福田恆存のレビュー一覧

  • お気に召すまま

    Posted by ブクログ

    いや、全く、羊飼殿、これはこれとして結構な暮しと言うべきだ、しかし、それがあくまで羊飼の暮しであるという点は一向面白くない。人附合いせずに済むのは大いに気に入った、だが、淋しいという点では、とても堪らない暮しだね。それに田園生活というのは実に楽しい、だが、宮廷の華やかさが無いという点では全く退屈きわまる。つましい暮しというのは、正直の話、俺の気性にぴったりだ、が、万事、在り余るという具合に行かないので、時々腹の方で音を上げるという訳さ。

    0
    2026年02月21日
  • アントニーとクレオパトラ

    Posted by ブクログ

    クレオパトラの全性格は、妖艶なるものの勝利であり、快樂愛の勝利であり、快樂を與へる力の勝利なのだ。その前には他のあらゆる配慮が敗退する。
    ──ウィリアム・ハズリット『アントニーとクレオパトラ』批評集

    0
    2026年02月21日
  • リチャード三世

    Posted by ブクログ

    絶望だ。身方はは一人もゐない。おれが死んでも、誰も、涙一つこぼしはしない。ゐるわけがない。おれ自身、自分に愛想をつかしてゐるのに、誰が涙を?

    0
    2026年02月21日
  • じゃじゃ馬ならし・空騒ぎ

    Posted by ブクログ

    ふだん着だが、ちゃんとしたものだ、これでかまわない。財布の中身は立派、貧しいのは着物だけさ。何といっても、肉体を実らせるのは精神だからね。同様に、どんな賤しい身なりをしていても、徳はおのずから姿を現すものだ。そうじゃないか、間抜けのかけすが、いくら羽根が美しいからって、雲雀より尊いとは言えまい?うろこの色が見た目にきれいだからって、まむしがうなぎより好きだという奴がいるかね?いや、そんな奴いるものか。ねえ、ケイト、おなじだよ、着るものが貧弱だろうが、道具が廉物だろうが、それできみの値打がさがるってものではない。

    0
    2026年02月21日
  • ロミオとジュリエット

    Posted by ブクログ

    Two households, both alike in dignity,
    In fair Verona, where we lay our scene,
    From ancient grudge break to new mutiny,
    Where civil blood makes civil hands unclean.
    From forth the fatal loins of these two foes
    A pair of star-cross'd lovers take their life;
    Whose misadventured piteous overthrows

    0
    2026年02月21日
  • ヴェニスの商人

    Posted by ブクログ

    慈悲は強いられるべきものではない。恵みの雨のごとく、天よりこの下界に降りそそぐもの。そこには二重の福がある。与えるものも受けるものも、共にその福を得る。これこそ、最も大いなるものの持ちうる最も大いなるもの、王者にとって王冠よりふさわしき徴となろう。手に持つ笏は仮の世の権力を示すにすぎぬ。畏怖と尊厳の標識でしかない。そこに在るのは王にたいする恐れだけだ。が、慈悲はこの笏の治める世界を超え、王たるものの心のうちに座を占める。いわば神そのものの表象だ。単なる地上の権力が神のそれに近づくのも、その慈悲が正義に風味を添えればこそ。

    0
    2026年02月21日
  • サロメ

    Posted by ブクログ

    あゝ!見ろ、あの月を!赤くなつてきたぞ。血のやうに赤くなつてきたぞ。あゝ!あの預言者の預言は本當だつたのだ。あの男は預言した、月が血のやうに赤くなると。

    0
    2026年02月21日
  • 夏の夜の夢・あらし

    Posted by ブクログ

    強い想像力には、つねにそうした魔力がある。つまり、何か喜びを感じたいとおもえば、それだけで、その喜びを仲だちするものに思いつくし、闇夜にこわいと思えば、そこらの繁みがたちまち熊と見えてくる、それこそ、何のわけもないこと!

    0
    2026年02月21日
  • マクベス

    Posted by ブクログ

    さあ、これが最後の運試しだ。このとおり頼みの楯も投げすてる、打ってこい、マクダフ、途中で「待て」と弱音を吐いたら地獄落ちだぞ。

    0
    2026年02月21日
  • リア王

    Posted by ブクログ

    旧封建秩序(リア王、グロスター伯)から新世界秩序(エドマンド、ゴネリル、リーガン)への移行は、心醜い者が報われる世界なのか、という大きな問いが見える。そうであってはならないと世界を憂うシェイクスピアは「愚」を指摘する道化師と、「救い」を象徴するエドガー、コーディーリアを対比的に描き、「本質の愛」に聖性を持たせて描いている。『リア王』には権力により生まれる悪意と「愚」の問題が込められている。

    0
    2026年02月21日
  • ハムレット

    Posted by ブクログ

    To be, or not to be ー that is the question;
    Whether 'tis nobler in the mind to suffer
    The slings and arrows of outrageous fortune
    Or to take arms against a sea of troubles

    生か、死か、それが疑問だ、どちらが男らしい生きかたか、じっと身を伏せ、不法な運命の矢弾を堪え忍ぶのと、それとも剣をとって、押しよせる苦難に立ち向い、とどめを刺すまであとには引かぬのと、一体どちらが。

    0
    2026年02月16日
  • ドリアン・グレイの肖像

    Posted by ブクログ

    この本には私の多くが含まれている。バジル・ホールウォードは私が自分だと思う人物だ。ヘンリー卿は世間が私だと思っている人物である。そしてドリアンは私がなりたいと思う人物だ──おそらく別の時代においてであろうが。
    ──オスカー・ワイルド

    0
    2026年02月15日
  • リア王

    Posted by ブクログ

    素晴らしい天才の世界は、4大悲劇と呼ばれる、中でもリア王の大惨劇の世界は、登場人物の惨めさが群を抜いていて。舞台用の残酷できらびやかな詩的な言葉で語られていく。
    愚かな親の決断は愚かな子供をますます愚かな泥沼に引きずり込む。ブリテンという広大な領土と位を餌に老後を安楽に暮らそうとしたのが間違い。見る目が曇っていたのに気がついた時は手遅れ。

    いつの世にも変わらない心情は身に染みて読める。老いに心身ともに蝕まれ、恵まれた生涯だと思っていたのが、権威も位もなくなって初めて経験するような、並みでない恐怖と落胆。幾重にも重なったショックのあまり命を縮める結果になった。
    それでもなかなか自分を顧みること

    0
    2026年02月05日
  • ヴェニスの商人

    Posted by ブクログ

    “青春は手に負えない気ちがい兎”
    “あの人、1番いいときで、少しばかり人間以下、1番わるいときは、獣より少しばかりましというお人柄なのだから”

    求婚してくる人をポーシャが1人ずつこき下ろすシーン、ポーシャの口悪すぎて最高やった。全然ここだけじゃないけど、口説き文句でも悪口でも、節々になんかこう流麗な言い回しが多くて、原文も読んでみたいなーと思った。私の知ってる皮肉大好きなイギリス人英語教師がシェイクスピアを研究していたという過去にも合点がいった
    しかしまたユダヤ人、黒人奴隷に対する描写がこれまた面白い。
    当時の奴隷やユダヤ人の扱い方がそれこそひとつの言い回しからひしひしと感じられる
    まぁもう

    0
    2026年01月15日
  • じゃじゃ馬ならし・空騒ぎ

    Posted by ブクログ

    「空騒ぎ」が猫町倶楽部の読書会の課題図書でした。
    ベアトリスのセリフが全部面白くて大好きになった。
    映像や舞台が見たくなった。

    0
    2025年12月05日
  • リア王

    Posted by ブクログ

    心に残ったのは、登場人物たちの「感情の揺らぎ」。リア王の言動は、その瞬間の気分によって大きく変わり、子どもたちへの態度も一貫しない。それが物語の不穏さを生み出し、読者として「自分はどうだろうか」と考えさせられた。多分、規模は違うけど、自分も似たようなもんだろーと。
    立場や役職にかかわらず、人はときに自分の都合で物事を解釈してしまう──その普遍的な姿が作品全体に映し出されているように感じた。
    また、メタファーや難解な言葉が多用されていて、読みながら「もっと教養を深めたい」と思わせてくれ、深い背景知識があれば、さらに豊かな読み方ができそうだ。
    余談で、リア王が嵐の中に身をさらす場面です。自分では経

    0
    2025年11月29日
  • ジュリアス・シーザー

    Posted by ブクログ

    227P

    1623年に発刊された『ジュリアス・シーザー』

    ウィリアム・シェイクスピア
    イングランドの劇作家・詩人であり、イギリス・ルネサンス演劇を代表する人物でもある。卓越した人間観察眼からなる内面の心理描写により、もっとも優れているとされる英文学の作家。また彼の残した膨大な著作は、初期近代英語の実態を知るうえでの貴重な言語学的資料ともなっている。

    ジュリアス・シーザー
    by シェイクスピア、大山敏子
    この劇がちょうど十六世紀から十七世紀へ移り変わる時に書かれたということにわれわれは注目しなければならない。ロンドンに出て来たばかりの若いシェイクスピアが書き上げた『タイタス・アンドロニカス

    0
    2025年11月06日
  • マクベス

    Posted by ブクログ

    猫町読書会のシェイクスピア読書会の課題図書なので読んだ。
    強いの武将なのにすぐに占いを信じてしまうマクベス。
    亡霊が見えてしまうシーンが面白かった。
    実際のお芝居を観たくなった。

    0
    2025年10月26日
  • ドリアン・グレイの肖像

    Posted by ブクログ

    とにかく恐ろしい。
    読んでいくうちに、自分もヘンリー卿が紡ぐ言葉の虜になっていくようだった。美しく、繊細な文学。
    間違いなく私の人生を変えた1冊です。

    0
    2025年09月22日
  • ドリアン・グレイの肖像

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    悪に徹していれば、美しいまま「堕落の象徴」として生きられたのに、「良心」とか「贖罪」なんて人間的な揺らぎを見せたからこそ、肖像画に逆襲され、結果として「美しさの仮面を剥がされた」残念だ。

    0
    2025年09月03日