福田恆存のレビュー一覧
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有名な古典劇の戯曲で、ジャンルは復讐劇の悲劇です。
シャイクスピアのものを読むのは
『ロミオとジュリエット』以来の二作品目になります。
ぼくは演劇をよく知らないので、
他の比較してどうだとか、
現代劇と比較してどうだとか、
まったくわからないのですが、
この『ハムレット』に関していえば、
ストーリーのスピード、セリフの質などから、
「勢いがあるなあ」と思いました。
また、
「悲しみというやつは、いつもひとりではやってこない。
かならず、あとから束になって押しよせてくるものだ」など、
名言、警句、機知に富んだ言い回し、多様な比喩、
アンバランスな狂気の言葉がちりばめられていて、
シェイクスピ -
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夜の夢は妖精に弄ばれる人間たちの滑稽な恋愛模様が繰り広げられます。説明は詳細にしないとだめですね。そもそもなぜこのいたずらっこのような要請に頼んじゃうの王様と突っ込みをいれたくなります。最後は無事幸せになってよかったですね。
あらしは、もと王様が復讐を果たすべく自分が追いやられた島に、犯人たちを導き、思う存分嫌がらせした後、満足して国に帰る話ですが、こき使われる妖精がだんだんとかわいそうになります。最終的に自由になったものの、読んでる間、やっぱり自由にするのやめたとか言い出したらどうしようかとちょっとはらはらしました。どちらもハッピーエンドな流れで読みやすかったです。 -
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シェイクスピア『オセロー』新潮文庫
ー邪推にはもともと毒がひそんでいる、そいつが始めは嫌な味がしない。しかし、ちょっとでも血の中に染みこむと、たちまち硫黄の山のごとく燃え上がるのだ。ー
どうしてもオセローだけお揃いの表紙が中古で見つけられず…この表紙イヤだ。
四大悲劇の中で最も読みやすく(話がわかりやすく)、最も小規模で現実味のある話でした。
間違いなく、デスデモーナの親父さんは悲劇を予期していただろうし、イアーゴーではなくキャシオーを副官に選んだオセローも相応しい人選をしていたんでしょう。
親の言うことは割と当たっています。
他人に頼っても恋は成就しません。
人を騙して出世してもロ -
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今月の千年読書会の課題本となります。
子どもの頃に読んだ覚えがありますが、学生時代はどうだったかな。。
うろ覚えながらもイメージ的には、
勧善懲悪なカタルシスのある喜劇、との感じでした。
粗筋としては確かにその通りで、、
当時は16世紀、大航海時代を謳歌する海洋国家“ヴェネツィア”、
そこで海運業を営む一人の商人とその周辺の人々の物語となります。
その義侠心あふれるヴェニスの商人“アントーニオー”が、
手元不如意な友人“バサーニオー”の結婚資金?を用意するため、
ユダヤ人の金貸し“シャイロック”から借金をすることに。
その担保は、航海中の積荷と自分の“1ポンドの肉”。
あえなく難破 -
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夏の夜の夢のほうは、「ガラスの仮面」でも演目に選ばれたよく知られる喜劇。ただこれは台本を読んでるようなものなので、洋の東西を問わず様々な例を情緒たっぷりに出しながら愛を語りまくるという眩暈がしそうな文が続き、眠くて仕方ない。パックのキャラクターといたずらが清涼剤になるのがよくわかった。
「あらし」のほうはざっくりいえば復讐物語なのだが、主人公プロスペローはなるほどたしかに名君だったのだろうなと思わせる言動が多く、彼を助けた人物も劇中で推察することができるし、傑作と呼ばれるのもうなづける。特にエーリアルに語りかけるプロスペローが好きだなあ。面白かった。 -
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1930年、D. H. ロレンス最後の著作とのこと。
本書の冒頭と最後で語られるところによると、ロレンスは少年時代から既に、キリスト教の「道徳臭」がイヤでたまらなかったようだ。この感覚はおそらく、19世紀末以降は普遍的にヨーロッパ人に共有された「時代の空気」であったろう。
ロレンスは「黙示録」はキリスト教の文脈にさえそぐわない、異教的で、破壊への情欲に満ちたシロモノだと断ずる。そもそも「黙示録」の著者とされるヨハネと「ヨハネ福音書」の著者とされる人物は別人だと主張する。「黙示録」ではもともと異教趣味に満ち、イエスの「愛」にまったくそぐわないような、強者への復讐の願望/怨恨にあふれた書物であり、 -