福田恆存のレビュー一覧

  • リア王

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     四大悲劇の一つで、主人公リア王とその娘たちの闘争が展開される。三人姉妹の長女ゴネリルと次女リーガンは、リア王の権力と財産を得たことで、物語は急展開する。ここから、貴族たちの血みどろの争いが繰り広げられる。物語が進むにつれて、次々と登場人物が無残に死んでいく様は、人間の業の深さをよく表している。たとえ身近な人々であったとしても、あるものを手に入れるために、自分の敵となる者を徐々に排除していくのを見ると、人間はここまで惨い存在になってしまうことがわかる。解説にあるように、本作で用いられる動詞は、苦痛を感じさせるようなものが多く、読んでいくうちに、読者側も実際にダメージを受けるような表現が散見され

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    2024年03月02日
  • ハムレット

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     四大悲劇の一つで、多くの登場人物が次々と死亡する。「To be or not to be」(生きるか死ぬべきか)という台詞が有名であるが、この部分の翻訳は、必ずしも上記の通りとは限らず、訳者によってさまざまである。

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    2024年03月02日
  • リチャード三世

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     シェイクスピア作品のなかでも死者数が最も多いと言われる悲劇作品。その主人公リチャード三世は、あらゆる文学作品のなかでも最大の悪人だと言われており、実際に本作を読んでいくと、確かにそのような見方をされても無理はない。リチャード三世の一連の行動に注目すると、リチャード三世は、自身の敵となる者に対して容赦なく潰しており、そこから、マキャベリ『君主論』の内容を実践する、いわゆるマキャベリストと見なされる。権力を巧みに行使して、相手を徹底的に潰す様子は、人間がどれほど恐ろしい存在であるかがよくわかる。とくに権力者が客観的に見て悪人である場合、人間に対してどれほどひどい仕打ちを与えるのかが本作から伝わる

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    2024年03月02日
  • オセロー

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    イアーゴーは何故オセローを恨み、すべてを賭けてオセローを陥れようとしたのか。リチャード3世のように身体的なコンプレックスから悪事に手を染めるといった経緯がイアーゴーにはない。イアーゴーによる、オセローへの「(自分の名誉を傷つけられたことに対する)怨念」、キャシオーへの「男の嫉妬」、デズデモーナへの「逆恨み」が、オセローへの復讐に向かわせた。なるほど人はそうしたことを考えるかもしれない。ただ、ここまでの大がかりな企てに走るというのは現実的ではないように思える。イアーゴーはシェイクスピアが描きたかった「人間の本質」ではなく、世間一般の悪意を表すものとしての舞台装置として考えてよいように思う。

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    2024年02月25日
  • オセロー

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    四大悲劇(ハムレット、オセロ―、リア王、マクベス)の中で、『ハムレット』に次いで2番目に作られた作品。
    シェイクスピア作品は、限られた登場人物の中に多様な人間関係・人間心理が織り込まれているものが多く、また、本作品以外の四大悲劇は、作品名となっている主人公が、その多様さ・複雑さを体現する中心人物として描かれているのだが、本作品については、ヴェニスの軍隊の指揮官であるムーア人のオセローよりも、むしろ、あらゆる関係者を騙し、死に追いやる、側近で旗手のイアーゴーの存在感が極めて大きい、珍しい作品である。
    また、本作品の特徴の一つは、言うまでもなく、オセローがムーア人である点だが、本作品の種本(チンテ

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    2024年02月19日
  • ヴェニスの商人

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     見方によっては、喜劇とも悲劇とも思える作品。また、読み方によって、資本主義(商人資本)の構造を読み取れる。シェイクスピアはおそらくユダヤ人と会ったことはないが、それでも、典型的なユダヤ人(本作のシャイロック)を巧みに書く想像力のすごさを、本書の解説で言及されている。

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    2024年02月18日
  • リチャード三世

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    悪に染まる宣言から始まる冒頭の掴みが秀逸!
    最初に独白する劣等な境遇に共感する読者は意外に多いような気もします。悪党を志す邪なキャラクターを主人公に据えた物語は史上初だったのでは?と関心する構成。
    王族に生まれながら、悪行に身をおかねばならなかった悲劇の物語とも読み取れます。王族のランカスター家、ヨーク家も元を辿れば一人の王に行き着きます。短い期間で両家から幾人もの国王が生まれ敗れていく。(薔薇戦争)
    その最終走者がリチャード三世。王族をとりまく諍いの火種をひとつひとつ消していく悪行は権力の行き所をシンプルさせていきます。
    この冒頭の独白は国王を目指す覚悟の宣言であり、その後の諸行は国王になる

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    2024年02月15日
  • サロメ

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    ネタバレ

    サロメを描いた絵画を見たことはあるが、元は戯曲。戯曲に苦手意識が有ったが、短かく読み易い。

    絶世の美女であり王女でもあるサロメを、預言者ヨカナーンは見もしない。サロメはヨカナーンの首を欲する。
    物語は最初から不吉な予感が漂っている。宴の席なのに、禍という言葉が何度も出てくる。皆が常に何かに怯えている。その中、大胆不敵なサロメがいる。何でも手に入る筈なのに、ヨカナーンは手に入らない。彼の首は手に入ったが、結局自分を見てもらえない。無理矢理手にしても本当に得られたわけではない。
    本書はビアズレーの挿絵18点も収録されていたのが嬉しい。
    ただ、自分に宗教知識がないのが残念である。

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    2023年11月29日
  • リチャード三世

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    さすがシェイクスピア。翻訳にも関わらず文章が美しい。人間同士の闘いのシーンを描ききったのは秀逸。物語として舞台になることがよくわかった。リチャード三世のキャラクター性に心惹かれた。

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    2023年10月21日
  • 夏の夜の夢・あらし

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    はじめて読んだシェイクスピアの作品がこの本でした。
    悲劇が有名な方なので逆に喜劇の方が気になって読み出したけど、意外とギャグ展開が多くて面白かった!
    最初は人物の名前や関係性を覚えるのが大変だったが読んでるうちに覚えていくのでスラスラ読めました!
    また違う作品も読んでみたいと思います。

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    2023年09月07日
  • ハムレット

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    ネタバレ

    ポローニアス並に冗長に感想を書き残すぞ!
    前に背伸びして読んだ時よりは面白く読めた。けど、今の私にはまだ難しいみたい。切れ味鋭いセリフが面白くて、関ヶ原くらいの時代のイギリス人と共感できるんだな、普遍的なんだな、と思うところはちょいちょいあったけど。

    ハムレットは考えるっていうより、なんかただ悩んでるだけみたいで(本人も自分のことを口先だけヤローと思って色々苦しんでる)、王子にしては国も国民のことも考えないで、自分の復讐のことで頭いっぱいで、「この子、本当に王子なの??」。
    まあ、敵味方わからない中で、王位簒奪した叔父さんを自分でなんとかしなくちゃって思うの大変だと思うよ。王子だし息子だし。

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    2023年08月29日
  • ロミオとジュリエット

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    「心の想いというものは、言葉よりも内容によって床しいもの、実質をこそ誇れ、言葉の華を誇るものではございません。」

    こんな悲劇の恋愛ストーリーだったのだ。
    読んでいる私もストーリーに思わず同情してしまうような和訳に感動した。

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    2023年08月17日
  • ジュリアス・シーザー

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    タイトルからの想像を裏切る構成が面白い!
    読んでいて思ったこと。
    シーザーは織田信長
    ブルータスは明智光秀
    アントニーは豊臣秀吉
    オクタビアヌスは徳川家康
    と設定かぶりがあるような気がした。
    シーザーは暗殺されたから偉大な存在になったとも言えるのかもしれない!そんな史劇のカタルシスがなんともたまらない作品でした。

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    2023年07月19日
  • ヴェニスの商人

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    後書きや解説にもあったが、終盤のロレンゾーとジェシカの掛け合いが軽妙で快い。

    普遍的な面白さを地で行っている作品。

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    2023年06月15日
  • ヴェニスの商人

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    ネタバレ

    大筋はスカッとなんとかみたいな印象。
    ただし舞台はジャパンではないので、現代の倫理観やらコンプラやらを取っ払った状態で読んだ場合に限る。

    プロポーズのくだりが好き。

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    2023年06月06日
  • ハムレット

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    ネタバレ

    やっとハムレット読めて満足...あの有名なミレーのオフィーリア絵ってハムレットに出てくる登場人物だったのかと、オフィーリアが亡くなるシーンでようやく繋がった...

    復讐の物語が好きなのでどんな結末になるやらとドキドキ読んだけど、想像以上に皆死んでしまった......ハムレットは復讐のため狂気を装ったけど、結果その狂気に己も飲み込まれてしまったように思えた。「いつかの亡霊は悪魔の仕業かもしれぬ」とハムレットは言ってたけど、ほんとに父上じゃなくて悪魔だったのかもな...と思えるエンドでした。

    それと、福田さんの巻末解説が良かった!
    シェイクスピア劇を演じる役者は脚本に書かれたセリフや行動から帰

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    2023年05月28日
  • アントニーとクレオパトラ

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    新潮社が出版している他のシェイクスピア作品とは異なり、注釈が無く、読みやすそうだったので借りた。事実、他の作品と違い、読んでいるうちに筋を見失うことは無かった。
    ふたりとも如何にも感動的に死んでいくが、それまでの行動があまりにお粗末なので陳腐に感じられる。それは解題、解説の通り、偉大さを描いた後に必ず卑小さを描くという手法によって、ふたりの『キャラクター』よりも『人間性』を際立たせるためだったのだろう。

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    2023年05月17日
  • オセロー

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    マクベスよりは面白いと感じながら読めた。
    イアーゴーの策略を見ていくのが面白い。
    どうせなら最後まで魅せて欲しかったが。

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    2023年02月05日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    全編通して逆説を言い続ける友達と、
    気に入った本を9冊買って違う色のカバーをかけ、その日の気分に合った色のを読むというくだりが良かった。

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    2023年01月29日
  • オセロー

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    シェイクスピアの4大悲劇の一つということで読んだ。ムーア人のオセローは美しいデズデモーナと結婚する。部下のイアーゴーが策謀を巡らせ副官のキャシオーをオセローから不信とさせ、オセローの妻デズデモーナの不義をでっち上げ、オセローはまんまと策謀に騙され妻を殺してしまう。イアーゴーの策謀の卑劣さは許せん。最後捕まり自白し刑に処するがざっまあみろだが、オセローがあまりに人を信じすぎるのが悲しい。一番可哀想なのは純粋だったデズデモーナ。悪党のイアーゴーの妻エミリアが正義の人で良かった。

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    2023年01月18日