田内志文のレビュー一覧

  • ウォールデン 森の生活

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    ネタバレ

    とある小説にソローの名前と著書の名前が出てきて、気になったので読んだ。思想家でもあったので理屈っぽいし、現代にも残る社会の仕組みが嫌だったからかかなり皮肉っぽい。ただ、自然の中で生きているはずの人類が社会制度や更なる欲に振り回されて「らしさ」なく人生を生きているっていう考えはなるほどなと思う。それはSNSが発達し、ソローが生きた当時より欲が強くなってる現代なら尚更。ソローみたいな生活は無理だけど、一度立ち止まって自然を観察して考えて気づきを得る(視野を広くする)のは必要だよなぁと思う。
    ウォールデン湖ってどんな感じだろうとネットで調べると、どうやら観光客や遊泳客による汚染、スポーツフィッシング

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    2025年02月11日
  • 失われたものたちの本

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    君たちはどう生きるかの素となった本であるということで読んでみた。結構似たような物語だった。デイヴィットは結局自分の世界で生きることを選んだ。目先の欲望に負けずに、今に立ち向かった。現実世界は苦しいことだってたくさんある。でも、それから逃げてしまうより大きな後悔を生んでしまう。だからこそ、いっときの感情に流されず、一度立ち止まって考えるということが大事だと思った。

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    2025年01月23日
  • 銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件/奇妙という名の五人兄妹

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    書店でタイトルに惹かれて手にとって読んでみました。ファンタジー?って言っていいのかな??と思ってしまうくらい、不思議なお話で。
    何が何だか……と思いつつも、読み終わりはなぜか気分がスッキリしてるなんとも不思議な魅力が詰まってました。

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    2024年11月20日
  • 銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件/奇妙という名の五人兄妹

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    蔵書の整理がつかないため海外作家は遠慮気味だが、これはタイトルに釣られて購入

    レーベルは創元推理文庫だが稀に存在する「推理」「ミステリー」抜きなので、そちらを求めている方には肩透かし
    と書いたがよく見たらMじゃなくてF(ファンタジー)だった

    デフォルト版カバーを買ったが、舞台版だったら手にしてないかな

    展開はスピーディー
    ストーリーテラーと発想力は評価したいがある意味なんでもアリの物語なので特に「推せる」本ではないかな

    タイトルが気になった方、お暇ならどうぞ

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    2024年11月06日
  • 1984

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    言語や思想が管理された近未来世界を描いたディストピア小説。
    ウィンストンが確証バイアスに陥っている所に気づけなかった。
    【関連書籍】
    サピエンス全史、FACTFULLNESS

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    2024年09月29日
  • 1984

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    名作は読んでおかないとと思い以前にハヤカワ版を手に取ったことがあるものの序盤で挫折してしまっていた1984(ハヤカワ版では一九八四年)。新訳が出ていたことを知って読み始め、前半はそこそこ時間はかかったものの、無事読破。

    全体主義国家が統治、監視している社会を描いたディストピアもので、国家を支配する党に対して密かに疑問を持ち反感を抱いているウィンストンが主人公。

    中盤までは退屈に思うこともあり面白かったとまでは言えないが、これが1949年に刊行されたことも踏まえると名作と言われることにはとても納得。現代にある一部の監視国家のことを予言しているかのようだった。

    その中では、言葉の幅を狭めてい

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    2024年09月16日
  • シャーロック・ホームズの護身術バリツ

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    バリツというか、バーティツというか。明治の頃のエゲレス人が、日本の柔術を主体に編み上げた護身術で、雑誌で大々的に公開した由。
    ステッキ術とかも含まれているが、その時代のそれということを除けば別にどうってことはない感じ。
    素手のパートの写真とか、柔術教範とかとそう変わらなかったし。
    ステッキの使い方も日本人としてはどうかな、と思う。
    護身術にも、ホームズにも興味がない人には、まるでわからん本。

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    2024年06月19日
  • 10の奇妙な話

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    コンテのようなショートストーリーが10篇おさめられているのですが、奇妙奇天烈な物語で映像が浮かんでくると不気味だたり、滑稽だったり、美しかったりと読後はモヤモヤが残るんですが心地よかったりです。

    正気と狂気、日常と非日常の境界線で揺れるファンタジーにSF、サイコホラーな感触がおどろ可笑しく影絵をみてるようなナイトメアーでした。

    ティムバートンのイラストを彷彿させるタッチでアダムスファミリーかって表紙絵がそれぞれの話の主人公たちなんです。

    映像的には「蝶の修理屋」なんですが1000匹の蝶が飛び交うシーンは幻想的なんだけど集合体恐怖症の私は想像しただけで鳥肌たってしまいました。
    「宇宙人にさ

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    2024年05月17日
  • こうしてイギリスから熊がいなくなりました

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    かつてイギリスにいたという、恐れられたりたまに敬われたり地下で下水道掃除してたり戦ってたりしてた熊たちのちょっと不思議な短編集。

    ・感想
    短編だけど世界観は繋がってる。
    不思議な雰囲気のイラストが沢山収録されてた。

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    2024年03月06日
  • 新訳 ジキル博士とハイド氏

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    オチは軽く知ってたせいか、どうやってバレるんかが気になりながら読んだ作品。
    オチ知らんかったら途中でよう分からんってやめてたかもなので、それはそれで良かったと思う。

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    2023年12月25日
  • こうしてイギリスから熊がいなくなりました

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    哀愁を感じる熊たちの物語だった。
    数世紀前の動物に対する残酷な扱いが物語の背景にあって皮肉めいた寓話。
    デイビッド・ロバーツの挿絵が世界観にピッタリ。

    解説を読んでイギリスには実際に熊がいないことを知った。最後の話はタイトルに繋がっていて、子どもの頃にこの物語を聞かされたら本当のことと信じてしまうかもしれないと思った。

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    2023年11月21日
  • こうしてイギリスから熊がいなくなりました

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    タイトルどおりの結末へ導かれる八篇。
    挿絵があるので、奇妙なお伽話のような読み心地でした。

    どうして熊が愛されるのか。人間性を見出そうと試み続けられ、古今東西あらゆるキャラクターになっているのか。
    考えてみると確かに不思議です。

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    2023年11月06日
  • こうしてイギリスから熊がいなくなりました

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    初読。挿絵が多くてびっくり。「サーカスの熊」「市民熊」がよかった。あとがきと解説ですこしわかったような気になった。

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    2023年10月25日
  • 10の奇妙な話

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    狂気と正気の境界線、越えてしまったり、戻ってきたり。
    寒々として冷んやりしていて灰色な、雨降りの冬のイギリス様な世にも奇妙な物語。
    挿絵がいい!

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    2023年10月02日
  • こうしてイギリスから熊がいなくなりました

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    なんとも不思議な本である。
    イギリス人は熊を絶滅させてしまったと言う話は聞いていたので、熊絶滅に至る物語を時代を追ってやや幻想風に書いた連作かな、と思って読みはじめたのだが。
    どうも、必ずしもそうではなさそうだ。
    どこまでが史実で、どこが寓話で、どこからが伝説なのか、奇妙にぼやけてわからない。
    途中までは、たしかに伝承に基づいた実話だろう。熊は森では恐れられ、サーカスでは虐待されてきたのだろう。だが、その先は?
    史実として熊が下水掃除をしたり、潜水士をしていたわけがないと思う。
    この辺は寓話なのだろう。

    だが、その光景は妙に心に届く。
    たぶんこの本は、伝承であり、史実であり、寓話であり、伝説

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    2023年08月15日
  • 銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件/奇妙という名の五人兄妹

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    どちらの話も一癖ある個性的な味わいだった。
    銀行強盗…の方は、挿絵も多くて童話っぽい感じなのだけど、夫婦のギクシャクした関係は妙に現実的。他の人たちの顛末も奇想天外なファンタジーのようでいてなにかの暗喩のように思える(それが何なのかは深く考えなかったけど)。
    奇妙という名の…の方は、たまに意味や意図がわからないところがあったが、ワクワクするようなエピソードもあり、楽しく読んだ。

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    2023年08月12日
  • こうしてイギリスから熊がいなくなりました

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    タイトルと表紙の絵に惹かれて借りた本。イギリスという国は、熊を絶滅させてしまった国なんだな。
    表紙の絵の話は人も熊もお互い何も悪意はないのに、いや寧ろ信頼関係で結ばれていたのに、身体的理由のために、人が砕かれてしまう話。これは悲しかったな。

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    2023年08月03日
  • 銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件/奇妙という名の五人兄妹

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    『奇妙という名の五人兄妹』
    最初から最後まで『アンブレラアカデミー』だった……!!
    こっちは血が繋がった兄妹の話だが概ね良かった。
    終盤の映画みたいな展開とても好き。
    離れていた兄妹たちが辿る結末とかは『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』っぽくて良い。
    というか、構造自体が結構『ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス』なのでは。

    でも親を許せないなら許せない(許さない)ままで良いのに結局許すことを選んでしまう点はぶっちゃけどうなの?と心がモヤモヤしまくりだったのでそれさえ無ければなあ〜と喜び半分落ち込み半分という感じだった。
    ここは個人の好みの問題かな。

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    2023年07月09日
  • 新訳 ジキル博士とハイド氏

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    善のままで生きたいという気持ちと、自分を抑えずに自由に生きたいという気持ちはどちらもある。
    そして、それぞれの性格に異なる外見を与えて、さも別人のように仕立ててしまったのが面白い。
    最後の告白文には共感する。

    訳者あとがきで、男色の話だと書いてあったが、自分は全く気づかなかったので、時間がある時にまた読み返してみたい。

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    2023年05月16日
  • 新訳 ジキル博士とハイド氏

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    ネタバレ

    ミュージカルを観てそういえば原作を読んだことないなと気づき読んでみることに。まず本自体の薄さにびっくりし、登場人物も10人に満たないくらいのとても短編。舞台上ではエマやルーシー、殺された理事会のメンバーなどのキャラクターがいるが、この中で原作に登場するのはカルー卿(しかも殺されるだけ)のみ。
    今でこそ「ジキルとハイド=二重人格」という意味合いで使われているが、読んでみると薬で身長や顔つきが別人になる様子が描かれている。友人の弁護士アタスンの視点で(ハイドの姿の)ジキルが死んでからは手記と手紙によってその経緯が語られる。
    訳者あとがきで「当時の視点からすると同性愛(当時の法律では違法)と取られる

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    2023年05月02日