福田恆存のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレポローニアス並に冗長に感想を書き残すぞ!
前に背伸びして読んだ時よりは面白く読めた。けど、今の私にはまだ難しいみたい。切れ味鋭いセリフが面白くて、関ヶ原くらいの時代のイギリス人と共感できるんだな、普遍的なんだな、と思うところはちょいちょいあったけど。
ハムレットは考えるっていうより、なんかただ悩んでるだけみたいで(本人も自分のことを口先だけヤローと思って色々苦しんでる)、王子にしては国も国民のことも考えないで、自分の復讐のことで頭いっぱいで、「この子、本当に王子なの??」。
まあ、敵味方わからない中で、王位簒奪した叔父さんを自分でなんとかしなくちゃって思うの大変だと思うよ。王子だし息子だし。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレやっとハムレット読めて満足...あの有名なミレーのオフィーリア絵ってハムレットに出てくる登場人物だったのかと、オフィーリアが亡くなるシーンでようやく繋がった...
復讐の物語が好きなのでどんな結末になるやらとドキドキ読んだけど、想像以上に皆死んでしまった......ハムレットは復讐のため狂気を装ったけど、結果その狂気に己も飲み込まれてしまったように思えた。「いつかの亡霊は悪魔の仕業かもしれぬ」とハムレットは言ってたけど、ほんとに父上じゃなくて悪魔だったのかもな...と思えるエンドでした。
それと、福田さんの巻末解説が良かった!
シェイクスピア劇を演じる役者は脚本に書かれたセリフや行動から帰 -
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Posted by ブクログ
昨年末、午前十時の映画祭で「蜘蛛巣城」を鑑賞。黒澤明監督のとても面白い映画でした。特に次第に狂気に走る三船敏郎と京マチ子の演技には戦慄しました。
この「蜘蛛巣城」の原作が「マクベス」と知り、還暦過ぎて、初めて、シェイクスピアに挑戦しました。
舞台は11世紀のスコットランド。不気味な3人の魔女から武将マクベスはスコットランド王になると告られます。
勇猛果敢なわりに若干小心な武将というマクベスのキャラクターが物語を面白くしています。強欲で頭脳明晰な妻。マクベスは妻と諮り、主君ダンカンを殺し、王位に就きます。しかし、自らの罪に慄き錯乱状態に。緊迫したプロット展開で、娯楽性の高い戯曲です。
福田恒 -
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ネタバレいがみ合う両家のすれ違いで起こった悲劇の恋愛を描いた言わずと知れたシェイクスピアの代表作。
演劇の脚本なので、読む前は地の文で描かれるはずの描写を想像して補わなければいけないところもあるんじゃないかと危惧していたがそんなことはなく、とても楽しく読めた。
ロミオはジュリエットに対し一目惚れをして神父に浮気を窘められるような惚れっぽい描写がしっかりなされていたが、ジュリエットはロミオにキスされた時にはお洒落な言い回しなだけかもしれないが婉曲的な表現で返事をしていたのに実は恋に落ちていたという展開で、そこは納得できなかった。また、最後の薬や手紙がどうもご都合主義に感じられてしまった。けれど、解 -
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唯美主義に浸りたいだけの気持ちで読むには人生動かされすぎる問題作でした((汗
ここから得るものはかなり大きいので、人生で読んでおいた方がいい作品だと思うのですが、あらすじとか教養として知っていただけの大雑把な内容などから受けるイメージは軽すぎたかもしれません。
実際に読んでみたら無秩序が予想の遥か上をいっていて、とにかく怖い怖い!
怖がらせるためのホラー小説よりもずっと怖いです……。
凄く重く心にのしかかるものがあり、考えようによっては財産にもなり得ると思うので、読んでよかったというのは素直な感想ですが、ただ私は実際に読破する前の、大まかな知識だけの時の方がこの作品が好きでした。
全て含め -
Posted by ブクログ
名作なだけはある。
読んで良かった。
引き込まれる文章によって、読み進める手が止まらなかった。単なる小説と違って、演劇感が伝わってきてセリフの迫力が凄い!!
かの有名なロミオとジュリエットがバルコニーで逢瀬するシーンや、月の光に照らされてお互いに求め合い、永遠の愛を誓うシーンはとてもロマンチックだった。何よりも、表現が豊かで重厚で味わい深い。
最後の落ちのストーリーは唐突だったので、ええええ?と驚いた。。。そいえば、ロミオとジュリエットの現代版•ウエストサイドストーリーもそんな感じだったな。詳細は違うけれども。描き方違ってどちらか見てても楽しめます。 -
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マクベスってこんなに短かったっけ…?という感じで、あっという間に読んでしまった。
自分でいろいろやっていると言われればそうなのだけど、ああ可哀想なマクベス!
IV-2
少年「小鳥のようにして。…いいえ、何でも取れるものを取って、だって、小鳥はそうしているもの、みんな」
V-5
マクベス「あれも、いつかは死なねばならなかったのだ。一度は来ると思っていた、そういう知らせを聞く時が。あすが来、あすが去り、そうして一日一日と小きざみに、時の階を滑り落ちて行く、この世の終わりに辿り著くまで。いつも、きのうという日が、愚か者の塵にまみれて死ぬ道筋を照してきたのだ。消えろ、消えろ、つかの間の燈火!人の -
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シェイクスピア読み直し企画第二弾は『リア王』を。
最初はじいさんまじやめてくれ…と姉姉妹たちにも同情的に読んでいたのですが、最後まで読むと、結局正義とは何か、正義は最後に勝ったといえないかもしれない…と、いい意味でもやもやするストーリーだったなと思いました。
狂気と見えて狂気でなく、正気と見えて正気でなく、ただ本当に正気な時も狂気な時もあって、いやなんか本当にニヒリズム文学だなと思って終わりました。真っ黒な虚無が口を開けて我々を待っている、リア王。。。
正気なことが正義に繋がるわけではない、正しいことが正しいこととして認められるわけではない。自己を見つめることは必ずしもいいことではない、、と -
Posted by ブクログ
言わずと知れたワイルドの戯曲ですね。ビアズリーの挿絵選びのセンスが好きなので、岩波文庫での読書を提案します。訳は言わずもがな、ワイルドらしい詩的な装飾の施された文体がやはり素晴らしいですね。
ワイルドしかりビアズリーしかり、彼らが日本人に与えた影響は図りしれないでしょう。三島由紀夫が初めて自分で買った本はワイルドだと言いますし、水島爾保布などの描く絵はビアズリーチックで魅力的です。話は逸れるようですが、サロメを読むと、中公文庫の谷崎潤一郎『人魚の嘆き 魔術師』も一緒に読みたくなります。短くてすぐに読み終わるのに、電撃的な恍惚感に浸れるので最高です。まるでヨカナーンに一目惚れしてしまったサロメの