福田恆存のレビュー一覧
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「人生は舞台。人はみな大根役者。」
〈あらすじ〉
スコットランドの将軍マクベスは戦争からの家路で3人の魔女に遭遇する。魔女はマクベスはいずれ領主、そして王になるという。半信半疑だったマクベスだがその後戦果をあげた褒美として領主に任命され、魔女の予言が本物であることに気づく。それから強欲になり続けるマクベスは、殺人に手を染め自らの身を滅ぼす。
〈珍しくファンタジー〉
マクベスはシェイクスピアの四大悲劇の中で唯一ファンタジー要素を有している作品である。リア王、オセロー、ハムレットはいずれも生身の人間を中心に人間の愚かさを描いているが、マクベスだけは「魔女」が登場するからだ。
四大悲劇を立て -
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「これほど美しくこれほど危険な女はいなかった。」
〈あらすじ〉
ヴェニスの黒人将軍オセローは白人貴族の娘であり若く美しいデズデモーナと恋に落ち、周囲の反対を押し切り秘密の結婚をする。そんな二人の仲をオセローの手下であるイアーゴーが引き裂こうとし、デズデモーナの不倫を捏造する。まんまとイアーゴーの手のひらの上で踊らされるオセローは悲劇を生む。
〈オセローのコンプレックス〉
この物語は簡単に言うと「妻を信じきれなかった黒人おじさん」と「濡れ衣を着せられ夫に殺された白人お姉さん」の話で、オセロー(おじさん)に非難が集まることは容易に想像できる。ただ、差別が絶えない時代で黒人として生まれ、また -
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ネタバレ(夏の夜の夢は、昔学校でやらされたので今回は割愛。キモい話だが、最後のパックの言葉が好きだよ。
00年代の映画も楽しかったし、メンデルスゾーンの妖精の歌も大好きです。)
越智敏之「魚で始まる世界史」を読んでいて、シェクスピアのあらしに魚関係の言葉が出てくる背景の解説があり、あらしってどんな話だったっけと思って再読。
私の持つ文庫は古いやつでこんなおしゃれな装丁ではなかったけれど。。。
再読する前に覚えていたことは
プロスペローという怖いおじさんと娘と島の話だというくらいだった。
(そういえばガンダム水星の魔女は、あらしをモチーフにしているんだったなと思いつつ読んだ。確かに、プロスペローは娘 -
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忠実な武将だったマクベスが、魔女の言葉に唆されて王を殺して王位を奪うも、最後には全てを失って殺されてしまう。
一言で言えばそんな物語。
魔女の話を聞いた時にマクベスは「そんなバカなことがあるか」と言いながらも、満更でもない感じでした。元々心の中にそんな野心があって、「じゃあその予言に乗っかるか」みたいな感覚もあったのではないかなと思います。
野心は必要かもしれないけれど、人としての仁義は捨ててはいけません。
それを持たないなら、人ではなく獣や悪魔と変わらないのかもしれないな、と思います。
約400年前の物語を今でも数百円で読むことができるというのは、やはり本は素晴らしいなと感じて読み -
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ネタバレ中世の二人の真っ直ぐな恋にドキドキし、二人を取り巻く境遇や運命にハラハラさせられる作品。
対立する家柄の二人が恋に落ちて...と言う設定には凄く気持ち揺さぶられますね。
話の流れは非常に面白いのですが、訳が私には合わなかったです。
まず、古文の様な言い回しが非常に読みにくく、登場人物の口調がバラバラな上に
江戸っ子のような口調で会話するのでヨーロッパらしさを感じない。
また、要所要所で仏教用語が挟まれるのですが、こちらもヨーロッパらしさをかき消しています。
好みあるかと思いますが、この点で他の訳を読むことをおすすめします。
(他の訳は読んでいないので、どちらがおすすめかはわからないです。)
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1606年頃に成立したシェイクスピアの戯曲。
『リア王』『ハムレット』『オセロー』と並び、シェイクスピアの四大悲劇と称される。
本作の主人公であるマクベスは、実在のスコットランド王(在位1040-1057年)をモデルにしている。
マクベスは、反乱軍の鎮圧に成功した帰路、目の前に現れた三人の魔女から「いずれ王になる」という預言を受ける。
初めは預言を信じなかったマクベスだが、徐々に王位への欲が芽生える。野心家の妻が焚き付けたこともあり、遂にダンカン王を暗殺し、王位に就く。
王となった後、マクベスは自分の地位を脅かす者への恐怖から幻覚・幻聴に悩まされることになる。
マクベス夫人も錯乱し、やが -