロメの欲するものは預言者ヨナカーンの首。ビアズリーの挿絵も強烈で凄く、インパクトのある本でした。

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    2025年03月09日
  • 演劇入門 増補版

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    ネタバレ

    作品の中の事実を並べて、役の性格分析するのはやめよう。いや、それもそれでアプローチのひとつなのかもしれないけども。作品の中での役割の方に重点を置いて、役を探ってみよう。

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    2025年02月04日
  • ヴェニスの商人

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    宗教、地理のことがわかって面白かった。
    シャイロック様も、ランスロットも先を読む力があって賢かった。

    小生が貿易の仕事をしているので、航海の安全性が担保されない時代に、アントーニオが一隻に大量の商品を積んでいることの危ないということを知って勉強になった。

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    2025年01月30日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    ネタバレ

    不思議な後味の残る小説だ。
    過度に花に彩られた冒頭、これは美しいドリアンを導く演出だろう。ヘンリーの逆説もくどいほどに過剰。
    ドリアンは終始利己的で、せっかく危機を乗り切ったのに自ら最期を招いてしまう。
    結局何を描いたものなのか、よくわからなかった。

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    2024年11月28日
  • オセロー

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    重臣を信じるあまり、妻を信用しなくなることから起こった悲劇の連続。1人の男以外誰にも相談せず決めつけてしまった。色々な人から話を聞くべきだった。

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    2024年11月21日
  • サロメ

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    ネタバレ

     ヨカナーンの声
    「その日、日は黒布のごとく翳り、月は血のごとく染り、空の星は無花果の実の、いまだ熟れざるざるに枝により落つるがごとく地におちかかり、地上の王たちはそのさまを見て恐れをののくであらう」

    『私にヨカナーンの首をくださいまし』

    なんともおぞましいセリフではあるが、このあとサロメはヨカナーンに口づけをする
    ピアズレーの挿絵もなんとも素敵でぞわぞわする
    預言者の予言の表現といい、サロメと言う作品が
    長く伝わるのは、サロメの恋の激しさが、狂気が
    わかるからだろうか

    こ、こわい

    『ああ!あたしはとうとうお前の口に口づけしたよ、ヨカナーン、お前の口に口づけしたよ。お前の唇はにがい味が

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    2024年10月27日
  • サロメ

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    ヨカナーン

    大学生の時に買って、やっと読んだ
    すごく舞台的な作品だった

    真っ黒真っ白真っ赤、金に銀
    色のコントラストがいっぱい出てきてビビッドな世界が広がっていた

    みんなヤバびと

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    2024年10月27日
  • マクベス

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    ネタバレ

    魔女の予言と夫人の教唆によりダンカン王を暗殺し、王座を手に入れたマクベス。
    そんなマクベスを襲ったのは底知れぬ不安と疑心暗鬼だった。
    そして、この不安感が罪の連鎖を引き起こす。

    福田 恆存さんの解説で「要するに、「マクベス」劇の主題は不安にある」と述べられている様に、主人公マクベスの言動や情緒から"不安"というものを強く感じました。
    権力に躍らされ、我を忘れるマクベスですが、後悔や罪悪感にとらわれ狂っていく様は悲劇そのものでした。

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    2024年10月22日