福田恆存のレビュー一覧

  • ヴェニスの商人

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    ビブリア古書堂最終巻で興味を持ち読む。法定に現れた男装した恋人をに何故気が付かないかなぁ、というツッコミは無粋でしょうね、何しろ喜劇ですから。
    シェイクスピアの有名な戯曲で台本のような構成に戸惑いながらも慣れるとわかりやすいですね。しかしながら、表現が読みにくい。原文に注実だからか、二度読みすることしばしば。粋なセリフが多くきっと有名なセリフだんだろうと思いつつ知識がないのが残念。
    シェイクスピア自身による創作ではなく4つの物語をパクって構成したお話であることが驚き。日本では関ヶ原以前、安土桃山時代の作品で歴史を感じさせる。

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    2018年10月30日
  • ロミオとジュリエット

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    実は読むの初めてだったf^_^;
    そもそもこれは映像化=舞台化が前提=脚本なので
    脳内でしっかり映像化して読むのがよろしいかと。
    私の中ではディカプリオとデーンズが舞台を駆けずり回ってました。
    今こうして読んでも「これ、ステージで見てみたい!」と思うんだから
    国も文化も時間も越えるくらいの
    何か、普遍性を持った作品なんだろうね。

    「名前がなんというのだろう?私たちがバラと呼んでるあの花だって、他にどんな名前になろうとも、甘い香りに変わりないのに("What's in a name? That which we call a rose by any other name w

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    2018年10月08日
  • 夏の夜の夢・あらし

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    「夏の夜の夢」の原題は「A Midsummer Nights Dream」。Mid Summer-Dayは夏至で、MidSummer-Nightsは、その前夜。翻訳された方によれば、日本での題名は通常「真夏の夜の夢」とされているけれど、真夏というと日本でイメージする夏真っ盛りの暑さと、イギリスでの夏至のころの爽やかな初夏の陽気は全然違うので「夏の夜の夢」と訳しましたとのこと。ご本人も言っておられるように「夏の夜の夢」でも、おそらくイメージに爽やかさは望めそうにないので(そうでなくとも昨今のこの暑さ)、現代通りに「夏至前夜」でも良いくらいに思う。
    この「夏至前夜」は、西洋では妖精が跳梁し薬草の効

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    2018年10月02日
  • サロメ

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    78ページ間に渡って同じセリフを何度も繰り返しながら進んだ物語が、ラスト5行だけで一気に覆って予定調和に落ちる構成が面白いと思います

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    2018年10月20日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    期せずして永遠に続く美貌を手に入れてしまったことによる悲劇。
    老いること、醜く歪むことが、どれだけ彼を留めさせることができただろうか。
    ブラックジャックの「人面瘡」を思い出した。

    この本はとにかくヘンリー卿の印象が強い。
    ドリアンもそこそこ警句じみたことは言うのだけれど、何故かヘンリー卿に比べて非常に薄っぺらく見えてしまう。

    1つ文句を言わせてもらうなら、裏表紙の豪快なネタバレ。
    確かにストーリーの行く末自体は予測しやすいし、この本の魅力の一端でしか無い。
    でも裏表紙に書いちゃうのは違うでしょう……。

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    2017年10月21日
  • サロメ

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    ネタバレ

    愛する者を手に入れるためには、その者の命を奪ってでも手にいれたい…という、ある王女の狂気的な愛を聖書を模して一幕に収めた劇。
    登場人物に誰一人まともな人がいない、狂気の世界。醜くい世界ではなく、むしろ美しいかもしれません。
    挿し絵もちょっと幻想的で、非現実的な世界に浸るにはちょうど良い一冊。これを演じきるのは、とても難しそう…
    人間の狂気に触れたい方は、ぜひ。

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    2017年09月15日
  • サロメ

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    少し読みづらいというかわかりにくい部分もあるけど、やはり良い。
    サロメの台詞回しはすごく好き。
    ああいった悪女というか魔性というか…そういう女の人には独特の魅力があってどうしても惹かれてしまう。
    終わり方も好きだなぁ。

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    2017年07月27日
  • ロミオとジュリエット

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    急展開の悲劇。あらすじは知っていたものの、こんなに言葉遊びや下ネタが多いとは思わなかった。面白い。ただ1952年の訳なのでもっと現代に寄せた猥雑さのあるロミオとジュリエットが読みたい。難しそう。

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    2017年07月25日
  • サロメ

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    聖書の有名な場面の戯曲。
    作品名は知らなくとも、独特な挿絵は見たことがあるがある人も多いと思います。原作と一緒にみるとより楽しめます。

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    2017年05月14日
  • ロミオとジュリエット

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    ロミオは激しい恋をしてジュリエットと結婚するが、1日で破局になりその後死んでしまう。あまりにも可愛そうな話だ。恋は人を夢中にさせるが周りのことが見えなくなってしまうという点で注意しないといけない。人は障害があるとそれを乗り越えようとする。その部分は参考になる。

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    2017年04月09日
  • オセロー

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    シェイクスピア四大悲劇のひとつ「オセロー」。
    勇敢な将軍オセローが副官に任命されなかった不満うぃ抱く旗手イアーゴーの策略に堕ちる。イアーゴーのでっちあげたオセローの妻デズデモーナの不義を嫉妬したオセローは、愛する妻を絞め殺してしまう。

    「オセロー」については、四大悲劇のひとつということ以外の予備知識は殆ど無い状態で読んだが、戯曲に対する先入観がなくなったおかげか、特に読みにくさもわかりにくさも感じることなく愉しめた。

    オセローを欺くために、隠れさせたオセローに聞こえるように副官キャシオーとイアーゴーが話す場面などは特に面白かった。

    愛し合っているのに、何故一言相手に訊ねて疑いを晴らさない

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    2017年01月27日
  • アントニーとクレオパトラ

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    シェイクスピアの悲劇の終わりを告げる作品。
    ジュリアス・シーザーと同様に、伝説や物語ではなく、英雄の生き様を追うという点で、他の喜劇や悲劇とはまた性格の異なったものとなっている。
    人間が生きて死ぬことを追っていくということは、その一生にどのような意味づけを見いだすかで大きくその姿を変える。しかも、今回はワールドワイドに動く世界で、ローマとアレクサンドリアという趣きの異なる世界の行き来。場所だけでなく、人間も、三頭政治の世界からクレオパトラの世界、甘い宴の世界と、激しい戦争の世界と、緩急が綴れ織りのようにやってくる。とてもじゃないけれど、ひとつの劇で収まる規模の話ではない。それをひとつの舞台の中

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    2017年01月22日
  • じゃじゃ馬ならし・空騒ぎ

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    シェイクスピアの初期の喜劇。
    いかにも試行錯誤を続けた感じ。じゃじゃ馬ならしの最初に出てくる酔っ払いの効果や空騒ぎの急激に変化する人間関係など、役者が自由に動いている感じはあんまりしない。一生懸命、筋を成り立たせようとしている感じ。
    そうではあるが、すでにことば遊び、目まぐるしいナンセンスの応報、ずれた人間関係のパーツとその解消、たくみな心理要因を活かした関係の色彩といった、今後シェイクスピア花開かせていく力の数々の萌芽はもう十分に感じられる。
    あまりのナンセンスの多さに、訳者は大変苦労されたのではないかと思うが、厳密な意味での訳ではなく、多少意味を損ねても、その勢いや快活さを壊さぬよう、苦心

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    2016年12月18日
  • オセロー

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    オセローを陥れる イアゴーも悪い奴だが、オセロー自身も浅はかだ。出てくる人はみんな表面的にそう思われている人格では無かった・・ ということでもあるんだなあ。女性の書き方が単純すぎるよ シェイクスピアorz

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    2016年09月18日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    深夜ドラマでこの作品を知って、いつか読まなきゃと思いつつ5・6年経ってしまいました。オスカーワイルドや彼の他の作品については何も知りませんでした。
    肖像画が本人に代わって年をとる、というストーリーがわかりやすかったので、読みづらい文体でも読み進むことができました。特にヘンリー卿の(ワイルドの?)人生観が多すぎるくらいに散りばめられていたので、ひとつずつ咀嚼していたら時間がかかってしまいました。でも、印象に残る台詞ばかりで、納得するところも多かったのでとても興味深かったです。女性観については女性として、おや?と思う部分もありましたが。


    美という芸術に捕らえられた少年が「罪」を巻き込んで「成長

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    2016年08月04日
  • ヴェニスの商人

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    ネタバレ

    「本当、私の小さな体には、この大きな世界が重たすぎるのだよ。」
    後に、人肉裁判を仕切る博士のセリフとは思えない。女性らしい奔放さと、聡明さを兼ね合わせたポーシャはとても魅力的に感じた。ヒロインをポーシャとすれば、喜劇。

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    2016年05月16日
  • オセロー

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    シェイクスピアさんは、悲劇の十年の前に愛人を敬愛していた紳士に寝取られたという過去を持っていたそうだ。事実そうかどうかは、わたしが怠惰な質なので未だ明確にはなっていない。
    しかし、オセローはそこを乗り越えるために書かれた戯曲なのではないかと。そうわたしには思われてならない。世の女性の淫らさを詰り尽くすことで逆に聖なる存在に祀り上げる。確かに福田先生が仰るように祭儀的(しかも、猜疑的。)な演劇である。
    きっと、シェイクスピアさんはオセローになりたかったに違いないな。わたしもなりたい...

    Mahalo

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    2016年04月12日
  • ドリアン・グレイの肖像

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    耽美と頽廃の世界。やっぱり良い。ヘルムート・バーガーもドリアン・グレイを演じたことがあるらしい。納得!

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    2016年02月15日
  • ジュリアス・シーザー

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    四大悲劇(ハムレット、オセロ―、リア王、マクベス)執筆の直前に書かれた政治劇で、そのほぼ全てをプルタークの『伝記』から取っている。
    英国では、知識人・エリートと呼ばれる人々はみなシェイクスピアを読んでいると言われるが、中でも、現在最も読まれているものは本作品であろうと言われ、教科書にも取り上げられているのだという。
    本作品では、シーザーが絶命寸前に言った「お前もか、ブルータス?」の台詞があまりにも有名だが、クライマックスはむしろ、ブルータスがシーザーを暗殺した後、市民の前で、「おれはシーザーを愛さぬのではなく、ローマを愛したのである」と演説して市民を納得させた直後に、シーザーの腹心であったアン

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    2016年01月11日
  • ドリアン・グレイの肖像

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     類いまれなる美貌をもち一切老けないドリアンと、ドリアンの悪事によって老けていくドリアンの肖像画。美貌が重荷になり、自分の人生こそが芸術だと他人に称せられるドリアンの人生の恐ろしさは、一生共感できないと思う。そんな自分の人生に苦しんだ結果ドリアンがとった行動は、解説の方がおっしゃるようにまさに真面目なモラリストであるドリアンらしくて、小説のラストとしては好き。

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    2015年11月29日