田内志文のレビュー一覧
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前作から15年の月日が経っていることを感じさせる一作だった。物語は作り手の変容や時代の変容と共にあるのだと同じ著者の本を読んでいくとつくづく感じさせられる。
前作が母を失い、義母と馴染めない少年の成長譚で、今回は一人娘が事故で植物状態となったシングルマザーの心の回復の物語。主人公のセレスは失われたものたちの国で32歳の記憶も精神も保ったまま16の姿になって旅をする。前作がまだ幼く様々な事によって経験をつみ大人となっていくのと異なり、今回セレスはまず今までの経験を踏まえて様々な事に冷静に対処していく。ただ思春期の頃に戻ることでもう一度子供心も取り戻しつつ、大人としての生き方を再度見直していくこと -
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これは――おとぎ話なのか?痛烈な風刺なのか。どうとも捉えられそうな、イギリスと熊の物語8編。
言葉なき熊と取引めいたことをして、人間は心の安寧を得る。しかし、しょせんそれは異なる種族との取引。常識も前提も違う熊との間で、お互いに利がある取引なんてのはまやかしなのだと明らかになる。熊は知らず課された役割を、やはりそうとは知らぬまま放棄して、少しずつ人間社会から遠ざかっていく。そのさまが、人への皮肉や糾弾にみえる。
読み進めているうちに、熊が人にも思えてくるのがこの本の怖いところ。虐げられている人、支配されている人、社会の中で見えない存在とされている人たちを熊に仮託しているのではないか?ときに団結 -
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「果てしない物語」や、ナルニアのような物語かな?と思いつつ読み始めました。
色々な童話のかけらが散りばめられた不思議な国で、主人公はさまざまなものと出逢いながら王様の元へ向かいます。
その世界の秘密は? 謎の男の正体は?
最初は様子を見ながらでしたが、途中から、物語の世界に入り込んでいました。私が物語を覗き見たというよりも、その世界を自分も体験したような感じ。
こういう読後感は本当に久しぶりでした!
ねじくれ男的な部分って、私の中にもあるよな、とか。物語を通り抜けて、私自身もディヴィッドと同じく、すこし成長したような感じ。読んだ後は寂しさよりも清々しさがある。
いい物語に出会えたなぁ!
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ネタバレジブリ映画の「君たちはどう生きるか」の理解の助けになるかと、原作(原案?)の一つであるこの小説を読んでみた。
この小説自体の面白さ、テーマ性の力強さに圧倒され、宮崎駿監督はこの要素を取り入れたのかな等と考えつつも物語を楽しむことができた。
しかしこれを読んであの映画を作ったのかと思うと、やはりオリジナリティの天才だと思う。
まずこの本は、物語と人生の密接さを描いている。
数々の童話をモチーフにした物語や展開が描かれ主人公や登場人物の人生に相互に影響し合っているのが分かる。物語は生きており、それを読まれたがっているのだ。
そしてこの本は、ひとりの少年が成長し、大人になるまでを描いているのでは -
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世界を救うための、
妖精たちが住みやすい世界を作るための、
ブリスタルたちの冒険譚、最終巻。
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改めて、すべてつながってる!と、感激した。
「ハリポタ」シリーズもそうだけど、
長編ファンタジーストーリーを書かれてる方の頭の中はどうなってるんだろうと、改めて感服。
『ザ・ランド・オブ・ストーリー』につながるお話だから、
ブリスタルたちは大丈夫とわかっていてもドキドキしっぱなし。
まるでクリス・コルファーさんの手のひらで踊らされてるみたいだ。
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そして、今の私に必要なメッセージが多々あった。
ネガティブな声を現実と間違えてはいけない。
それを嘘だと証明できるのは、自分だけなんだ。
心の声が生み -
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ネタバレ失われたものたちの国
よみおわりました。
宮崎駿監督が引退を決めたのに、復活するきっかけになった物語(の続編)になります。
ジョン・コナリーの児童書になりますが、
けっして甘ったれた内容ではありません。
前作は少年ディヴィッドが『ねじくれ男』に招かれ異世界に行ってさまざまな苦難を乗り越えて成長していきます。
続編は事故で植物人間になってしまった娘を看病していた女性が異世界に飛び込んでしまいます。
かなり芯のある(強気)女性セレスですが、なぜか十代の女の子に戻ってしまいます。そして前作の主人公ディヴィッドや色んな人物と出会います。
内容はかなりグロい部分があり、スパイスが強めです -
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「空き家の冒険」でシャーロック・ホームズが語った
“バリツ”という日本の格闘術。どんな武術かは謎だが、
実はイギリスには“バーティツ”という護身術が存在した。
・監修者まえがき
第1章 新しい護身術Part1 第2章 新しい護身術Part2
第3章 杖を使った護身術Part1 第4章 杖を使った護身術Part2
付録 強い男に見せるには 技1~15 まとめ
・監修者あとがき ・訳者あとがき
「空き家の冒険」での“バリツBaritsu”って日本の格闘術?
長年、謎に思っていましたが、実はほぼ同時代に、
“バーティツBartitsu”という護身術が存在していました。
バートン=ライトが日本の -