田内志文のレビュー一覧

  • 1984

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    ネタバレ

    ディストピア小説と知っていたのに、読んでいる時にウィンストンに対して希望を抱いてしまった。ウィンストン自身も、到底実現することのできないことだと頭では考えつつも、心の奥底では希望を感じていたのではないかと思う。オーウェルがこの作品に込めた全体主義批判的な側面も考慮しつつ読むと、さらに深い理解を得られるだろう。ビッグブラザーはあなたを見ている。

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    2026年08月04日
  • こうしてイギリスから熊がいなくなりました

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    罪を被る熊、下水道の掃除をする熊、潜水夫の熊など、イギリスの社会で熊がどうしていなくなったのかをユーモラスに描く短編集。
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    イギリスにはクマはいない。はるか昔に狩り尽くしたから。という事実を知っていて、それをどう表現するものなのか、という好奇心で読んだのだけど、本当に面白かった。熊を労働階級の人々に重ねて、その過酷な環境を描く社会風刺もすごく効いている。これらがユーモアを交えて描かれていて、とても面白く読めた。
    特に作者が熊(社会的地位の低い人々)に対してシンパシーを持っていることがよく分かって、共感できるお話だった。訳者解説にはイギリスのクマの絶滅事情も書かれ

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    2026年07月28日
  • 10の奇妙な話

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    どの短編も奇妙で、ちょっとまぬけで
    ちょっと残酷で、ちょっとワクワクして、
    とにかくおもしろかった。
    中でも蝶の修理屋さんの小道具を手に入れた少年の話しは、ワクワク感がすごかった。
    蝶のコレクションを見ると、美しいのだけれど、
    これほどの蝶を殺してミイラにしているかと、
    思うと、なにか違うんじゃないかと思う気持ちは
    よくわかるし、そう思ってもきた。
    少年の努力と思いが報われた瞬間は、もうたまらなくスッキリとして、ほっこりとして、嬉しくなった。
    それに火星人がきたと大騒ぎになる子供たちの話し。
    これは楽しかった。常になにかに飢えて、冒険をしたくなるお年頃。つまらない日常が一瞬にして
    ワクワクだら

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    2026年07月25日
  • 恐怖症・偏執狂辞典: 世にも奇妙な99の妄想の歴史

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    自身に当てはまるといったものや、そんな恐怖症・偏執狂がいるのかと驚くものまで書かれていた。
    文化圏の違いから生じる恐怖症(生き埋め恐怖症)は解説部分を読んでいたら「なるほど。それは怖い」と納得した。
    解説がものによって極端に短いものがあったのは惜しい気持ちがした。

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    2026年07月25日
  • 1984

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    ネタバレ

    1984

    政治小説としての完成度もさることながら、感情や自然も鮮やかに描き出す表現力にも驚かされた

    世界は革命を経て中産階級がブルジョワジーににるという構造を何度も繰り返し、独裁も民主主義も封建制も長続きはしないし、人の生には限りがある
    なので、ビッグブラザーという不滅の概念を作り出して寿命から逃れ、人々の記憶を外部にも内部にも残せぬようにし、ニュースピークという思考を狭める言語を開発することによって革命を不可能にする
    それでも科学技術は失わぬように、人々には二重思考という正しいことを知りながら次の瞬間には間違ったことを辛抱できるような思考法を身につける
    世界は常にパネルと個人と家族によっ

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    2026年07月05日
  • 新訳 動物農場

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    ジョージ・オーウェルの代表作ではあったものの読んだことはなかった。我々は人なのか豚なのか、、風刺なのか現実なのか。豚というチョイスは本当に絶妙であるなと思う。人が人であることは、思い出し継いでいくことができることだと感じる。改めて『1984』も読もうと思う。

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    2026年06月07日
  • 失われたものたちの本

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    母親を亡くした少年の心の闇が見せた不思議な世界への冒険物語ですが、はてしない物語の構成に少し似ているなと感じた。
    ですが、この本はグロテスクで凄まじい冒険で、普段は絶対に読まないような生々しい描写が多い。
    にもかかわらず、最初から引き込まれて止まらなくなりました。
    読み終わったらまた最初から読みたくなった。
    おもしろい!

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    2026年05月17日
  • 新訳 動物農場

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    2026年4月現在に読むジョージ・オーウェルの『動物農場』こわすぎ
    なんで今のことが書いてあるんだよ~~~…とめしょめしょしながら読んでいた。もう有名作品すぎるけれども、本編はもちろんだけれど、巻末に収録されていたオーウェルの序文がかなりよかった
    当時の社会情勢(ソヴィエトなど)のことを批判しているが、2026年現在にもバチバチにハマっている。
    正義や平等に関心を持たない動物たちがなんの抵抗もしないまま従順を受け入れることで、指導者が暴走してそのコミュニティごと破滅へ向かっていく。リアルタイムで起こっていることすぎて、読んでいてみぞおちあたりが重くなった。

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    2026年04月30日
  • 1984

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    戦時中の日本を想像せざるを得ないのですが、これは世界中の人がそう思うのか、それぞれの国の過去を思うのか。
    …と思いながら、解説を読んで大変ためになりました。
    二重思考も、今もあちこちにあるという話も納得せざるを得ません。

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    2026年04月09日
  • 1984

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    1949年に書かれたとは信じられないほど、現代世界――とりわけ中国の姿を映し出している。テレスクリーンはまるでスマートフォン。多様性に関する公文書の削除が進んだトランプ政権や、検閲が行われ都合の悪い過去が語られず、SNSなどを通じて人々の行動が日々モニターされる習近平政権のあり方とも重なる。科学が発達した時代における独裁者の思考、そしてその世界で生きる人々の心の動きや行動の機微――互いに監視し合い、常に見られているという意識が猜疑心を生み出していく様子が生々しい。言葉を書き換えることで人々の認識する世界そのものが変えられていく恐ろしさ。まさにディストピア小説の金字塔といえる一冊。

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    2026年03月25日
  • 1984

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    村上春樹の1Q84を読んでいつか読んでみよう、と思っていた。
    小説の中の話だと思いながらも、実は自分の生きている世界も1984と同じ、ビックブラザーに支配された世界なのではと思ってしまった。
    思ったことを書きたいがこの感想も見られているのではないかと、手に汗握ってしまう。笑
    2+2=5
    過去は変えられる
    いつか書店で見かけたら昔の翻訳本も読んでみたいと思った。

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    2026年03月23日
  • 新訳 動物農場

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    名前に惹かれて買ってみた。
    動物主義‥アニマリズム何それ面白いやんて思ってたけど、最後は動物主義じゃなくて、欲にまみれた生き物の醜態を確認できた。動物と人間の違い、支配する者とされる者の違い、これは人種やその生物という枠組みではなく、その(悪意に満ちた)意志を持つ生き物によると感じた。
    搾取される者は搾取になれるとまるでそれが当たり前のように考えてしまうようになる。自分は常に意志を持ち、考え続けていこうと思った。そういう意味では、この本を読んだことには意味があったと感じた。

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    2026年03月09日
  • 新訳 動物農場

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    10年という歳月を経て再読

    その頃より物語が身近になっていて、窓の外が澄んで見えた
    ただし澄んだからといって、綺麗になったとは限らない

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    2026年02月24日
  • 1984

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    悪役令嬢モノじゃない
    この作品はニヒリズムなのだろうか、はたまた理想主義か。
    社会主義を批判しているのは明らかだが、逆に社会主義に理想を持っているようにも見える。
    制約の中の小さな自由もまた、作られた自由だった。
    全ての自由は自らが自由と考えての自由ではなく、与えられた自由であり、そこに希望と絶望を感じる。
    ラストシーンでは、自由でないと感じていた主人公が、元の生活に戻り自由を感じている。

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    2026年03月02日
  • 1984

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    ネタバレ

    49年に刊行されたディストピア小説
    全体主義の世界
    イングソック、ニュースピーク
    指の本数を数えさせる狂信者オブライエン
    恐らく本作1番の被害者ジュリア
    2+2=5
    ラストには衝撃と虚無感を禁じえない
    後書き、解説(内田樹)まで素晴らしい

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    2026年02月17日
  • 新訳 動物農場

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    ソヴィエト(スターリン)風刺・批判
    権力と腐敗を描く
    変化の無い搾取の構造

    独裁者の成功
    「平等」から「特権」へ
    ルールの改竄

    ラストシーン
    テヘラン会談がモデル→冷戦の暗示
    ♠1→“イカサマ”の象徴、切り札
    「人間と豚の区別がつかなくなる」

    歴史のメタファー
    メイジャーじいさん→マルクス
    ナポレオン→スターリン
    スノーボール→トロツキー
    スクウィーラー→モロトフ?
    モリー→ブルジョワ階級の代表者?
    ボクサー→労働者階級の代表者

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    2026年01月31日
  • こうしてイギリスから熊がいなくなりました

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    ネタバレ

    真夜中の精霊であり、罪を食い、犬と闘い、サーカスで働き、下水処理をする熊たちの奇妙な味の8つの寓話。

    イギリスでは乱獲により熊は絶滅し、さらに「熊いじめ」というブラッド・スポーツが19世紀まで行われていた、そのイギリスの作家による仄暗くユーモアたっぷりの不思議な物語たち。

    ミック・ジャクソンは容赦ない。描かれるクマは悲しみを誘うけれどちっとも可愛くないし人間も泥臭くずるがしこく浅ましい。そんな熊と人間がまるで心を通わせたかと思ったときにちゃんと現実を教えてくれる。特に74頁。

    こういう話を読むと「この本に出合えて良かったなぁ」と強く思います。

    イギリスと言えばプーさんやパディントンの国

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    2025年12月20日
  • 1984

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    天変地異でも起こらない限り決して崩壊することがないような完全に支配された希望なきディストピア世界の物語。

    終盤にはまさかのどんでん返しもあり楽しめた。

    ナチスドイツや北朝鮮、ポルポト政権下のカンボジアの様な国や時代を連想させる部分も多く、読んだ後に世界について、社会について考えたり話したりしたくなる作品。

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    2026年05月08日
  • 吸血鬼ドラキュラ

    購入済み

    永遠のファンタジー

    何十年も前にクリストファーリー主演の映画が公開されて、本も買って何度も読みました。
    本は無くなってしまいましたが、スマホで見れるので2度見直しました。
    いろいろなドラキュラが出ましたが、ブラムストーカーのものが最高です。
    さて、また楽しみますか

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    2025年10月01日
  • 失われたものたちの国

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    前作がかなりダークだったので覚悟して読み始めたが、前作にあった理不尽な怖さは感じなかった。前作が書かれて17年経っての続編。母を喪った子の話と、子を失ないかけている母。相似する部分もあれば対比されている部分もある。一方で、主人公を女性にすることで、現代の女性が抱える問題、例えばミソジニーについても取り上げられている。最後のドライアドの人称がwe/theyであることも、種族の代表であるという意味だけでなく、最近のLGBTQ的配慮なのかもしれないと感じた。前作と今作、それぞれに魅力のある本で、両方を読むことで面白さも増えるものだった。

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    2025年07月24日