福田恆存のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
シェイクスピア、難しい印象だったが読んでみるとそんなことはなかった。
劇なのでセリフが続く。
普段読む小説と違うので馴染むまで抵抗があったが、見せ場のセリフはそのへんの小説よりもよっぽど格好の良い洒落た文章になっている。
これがクセになって読み進めてしまうし、
ストーリーを進めるためのセリフはとても簡単に書かれているのでサクサク読める。
今読むととてもスタンダードなストーリーなのだが、多分ここが源流なのかな。
ミレーの描いたオフィーリアが美しいので、どんな話なのか気になっていた。
川で沈みゆくことになる理由が知れて良かった。
ラストもこうなるのか、という内容だった。
またシェイクスピアの他の悲劇を読んでみたい。
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Posted by ブクログ
史実では、スコットランド王ダンカンを、妻にそそのかされて殺害し王位を簒奪したとされるマクベスを主人公とする本作は、その野望によって手にした束の間の栄華と、やがて破滅へと転落していく姿が、日本で古くから語られてきた「栄枯盛衰」や権勢の儚さと深く通じるものがあり、一気に読み進めることができた。
物語の構図は『リチャード三世』にも近い。しかし、マクベス自身はリチャード三世のように権謀術数に長けた人物として描かれているわけではない。むしろ、王位簒奪という罪に苦しみ、良心の呵責に苛まれる人物として描かれている点が印象的であった。権力への執着も、彼自身の純粋な野心というよりは、妻に鼓舞され、追い立てられた末の選択であったように思われる。その意味で、彼はシェイクスピア作品にしばしば見られる理想的で強靱な男性像とは、むしろ距離のある人物として描かれているのではないだろうか。
また、本作を読んでいて興味深かったのは、男性が権力や名誉を追い求める背景には、しばしば伴侶である女性からの期待や圧力が存在するという構図である。もちろん、すべての男性や女性に当てはまるわけではないが、マクベスの悲劇は、男性が自らの本心ではなく、他者から求められる「理想の男性像」に自らを重ねようとした結果として生まれた悲劇とも読める。その意味で、本作は権力の悲劇であると同時に、人間が他者の期待に応えようとすることの危うさを描いた作品でもあるように感じた。 -
Posted by ブクログ
話としては知っていたけれど、読んだのは初めて。
恋する人に振り向いてもらえなかったユダヤの王女サロメが、王の前で舞を舞った褒美に、その恋しくて憎い預言者ヨカナーンの首を所望する、という話。
ところが、聞くと読むとは大違い。
まず、会話劇のはずなのに、一つとして会話が成立していない。
誰もが自分の言いたいことをまくしたてているばかり。
人の話を聞け!
一番ヤバいのがヨカナーンだと思う。
私はもっと落ち着いて、理路整然とキリストを語る人なのかと思っていたけれど、うわごとのようにひたすらキリストについて語り、王妃の不実をなじるのみ。
サロメは一目ぼれというか、声に惚れたっぽいけど、いいの?こんな人で。
首を所望するくらいだから、サロメはもちろんヤバい人なのだけど、彼女の母親もヤバい。
今の王様は、もともと王弟だったのだが、兄を殺してその妻と国を強奪する。
なんかハムレットみたいだけど、この夫婦はその結婚がさほど幸福には見えない。
王妃は常に王の興味が娘にあることに嫉妬し(義理の親子で、実の叔父と姪なのに!)、それを糾弾するヨカナーンが目障りで仕方ない。
これらの中では王が一番まともなような気はする。
いちおう神を敬い、兄を殺す以外は人の道を外さないようにしてはいる。
が、サロメに対する劣情はやっぱりあやしい。
というわけで、主要登場人物全員が取っ散らかっているのであるが、ストーリーは単純明快で、読みやすい。
これがワイルドの腕ってわけなのかしら。
でもなぜかしら精神が疲弊します。