田内志文のレビュー一覧
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イギリスが生み出した(^(エ)^)キャラは有名なのに、この国では11世紀には野生の熊は乱獲により絶滅、動物虐待ショーをするために熊を輸入していたそうだ。
そもそも人間が生み出したキャラクターたちとその生態とにこれほどギャップが激しい動物も珍しいのだが、本書に登場する熊は、熊本来の野生と我々が熊に感じる独特の神秘性を備え、8つの話に見事に収められている。(ちなみに私のお薦めは「下水熊」)
短編集ではなく、串刺しで読まないと意味がない。
話(時代)の順に、熊たちは森から町に近づき、聖性を失い、人に虐げられるようになる。いつも彼らに言葉はなく、荒ぶる野生を抑えながら運命と諦めるがごとく哀しく生きるが -
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失われたものたちの本
少年が物語の世界へ入り込む系の話に弱く、手に取る。
病気で母親を亡くした少年、父には新しい女性と再婚、子供までできて少年は自分の居場所を失ってしまう。
そんな時、彼方から声が聞こえてきて物語の世界に飛び込む。
童話風の語りで進むためロングバージョンの話を聴いている感じで進む
荒れ果てた物語の王国では、合間に読んだ探偵モノの殺人よりも数倍惨いことが起きていて、よくある昔話の原型はグロさが強いという話を思い出す。
終盤はこれまた昔話風の"それから"の話が怒涛の勢いで話が終わる。
ちょっと疲れたけど、登場人物たちが少年にとっての何の象徴なのかを追いつつ -
Posted by ブクログ
1作目より,よくできている~おとぎの国のフェアリーマザーの血を引くアレックスとコナーの母親に求婚しようとしているのは母が勤めている病院の医師でボブという名だ。犬で丸め込まれてボブの応援をする気になった二人が,母親の帰りを待つが,いくら待っても帰ってこない。お祖母ちゃんからの知らせは,死んだはずの悪の魔女が生き返って,復讐のために,魔法後継者だと勘違いして,二人の母を掠っていったらしい。アレックスは祖母の小屋に辿り着き,沼の絵の前で祈りを捧げ,心配で跡を追ってきたコナー共々,ドワーフの森の池に墜ちたことを悟った。フロッギーと再会し眠れる森は悪の手に落ちたこと,他国も同様の危機の縁にあることを知る
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Posted by ブクログ
ネタバレ学校の課外授業と言うか、遊びに行くでもなく費用を自分のお小遣いからって世知辛く感じだけどそう言うものなのかな。
魔法の押し売りをしてくるアレックスにかなりイラついてしまった。こんなキャラでしたっけ。環境の変化とプレッシャーですかね。大切な寓話的描写として見れば必要なのでしょうが、はやくスッキリ反省してもらいたい!
ゴージャス過ぎるフェアリーゴッドマザーの部屋って言うのが、脳内でどうにも悪趣味に膨らんでしまった。真紅の薔薇色の雲のせいか、鳩のせいか宝石か。簡素でお茶目なお婆ちゃんの方が魅力的に感じるなぁ。
やはり私はレッド推しですね。素直でかわいいし、時々含蓄のある良いこと言う。多少わがま -
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Posted by ブクログ
「めでたしめでたし」のその後は。
物語の大好きなアレックス、授業はつい居眠りしてしまうコナーは双子のきょうだい。お父さんを亡くし、お母さんは忙しく、寂しい思いをしていたが、12歳の誕生日におばあちゃんからもらった『ザ・ランド・オブ・ストーリーズ』の本の中に吸い込まれて――。自分たちの世界に帰るため、おとぎ話の登場人物たちと、時に戦い、時に助けられ、二人は冒険の旅に出る。向こうの世界に隠された秘密。皆が知っている童話の主人公たちのそれから。二人が最後に得たものは。
映画化がすでに決定しているらしいけど、確かにファンタジー映画になっていそうな話。ディズニーの実写版のイメージかな。わくわくする物