福田恆存のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タッチストーン こちとらも同じだ、忘れもしない、ある女に惚れて夢中になり、剣を石に叩きつけてへし折って、やい、恋敵め、今夜俺のジェーン・スマイルの所へ忍び込んで来やがったら、これ、このとおり、と怒鳴ったものだ、それから、その娘の使う砧にも、皹の入ったかわいらしい手で絞った牛の乳首にも接吻したものだ、まだある、畠の豌豆をその娘に見立てて口説いた事があったっけ、その蔓から莢を二つ捥ぎ取って、それを女に、いや、蔓に返し、泣きの涙で「これを俺だと思って肌身離さず」と搔きくどいたものさ……まことの恋をする者は呆れた狂態を演じて恥じないが、この世の在りとあらゆるものはあすをも知れぬ定め、同様、恋の定めはあ
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Posted by ブクログ
ロザリンド 本当にね、さすがの「自然」もとても適わない、「運命」ときたら、「自然」の造った阿呆をよこして、「自然」の造った智慧の邪魔をするのですもの。
シーリア もしかしたら、これも「運命」の企みではなくて「自然」の仕業かも知れない、「自然」から授かった私たちの鈍い智慧では、こんな女神論など戦わせる柄ではないと見て取って、そういう私たちの智慧を磨く砥石にと、「自然」がこの阿呆を送ってよこしたのに違いない、阿呆の愚かしさというのはいつでも智慧の砥石になってくれるのですもの……ところで、お利口さん!何をうろうろしているの?
タッチストーン お嬢様、お父様の所へおいでを。
シーリア お前は間者 -
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Posted by ブクログ
表紙の絵がえっらい美男子で、これ・・・?これがリチャード3世なの・・・??とイメージの再構築を迫られます(笑)
シェークスピアん中ではすごく読みやすくて理解しやすいなあ、と思う。
むかーし、立て続けにシェークスピア読んだことあったんだけど
・ハムレット⇒父親の亡霊出てくるのがなんともコミカルで、そのコミカルさに今一つついてけなかった
・ベニスの商人⇒シャイロックかわいそすぎるだろ・・・。借金しといて踏み倒す二人組怖すぎ
・ロミジュリ⇒若さと言ったら一言で済むが、さんざっぱら女と遊びまくってた男が、いきなり清純派に惚れて心中て・・・ねえ・・・あと一週間ぐらい考えようよ、とつい思っちゃう。短気な人 -
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Posted by ブクログ
「あらし」
「アントーニオとセバスティアンには最初はそのような意図はなかったのです。それはアロンゾーとゴンザーローの上に投げ掛けられた魔法の眠りによって暗示されました。しかし彼らは、他の人々が言った事に対して状況も年齢も考慮せず、あざけり罵倒する人物――どんなに素晴らしい真実を教えてもらっても感激することなく、悪意に満ちた非社交的な感情に身を任せていて、他人の言うことには何でも耳を傾けるけれども、それは他人の経験や知識からなにか自分のためになるものを得ようとするのではなく、相手が自分よりも劣っていると信じ込んで、虚栄心や利己心を満足させてくれるものを聞き出すために過ぎないような人物として登場し -
Posted by ブクログ
私の恋愛観 ※ 恋愛と人生 恋愛の聖化 美的恋愛 恋愛への逃避 恋愛感情の混乱 恋愛の意味づけ 性の科学 性の露出化 結論 ※現代人は愛しうるかロレンスの恋愛観性的好奇心について恋愛の幻滅 ※誤れる女性解放論日本家庭論恋愛狂時代 ※あとがき以上が目次です。解説は「恋愛はするものであって語るものではありません」(中野翠)。底本は1959年新潮社刊。解説にあるように「決して読みやすい本ではない。スラスラスイスイ読み流せる本ではない」。もちろん刊行当時からかなりの年月が過ぎていることを勘案して読まねばならぬ点も。でも、まず最初の数頁でぐい、と胸ぐら掴まれた思いです。スラスラスイスイではな
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